セブン-イレブン、ロボットによる商品配送の実証実験本格化、エレベーターの連携で複数フロアへの配送も可能に
2022.04.12
2021.04.21
セブン-イレブン・ジャパンとソフトバンクグループでロボット関連事業を行うアスラテック、ソフトバンクの3社は、自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」を使用してセブン-イレブンの商品を配送する実証実験を4月21日から本格化する。実証実験は6月30日までの予定。
3社は今年1月18日から、ソフトバンクの社員が「セブン-イレブンネットコンビニ」(セブン-イレブンの商品をスマートフォンで注文し、指定した場所で受け取れるサービス)で商品を注文し、その商品をソフトバンクの本社が入居する東京ポートシティ竹芝オフィスタワー(東京・港区)内のセブン-イレブン店舗から同じフロアの指定された場所までRICEが配送する実証実験を試験的に行ってきた。
今回は、三菱電機と東急不動産の協力の下、RICEとエレベーターを連携させることで、他のフロアへの配送も開始した。三菱電機はエレベーターを活用したロボットのフロア間移動を実現するIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)」を提供、東急不動産は実証実験場所を提供する形となる。
ロボットはAWS上の管理ツールで管理
RICEは、香港のRice Robotics社が開発した自律走行型の屋内配送ロボット。ホテルやオフィスビル、ショッピングセンター、病院、高層住宅、飲食店、小売店など、屋内のさまざまな施設で活用できる。さらに物品の配送だけでなく、お客の先導や案内といった用途にも利用可能だという。
RICEはAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)上に構築されたRICE Coreというウェブ管理ツールを使って管理している。RICE CoreではRICEの稼働時間や電池残量などのステータス確認、マッピングや目的地登録を含む各種設定、遠隔操作などを行うことができる。
RICEにはSIMカードが入っていてAWSから通信で管理している。
配送商品は、現状常温販売商品のみを想定し、たばこ、酒など特殊な商品を除く約550種類となっている。ただし、保冷剤を入れるなどしながら品質管理の実験は繰り返しており、今後温度帯の異なる商品の配送も模索している。
セブン-イレブンはさらに便利なサービスをお客に提供するために、実証実験を通して商品のさまざまな配送方法の可能性を検討し、ラストワンマイルの取り組みを推進するとしている。
今回のRICEの取り組みは、新型コロナウイルスの問題によって非接触のニーズが高まっていることにも対応した取り組みという側面もある。RICEは屋内専用だが、セブン-イレブンとしては屋内外を問わず、ラストワンマイル配送について検討しているという。
アスラテックは、多様な業種や施設でのRICEの導入に向けて、ユースケースづくりに取り組む。ソフトバンクは東急不動産と共に、竹芝エリアにおいて最先端のテクノロジーを街全体で活用するスマートシティのモデルケースの構築に取り組む一環として今回の実証実験に参画した。