ヤオコーが「デパ地下」に出店、丸広百貨店のリニューアルに伴ってまるひろ上尾SC店をオープン

2025.09.13

2025.09.12

ヤオコーは9月12日、埼玉県上尾市にヤオコーまるひろ上尾SC店をオープンした。今回のオープンで埼玉県105店体制となる。他、千葉県34店、群馬県17店、東京都15店、神奈川県14店、茨城県7店、栃木県6店の全社計198店体制となる。

ヤオコーとして埼玉県上尾市に久しぶりの出店で、過去出店した2店がいずれも閉店していることから同社として空白地となっていた。同社の既存商圏となっている南側のさいたま市北部、東側の伊奈町からつながる上尾市に出店することで、商勢圏が広がった格好だ。

周辺の同社の店舗は、伊奈店(埼玉県伊奈町)が北東に約4.5km、大宮宮原店(さいたま市北区)が南に約4.5km、西大宮店(さいたま市西区)が南に約4.8km、桶川上日出谷店(埼玉県桶川市)が北に約5.5kmといった形で、まさに同社として空白地を埋めるような出店となった。

JR高崎線上尾駅の東口駅前、徒歩約1分の駅前に立地する丸広百貨店上尾店の地下1階への出店となる。今回、丸広百貨店自体が百貨店から「まるひろ上尾SC(ショッピングセンター)」にリニューアルすることに際しての出店。丸広百貨店は上尾駅とペデストリアンデッキで接続しているため駅からのアクセスも良く、また、建物東側は県道164号(旧中山道)に面しているため車でのアクセスも良い立地となっている。周辺はマンションや戸建住宅が広がるエリア。

JR上尾駅東口の駅前立地。駅の反対側にはイトーヨーカドーがある
丸広百貨店の食品売場だった場所に出店した。売場の真ん中にエスカレーターがあるため、レイアウト的には変則的になっている
エスカレーターを下った先頭には青果と大きな看板

半径1km圏内の人口は約3万5000人、約1万7000世帯。50代~60代が28.5%で、埼玉県平均と比べても高くなっている他、30代~40代も25.3%と比較的高く、足元商圏はミドルシニア層が多い。また、同エリアの1世帯当たりの人数は2.04人で埼玉県平均と比べ少なく、単身世帯、もしくは2人世帯の割合が多くなっている。

半径3km圏内の人口は約18万3000人、約8万3000世帯で、30代~40代の割合が50代~60代を上回る他、半径1km圏内と比べ3人以上の世帯が増えることから、ヤングファミリー層が多くなっていると想定される。

周囲の人口はかなり多いが、さらに商圏内は人口、世帯数共に増加傾向にあるという。駅前エリアと周囲2~3kmのエリアで世帯年代の差が大きなことが特徴で、昔からの戸建て住宅と新しいビルが共存することから、駅前百貨店内の店としてさまざまな客層が入り乱れることが想定される。

ヤオコーとしてはさいたま市を境に商勢圏を郊外型寄りの「北」と都市型寄りの「南」に分け、マーチャンダイジングを変えているが、今回はその境目近辺ということに加え、特殊な商圏の状況を踏まえ、北と南の「いいとこどり」の店づくりを心がけた。

ヤオコーがオープンする前は、丸広百貨店運営の食品売場だったこともあって、従来からの百貨店のお客を意識したややアップグレードの商品も含めた展開と、広域商圏に多いヤングミドル層、単身者への仕掛けをしていきたいとする。

同社は、丸広百貨店内には2020年7月にまるひろ南浦和店(さいたま市南区)を出店しているが、それも含め、商業施設内の出店も数を重ねていることもあって、確実に出店のノウハウは蓄積されている。まるひろ南浦和店の年商は同社の既存店1店当たりの平均年商である30億円を上回るなど、商業的には大きなポテンシャルを持っているといえる。

まるひろ上尾SC店のストアコンセプトは『「豊かで笑顔が溢れる」食生活を届けられるお店』。初年度の売上高構成比計画では、生鮮35%、グロッサリー46%、デリカ19%。SKU数は、生鮮が1000、グロッサリーが1万3630、デリカが360、合計1万4990。

