カインズモザイクモール港北店が7月15日オープン、出店強化の神奈川県、駅前SC2階の都市型小型店

2026.07.21

カインズは7月15日、横浜市都筑区、横浜市営地下鉄のセンター北駅前にある多層階のショッピングセンター(SC)「モザイクモール港北」の2階にモザイクモール港北店をオープンした。立地するのは計画的に整備された港北ニュータウンの中心部で、商業施設と自然環境が共存する人気の住宅エリアである。

同施設にホームセンター(HC)が入るのは開業以来初めてで、カインズにとっても都筑区への出店は初となる。エイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急商業開発が運営する同施設の2階で、複数のテナント区画をまとめた一角に、売場面積721坪の都市型のフォーマットの位置づけとなる。

売場レうアウト図。入口は多カ所あり、かつ中央部にはエスカレータもあるが、メインの入口は下のSC内側となる見込み

都筑区周辺はファミリー層の流入が続く一方で共働き世帯が増え、「効率よく、むだなく買物を済ませたい」というニーズが高まっているエリアだという。全国29都道府県に267店(同店を含む)を展開するカインズにとって、人口の厚い港北ニュータウン一帯は長らく出店の空白地帯だった。

同店はこの空白を埋め、地域での認知を高める起点と位置づけられる。神奈川県は出店強化エリアに分類されており、HCの「カインズ」としては同店を含め県内15店体制、他に別フォーマットのライフスタイル軸で売場を構成した商業施設出店の「StyleFactory(スタイルファクトリー)」が1店、プロ向けの「C’z PRO(シーズプロ)」が3店ある。「カインズ」フォーマットとしても県内でもそよら湘南茅ヶ崎店(茅ヶ崎市)や西友平塚店(平塚市)など商業施設内への出店で成功事例を積み重ねてきており、そのノウハウを注ぎ込んだ形だ。

商圏の特徴としてまず挙がるのが坂の多さである。起伏に富んだ地形の横浜では電動アシスト自転車の保有率が高いといい、自転車関連の需要を大きく見込む。また持ち家に加えて集合住宅、マンションが多く、住まいのメンテナンスや隙間収納といった省スペース商材が強いエリアだという。何よりの魅力は足元の人口の厚みだとしている。

そのため、SCに面した店頭に自転車売場とリフォームカウンターを配置。この2つの売場を核として訴求するレイアウトにしている。

売場へは複数の入口でつながり、エレベーターにも直結する。最も間口が広いSC内側からは自転車売場、リフォームカウンターという配置で、いずれもこの商圏の特性も踏まえた都市型ならではの需要を見込んだ同店の核となる2売場である
自転車売場から広いSC内側の間口を経て入口の反対側の端にはリフォームカウンターを含むコーナーを配置
間口の広い入口の中で、自転車売場とリフォームコーナーの間のSCと面した部分には日用品の季節商品を置くことで興味を引きながら店内に誘引する。オリジナル商品が強みを発揮する

店舗規模はカインズのHCとしては小型で、テナント出店のため園芸資材や木材、石材といった外回りの商材は扱わない。取扱アイテム数は約2万7000と、面積の大きい前述の茅ヶ崎や平塚の店舗の半分程度に絞り込み、売れ筋を軸にめりはりを付けた構成とした。

ちなみに、同社全体から見たモザイクモール港北店の最寄りの既存店は東方面に5km強のところにあるシーズプロの川崎子母口店(川崎市高津区)、次は西方面に約10kmの同東名横浜店(横浜市瀬谷区)ということで、今回の出店はプロ向けでないHCとして貴重な拠点を築いたことにもなる。

カインズとしてはこれまで積み重ねてきたデジタル化などによるオペレーションの効率化を徹底しながら、極力接客など商品を案内する時間を生み出していきたいという。商品を絞り込む上ではSC内のテナントの商品構成も考慮に入れたが、それを踏まえ、カインズとしては日常のちょっとした困りごとのための商品や台所用品、洗濯用品などのライフスタイル商材を同店で買ってもらうことで、SCを訪れる働く世代のワンストップ需要を捉えたいとしている。

数は少ないものの、これまでSCテナントとしての出店を重ねてきた成果も生かす。例えば、DIY(ドゥイットユアセルフ)のための工具などは1本のゴンドラに複数カテゴリーを収める「混合棚割り」を採用し、限られたスペースで品揃えを確保している。本格的なDIY資材や屋外園芸用品を求めるお客には取り寄せで対応する他、西方面に約12km離れた最寄りの既存店であるりんかんモール店(大和市)を案内するなど、カインズ全体の利用につなげる考えだ。

