「ヤオコー蕨錦町店」オープン。ホームセンター核SCに出店した旗艦店クラスの最新店の売場とは?

2021.03.24

更新:2021.03.27

ヤオコーは3月17日、埼玉県蕨市に蕨錦町店をオープンした。埼玉県92店目、全社では169店目になる。

イトーヨーカドー錦町店の建物をホームセンター企業のビバホームが再開発し、3月10日にビバモール蕨錦町としてオープンしたショッピングセンター(SC)内への出店。今回のオープンはビバモールとして第1期のオープンの位置づけで核店のスーパービバホーム蕨錦町店など日常使いの業態を中心にオープンし、4月に第2期オープンとして約30店の専門店がオープン予定。最終的には約40店から構成されるエンクローズ型のSCとなる。

ヤオコーは、スーパービバホームと通路を挟んで並ぶ形で1階に出店。位置づけとしてはスーパービバホーム同様、核店となる。

西側約800mのJR埼京線戸田駅、東側約1.2kmのJR京浜東北線蕨駅の間に立地し、路線バスも通るなど交通アクセスに便利な立地。2km圏内の人口密度が1万5000人以上と高く、さらに人口、世帯数ともに増加傾向にあるという。年齢構成は30~59歳がボリュームゾーンで、特に20代の人口の割合が県全体より高く、若い世代が多く居住する地域となっている。1km圏内では、単身と2人世帯を合わせると過半数を占める状況で、埼玉県平均に比べても単身、2人世帯の比率が高いことが特徴となっている。

壁面の日配の展開からレイアウトの狙いを読む

店舗面積は789坪と大型で旗艦店クラスといえ、さらに人口密度が高い地域のSC1階への出店ということで、初年度年商予定は35億円と非常に高い。大型店ではあるものの、坪当たり販売効率は440万円を超える水準だ。実際、オープン後は連日大きな集客を達成し、売上げもかなり高い模様だ。

店舗前にスーパービバホームとの間の通路が走っていることから、左右両側からの入店が期待できる構造になっている。それもあってか直近に改装した所沢北原店(埼玉県所沢市)など同社の旗艦店の一部で採用される、青果と惣菜を第1主通路にまとめたレイアウトを採用せず、青果と惣菜を両側に振り分けたレイアウトとなっている。

惣菜とインストアベーカリーは青果と反対側にしっかりゾーンとして確保
青果に続いて、壁面を用いた和日配売場が広がる。平ケースでは量販を仕掛けている

また、その他、レイアウトの特徴といえる点として、特に日配の配置を挙げることができる。まず、豆腐などの和日配の主力商品は、青果に続く壁面で展開している。その後、壁面沿いに鮮魚、精肉を挟み、ギョーザ、シューマイなど強いプライベートブランド商品を持つ商品を展開。内側のセミ多段ケースでは麺類を展開している。

そして壁面はそのまま牛乳などの洋日配の飲料となり、その内側のセミ多段ケースでは同じく洋日配のチーズ類を展開。さらにその内側ではワインが展開されていることからチーズとの連動が図られていることが分かる。

ヤオコーが多くの店で採用する第2主通路突き当たりのワインとチーズなどつまみを提案する「デイリーセレクション」コーナーを設置

和日配が豆腐などの「素材系」とギョーザ、シューマイ、麵などのどちらかというと「レディトゥクック系」、もしくは「惣菜系」とに分け、それぞれ生鮮側、惣菜側に近づけているようなレイアウトになっている。

特に日配の商品は、最近は温めるだけで料理が完成するものなど、惣菜との境界があいまいな商品も増加している。蕨錦町店のレイアウトには、こうした商品の実態も考慮されているように感じられる。

惣菜の売上高構成15%超、生鮮と惣菜では54%に迫る

ヤオコー蕨錦町店のストアコンセプトは、「伝えよう私達の想い 届けよう感動を~『美味しさ』・『楽しさ』・『安さ』でお応えし、『想い』が伝わるお店づくりをしよう~」。

野菜は特設平台を中心に、圧倒的な鮮度と値頃を打ち出す。また、栄養価、汎用性が共に高いキノコを、食べ方も提案しながら年間を通して売り込む。

フラットな特設平台を活用し、鮮度感の訴求と量販を仕掛ける
青果壁面の先頭は地元野菜
栄養価、汎用性の高いキノコを前面に打ち出して提案を試みる

鮮魚は近海魚をバラエティ豊富に品揃えし、刺身としてだけではなく、しゃぶしゃぶやサラダ、カルパッチョなど幅広い食べ方を提案。また、週末を中心に単品盛りバイキングを実施することで「選べる楽しさ」を提供する。

