今さら聞けない「バズる」とは?意味や語源、バズるメリットやリスク、方法とは?

2024.07.31

2023.01.27

「バズる」とはSNSなどで多くの人から注目を浴びている状態のこと。SNSを運用している企業もあるが、バズることはビジネスではどのようなメリットがあるのだろうか。

本記事では、「バズる」の本来の意味や語源、バズったと言える基準、ビジネス上でのメリットやバズるポイント、TwitterやInstagramなどSNSでバズらせる基本を解説していく。企業でSNS運用をしているが「そもそもバズるとはどんなこと?」と疑問に感じている方は参考にしてほしい。

「バズる」の意味とは?

「バズる」の意味・基準

「バズる」とは、SNSやインターネット上で多くの人から注目を浴びることを指す。例えばTwitterで数万件の「いいね」が付いて、リツイートによりツイートが拡散されるなど、沢山の人の目に触れることが「バズる」という現象だ。

数万件の「いいね」やリツイートによる拡散と述べたが、その基準は明確ではない。毎日数件しか見られていないツイートが急に、1000リツイートとなればバズったとも言える。個人の感覚や普段どのぐらいの人数のユーザーに見られているかにもよるため、「バズる」という現象の基準は曖昧だ。

「バズる」の語源

「バズる」という言葉は元々英語の「buzz」から来ている。「buzz」はハチがぶんぶん飛ぶ様子を表していて、一つの話題にハチが群がっているように多くの人が集まっていることを示す。ちなみに英語では、バイラルに広がるという意味の「go viral」と表現される。

「炎上」、「バイラル」との違いは?

「バズる」と似た言葉には、「広がる」や「注目を集める」といった意味のある「炎上」や「バイラル」がある。それぞれどのような違いがあるのか。

まず「炎上」は特定の話題や対象に対して批判が殺到している様子を示す。SNS上でネガティブなコメントやバッシングが相次ぎ、収拾がつかない状態だ。多くの人から注目を浴びるという点では「バズる」と似ているが、批判のためというネガティブな理由で注目されているところが違う。

また「バイラル」はウイルス性という意味だ。「バイラルメディア」というメディアがある。「バイラルメディア」はSNSで拡散したくなるようなインパクトのある記事やコンテンツのメディアのこと。SNSの拡散力という特性を活かし、トラフィックを集め、収益化をしている。

バズることのビジネス上のメリット

SNS上でバズると、他者からの共感を得られて嬉しい気持ちや、他のユーザーとの交流が増える楽しみがあるが、これらは主に個人での投稿のことだ。ビジネス上でバズることにはどのようなメリットがあるのだろうか。4つ紹介しよう。

広告宣伝費がかからない

SNS上でバズると、広告宣伝費をかけなくても多くの人の目に留まることができる。例えば広告を出していなくても、自社の商品を紹介した口コミ投稿がSNS上で拡散されると商品の購入に繋がる可能性がある。

認知度アップやファン獲得のきっかけになる

SNSの投稿や企業のオウンドメディアの記事がバズると、その商品や企業の認知度アップに繋がる。また、そこから商品の購入、セミナー客の獲得など自社の商品・サービスに興味を持ったファンの獲得ができる可能性もある。

採用のきっかけになる

BtoBの場合は、企業の社長や採用担当者のSNSなどから求職者に企業が認知され、新しい人材の採用に繋がる可能性がある。企業の雰囲気や方針がSNSで広まり、採用のきっかけとなるパターンだ。

収益化に繋がる

バイラルメディアやキュレーションメディアでは記事やコンテンツにアクセスが集まると収益化に繋げられる。

バズるコツやポイント、考え方とは?

バズるとは「他のみんなにも広めたい」という気持ちから起こる現象である。具体的にバズるためにはどのようなことに気を付ければいいのか、7つのポイントを紹介する。

新しい情報か

誰もが知っている情報はそもそも拡散する必要がない。バズるには発信する情報の新鮮さが大事で、例えば流行のものや時事ネタなど、その時に話題になっていることと絡めた情報は新しさを感じやすい。

意外性があるか

情報にギャップや意外性があると興味を持たれやすい。ギャップや意外性は「この人はこんなことを言わなさそう」という人間性のギャップもあるが、情報として「これは意外だ」、「知らなかった」というユーザーが知っていることに対しての意外性もある。企業のアカウントでは人間性のギャップを見せることももちろんできるが、情報としてユーザーが「知らなかった」と思えるようなことを発信してみる方法もある。

共感できるか

「それ、わかる!」と自分ごととして共感できるような内容は拡散されやすい。専門的な話題はなかなか共感を生まないが、分かりやすく、身近に感じられるような内容は「あるある」という気持ちが生まれやすい。また、「あるある」という共感だけでなく、「かわいい」などの感情は、「他のユーザーと気持ちを分かち合いたい」という共感に結びつきやすい。

議論できるか

共感を生むことにも関連するが「議論に発展するか」も拡散の鍵を持つ。A派、B派など意見が言いやすい内容や、「私はこう思う」と、一つの話題に対して自分の意見を述べられるような内容は拡散されやすい。

有益か

発信する情報の有益性も重要だ。役立つコンテンツや知っておいて損はないことは拡散されやすい。企業であれば一般の方がなかなか知りえない専門分野に特化した情報があるはずだ。

応援したくなるか

応援したくなる要素があると共感にも繋がる。例えば企業アカウントを運営している「中の人」の人柄やエピソードが垣間見えると応援したくなる可能性がある。注意点としては作られた内容ではないことだ。作られたものだと分かってしまうと企業の信用にも繋がりかねない。

広告色がないか

直接購買に繋げるための広告のような内容は敬遠されがちでバズりにくい。宣伝広告ではなく、ブランドや企業イメージに繋がるような内容を発信していくといいだろう。宣伝の要素はなるべく排除した内容が好ましい。

SNSでバズを発生させるには?