混合棚割りの例。大型店などではゴンドラ1本を使う商材について、アイテムを絞り込んだ上で1本内で上下に2つの商材を混合させることで、省スペースでの必要なカテゴリーを展開できるようにしている

自転車は「CYCLE PARK」として本体からヘルメット、付属品まで幅広くラインアップし、電動アシスト自転車を中心に、使用目的や頻度、走行距離に応じた提案を行う。売場内には整備拠点「CYCLE PIT」と修理相談の専用カウンターを併設。

他店で購入した自転車の修理も受け付け、盗難補償や点検、修理工賃、部品代の割引をセットにした有料の安心パックも用意する。購入からメンテナンスまで一貫して任せられる環境を整えた。

入口の片方の端、実質的なメインの入口には商圏として需要の高い自転車売場を配置

リフォームは、実際の使用シーンをイメージできる実物展示を交え、専用カウンターで専門知識を持つ従業員が相談に応じる。センター北駅、あるいは隣のセンター南駅の周辺には大手住宅設備メーカーのショールームが集積するが、実際には一般のお客がいきなり訪ねるには敷居が高い面もある。

カインズとしてはその間をつなぐ、気軽に相談できる窓口の役割を担いたいという。必要に応じてカインズの従業員がお客とショールームに同行することなども想定する。メーカーの見積もりを元にカインズの工事部門が工賃を積算し、商品と工事のセットでの提案につなげていく。持ち家に加え、購入したマンションのメンテナンス需要も取り込む。

カインズとして強みが発揮できるペット用品は、フードや消耗品など日常の必需品を厚くそろえた。トリミングなどサービス機能を持つ同社のペット専門フォーマットの「ペッツワン」にまでは踏み込まないものの基本のラインアップは網羅。

目玉は昨年投入したオリジナル商品のペットフードのプレミアムライン「Smilia(スマイリア)」だ。笑顔の「スマイル」と、本物の素材を使う「リアル」を掛け合わせたというシリーズ名で、累計20万食を突破したという。売場では「ごちそう品質がこの価格。」を掲げ、体重3kgの小型犬なら1食当たり約45円という手ごろさを訴求する。

ペット関連は都市部でも重要な商材。フードはスーパーマーケットなどとの競争も激化しているが、カインズとしては以前から強みを発揮してきた分野。オリジナル商品のプレミアムライン「Smilia(スマイリア)」を「ごちそう品質がこの価格。」を掲げ売り込む。プレミアムでありながら小型犬で1食当たり約45円を訴求
大型店を擁するHCとして、ペット用品は品揃えで優位性を打ち出せる

昨年8月に発売した冷凍の「一緒に食べられる仲良しごはん」のように、犬と飼い主が一緒に食べられ、総合栄養食ではなく「食品」に分類される商品も並ぶ。夏場に向けたひんやりペットベッドやペットウエアなど、オリジナルの用品の強みを生かしていく。

売場が限られる中でもフードは強化。冷凍もケースを導入してエンドで展開。オリジナル商品のスマイリアの他、ナショナルブランド商品も品揃え

生活家電は昨今、オリジナル商品の開発も進む。昨年発売したオリジナル商品の掃除機のコードレススティッククリーナーは、コンパクトさに加えてヘッドを髪の毛が絡みにくい構造にしたことが特徴で、さらにスタンドを使わず壁に立てかけられる設計になっている。また、小型のため店頭に在庫も持てることから、その場で持ち帰れるといった利便性も重視。

生活家電についても関連する生活用品と併せて展開する上、オリジナル商品の開発も進めている

また、日用品では電子レンジで手軽に調理できる時短アイテムや室内で効率よく洗濯物を干せる用品など、「タイパ(時短)」「スペパ(省スペース)」に優れたオリジナル商品を前面に打ち出す。突っ張り棒で形成できる物干し竿など、マンションの限られた空間に対応する商材も厚い。

神奈川県の特徴として、瀬〆幹雄・販売本部第2ゾーン神奈川第2エリアエリアマネジャー兼くみまちマネジャーは次のように語る。「神奈川は足元の人口が多く、やはり坂が多いというところで自転車の需要が高いことと、あとは集合住宅、マンションが多いのですき間を生かす収納、商材が強いところ」

大和貴章店長は、そうした商圏に対し、「『楽カジ(家事が楽になる商品)』というところで、日常のお料理、お洗濯、お掃除のところを、年末だけではなく、その他の時季も含め、いろいろな商品の価値を届けさせていただいて、日常の小さな困りごとを解決して、楽しいや楽を届けられるところがカインズの強み」と力を込める。

