店舗運営で重要なMEOとは?MEO対策のメリットやポイント、SEOとの違い等を解説
2022.10.27
2021.12.21
スマホの生活必需品化が進む現代において、Web上で行う店舗集客の重要度は上がっている。その中で、店舗集客手法の一つとして、飲食店や美容院などさまざまな業態で注目されているのがMEOだ。
本記事では、MEOの概要からSEOとの違い、MEO対策を行うメリットやポイントを解説していく。
MEOとは?
MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップの検索エンジンにおいて、店舗情報を上位表示させるために行う施策のことを言う。広義のSEOにも分類され、ローカル検索に特化した施策であることから、ローカルSEOとも呼ばれている。
例えば、「品川駅 美容院」と検索すると、品川駅周辺の美容院が表示されるが、MEO対策を実施することで検索結果の上位に表示され、ユーザーの目に届きやすくなる。なお、十分なMEO対策が施されていれば、Googleマップだけでなく、Google検索にも上位表示可能。
チェーン向けデジタル販促ツールを提供するPatheeが2021年5月に、全国18歳~65歳を対象に実施した調査によると、来店前の店舗情報リサーチ方法はGoogle検索が77%。次いで「お店の公式HP」が70%、「Googleマップ」が69%となった。
TwitterやInstagramなどのSNSも、約40%利用されている。しかし、Googleマップ・検索が依然高い割合を占めているため、MEOでWeb上の露出を増やし、店舗への来店を促進することが重要と言える。
MEOとSEOの違いとは?
Googleマップの検索上位を目指すMEOに対し、SEO(Search Engine Optimization)とは、Google検索の上位表示を目標とした施策である。密接な関係と言えるMEOとSEOだが、細かく見ると、特徴は異なる。
次に、MEOとSEOの違いを解説していく。
集客目的が異なる
MEOは検索上位に表示させることで、ユーザーの来店や電話問い合わせなどを促す。つまり、実店舗への集客が主たる目的だ。
一方、SEOはホームページへの集客を目的としている。ホームページ集客の先には、実店舗への来店促進も目的として挙げられるが、ECサイトの売上アップやブランドイメージの確立など多岐に渡る。
対策手段が異なる
MEO対策では、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を活用し、施策を実践するのが基本。他にも、SNSを利用してサイテーションを多く獲得するなど、外部施策も挙げられるが、根幹はGoogleビジネスプロフィールを利用したMEO対策となる。
対して、SEO対策は良質なコンテンツの作成、内部構造の最適化、被リンクの獲得など、上位表示するための対策手段は大きく異なる。店舗を運営する上では、MEO・SEOの両施策を実施するのが理想だが、対策の対象がMEOはGoogleビジネスプロフィール、SEOはWebサイトと異なる点に注意したい。
対策にかかるコストが異なる
MEO対策とSEO対策は、自社で施策を行えばコスト自体は発生しない。しかし、メイン事業に注力するため、MEO対策・SEO対策を外注する企業は多い。
対策を外注した場合、相場としてはMEO対策で月3万円前後、SEO対策で月10万円以上。SEO対策のほうが施策の幅が広く、難易度も高いためコストは高額な傾向にある。MEOの外注費は比較的安価なので、これから対策を実践する企業は、専門業者に依頼することも視野に入れてみてはいかがだろうか。
MEO対策のメリットとは?
店舗がMEO対策を実施することには、さまざまなメリットが存在する。ここでは、MEO対策のメリットを解説していく。
SEOより上位表示される
先述の通り、MEO対策を行うとGoogle検索からの流入も見込めるが、上位表示できた場合、SEOの検索結果より上に表示されるのが特徴だ。Google検索は、リスティング広告・MEO・SEOの順番で表示される。MEOの上にはリスティング広告が位置するが、広告のクリック率は業界によって平均3%前後しかなく、MEOの検索結果に注目される可能性は高いと考えられる。
なお、自然検索結果1位のサイトのクリック率は、平均30~40%。MEO対策で上位表示されれば、相応のクリック率を期待できるだろう。
来店確率の高いユーザーへ訴求できる
MEOのターゲットは、「地域名 + サービス名」や「地域名 + 業種名」などで検索するユーザーである。これから該当のサービスを利用したいと考えるユーザーへ訴求できるため、来店の見込みは高いと言える。
利用しやすい導線設計でユーザー獲得までが早い
MEOはマップ付きで検索結果に表示され、ユーザーの視認性向上を図れる。その他にも、利便性の高い導線設計で、ユーザーの獲得を見込めるのが大きなメリット。
まず、Googleのマップ機能で、現在地から店舗までの経路・到着予想時間を表示できる。初めての土地であっても、商圏内の検索ユーザーへダイレクトに認知させ、来店を促進しやすい。
さらに、電話ボタンを配置して店舗予約を促したり、ウェブサイトボタンでホームページへ誘導することも可能。アクションを起こしやすい導線設計により、ユーザーの獲得までが早いのも特徴だ。
来店に繋がる情報を掲載できる
MEOで利用するGoogleビジネスプロフィールには、ユーザーの来店に繋がる下記のような情報を掲載できる。
- 所在地・営業時間・電話番号などの店舗情報
- 店舗の外観・内観・商品・スタッフなどの写真
- キャンペーン・クーポン情報
- ユーザーの口コミ・評価
Googleビジネスプロフィールでは、店舗の基本情報以外にも、さまざまな情報を掲載可能。
例えば、MEO対策で上位表示できても、初めての店舗への来店は、心理的ハードルが上がりやすい。しかし、クーポンを活用することで、来店のハードルが下がり、新規顧客の獲得にも繋げられる。
その他、昨今の消費者行動として、事前に口コミをリサーチした後、アクションを起こすケースが多い。口コミやレビューを獲得することで、店舗の信頼性が向上し、来店を促進できる。
SEOより競争性が低い
SEO対策の難易度は年々上がっており、昨今では企業サイトやポータルサイトが優遇されている。競合も多く、上位表示するためには相応の施策と年月が必要だ。
一方、MEOの競合は同エリア内の店舗のみであり、対策を施す企業や個人もまだまだ少ない。加えて、食べログやぐるなび、ホットペッパーグルメなどのポータルサイトは、Googleビジネスプロフィールを利用できないため、SEO対策に比べて競争性が低く、成果に繋げやすいと考えられる。
MEO対策のポイントとは?
