ナビゲーションエンジン技術を生かした店舗事業者向けサービスで小売業DXを強力にサポートするナビタイムジャパン

2022.04.22

2022.02.03

徒歩、電車、バス、クルマ、自転車などのさまざまな移動手段に適したナビゲーションサービスをコンシューマー向けに提供しているナビタイムジャパンは、その強みである経路探索エンジンの技術を軸に移動・交通に関わる多様なデータベースを生かし、ビジネス向けのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)に取り組んでいる。

「目的地までの最適な移動には、さまざまな移動手段をシームレスに利用できることが重要ですが、当社では、2001年に、徒歩・公共交通・クルマ等の移動手段を組み合わせた検索ができる『NAVITIME』の提供を開始しました。創業以来、継続してさまざまな移動手段をつないだ『トータルナビゲーション』で移動を支えるサービスの開発に取り組んできています」と内門智弥・株式会社ナビタイムジャパンロケーションマーケティング事業部部長は同社の強みを説明する。

複数の移動手段を組み合わせて最適な経路を提示する「トータルナビゲーション」は、ナビタイムジャパンの強みであるが、それを機能させるためには目的地や経由地を設定するための店舗データを管理する必要がある。

ナビタイムジャパンでは、全国の900万件の施設データを収集、さらにそれを検索、運用し続けるノウハウがあり、それを店舗データの管理に生かしている。

ビジネス向けのSaaSは、その機能を応用して店舗事業者向けに提供するもので、まさに同社がこれまで蓄積してきた技術を生かした形の事業であるといえる。

店舗事業者向けサービスが、コンシューマーの利便性に結び付く

同社のサービスの1つである「NAVITIME Location Cloud」は、店舗の事業者からデータを預かり、それをいろいろな形でアウトプットすることでデータ管理工数の削減や店舗マーケティングに貢献するビジネス向けのサービスだが、これによってコンシューマー向けサービスの内容をより充実させるという好循環が生まれる。

情報が充実することで、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)の改善にもつながり、結果として店舗の事業者にとっては情報の露出が増え、さらにコンシューマーにとっては利便性が向上するという効果を生む。

このNAVITIME Location Cloudの重要なポイントとして、「ローカル検索」を挙げることができる。ローカル検索、つまり、近くの店を探す行動をする人はその後の来店確率も高く、購買につながりやすいというデータがある。Googleのレポートによれば、モバイル検索の30%は場所に関連がある検索であり、ローカル検索をした人の76%が1日以内にその場所を訪れるという。

さらに最近は、検索数自体が増加傾向にある。新型コロナウイルスの影響もあって、営業時間や混雑具合、予約の有無など、事前に店の正しい情報を得るニーズが増えていることもあるだろう。

また、コンシューマーが求める情報が多様化しているということもある。結果的に、以前にも増して情報の正確性が求められるようになっているという。営業時間はもちろん、混雑具合、サービス、在庫など即時性ある正確な情報が求められるようになっている。

ローカル検索対策の鍵となる「一元管理」

一方で、ローカル検索対策を実施しようとすると、実際にはさまざまな問題が生じる。

1つはメディアの多様化による問題。

特に昨今は、ローカル検索において「Googleビジネスプロフィール」の重要性が増している。Googleで検索した際、Googleビジネスプロフィールのページが検索結果よりも上に表示されることから、こちらのクリック率が高くなっているためだ。

またGoogleビジネスプロフィールによる情報だけでなく、ユーザーは多くのメディアから店の情報を得ている。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や、地図アプリ、比較サイトなど業態や利用者の属性によっても利用されるメディアは多様化しており、逆にこの多様なメディアに店舗の情報を掲載していないと、ユーザーに店舗を検索してもらえない可能性が高くなっている。

こうした多様なメディアへのデータ掲載も可能となっているが、実際にそれをしようとすると、データ管理に対する課題が出てくる。例えば、情報収集段階では、キャンペーン情報などは情報の出所がさまざまな部署に渡るものもあり、こうしたものを集めるのに手間や時間がかかるという問題がある。

あるいはデータを各メディアに配信する段階では、非常に手間がかかるという問題がある。例えば営業時間の入稿の仕方では、多くのサイトが「平日」「土日」の区分けになっているのに対し、Googleビジネスプロフィールの場合は、「月曜日」「火曜日」「水曜日」…といった区分けになっている。また、あるメディアでは、ふりがなが必要であったり、住所を要素ごと分けて入力する方式になっている。こうした違いに対応しなければならない。

NAVITIME Location Cloudではそれらメディアごとに異なるデータ・フォーマットに対し、店舗データを一元管理できるクラウド上の管理ツールの「Location Cloud Manager」を提供することで解決を図っている。

管理ツールにデータを入力すれば、自社ホームページの検索サイトだけでなく、Google、あるいはYahoo! JAPAN、Microsoft Bingなどにも自動的に連携することができる。

Location Cloud Managerイメージ

ナビタイムジャパンでは、全国900万件の施設データに加え、地図データ、住所データなどの地点データを整備しているため、それを掛け合わせることで適切な形でデータを反映できる。地理情報を自動的に補完したり、データを自動的に補正したりといったことができるため、個別の違いに対応することができるわけだ。

また、NAVITIME Location Cloud のローカル検索では、SEO対策に加えてGoogleビジネスプロフィールのMEO(Map Engine Optimization、マップエンジン最適化)対策が重要になっていることから、それにも対応する機能を提供している。

マーケティングに活用するためのツールも用意

NAVITIME Location Cloudはデータ管理の効率化を図ることができるだけでなく、データをマーケティングにも活用できるツールも提供している。

「Location Cloud Media」は、オウンドメディアのサービスで、例えば自社サイト内に店舗案内サイトを構築するもの。NAVITIME Location Cloudにデータを登録するだけで簡単にサイト構築でき、サイト公開までは最短1週間となっている。

豊富な標準機能を持ち、フリーワードや地図からの検索機能はもちろん、条件から絞り込むといった機能を用意している他、条件の追加も簡単にできる。デザインのカスタマイズにも柔軟に対応。ナビタイムジャパンの強みとして、地図による現在地からの検索や最寄り駅からの行き方など交通系の情報が充実していることがある。

特に「カテゴリー名×地名」の検索に対して、網羅的に対応できるようにしていることがポイントだ。仮に店舗がない地名で検索された際にも、その地名の近くの店舗を表示するといったことを行うようにしている。

B-R サーティワン アイスクリームの店舗案内サイト

提供したい情報を発信し、場合によっては注文や予約を受け付けたり、アプリのダウンロードを促すといった機能も付けることができる。SEOだけでなく、その先のコンバージョンにまで対応したサービスとなっていることが特徴だ。

さらに、ナビタイムジャパンは、ルート検索を自前で手掛けていることから、そのデータを解析することで店の商圏の推定もできたりする。例えば、コインランドリーの検索を調べたところホテルからの検索が多いといったことが分かるなど、意外な商圏の広がりが分かったりする。

内門氏はナビタイムジャパンの強みについて、「連携メディアがGoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンや地図メディア、SNS、カーナビなど幅広いこと、自社用の店舗検索メディア構築もできること、さらに自動変換・補完機能などでデータ管理がしやすいこと、この3つがポイントになっている」と語る。

NAVITIME Location Cloudの全体像

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