拡大するXRとは? VR、AR、MRとの違い、最新の活用事例等を交えて解説

2022.04.22

2022.01.20

IT技術やデバイスの進化に伴い、近年注目が集まっている「XR(クロスリアリティ)」。

XR技術を活用した取り組みを行う企業は増えており、今後も増えることが予測されている。

XRと似た意味を持つ言葉として、VR、AR、MRなどがあるが、これらの違いを理解して説明できる人は、意外に少ないのではないだろうか。

本記事では、XRの概要から、VR、AR、MRなどの違いを解説すると共に、XR技術の活用に積極的な姿勢を見せている企業の活用事例について紹介する。

XR(クロスリアリティ)とは?

XRとは、一体どのようなものなのか。XRと混同されがちな、VR、AR、MRなどの違いを踏まえながら解説する。

XRとは何か?

XRとは、現実世界と仮想世界を融合させることにより、現実にはないものや情報を体験できる技術の総称のことをいう。後ほど解説する、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などといった技術は、すべてXRに含まれる。

XRは「​​Cross Reality」または「Extended reality」の略。また「x」はVRやARなど、さまざまな技術を表わす変数としての意味を持っており「xR」と表記されることもある

近年は、VRやARなどを単体ではなく、複合した技術が多く登場しており、その技術がVRを示すのか、ARを示すのか、境界線を引くのは困難である。そうした背景から、XRという言葉が生まれた。

VR、AR、MRとの違いとは?

VR、AR、MRは、意味が混同されがちだ。各用語でどのような違いがあるのか、用語の意味をそれぞれ解説する。

まず、VR(仮想現実)は「Virtual Reality」の略で、仮想世界をあたかも現実世界のように錯覚させる技術のことをいう。専用のヘッドマウントディスプレーを装着して体験でき、仮想世界を360°体感できるのが特徴だ。

VRは近年、ゲームのみならず、アバターを表示させる技術を活用した取り組みが広がりを見せている。仕事の現場を再現したVR研修や、VRミーティング、VRキャンパス、VRオフィスなどがその代表例だ。

次に、AR(拡張現実)は「Augmented Reality」の略で、現実世界の一部に仮想世界を重ね合わせて体験できる技術のことをいう。スマホやヘッドマウントディスプレーを介して現実世界を見た際に、仮想のデータや画像が表示される仕組みだ。

近年は、買物の利便性を高めるために導入されているケースが目立つ。家具店のオンラインストアが、その代表例である。自分の部屋にスマホかざし、家具の画像を重ねることで、利用者は商品のイメージを確認することができる。

最後に、MR(複合現実)は「Mixed Reality」の略で、現実世界と仮想世界を融合させる技術のことをいう。ARと定義が似ているが、ARはあくまで現実世界を拡張するのに対して、MRはVRとARを組み合わせることにより、現実世界と仮想世界を同時に体験できるのが特徴だ。

MRが発展することにより、建設業や製造業、医療業をはじめ、多くのビジネスシーンで良い影響を与えることが期待されている。

XRの市場規模

XRは今後も、さまざまな領域での活用が期待されていることから、市場規模はさらに拡大していくだろう。

事実、2021年9月に「REPORTOCEAN」が発行したレポートによると、2026年までにXRの世界市場は、62%以上の成長率で成長すると予想されている。

なお、XR市場の地域分析は、アジア太平洋、北米、欧州、ラテンアメリカなどの主要地域が対象で、北米において技術革新が急速に進んでいる。

一方、アジア太平洋地域も、これからの発展が予想されており、26年までに最も高い成長率(CAGA:年平均成長率)を記録する見とおしだ。

XRの活用事例

ここからは、XRの活用事例として、VR、AR、MRの3つについて、それぞれの技術を活用している最新の事例を紹介する。

VRの活用事例

VRの活用事例として、以下3つの事例を紹介する。

  1. 大丸松坂屋百貨店
  2. 京王電鉄
  3. イーオン

1.大丸松坂屋百貨店の事例

株式会社大丸松坂屋百貨店は、21年12月、世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット6」に、次世代店舗「バーチャル大丸・松坂屋」を出展した。