駅前の百貨店内、しかも売場面積は約720坪と大型ということで、初年度年商は29億円を予定するなど高いレベルにある。

生鮮の精肉では、牛肉をメインとした展開を図り、九州産の「黒華牛」など黒毛和牛のおいしさにこだわると共に平日は使い勝手の良い切り落とし焼肉、週末は厚切り焼肉などを提案し、「毎日焼肉ができる品揃え」を実施。

「鉄板焼き」訴求で焼肉商材を売り込む

また、頻度品は値頃での提供に努める。豚肉については値頃の輸入豚も品揃えし、価格訴求する他、駅前立地ということで即食ニーズ対応として特に夕方以降はミートデリカなどのつまみ需要に対応する。

ミートデリカとして、オープン日には「ローストビーフのっけ盛り」(398円、本体価格、以下同)を提案
簡便商品の味付け肉などもしっかりコーナー化して売り込む

鮮魚では、豊洲市場を活用し、その時季ならではの近海魚を対面販売、「旬を感じる賑わいのある売場」を実現する。対面販売での提案を行うアテンダントも採用、配置し、提案力を高めた。夕方には、調理が手軽な味付けの切り身や、切りたて、造りたての刺身の盛り合わせなどを即食の文脈で品揃えし、その他、簡便商品などを含めクッキングサポートなども活用しながらニーズに合わせて提案する。

今回、夕方以降の提案力を高めるため、提案コーナーの「クッキングサポート」について11時から20時までの8時間(休憩1時間)のパートタイマー1人の他、15時~19時の4時間のパートタイマー2人を採用することで、16時以降もしっかりと提案ができるような形を目指している。通常、9時から18時までの8時間が一般的のところ、夕方の陣容を厚くした

青果では、産地リレーによって年間を通してミニトマトを品揃えする他、リードタイムを短縮することで鮮度の高いミニトマトを調達。

入口の平台では、季節感あふれる商品展開で、毎日楽しんでもらえる売場を実現する。今回のオープンに際しては、旬のブドウを強化し、品種を多数品揃え。従来からの百貨店の客層を意識した品揃えといえる。

オープンに際しては、ヤオコーとしてもオンラインで販売している「山梨県産一宮の匠の葡萄」(シャインマスカット、3980円)も展開した

また、秋の味覚で付加価値を付けた商品としてブランドカボチャである「ほめられかぼちゃ」や菌タケ類では妙義ナバファームのマイタケなどを提案。

地元野菜は20軒の農家の商品を取り扱う。ヤオコー西大宮店で実績のある農家や、丸広百貨店運営時代にも取り扱っていた農家も含まれているという
アメリカではさまざまな演出で展開されるバナナだが、ヤオコーでも日常のベーシックな商品としてインパクトの強い売場をつくっている
花きでは洋花を強化し、インテリアとして提案

デリカの惣菜では、「手握りおはぎ」を1日を通して、粒あん、ずんだ、きなこなど選べる品揃えで展開する他、ランチタイムから夕方まで時間帯に応じた出来たて訴求を実施。駅前商圏らしく、18時以降もつまみ商品や小量目商品を選べる品揃えを実施するなど、時間帯ごとのマーチャンダイジングを強化。

百貨店の地下への出店ということで、おはぎについては重箱型の商品も品揃えしていく意向
大型の売場で高い年商規模の店のため、鉄板は2台設置
デリカでは特に新商品はないが、既存店で投入した新規性ある商品がところどころで目を引く。写真はローストビーフの横展開商品であるポテトボール
ヤオコーが積極的に展開するセット物は健在
こちらはセット物ではあるが、同じ商品が2つ入っているパターン。柔軟な発想の商品化といえる