電子レンジで手軽に調理できるアイテムなども訴求
省スペースに洗濯物が干せる用品など、限られたスペースでも効率的に家事ができるような商品を積極的に開発

アパレルはリカバリーウェアを展開し、オープンに合わせてフェアを開催。肌触りの良さを売りに、日常使いしやすい半袖タイプを売り込む他、長袖などは、そのまま外出もできる「ワンマイルウェア」としても提案を行う。長袖パジャマタイプは箱入りにしているが、これはギフト需要も見込んだもの。リカバリーサンダルなど関連商品も並べた。

各社、参入が続くリカバリーウェアをオリジナル商品で展開。グループのベイシア、ワークマンでも独自に開発しているが、カインズとしてはちょっとした外出着(ワンマイルウェア)としても活用できることを訴求しながら売り込む
最寄りの店舗がプロ向けのシーズプロとなっているなど、都市部の商圏で一定のプロ需要も見込めることから衣料品でもプロ向けをそろえている

食品では、4月末に発売したオリジナルビール「黄金(こがね)ラガービール」が発売1カ月で累計30万本を突破した人気商品となるなど、売場でも「家飲みビール、解禁。」と大きく打ち出す。8月24日までの期間限定で1缶125円(税込)に値下げして販売中だ。

小型店ではあるが、酒とつまみなどその関連の食品は売場を確保して展開。オリジナル商品の「黄金ラガービール」は1本税込み138円で発売し、1カ月で30万本を売り上げた。好調を受け、7月1日から8月24日までの期間限定で、1本税込み125円、24本入りケース2980円で販売

また、甘栗や干し芋の大容量パック、集まりの場で配りやすい小分けのおつまみなど、食品の売れ筋は頻度の高い消耗品と共に手前の好位置に配置した。通常の店舗ではドラッグコーナーに置かれる商品群も、青汁やMCTココアといった健康志向のオリジナル食品として展開する。

食品は酒のつまみの菓子を中心に同社の得意とする小分けができる大袋の商品を展開
ドラッグコーナーはないため、通常はドラッグコーナーで展開される健康を意識した青汁、サプリなどのオリジナル商品は、他の食品のゴンドラの裏側で展開。オリジナル商品の1シリーズである「カインズフィット」の商品もある
購買頻度の高い消耗品は手前側でゾーンを形成。同様に購買頻度の高い食品もその一部となる

園芸は屋外売場を持たない代わりに、室内で楽しめるグリーンに特化した。トレンドだという多肉植物、その一種の塊根植物に竜力、島什器で見せながら販売すると共に雨の少ない環境でも育つ「ドライガーデン」向けのオージープランツなども提案する。キーワードは「手がかからない」ことで、現代の忙しい生活を反映したものだ。観葉植物はリフォームコーナーに隣接させ、住まいづくりのイメージと結び付ける売場とした。

園芸は外売場がないこともあって、室内の観葉植物関連に特化。多肉植物などを強化している

デジタルサービスも同店の柱だ。店内2カ所に設置した商品を案内する端末は、昨年12月に次世代型店舗の初号店としてオープンした吉川美南店(埼玉県吉川市)に続く導入となる。商品を検索するとフロアマップで売場を案内し、売場位置の印刷も可能。店頭にない商品はその場で取り寄せ注文ができる。

「スマートフロアナビ」は今後、水平展開を見込むが、全店ではなく、例えば取扱商品が少ない店などには適しているとみている

また、スマホがレジになる「Pocket Reji(ポケットレジ)」、スマホから注文して店頭で受け取る「CAINZ PickUp」、注文の5分後以降に指定カウンターで受け取れる「クイックPickUp」も用意している。指定エリア内なら購入商品を1回500円(税込み、配送専用箱3個分まで)で届ける「カインズお届け便」も展開し、仕事帰りでも短時間で買物が完結する店舗体験を掲げる。

小型店ということもあって、レジはスマホレジを含め、セルフのみ。大型店と異なり、レジは中央部にサービスカウンターと隣接して設置
「激戦区でもある神奈川県の空白地帯にカインズを出店し、地域のお客さまの認知を向上していくのが使命」と語る大和貴章店長。リフォームを戦略的なコーナーと位置付ける

駅前の利便性、デジタルサービス、絞り込んだマーチャンダイジングを組み合わせ、「くらしの困りごと」をまとめて解決する都市型HCのモデルとして、港北ニュータウンの商圏深掘りを狙う。

カインズ モザイクモール港北店概要

所在地/横浜市都筑区中川中央1-31-1 モザイクモール港北2階

オープン日/2026年7月15日

営業時間/10時〜20時

売場面積/2384㎡(721坪)

駐車台数/約1100台(モザイクモール専用)

店長/大和貴章

従業員数/正社員5人、専任社員1人、パートタイマー社員8人、アルバイト35人(計49人)

お役立ち資料データ

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