オイシックスがAIを活用した「需要予測システム」をローンチ、調達における予測誤差率20.2%改善

2024.01.17

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地では、2022年より成長戦略として、「ビジネスモデルとテクノロジーの力で地球にも人にもよい食を提供する」を掲げ、テクノロジーとデータを活用したサステナブルリテール(持続可能な小売り業)の実現を推進している。

その戦略の一つとして発足したデータ活用を専門とする組織、DataManagementOffice(以下:DMO)にて、オイシックス・ラ・大地では初となるAIを用いた「需要予測システム」を2023年11月にローンチ、これにより、食品宅配サービスOisixにおいて過剰発注の減少による食品ロスの削減や、商品の売り切れの減少によるお客さま満足度の向上の実現を目指す。

■複雑な商流とサイロ化された情報によりデータ活用が遅れている食品業界

食品業界、特に青果流通では、生産から販売、配送に至るまでの中間流通での介在者が多く、デジタル化やシステムの連携が難しいため、データの分断やサイロ化が起こりやすく、DXが遅れているのが現状だ。情報流の分断によって、上流で必要な情報が共有されなかったり、最新ではない実績データや需要予測・発注数の共有に終わり、結果としてサプライチェーンでのロスが大きく、課題となっている。

■AIを活用した「需要予測システム」の導入効果について

この度ローンチした需要予測システムは、Oisixの主力商品である”KitOisix”の予測を行っておる。従前は、担当者が一定のデータと経験値をもとに予測を立てており、考慮の幅に限界があった。

また、予測を立てるために時間も要するため、本来必要となる「売るための仕掛けを考える時間」が削られていた。需要予測システムにはAIを導入、お客の行動、購買データ、レシピデータ、販促データなどを学習させることにより、順調に改善率を上げることが可能になり、11月のローンチ後1か月で、予測誤差率20.2%の改善(旧ロジックと新ロジックにおける相対改善率)につながっている。

■需要予測システムにより更なる顧客体験の向上、フードロス削減へ

需要予測システムの導入によって最適値での発注が可能になることで、「欠品率」「在庫回転率」が改善される。「欠品率」の改善については、買いたいものが売り切れの状態なく購入できるため顧客体験の向上につながり、また、購入の機会損失がなくなるため売上向上にも寄与する。「在庫回転率」の改善については、売り切るための販促費の削減、物流コストの削減が可能になるだけではなく、更なるフードロス削減にも寄与する。

サステナブルリテール(持続可能な小売業)を推進するオイシックス・ラ・大地では、更なる顧客体験向上および、フードロスゼロを目指し、今後もデータの積極的な活用を行っていく。

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