大丸松坂屋百貨店は、これまでに2度バーチャルマーケットに出展しており、3度目の出展となった今回から新たな取り組みの一つとして「食品3Dモデルの販売」を実施。

来場者は、食品3Dモデルを手に取って商品の形状を確認することができ、さらにはバーチャルカタログで詳細の確認をしたり、実際に商品を購入したりすることもできる。

バーチャル空間では、ビールやスイーツの3Dモデルを使用してのコミュニケーションが盛んである。このような「V呑み」を応援するべく「食品3Dモデルの販売」の実施に至ったという。

2.京王電鉄の事例

京王電鉄株式会社は、21年9月、株式会社ハシラスと共に、京王線新宿駅のイベントスペースにて「VRでキャンプ体験!in 京王新宿」を開催した。

新型コロナウイルスの影響による外出自粛が続く中、近年ブームとなっている「キャンプ」をより身近に感じてもらうことが目的だ。

当イベントのVR内では、アウトドアブランド「DOD」のグッズを使ったキャンプの疑似体験に加え、高尾山のそばにあるホテル「タカオネ」の360°映像を視聴することができる。

タカオネは「タカオネで過ごす時間そのものが、アクティビティのような一つの体験として楽しめること」を目的に、21年7月にオープンした活動ホテルである。

イーオン

株式会社イーオンは、21年12月、米カリフォルニア州のImmerse Inc.が開発した、VR英語学習プラットフォーム「immerse」を使用した新レッスン「AEON VR」のパイロットレッスンの提供を開始した。

イーオンはこの取り組みについて、VRの特徴を活かした実際の場面に近い実践練習の効果に最も期待を見せている。また、学習者にとっても、さまざまな英語使用シーンを意識した練習をすることにより効率的な上達が期待される。

イーオンは、今回の「AEON VR」のパイロットレッスンを通して、今後の事業展開等の可能性を探る予定を示している。

ARの活用事例

ARの活用事例として、以下2つの事例を紹介する。

  1. 小田急百貨店
  2. 小田急電鉄×docomo

1.小田急百貨店の事例

株式会社小田急百貨店は、22年1月、株式会社NTTデータNJK、株式会社CinemaLeap、小田急電鉄株式会社と合同で「TSUKUMO-KAMI: soul of folk toys」を開催。

TSUKUMO-KAMI: soul of folk toysは、日本の伝統工芸文化がテーマだ。展示された玩具をARグラスを利用して見ると、各玩具に宿る「神」が浮かび上がり、玩具とのコラボレーションを楽しむことができる。

なお、この展示会は、最新のデジタル技術等を活用したイベント産業の高度化推進を一つの目的に、経済産業省の委託事業として取り組んだものだ。

2.小田急電鉄×docomoの事例

小田急電鉄株式会社と株式会社NTTドコモは、21年12月、株式会社小田急百貨店、株式会社MESONと共に、ARイベント「SAINT RAY|聖なる光『サン・レイ』は僕らをデジタルヒーリングの世界へイザナう」を開催。

このイベントでは、スマホを用いることにより、ハルクスポーツで実際に売られているシューズを手軽かつ瞬時にデジタル上で試着でき、いやしのひとときを楽しむことができる。

小田急電鉄は、新宿のまちづくり活動の一環として、デジタルと現実世界を融合させた新しい感動やワクワクにあふれる街の実現に貢献。

一方、ドコモは、MESONと共にXRコンテンツの企画開発を行い、店舗への送客、購買の支援および購買支援の効果検証を行った。

MRの活用事例

MRの活用事例として、以下2つの事例を紹介する。

  1. LGディスプレイ
  2. ニトリ×ドコモ

1.LGディスプレイの事例

LGディスプレイジャパン株式会社は、20年11月、株式会社博報堂プロダクツと、ニューノーマルなブランド体験を実現する「次世代デジタルサイネージプログラム」の提供を開始。