MEO対策は、Googleビジネスプロフィールに必要な情報を登録するだけで、検索の上位に表示されるわけではない。ここで解説するMEO対策のポイントを押さえ、上位表示を目指そう。
Googleマップエンジンの評価ポイントを理解する
Googleビジネスプロフィールのヘルプによると、「ローカル検索結果のランキングが決定される仕組み」は、距離・関連性・知名度などの要素を組み合わせ、決められると記載がある。ここでは、3つの要素のポイントを解説する。
ユーザーと店舗の距離
ユーザーの検索位置と店舗の距離が近いほど、MEOでは有利となる。物理的な問題であるため、店舗側でできる施策はないが、評価ポイントとして覚えておきたい。
検索キーワードとの関連性
ユーザーが検索するキーワードに対して、関連性があるかは非常に重要。例えば、検索されるビジネス名や地域名を、Googleビジネスプロフィール内に登録し、関連性を持たせるなどが挙げられる。
自店舗をどのようなキーワードで上位表示させたいのか、必ず決めておこう。
店舗の知名度
店舗のビジネスがどれだけ広く認知されているか、知名度の高さも評価ポイントだ。具体的に、知名度は下記のような要素で評価される。
- サイテーション
- 口コミの多さ
- 評価の高さ
- 公式サイトの掲載順位
- オフラインの知名度
Googleビジネスプロフィールに掲載する公式サイトのSEO評価も、MEOに大きく関係する。MEO・SEOの両施策を進め、相乗効果を生みたい。
なお、オンライン上での知名度の高さを重要視しているMEOだが、有名店舗や有名ブランドなど、オフラインにおける知名度も評価指標として組み込まれている。
Googleビジネスプロフィールに登録する
MEO対策に欠かせないのが、Googleビジネスプロフィールへの登録だ。Googleビジネスプロフィールに登録することで、GoogleマップやGoogle検索に店舗情報を表示でき、集客効果を見込める。
先述の通り、Googleビジネスプロフィールには、来店の促進に必要な情報を掲載可能だが、他にも通話ボタンのクリック数や送信されたメッセージ数など、インサイト分析も行える。
充実した機能が揃っているが、ツールの利用料は発生せず、無料で使用可能。店舗運営に、Googleビジネスプロフィールは必須と言える。
NAPを統一する
NAPとは、「名前 / Name」「住所 / Address」「電話番号 / Phone」を合わせた用語だ。MEO対策において、Googleビジネスプロフィールに登録したNAP情報は、公式ホームページなど他のサイトでも、全て統一して表記することが重要。
NAP情報は、知名度の高さを評価する基準としても、利用されている。各サイトで統一したNAP情報を掲載し、知名度の向上に繋げたい。
良い口コミを獲得する
ユーザーが来店前に口コミを調べ、優良な店舗を探すように、Googleマップ・Google検索も口コミ情報を検索順位の重要な指標としている。ユーザーファーストを掲げるGoogleなので、口コミが多い店舗が評価されるのは、至極当然と言えるだろう。
投稿された口コミには定型文ではなく、丁寧に返信することも重要だ。口コミに返信するとユーザーに通知が行くため、顧客ロイヤリティが高まり、リピーターの獲得を期待できる。
口コミがMEO対策に有効である一方で、獲得することは容易ではない。サービスや接客態度の品質を高め、顧客満足度の向上を図ることはもちろん、チラシやメールなどで口コミの投稿を呼びかけることも大切。また、丁寧な口コミの返信は、利用者が口コミを投稿しやすい環境を構築し、MEO対策の成果にも繋がる。
Googleビジネスプロフィールの登録情報を充実させる
Googleビジネスプロフィールには多様な情報を登録でき、商品・サービス・店舗のアピールを行える。情報量が多ければ、検索キーワードとの関連性が高まりやすく、上位表示も期待できる。ユーザーの検索意図を考え、キーワードを意識しながらビジネス情報を充実させるのがポイントだ。
最新の情報を登録・更新することも重要。古い情報が並べられたGoogleビジネスプロフィールでは、ユーザーにとって有益な情報と判断されず、Googleからの評価低下にも繋がる。
また、店舗の最新情報を投稿し続けることで、過去の投稿内容が検索にヒットし、上位表示される可能性も高まる。コンスタントに店舗情報を更新し、ユーザー・Googleから評価されやすいGoogleビジネスプロフィールを整えよう。
MEOのまとめ
MEOは店舗への来店を促進する、極めて重要なWebマーケティング戦略である。Googleビジネスプロフィールを中心に、ユーザーへ店舗情報を訴求でき、売上アップに貢献可能だ。
無料で始められるのも大きなメリットだが、MEO対策の実践にはさまざまなポイントが存在する。不用意な施策では、余計な工数が発生するだけなので、ポイントをしっかり押さえ、ユーザーの来店に繋げたい。