イオンモール津田沼Southが3月18日グランドオープン、イトーヨーカ堂撤退跡地を再開発、京成電鉄新津田沼駅両側がイオンリテールに
2026.03.24
目次
イオングループ挙げて「体験型」の施設を目指す
イオンリテールと京成電鉄は3月18日、京成電鉄新津田沼駅南側にイオンモール津田沼South(サウス)をグランドオープンした。京成電鉄が所有する津田沼12番街ビルを刷新し、イオンリテールの新たなショッピングセンター(SC)として再開発したもので、京成電鉄とイオンが2024年10月に締結した資本業務提携に基づいた第1号案件の位置付け。
同ビルにはかつてイトーヨーカ堂がイトーヨーカドー津田沼店を出店していたが24年に閉店、今回、イオンのSCとして生まれ変わった形となる。
イオンは2003年、同駅北側にイオンモール津田沼をオープンし、同エリアに総合スーパー(GMS)を含むSCを出店していたが、今回、駅を挟んだ南北双方の施設にイオンリテールのSCが共存する形となった。今回のサウスのグランドオープンに際しては約3000人が並ぶなど、話題性と共に地域の期待の高い施設となった。
サウスは食品やコスメなどを展開する核店のイオンスタイル津田沼Southと約50の専門店で構成される8層のSCで、今回のサウスのオープンに伴ってイオンモール津田沼は「イオンモール津田沼North」(ノース)に改称された。新津田沼駅の改札は2階にあるが、改札を出るとペデストリアンデッキを通じて直接両SCの2階に入れる構造になっていて、2施設の距離は非常に近い。
イオンは1994年に本社を千葉市に移転し、周辺には多数の店舗を構えるなど千葉県が地盤と言える状況だが、実際、12年2月には千葉県とも包括提携協定を結んでいる。また、ノース、サウスが立地する同県習志野市とは今年2月に包括・地域連携協定を結ぶなど地域との連携を強化してきた。
オープン記念セレモニーに出席したイオンの吉田昭夫社長は「今回、2館体制となった。サウスの特徴は、より『体験型』の施設にしたいということで、『実需型のノース、体験型のサウスの形』で、地域の皆さまにご利用いただきたい」と語った。

フルラインのGMSを含むノースがあるため、必然的にサウスのオープンに際しては差別化を図る必要があったが、今回、イオンリテールはそのための方向性を「体験型」とした。さらにさらに「違い」を強調する意味も込めて、「刷新」にもこだわったという。
イオンリテールの古澤康之社長は、「改装において最も重要だったポイントはイメージの刷新」と語り、それを実現するために内外装について、ラグジュアリーブランドの店舗デザインを手がけるマルエルブ・パリ社に依頼したという。「新津田沼駅周辺は、JR津田沼駅と合わせて(1日の)乗降客数は約20万人と、当社の中でも有数のトラフィックを持つ街」(古澤社長)ということで、イオンリテールとしても非常に力が入った施設となった。

具体的な「体験型」の中身は、特にイオンリテール直営部分の地下1階、1階で展開される食品と2階で展開されるビューティ関連で表現されている。「食品の売場にはイオン初の取り組みを多数取り入れている。楽しく食品の買物をしていただけるはず。2階はコスメのフロアとして、アジアンコスメからラグジュアリーコスメまで、バーチャルにメイクの体験がしていただける」(吉田社長)
食品は「出来たて」「切りたて」「旬」にこだわる他、今回特に店内製造スイーツを強化した。1階ではライブ感あるデリカ、ベーカリー、リカーを展開。その上でイートインコーナーをフロアの中央に配置するなど、より体験型を実感しやすいレイアウトになっている。
今回、新たなフレッシュデザートの売場を展開する他、選ぶ楽しさを提案すると共に手軽に買ってもらうことも狙い、寿司や銘菓、紅茶、コーヒーの一部商品を1個単位で提供する実験をしている。



















イオンリカーが「体験型新コンセプト店舗」を正面入口すぐに出店
また、今回、グループ企業のイオンリカーも「体験型」の方向性に連動する形で大きな挑戦をしている。「『体験しながら選べる新スタイルのリカーショップ』“話す・試す・学ぶ・買う”を一体化した体験型コンセプト店舗」としてイオンリカー津田沼Southをオープンした。
同社では近年、お客が「体験を通じて納得して選べる」売場づくりを強化しているが、今回、その取り組みをさらに進化させた。

ソムリエによる提案型接客、有料試飲サーバー、買った商品をその場で楽しめる角打ちスペース、セミナー・イベントなどを通じて「話せる・試せる・学べる・買える」体験を一体化した新しい酒類の購買体験の提供を目指す。
ワイン売場にはソムリエが常駐し、ワイン選びの相談から試飲、料理とのペアリングまで1人1人の用途、し好、予算に応じた提案型接客を実践する他、味わいを30のカテゴリーに整理した「味わいチャート」を導入し、ワインが初めての人でも「自分の好きな味わい」を簡単に見つけられるようにした。