提供を開始するにあたり、メルセデス・ベンツ日本株式会社が展開するブランド発信拠点「Mercedes me Tokyo(六本木)」を利用した。当拠点は「気軽にメルセデス・ベンツの世界観に触れてほしい」というコンセプトのもと、カフェやレストラン等が併設されたライフスタイル提案型ショールームである。

当サイネージプログラムは、実際の商品とスクリーン上の商品コンテンツが融合し、あたかも車体に触れながら、人から説明を受けているような体験をできるのが特徴だ。

2.ニトリ×ドコモの事例

株式会社ニトリと株式会社NTTドコモは、2021年2月、XRサービスの検討に関する協業契約を締結した。

契約締結から1カ月後の同年3月には、XR体験の実証実験を開始。専用の装置を装着することにより、システムキッチンが実際の空間に現れ、あたかも実在しているかのような体験ができる。

MRの活用により、システムキッチンの設置スペースのサイズにとらわれることなく、利用者は膨大なバリエーションの中から、3Dモデルを見ることが可能となった。

また、この体験は複数名で利用できるため、利用者同士での感想の共有や、従業員のスムーズな対応が可能になるという。

XR(クロスリアリティ)のまとめ

今回は「XR」について、その概要から、VR、AR、MRとの違い、XR技術の活用に積極的な姿勢を見せている企業の活用事例について紹介してきた。

現状、XR技術を活用している企業は限られているが、年を重ねるごとにXR技術を活用する企業は増えていくだろう。

XR技術の活用が、私達の生活にどのような影響を与え、どう生活が変化していくのか、XR市場には注目しておきたい。

お役立ち資料データ

  • 顧客を知り尽くした究極の1to1マーケティングとは

    今の時代消費者は”個人”を中心に動いています。 コロナを経て、「ニューノーマル」といわれる現在、日常生活におけるオンライン時間は急激に増えています。多くの製品をインターネットで見つけることができ、購買に至るまでの検討期間が長くなっています。さらに簡単には店舗来店がなく、直接接客も難しくなっています。個人の行動をリアルタイムに把握しなければ、本当に顧客が「欲しい」と願ったタイミングを捉えることは難しいのではないでしょうか。 では、どうすれば企業は顧客が「欲しい」と願ったタイミングを捉え、コミュニケーションを図ることができるのでしょうか? 本資料では、どのようにお客様の行動を理解し、オンラインとオ…

  • 小売業が顧客体験戦略を進化させるための4つのテーマとは?

    新型コロナウイルスの拡大により、ブランドや小売業者が急ぎ導入した短期的なソリューションは、ショッピング体験に大きな影響をあたえています。結果として、消費者はこれまでにないほど多数のチャネルと選択肢を持ち、小売業者に対して高い期待を抱くようになりました。 Salesforceでは、高まる消費者の期待と小売業界の置かれた現状を分析。世界1,600人の消費者と、1,000人以上の小売業界幹部に調査を実施した結果、以下のことが明らかになりました。 ●顧客対応に関する消費者の期待は増々上がっている ●ブランドを差別化するための新たなポイントはロイヤルティ ●ブランドや小売業者は、顧客体験戦略を進化させつ…

  • Googleマップ対策で集客向上!有名企業8社の成功事例集!

    【PR】株式会社カンリー 「PRONTO」「パリミキ」「てもみん」など、飲食・小売・サービス業における有名店舗も実施!Googleマップの店舗情報を一括管理することで、店舗集客の向上や業務効率化に繋がった事例を8社分ご紹介。 「Canly(カンリー)」は2万店舗以上でご利用いただいている、Googleマップ・SNS・HPの一括管理サービスです。複数店舗を運営する企業様に集客向上・業務効率化を目的としてご活用いただいています。本資料では、Canlyを活用し成果の出た企業様の事例をご紹介します。 ▶︎掲載している企業 【飲食業】 ・ニラックス様(すかいらーくグループで70店舗運営) …