セーフィーが、外食産業におけるカメラ映像を活用した新たな店舗オペレーション改善施策を実施

2023.10.11

クラウド録画サービスシェアNo.1(*1)のセーフィーは、エー・ピーホールディングスが展開する『塚田農場』の店舗オペレーション改善にセーフィーのカメラ映像を活用した新しい視点でのコミュニケーション施策を、トリノ・ガーデン3社共同で実施したと発表した。

外食産業を取り巻く背景

外食産業は、コロナ禍の売上低迷と回復期における人手不足、さらに物価高騰による食材原価や固定費の増大など、厳しい環境に置かれている。飲食業内での中食、内食との競争をはじめ、外食への選択行動がWEB(スマートフォン)上で行われるため、飲食以外の産業の選択肢も増え、特定の店舗で食事をする来店意欲をかき立てる必要に迫られている。

この環境のもと、店舗展開を行う『塚田農場』では、各地の生産者と直結し生産から流通、販売までを一貫して手がける「生販直結モデル」を活かすことを目的に、人件費の改善と同時に、来店客数を増やし持続的に売上高を確保・伸長するため、来店者の体験価値の最大化が求められていた。

またこれまでも店舗運営のプロセス全体をはじめ、集客、来店、管理の各オペレーションにてDX(デジタル)施策を行っている。セーフィーとは、カメラとAIを活用した料理提供フローでの実証実験(*2)を行った経緯から、体験価値を引き上げる取り組みにカメラとの親和性があること。更なる営業品質(商品・接客)の引き上げに向け、PDCAサイクルを効率的かつ効果的に回すことが可能なため、本施策が実現した。

店舗オペレーション改善の概要

店舗のオペレーション改善は、来店者の体験価値の最大化の一環として注力していたもので、『塚田農場』が強みとする「おいしい料理」「心地よい接客」の双方でお客の満足度を高め、生産性も上げて売上を拡大しようという取り組みだ。

本施策を行うにあたり、以前より『塚田農場』の映像活用について調査・分析を担当するトリノ・ガーデンと共同で実施した。トリノ・ガーデンでは「Safie」のクラウドカメラを使用し、店内滞在中におけるお客の過ごし方やスタッフの接客・動作、音声などを計測後データ化、各データを改善前後で比較するもので、調査項目はテーマ毎に2,000項目以上を目視で計測している。

その上で、店舗とエリアごとの問題点が見えにくい「遠隔臨店」業務(オペレーション、スタッフ指導など)に着目した。この取り組みの現場におけるマネジメントは、各エリアのグループマネージャー(GM)が行う。GMは担当している複数店舗を臨店し、収益管理や料理・接客の品質管理を担うポジションだ。

■ 施策のステップ

(1)カメラ映像の活用によるGM業務プロセスの確立
・“現場の事実”の振り返りを映像からピックアップ。「可視化」の手段と価値を再定義
①映像(可視化された現場)を確認しプロセスを定量評価
②映像の何をみるべきかを「スタッフの成長」に策定
③GMから各店長へのフィードバックは「良いところは褒める」をベースに、「映像での粗探しをしない」
・型化された①~③について、全国の『塚田農場』のGMから3名を選抜し(2)で実施

(2)実際の映像による遠隔臨店導入で、GMと担当店舗のコミュニケーション機会の活性化
・顧客体験価値向上につながる改善を担当店舗(平均3店舗)に対して実施
・結果、現場も映像を介した事実をもとに振り返ると印象が変わり、好事例(良い接客、よくある課題)を他店舗に横展開
・現場視点での意見をインタビュー動画としてクローズアップしインサート

(3)選抜GMから全国のGMへの展開
・GMが遠隔から店舗マネジメントが可能に
・導入後は、特定の時間帯(2~3時間)を決め担当店舗のカメラ映像をGMがモニタリングし、店長と映像データを用いて事実に基づいたフィードバックを行う(原則月2回の間隔で実施)
・その他、習熟したスキルを持つスタッフの仕事ぶりを撮影した映像をムービークリップで切り出しダウンロードして、研修資料として使用

■エー・ピーホールディングス 塚田農場カンパニー 営業品質改善室 室長 原中 泉氏のコメント
『”カメラを使ったオペレーション改善施策で、感じている効果の1つ目はGMの移動時間の軽減です。今まで臨店の移動に使っていた時間を別の業務に当てることができ、生産性アップにつながっています。2つ目は店舗の実情を把握でき、マネジメントがより的確になったことです。GM、店長双方で決める特定の時間帯は、店舗のアルバイトスタッフには実施日を伝えていないので妙に構えることがなく、実態を踏まえたマネジメントができます。3つ目はGMと店長のコミュニケーションの機会が増え、店長たちの帰属意識が高まったことです。各店舗でのアルバイトスタッフへの働きかけが、以前よりも積極的になったと感じます。”』

■「Safie」の飲食業における取り組み
今後飲食業におけるカメラを活用した店舗遠隔マネジメントを実施するための仕組みづくりの提案と振り返りの伴走などを行っていく。具体的には、各飲食店の業態や店内の接客などコミュニケーションにあわせた以下の施策を本部・エリアマネージャーと行うものだ。

例)
・入店時の接客:お客様の入店時に、指定した時間内にご案内(お声がけ)ができているか
・入店後の対応:オーダーテイクや料理提供時の接客品質、中間バッシング(空いた食器の回収)などが円滑に行われているか
・フロアでの業務分担:店内の状況や当日シフトのスタッフ戦力に応じて、適切な業務分担がなされているか

また飲食業だけではなく、店員が介在し来店者との密な接客が発生するアパレルなどの小売業でも、本施策のようなカメラを活用したコミュニケーションの振り返りは有効だ。さらに、業種業態ごとに作成、最適化されている店舗マニュアルの運用において、店舗の映像による実施の確認や評価ポイントの設定のほか、改善点の抽出などにも活用できる。

セーフィーでは、今回の新たな取り組みについて事例として公開するとともに、10月17日にはエー・ピーホールディングスと共催でWEBセミナーを実施し、本施策のキーマンから具体的な活用について紹介する。また10月25日から27日に開催する「Japan IT Week 秋『第11回次世代EC&店舗EXPO 秋』」のセーフィーブースでも展示を行う。

今後も防犯ニーズのみならず、新たな業務スタイルの創出を支援し、映像データでより多くの業界のDXや業務効率化に寄与していく。

(*1)テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2022)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(56.4%)
(*2)セーフィー、飲食店の省人化に向け、塚田農場での実証実験結果を発表(2022年7月28日発表)

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