寿司では、ランチタイムでおむすび、巻き寿司、ちらし寿司を豊富に品揃えし、駅前のランチ需要に応える。ちらし寿司や巻き寿司には、「自社製厚焼玉子」を素材として使用するなど、「ヤオコーでしか味わえない商品」を訴求する。特に18時以降の需要に応えるために、出来たての提供に努める。

こちらはマグロ丼と茶わん蒸しのセット

ベーカリーでは、ランチタイムに鉄板調理の「鉄板巻上厚焼き玉子かつサンド」や「ハンバーガー」を豊富に展開。惣菜のメンチカツのパティを使用したハンバーガーも展開する。ランチタイムは名物商品のカレーパン、夕方には具シリーズやロイヤルブレッドなど、時間帯に合わせた出来たての対面販売を実施する他、スイーツの品揃えを充実させる。

「パン屋のおべんとう」として惣菜パンやフライドチキンをセットにした商品を展開。398円で値頃感がある
ベーカリーでも「厚焼き玉子」と「かつサンド」など、さまざまなセット商品を展開。ナポリタンとピザのセットなども従来から販売している
秋に向かう季節商品として「マロンあんぱん」なども展開

グロッサリーの日配では、キムチを豊富に品揃え。生鮮部門と連携した調理提案やつまみ提案で、選ぶ楽しさを実現する。生菓子では、ワンハンド商品やこだわりの商品を充実させる。こちらは百貨店商品として強化。

主通路沿いに第1主通路突き当たりの鮮魚売場から練り製品、さらに豆腐など和日配と続く。ヤオコーでは日配が奥主通路の主役となることが多い

冷凍食品では、ワンプレートコーナーを最大級レベルの品揃えにした他、簡便需要に応える意味で味付け肉や魚の冷凍の商品も展開している。

冷凍食品は主通路沿いにデリカ売場の先に広大な売場としてレイアウトされた
ワンプレートの商品は中央部の平ケースで大々的に展開
冷凍食品売場では味付け肉や魚なども品揃えに加えた

ドライ食品では、生鮮部門と連動したドレッシング、たれの提案を実施する他、ナッツは酒の種類ごとの食べ合わせ提案なども実施。

ドレッシングはお勧め商品のランキングでエンドで提案
ナッツ類は酒売場でも酒との組み合わせを提案しながら販売。売場では随所に提案が見られる

市場が伸びているグミについては同社最大級の3.5尺の展開で、豊富に品揃えし、選べる楽しさを提案。

また、酒はハイボールやご当地酎ハイなどを豊富に品揃えし、バラエティー感のある売場を実現する。

子会社の小川貿易を通じて直輸入ワインを継続的に販売しているが、今回、初めてヤオコーのプライベートブランド商品の「yes!YAOKO」を冠した商品を発売。スペインのワイナリーであるボデガス・フェルナンド・カストロとの共同開発で、小川貿易を通じて輸入販売
特殊なレイアウトで、直輸入ワインのゴンドラの裏側にフルセルフレジの区画がある。レジはセミセルフレジが4レーン、フルセルフレジが14台

なお、百貨店の地下という特殊な立地ということもあって、同店はネットスーパーの拠点にはならない他、イートインコーナーも設けていない。

いずれにしても、もともと集客のポテンシャルが高い立地の大型店ということで、高いレベルの年商が期待される店舗である。

ヤオコーまるひろ上尾SC店概要

所在地/埼玉県上尾市宮本町1-1

オープン日/2025年9月12日

営業時間/9時~21時

駐車台数/310台(第1駐車場250台、第3駐車場30台、第4駐車場30台、他、駐輪場399台、バイク20台)

延べ床面積/3556.35㎡(1075.80坪、ヤオコー床面積)

店舗面積/2381.14㎡(720.30坪、ヤオコー売場面積)

年間売上げ/29億円(初年度予定)

店長/飯塚真大

従業員/正社員19人、パートナー、ヘルパー、アルバイト138人(延べ人数)

商圏人口/1km圏内3万5000人(1万7000世帯)、2km圏内10万4000人(4万8000世帯)、3km 圏内18万3000人(8万3000世帯)

お役立ち資料データ

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