オーケー川越伊勢原店が8月5日オープン、埼玉県地盤の有力2チェーン、ヤオコー、ベルクと至近競合

2025.08.14

2025.08.13

オーケーは8月5日、埼玉県川越市に川越伊勢原店をオープンした。川越市内には2店目の出店であるが、既存店の川越店からは直線距離で7km弱離れていることから商圏は異なるとみる。

いなげや跡地に居抜き出店した。敷地内の駐車場の反対側にドライブスルーにも対応するスターバックスコーヒーがある

また、川越店は川越市内の中心部であるJR、東武線の川越駅から北東に約2kmの至近に位置し、同社がその内側を出店地域の目安とする国道16号からほど近いのに対し、川越市の北西部に位置する川越伊勢原店は完全に16号線の外側といった位置関係にある。オーケーの出店地域としても最北西に位置する。

国道16号の外側への出店は今回に限ったことではないものの、関東だけでも160店を超える店舗網を抱える中でのわずか数店に限られる。加えて、今回の川越伊勢原店の大きな特徴は、ヤオコーの大型店である川越的場店から500m弱、ベルク的場店から1km弱と、埼玉県の有力2チェーンの店と至近距離での競合関係にある点だ。

人口密集地での店舗面積の多様性を含めた柔軟な店舗展開を得意とするオーケーとして、より郊外での商売を成立させるという点に加え、郊外の商圏を得意とする有力チェーンとの競合という点で、注目すべき店である。

オーケー川越伊勢原店はいなげや跡地への居抜き出店で賃借物件となる。建物はそのまま生かしつつも内装にはしっかりオーケー流の改装を施した。売場面積は590.55坪とスーパーマーケットとしては大型といえ、オーケーとしても大型店の位置づけとなる「ディスカウントセンター」のフォーマットとして出店した。売場が600坪弱あることから通路は広めで、日用品の品揃えも深め。また、医薬品売場も設けている。

一方で品揃え、売場づくりに関してはオーケーの標準的なものを踏襲していて、自社の強みを最大限訴求する戦略といえる。ただし、これはオーケーの強みの1つである低価格については競合への価格対応も実施する他、こちらも強みである精肉の和牛については味が良いとされる「メス」だけの品揃えを継続する方針であるなど、標準的な取り組みにさらに付け加える形で有力チェーンとの競合に臨んでいることが分かる。

好業績を維持するヤオコー、ベルクは、商品のおもしろさはもちろんのこと、価格面でも独自の強みを打ち出すなど、「選ばれる店づくり」のための磨き込みがかなり進んでいる。その2社の競合に同じく好業績を維持し、「高品質・Everyday Low Price(毎日低価格)」を自社の哲学とするオーケーが出店する形となったわけだが、今後、各社がどのようにこの競合に対じしていくのか、また、お客はこれらの店をどのように利用するようになっていくのか。

今後、定点観測してきたい注目の店であることは間違いない。

白をベースとした内装、売場づくりは既存店を踏襲。青果では平台を設けないのも最近の新店では徹底している
果物ではドラゴンフルーツやココナッツ、ドリアンといっためずらしい品目も品揃えする。ドリアンは週に1、2回の入荷。店頭での予約的な販売にも対応する。オーケーとして独自の包装を納品業者に依頼し、独特のにおいが売場に充満しないように工夫している。包装は持ち帰りにも便利
同社の哲学には「高品質」も入る。有機農産物は継続的に取り扱っている
青果同様、鮮魚や精肉でも通路上には平ケースを設けないが、既存店と同様、ゴンドラエンドを利用して鮮魚、精肉1カ所ずつ平ケースを設置し、量販スペースとしている
マグロでは継続的に売り込む「-50℃超低温凍結本まぐろ」の解凍物が主力。刺身は一部商品を除いて「つま」を省く。オーケーならではの商品群だが、これが競合との差別化を生む
鮮魚売場では対面販売などを設けることはしないが、冷蔵、冷凍共に価格を打ち出す。特に塩干を含む冷凍の商品は売場、品揃え共に日に日に充実してきている
オーケーは、国産の牛肉に関して、和牛のみを取り扱う方針を持つ。川越伊勢原店では競合が激しいこともあって、今後も継続して味が良いとされる「メス」のみ取り扱うこだわり。この店が重要な位置づけを持つことが分かる
ローストビーフも売り込む。オープン日は特別に黒毛和牛のローストビーフを売り込んでいた
惣菜では弁当を平台で大々的に売り込む
8月4日のオープン日、弁当の目玉は本体価格199円の丼、3アイテム。お客に強烈な低価格のイメージが付く
関西出店に際して開発した「粉もん」を関東でも販売
昨今、業界的には値上げや高単価商品の投入も進むおにぎりも低価格。最安値は「ツナマヨ」で本体価格は60円を切る
現在では多くのスーパーマーケットでも販売されるようになったピザ。オーケーはパイオニア的な企業といえ、核商品とも呼べるものになっている。陳列されるとすぐに売れていく人気商品
大型店であるため、インストアベーカリーも設置。菓子パンだけなく、平台も使って食事パンもしっかり売り込む。ミニパンオショコラは年間販売量1000万個以上、ミニクロワッサンは同700万個以上の販売力。また、使用している強力粉を1kg単位で同コーナーで販売している
牛乳など大量の物量のあるものはケース陳列。その分、価格にはこだわっているとする
冷凍食品、アイスクリームは平ケースと両サイドのリーチインケースの構成だが、平ケースの上で関連の雑貨を関連販売していることが特徴
プライベートブランド商品は多くはないが、ところどころ差し込まれる他、カレールウなどグロサリーではゴンドラエンドで大量陳列などして売り込んでいる
飲料は、ペットボトル、その他、常温保存可能商品については基本的に常温ゴンドラで販売している。あくまでストック型の買物を想定している
飲料はケース売りも併用
売場面積600坪弱とそこまで大型ではないが、非食品も広範に取り扱っている。ペット用品では猫砂も種類豊富に品揃え

オーケー川越伊勢原店概要

所在地/埼玉県川越市伊勢原町3-2

オープン日/2025年8月5日

営業時間/8時30分~21時30分

駐車場/140台

売場面積/1952.24㎡(590.55坪)

お役立ち資料データ

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