新宿の無印良品2店が同時リニューアル、地域と連携しながら環境や社会課題、くらしを考える施設に

2022.04.12

2021.09.10

無印良品を展開する良品計画は、 新宿地区の中心部に位置する「MUJI新宿」「無印良品新宿」を9月10日にリニューアルオープンした。

無印良品は1980年の創業時から、自然とのより良い関係を考えた事業活動を行ってきた。MUJI新宿は、環境や社会の課題に目を向けた商品、サービスと、アート、デザインをテーマとした雑貨、家具に特化した旗艦店として生まれ変わった。

一方、 「無印良品 新宿」は化粧品や掃除用品、冷凍食品、日替わり弁当などのくらしの基本となる日用品を拡充した。

新宿には、無印良品が4店あるが、今回、改めてそれらの役割を定義した。中心部にあり、距離も近い2店であるMUJI新宿、無印良品新宿を通じて、未来に目を向けるきっかけづくりから普段の暮らしを支える買物まで、お客のくらしの役に立つ場所となることを目指す。

今回のリニューアルを機に地域と連携しながら、両拠点のエリアの発展や課題解決に取り組むとしている。

環境や社会課題に取り組むMUJI新宿

MUJI 新宿は2007年に衣服雑貨に特化した店としてオープンした。

今回、2回目となる大規模改装で、環境や社会課題を見据えた品揃え・サービスに特化し、新宿の街から地球の未来を考えるきっかけとなる店を目指す。コンセプトは「これからをここから考える。」。

改装は、「3Rの推進」「産官学芸とのつながり」「多様性」「食と農」の4つのテーマで実施された。

目玉となるのがテーマの1つ、「3Rの推進」にもつながる「ReMUJI」だ。無印良品は10年から、お客から回収した商品の色を染め直すことで、新たな価値を持つように再生させた商品を「ReMUJI」として販売している。

MUJI 新宿では、無印良品最大の「ReMUJI」売場を構築。色のバリエーションを増やし、藍色、淡色、墨黒などに染め直して再販売する。また、対象アイテムも拡大し、これまで染めに回せていなかった素材や色も対象とする。

「染めなおした服」。2900円(総額、以下同)から1990円に価格を見直した

商品としても、「染めなおした服」の他、洗い直して古着として販売する「洗いなおした服」の他、回収した衣料品の中で、ほつれや破れがあるなど、これまで規格から外れていたものに関してもパッチワークなどの加工を施して再商品化した「つながる服」を販売するなどラインアップを拡大、より踏み込んだリサイクルに取り組む。

「洗いなおした服」はいわゆる古着
パッチワークなどの加工を施して再商品化した「つながる服」

さらに今回のオープンに伴って、より多くの人「ReMUJI」の活動に参加してもらうことを目指し、東京都内の店舗で不用となった衣料品の回収ボックスを9月9日から設置した。今後より多くの店舗に設置していきたいという。これらの取り組みによって廃棄物を削減し、資源の循環化を図ると共に、服を大事に着ることをお客と一緒に考えていきたいとしている。

回収・リサイクルカウンターを設けた

また、不用品の回収活動については分野を拡大し、衣料品にとどまらず、ファブリックスや 化粧水ボトルなどプラスチック製品なども回収する。さらにMUJI新宿では不用になったユニット棚のパーツや紙袋、古本、保冷剤などもリサイクルやリユースする取り組みにつなげていく。

なお、回収についてはあくまで無印良品の商品を対象としている。

また、今回、「もったいない市」の常設売場を地下1階とMB(中地階)で展開。商品の製造過程では、使用には問題ないものの、わずかな傷や汚れで販売できなくなったり、色味や染め具合などが規格外のため販売できなくなってしまう商品が発生するが、それらを集めて50%割引きで販売。ベッドやデスク、収納用品などの家具から生活雑貨小物まで幅広く展開する。

「もったいない市」の商品は、製造過程でわずかな傷や汚れが付いたものの、使用には問題のないもの(写真の食器の黒点の染みなど)

また、地下1階では家具の修理サービスも実施するなど、「3Rの推進」を徹底的に強化していることが分かる。

1階の「ReMUJI」ではお客から回収した服を、同じ新宿にある文化服装学院の学生と共にリメイクした商品を展開。テーマの1つ、「産官学芸とのつながり」の一環といえる