SNSの年齢層

SNSを運用するには利用している年齢層を把握し、企業に合ったSNSを選ぶことも必要だ。SNSは若者が使っているというイメージがあるが実際はどうなのか。

総務省 情報通信政策研究の「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、利用率の高かった年代はそれぞれ、Twitter では10代が67.4%、20代が78.6%。Instagramでは10代が72.3%、20代が78.6%の利用率であった。Tiktokは、10代が62.4%という結果で、10〜20代のSNS利用率が高いことが分かる。

しかし40代ではTwitter 利用率44.8%、Instagram利用率50.3%。50代ではTwitter 利用率34.3%、Instagram利用率38.7%だ。確かに割合としては10〜20代が多いが、Twitter 、Instagramに関しては40代、50代の年齢層もSNSを利用していることが分かる。

また、Tiktokの40~60代の利用率は20%未満で、若者中心のSNSである。

出典:令和4年8月 総務省情報通信政策研究所「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

Twitter ・Instagram・Tiktokの特徴と拡散ポイント

バズを発生させるにはどのようなことが大切なのか。それぞれのSNSの特徴と基本的な拡散されるポイントを紹介する。

X(旧:Twitter)

・国内月間アクティブユーザー数:4500万人(2017年10月時点)

X(旧:Twitter) は140文字以内のテキストコミュニケーションができるSNSだ(無料版は140文字、有料課金すれば最大で25,000文字)。日本の月間利用者数は2017年10月時点で4500万人いるとTwitter Japanから発表されている。

X(旧:Twitter) の特徴はリアルタイム性に優れていて、今どこで誰が何をつぶやいているのかが分かること。また、本名を明かさなくても利用できるため、匿名性が強く気軽に投稿できることだ。

X(旧:Twitter)ではお気に入りの投稿を保存する「いいね」の機能だけでなく、他のユーザーの投稿を自分のアカウント内でそのまま投稿できる「リツイート」や、特定の投稿に対して引用する形で自分のツイートを投稿できる「引用リツイート」がある。

これらで拡散されていくと、例えば200人しかフォロワーのいないアカウントであっても、10万人フォロワーがいるアカウントにリツイートされると、その投稿を見てくれる人数が増える仕組みだ。また、企業としては企業名や自社の商品名で検索をすると、ユーザーがどのような意見を持っているかが可視化できる。

X(旧:Twitter)はリアルタイム性があるため、発信した情報がすぐに流れてしまうという特徴もある。そのため、バズらせるためには利用しているユーザーの多い時間帯を狙うことがポイントの一つだ。株式会社SocialDogの調査によると、リツイートされやすい時間帯は、平日の5時、11時、15時、20時、休日の8時、12時、14時、16時であると分かった。拡散したいのであればこの時間帯を狙って投稿するのがいいだろう。

また、X(旧:Twitter)は外部サイトへのリンクを含む場合インプレッションが減少する仕様になっているため、より露出を増やすためには極力外部リンクの掲載は避けたい。

Instagram

・国内月間アクティブユーザー数:3300万人(2019年3月時点)

Instagramは写真の共有をするSNSだ。文章も合わせて投稿できるが、あくまでもメインは画像である。そのためビジュアルを重視するような、ファッションや雑貨類、街の様子、おいしそうな食べ物などの内容の投稿が向いている。

Instagramでは、ハッシュタグ以外に、「発見タブ」というものがある。発見タブは利用者に合わせて、フォローしていないアカウントの投稿を表示してくれる機能のこと。

「いいね!」を押した写真や、Instagramで繋がっている人などから発見タブに表示される投稿が選ばれている。Instagramでは発見タブを見ているデイリーアクティブアカウント数は2億人以上いるとされている。この発見タブに載せられるように何度も見たいと思ってもらえる投稿を載せていくのが良いだろう。

Tiktok

Tiktokは短い動画を投稿していくSNSのこと。動画は、「フォトモーション」という複数の写真を組み合わせて作る投稿方法や、元々撮影をした動画にBGMやエフェクトをつける方法、Tiktok内でBGMや撮影速度などを選択してから撮影をする方法がある。

Tiktokにはどんどん動画が流れていく特徴があり、大切なのは最初の1秒だ。手を止めてもらうために1秒目を印象的にすることが重要である。再生数を伸ばすには動画内容を起承転結のある構成にし、コメント欄でユーザーと交流しファンを増やすことも大切だ。また、更新頻度を上げることも再生数を伸ばすポイントである。

Youtube

Youtubeに関しては拡散性が乏しいため、Youtubeを起点にバズを生むのは他媒体と比べて困難といえる。Youtubeに公開した動画をX(旧:Twitter)など拡散性のある媒体でリーチを広げると言った形で、役割を意識するのがよいだろう。

近年ではショート動画の需要が若年層を中心に高まっており、長尺の動画よりも拡散も狙いやすいだろう。

シェアしたいと思われる投稿を

SNSでの投稿がバズると、企業の認知度や商品の購入に繋がるなどのメリットがある。今やSNSは若者だけのものではない。広告色をなるべく出さず、シェアしたいと感じられる投稿作りをビジネスにも取り入れてみてはどうだろうか。

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