刺身はカルパッチョ風にするなど、洋風でも提案

精肉は用途が広い牛ブロックと、しゃぶしゃぶカテゴリーを強化する。特に和牛モモ肉を部位別で豊富に取りそろえ、メニューの幅が広がる提案で差別化を図る。また、平台で大型パックコーナーを展開することで、買い得感を訴求する。

強化カテゴリーの牛ブロック

惣菜では弁当の品揃えを強化。店内でスライスしたローストビーフを使用し、「シャリアピンソース」「ねぎ塩」の2種類のたれを使用したローストビーフ丼の他、握り寿司を展開。

「シャリアピンソース&自家製タルタルソース仕立て」のローストビーフ丼(本体価格498円)
ローストビーフの握り寿司と巻き寿司
弁当を強化。平台で大々的に展開している
弁当では中華やエスニックの商品も開発。「亜州料理 味庵米飯(あじあんべいはん)」としてコーナー化している

また、ライブ感ある「鉄板焼SACHI」では、名物商品の「鉄板巻上げ 厚焼玉子」の他、お好み焼き、焼きそばなどを、出来たてを訴求しながら販売。

寿司は、ヤオコーオリジナルの味付けで酢締めした本格的なさば棒寿司を中心に、名物化を狙ってアジやイワシといった青魚商品を強化した。

「旨とろ〆さば棒寿司」(左)と「旨とろ〆さば棒寿司と青魚握り盛合せ」
特色を打ち出した商品開発が多く見られる
焼き鳥は串に刺した商品の他、ばらした商品も展開するなど売り方にも工夫がある
小量目への取り組みも目立つ。「柔らか手仕込みロースとんかつ」は1枚を半分に分けたサイズを販売したり、おはぎも玉を小さくした「手握りこはぎ」も品揃えしている。おはぎについてはあんこ自体も販売するなど「あんこマーチャンダイジング」を深化させている

インストアベーカリーでは、蕨錦町店の限定商品として生クリームを使用した「あん食パン」を販売する。

また、食事パンのラインを強化し、こだわりの「発酵バター」「天然酵母」「低温長時間熟成」といった要素を打ち出しながらおいしさを訴求すると共に、店内手作りスイーツで差別化を図る。

インストアベーカリーでは食事パンを強化。「天然酵母」をシールでアピールしている
ピザは平台で展開。バックヤードがガラス張りのため、店内で製造する様子がよく見えるようになっている

日配食品では、デザートやおやつ需要を取り込むべく、ヤオコーオリジナルの「watashino sweets」を中心に、生菓子、ヨーグルトカテゴリーを強化。

また、豊富なナチュラルチーズの品揃えで、日常普段のちょっとしたつまみからハレの日に至るまで「チーズとワインのある楽しい食卓」を提案する。

ドライ食品では、「専用調味料」を強化。メニュー提案コーナーのクッキングサポートと連動し、ベーシックからハイグレードまで、食材に合わせてさまざまなメニューを提案する。

調味料では、特定メニュー用の「専用調味料」を強化

酒は、ナチュラルチーズとの関連提案をしつつ、特に直輸入ワインを強化した。

初年度売上高構成比見込みは生鮮が38.6%、グロッサリー(日配食品、ドライ食品)が46.3%、デリカ(惣菜)が15.2%となっており、生鮮と惣菜で53.8%と過半となる他、惣菜の構成比が高く、惣菜が売れる店との見通しを持っているようだ。

SKU数は、生鮮が約1280、グロッサリーが約1万2800、デリカが約370となっている。

ヤオコー蕨錦町店概要

所在地/埼玉県蕨市錦町1-12-1

オープン日/2021年3月17日

営業時間/9時~21時45分

駐車台数/1239台(商業施設全体)

駐輪場/615台(商業施設全体)

店舗面積/2607㎡(789坪)

延べ床面積/3856㎡(1167坪)

店長/藤村健二

年間売上げ/初年度35億円(予定)

従業員/正社員28人、パートナー・ヘルパー・アルバイト165人(延べ人数)

商圏人口/1km圏内4万2000人(2万1000世帯)、3km圏内35万7000人(18万世帯)、5km圏内94万人(46万3000世帯)

関連記事

お役立ち資料データ集

セミナー