ソフトバンク、通信キャリアとしての総合力を生かし小売DXサービスを強化
2023.09.07
人手不足や物価上昇など、小売業の抱える課題は大きい。ソフトバンクは通信キャリアとしての総合力を生かし、小売業の課題解決に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)サービスを一気通貫で展開している。

ソフトバンクは9月4日、同社グループの小売DXサービスや最新事例について発表した。
■道路交通量データ「トラカン」 ※10月販売予定
位置情報を活用したビックデータを活用し、道路通行量を網羅的かつスピーディに分析できるサービス。ソフトバンクの子会社で位置情報を活用したビッグデータ事業を手がけるAgoopが提供する。

「トラカン」は、日本全国の主要道路における上り、下り別から細街路まで、位置情報を基にきめ細かく捉えた通行量データを保有している。移動手段や速度、移動方向、性年代ごとの時間帯別通行量を、平日休日に分けて、エリアを指定して把握することが可能だ。
小売業における、新店出店に伴うリサーチはもちろん、既存店の経営分析にも活用できる可能性がある。
■ビジネスダッシュボード ※9月下旬発売予定
売上げやレジ通過数といった自社の経営指標の推移を、自社および他社のCM出稿量、Yahoo! JAPAN!でのキーワード検索量等を踏まえて比較分析できるサービス。

自社のPOS分析だけでは、売上げの増減を競合と比較して語ることは難しい。しかし、自社売上げデータを他社含む検索キーワードデータと比較分析することができれば、仮説や兆しを捉えることはできる。
今年4月ごろからカインズがこのサービスを先行導入し、商品カテゴリーごとのレジ通過数分析に活用している。すでにレジ通過数とキーワード検索が相関するケースとしないケースなど、これまで得られなかった新しい予兆の発見もあったようだ。

この他にも、ソフトバンクはAI(人工知能)需要予測の「サキミル」やスマホ活用による効率化など、小売DXサービスを幅広く展開している。
ソフトバンクとしては、こうした小売DXサービスの展開を通じて、さまざまな課題に対するソリューションが提供できることを強調した。