「多様性」のテーマへの対応としては、男女兼用で展開する「MUJI Labo(ムジラボ)」や基本のシャツやデニムも展開。基本色、基本の型のアイテムに絞り、誰にでも合うファッションとして提案。

さらに多様なバックグラウンドを持つお客様に対応するため、男女共用のトイレの設置、車いすのアテンドサービス、手話や多言語対応が可能な従業員の配置といった取り組みを実施。売場には筆談器も導入している

「食と農」のテーマでは、フードロスの削減の観点での取り組みが目立つ。

家庭で食べ切れずに余っている食品(缶詰め、レトルト食品、乾物、乾麺、飲料、調味料など)を店で回収し、NPO団体を通じて必要としている方に届ける「フードドライブ」の取り組みを導入。

また、店内レストランの「Café&Meal MUJI」でも、フードロスを極力削減するためにメニューを見直し、いままで使われなかった食材にフォーカスする意味でジビエを導入した他、いままで店頭のみで提供していたデリメニューをパック詰めして販売するといった取り組みを開始する。

ジビエは鹿肉や猪肉、サメなどを用いた4種類を展開

さらに、料理する際に発生した野菜、果物の皮などの廃棄食材をコンポストし、たい肥化する活動も行う。

また、MUJI新宿では国内の無印良品最大の「IDÉE売場」を設ける。店舗限定のアートやデザインを軸とした置物や食器、家具などを取り揃え、くらしに彩りと植物を添える提案を行う。

MUJI新宿ではIDÉEの家具に限らず「ゆたかなくらし」に根差した無印良品の家具もエリア最大の品揃えへと拡大。

さらに、地域の作家・クリエイターを招き、アート、デザイン環境、社会課題をテーマとしたイベントを定期的に開催する予定。

「新宿通りのインフラ」として「くらしの基本を整える」無印良品新宿

新宿通りに面した旗艦店として1995年にオープンした無印良品新宿は、06年以来、2回目の大規模改装として無印良品全体の商品ラインナップのうちでも購入頻度の高い日用品や食品に品揃えを集中し、全ての方々に毎日の利用を目指す。改装コンセプトを「新宿通りのインフラ」になること、「くらしの基本を整える」こととした。  

改装後の大きな特徴として、店頭に24時間利用可能な無印良品の自動販売機「MIJI POCKET」を5台設置されたことが挙げられる。昼夜問わず多くのお客が訪れる新宿という地域性から、営業時間外にも役立ちたいとの思いから設置した。

バウムクーヘンといった軽食、飲料などの食品の他、歯ブラシ、折り畳み傘、マスクなど急に必要になるものを中心に販売する

また、無印良品新宿は新宿地区最大規模の食品、日用品の売場として存在感を発揮する。1階には冷凍食品や日替り弁当、セルフサービスのコーヒーを新宿地区で初めて導入。

冷凍食品はアイスクリームを含めフルラインアップの82アイテムを取り扱う
日替り弁当は750円。アウトパックで銀座と同様の商品
セルフサービスのコーヒーも設置

食品の品揃えは2倍に拡大された。

2、3階では「化粧品」「キッチン用品」「掃除・洗濯用品」「収納用品」について、新宿地区最大規模の日用品売場として展開。

ヘルス&ビューティやハウスウェアなどの生活小物の売場を新宿地区最大の生活小物の売場とした

また地下1階には定番の衣服雑貨をそろえる。「靴下」「肌着・ホームウェア」は売場面積を2倍に拡大するなど、「必要な時に必要なものが買える地域の一番店」を目指す。

MUJI新宿概要

所在地/東京都新宿区新宿3-15-15新宿ピカデリーB1~2F

売場面積/315坪(約1042㎡)

営業時間/11時~21時

新規サービス、商品/もったいない市(家具)、もったいない市(雑貨)、Found MUJI、回収コーナー

無印良品新宿概要

所在地/東京都新宿区新宿3-17-1いさみやビルB1~3F

売場面積/300坪(約992㎡)

営業時間/11時~21時

新規サービス、商品/自動販売機、日替わり弁当、冷凍食品、コーヒーマシン

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