地下1階では生鮮食品など素材系を提案、関東初の「MEAT PARK」も
デリカ、ベーカリー、飲料など即食系で構成されていた1階に対し、地下1階は生鮮食品、日配品、冷凍食品の素材系の売場としている。農産ではカットしたての果実をふんだんに使ったカットフルーツやスイーツを品揃えする他、水産の鮮魚対面コーナーでは、季節に応じて漁師が選んだ「本当においしい自慢の魚」とのコンセプトの「プライドフィッシュ」をイオンで初めて対面で常時販売する(時間によって売り切れの場合もある)。
また、畜産売場は特に強化し、イオンリテールが25年から取り組む新たな売場となる「MEAT PARK(ミートパーク)」を関東で初めて展開。利用シーンごとに分かりやすい売場を構える他、お客の要望に合わせてカットや調理提案をする対面販売コーナーも設置するなど、幅広い品揃えや価値訴求などによって「ワクワクする売場」を展開していく。
















MEAT PARKでは肉の利用シーンが多い「焼き」のメニューの「ステーキ」「焼肉」「トンテキ」「焼き鳥」などの他、「タイパ」「コスパ」商品を取り扱う「ドカ盛り」「簡便調理」など、お客のニーズが高いカテゴリーを6つのゾーンに分類し展開









「ビューティ」に特化した上で品揃えを深掘りした2階「Sokko beauty」
駅改札からペデストリアンデッキで直結している2階では、トレンドアイテムからラグジュアリーブランドまで展開するイオン随一のコスメ売場として、ビューティに特化した直営の「Sokko beauty(ソッコービューティー)」を展開。幅広い世代に人気のアジアンコスメなど、トレンドアイテムを取りそろえる。
イオンではヘルス&ビューティの直営売場として「Glam Beautique(グラムビューティーク)」を展開しているが、今回はビューティに特化した形態ということで、新たなブランドを冠した。
テスターだけでなく、理美容家電の体験コーナーなども設けるなど、選びやすい売場になるように心掛けた他、ラグジュアリーブランドをはじめとする世界中のブランドコスメのセレクトショップでイオングループの「Cosmême(コスメーム)」とテナント専門店の「カラースタジオ」も出店。品揃えの深掘りを図ることで10~20代の若い世代からラグジュアリーブランドを求める層まで、幅広いニーズに応える。
その他、毎日の買物からできる環境活動の一環として今回、エコストアジャパンが提供する洗剤の中身だけを購入できる「エコフィル」という洗剤の量り売りサービスを導入。プラスチック削減に貢献できる洗剤の自動充てん機を売場に設置した。







このようにイオンリテール直営に関しては食品とビューティに絞り込んだ上で、体験型の要素を大々的に盛り込んだサウス。トレンドの食やコスメなどリアルでの体験と併せてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で発信したくなる要素を用意し、10~20代をはじめとする情報感度の高い層に支持される施設を目指すとしている。
テナント専門店は、一部イオンリテール直営がメインの地下1階、1階、2階にも出店しているが、他のフロアは基本的にテナント専門店で構成される。3階から5階には衣料品、生活雑貨の専門店、6階には居心地のよさを重視したバル風の飲食店、7階には今夏オープン予定でイオンシネマによる映画館が出店、また、8階はイベントスペースとしている。
イオンスタイル津田沼Southの三浦伸緒店長も、ノースとのすみ分けのポイントとして「感度の高い」層の存在を挙げる。「両館を買いまわってもらうときに、目新しい、最新といったものを、いろんな部署を巻き込んでやってきた。2階などはMZ世代(1980年代半ば以降、2010年代前半に生まれた世代)含めた若い方を呼ぶ、食品はオールターゲットではあるが、特に『こんな売り方、こんな食べ方があるんだ』といった感度の高い方に訴求することを狙った」(三浦店長)
ノースは段階的な改装で売場を最新のGMSにアップデート
一方のノースは、24年に1階の食品を最新の売場に改装、25年秋に3階のキッズ売場の刷新と1階のヘルス&ビューティケアへの調剤薬局の導入などを経て今回26年3月、2階の衣料品、1階の住居余暇を改装し、「ライフスタイル型GMSの完成」(松本支社長)を迎えた。
食品、衣料品、暮らしの品、ヘルス&ビューティケア、調剤薬局を展開するGMSと約80の専門店で構成されたSCとして、改装で対応を強化した子育てファミリーを中心に、単身層やシニア層など幅広い世帯の「毎日の暮らし」に便利さや豊かさを提供することを目指す。



イオンリテールの古澤社長は、今回のサウスでの取り組みの意義について、次のように語る。「今後、GMSの売場を大きく変えていく中においては、お客さまが実際に体験をして、その商品をただ買うだけでなくて、いろいろと試したり、話したり、実際にトライしたり、いろいろなことをしながら購買につながっていくというのは、1つの試金石になるのではないかと思っている」
「体験型」の売場を追求し、今回、具体的な形として表現したイオンリテール。今回の取り組みが今後、同社のGMS、あるいは他の業態も含めた形でどのように生かされていくのか。そこにも大きな注目点がある。
イオンモール津田沼South概要
所在地/千葉県習志野市津田沼1-10-30
オープン日/3月18日(グランドオープン)
営業時間/食品、ビューティ8時~24時
専門店:物販・サービス10時~21時
カフェ7時~22時
6階フードフロア11時~23時
(売場、専門店により営業時間が異なる)
建物規模/地下1階~地上8階(8階の一部は屋上)
駐車場台数/536台
敷地面積/約1万4913㎡
延べ床面積/約3万5292㎡
総賃貸面積/約2万100㎡
ゼネラルマネージャー/樋口太朗
核店舗店長/三浦伸緒









