リンコスBASEGATE横浜関内店が3月18日オープン、人の往来が多い駅前再開発施設への出店で、訪れる人と生活者の需要を両にらみ

2026.03.24

マルエツは3月19日、神奈川県横浜市にリンコスBASEGATE横浜関内店をオープンした。同社神奈川県内51店目、全社では309店目の出店となった。JR根岸線の関内駅から徒歩約1分の駅前立地で、横浜旧市庁舎跡地に同日開業した大規模複合街区「BASEGATE横浜関内」2階部分への出店。駅前ではあるが、西側には国道16号線が南北に走り、北側には国道133号線が走るなどアクセスも良く、施設内には228台分の駐車場もある。

施設の2階部分に出店。ただし、駅との間に建物があり、メインの行き方となるエスカレーターに乗るまでの視認性が良くないことから、まずは認知を上げることが重要となりそうだ

周辺では関内駅前港町地区市街地再開発、関内駅前北口地区市街地再開発が進むなど再開発が進んでいる上、現状でも事業所が集積する他、横浜スタジアム、横浜中華街など観光スポットも点在するなど、人の往来の多い地域でもある。特に横浜スタジアムは至近にあることからイベントなどに訪れる多くのお客の利用が見込まれる。

店舗の内装には「横浜」を連想させるデザインも施し、買物の楽しさとにぎわい感を演出する。周辺にはスーパーマーケット(SM)が少なく、近隣の住民からオープンを待ち望む声もあったという。商圏特性は単身世帯の比率が約7割と、神奈川県平均よりも高く、年齢別では25歳~64歳の構成比が高い。

観光客やビジネスマンなど昼間人口が多い一方で、住民は単身世帯が多いという商圏特性を踏まえ、マルエツとしては他地域から訪れる昼間人口に加え、周辺で暮らす住民の両方をターゲットとし、特に住民に単身世帯が多いことを踏まえて、簡便、即食商品の品揃えを強化した。それらを「外出先でも」「自宅でも」手軽に食べられるようなマーチャンダイジング(MD)を狙っている。

特に周辺にSMが少ないという事情もあり、「マルエツ」フォーマットと比べて高品質な商品を取り扱う「リンコス」フォーマットでの出店であるものの、MDとしてはマルエツに寄った商品も取り扱うことで、周辺住民の日常生活の需要にもしっかり応えることを目指す。同店から直線距離で約750mの横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅前には、同じリンコスフォーマットで横浜馬車道店を出店していることも背景にあるだろう。

売場面積269坪で総尺数約950。取扱SKU数は、精肉約350、青果約400、鮮魚約220、惣菜・ベーカリー約260、日配食品約1600、酒・たばこを含む一般食品約3500、生活用品約400、計6730。売上高構成比計画値は、精肉約8%、青果約16%、鮮魚約9%、惣菜・ベーカリー約17%、日配食品約20%、一般食品約21%、酒・たばこ約7%、生活用品約2%といったバランスで、惣菜とベーカリーは主力部門となっている。

惣菜では片手で食べられて便利な手作りおにぎりを始めとして、日替わり弁当、窯焼きピッツァ、鉄板焼などを店内加工であることを生かして出来たて商品として拡充。ベーカリーでも個食、ハーフサイズなど即食対応の商品を強化した。

バックヤードでの製造の様子が見え、シズル感がある
暑い夏も視野に入れた新規商品として、「ご満悦うどん」を開発。本体価格299円の「冷やしたぬきうどん」といったシンプルで値頃の商品を用意する他、トッピングなどでバリエーションを増やすなどシリーズとして充実を図っている
弁当は平台で量販。店内加工の商品に加え、アウトパックの商品も活用し、品揃えのバラエティを打ち出す
冷惣菜ではマルエツ草加デリカセンターで製造したオリジナルの商品などアウトパックを活用し、品揃えを充実させている
マルエツ草加センター製造の商品にパスタのシリーズの「ボナペティート!」が加わるなど、ラインアップは拡大中
269坪の小型店だが、インストアベーカリーを導入し、店内焼成している

精肉でも味付け肉や肉惣菜の「おつまMEAT」などの即食系の商品を強化。一方で大型パックを展開するなど、周辺の生活者を意識した商品も適宜差し込んでいる。青果でもカットフルーツやサラダなど即食商品を拡充すると共に、生活者に向けては既存店でも支持の高い「農家さんの直売所」コーナーを展開する。

精肉のオリジナル即食商品の「おつまMEAT」。精肉売場の他、惣菜売場でも販売する
精肉は全てアウトパックだが、黒毛和牛も含め展開する
大型パックなど、生活者を意識した品揃えも見られる
精肉ではそれぞれ1アイテムだけだが、ラムやイベリコ豚なども品揃え。リンコスらしい品揃えといえるかもしれない
アウトパックではあるが、青果では即食商品としてカットフルーツをコーナー展開
青果では平台を設け、量販態勢もしっかり組む

鮮魚は刺身などを中心に即食、適量目の商品を強化すると共に、鮮魚部門の寿司である「魚悦」も導入。また、こちらも簡便、即食の文脈として「お魚屋さんのサラダ」も展開する。

鮮魚の代表的な即食商品の刺身盛り合わせは平ケースで売り込む
鮮魚部門の寿司「魚悦」をコーナー展開
同店のオープンに合わせて魚悦の新商品の穴子の棒寿司を発売。「魚悦の新たな名物商品」を目指すとしている
魚を使った「お魚屋さんのサラダ」を展開
パックでの商品化で、丸物や切り身も品揃え。即食だけでない、周辺の生活者に向けた展開といえる
鮮魚のオリジナル即食商品シリーズの「おつなFISH」は惣菜売場で展開

日配食品、一般食品は菓子を充実させている一方で個食麺、冷凍ワンプレート、即席商品など駅前商圏に適した簡便商品を拡大するなど、こちらでも生活者もしっかり意識したMDとなっている。

冷凍食品は壁面を活用してコーナー化
冷蔵のデザートでは、同じユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスのグループ企業であるいなげやが開発し、子会社で製造する「黄金プリン」をマルエツでも展開し始めた。グループ内でのMDの融合も進む
横浜スタジアムは、飲食物の持ち込みは禁止だが、例えば場外で消費する目的などで菓子や惣菜などについてどのような需要があるのかは、今後、状況を見ながら見極めていくことになる
横浜スタジアムでは体調管理も目的でペットボトル1本程度の持ち込みは可能としている。飲料の需要は高そうだ

サービス面ではチェックアウトエリアを2カ所に配置し、利便性の高いレイアウトにすることで、お客にスムーズな買物体験を提供することを目指した他、Uber Eatsに対応し、配送需要にも応えるようにしている。

L字型の細長い売場。利便性向上のため両サイドにレジを設置した
レジはセルフレジ主体で、両出入口付近に設置した

リンコスBASEGATE横浜関内店概要

所在地/神奈川県横浜市中区港町1-1-1 BASEGATE横浜関内タワー2階

オープン日/2026年3月19日

営業時間/8時~22時

駐車台数/228台(施設共用)

駐輪台数/150台(施設共用)

売場面積/269坪

店長/永谷健一

従業員数/正社員11人、パートタイマー・アルバイト40人(8時間換算)

500m商圏/世帯数7134世帯、人口1万16人、世帯人員1.40人

お役立ち資料データ

  • 2025年上半期 注目店スタディ

    これまで約30年間続いたデフレ傾向から一変し、インフレ傾向が続く2025年。値上げや人手不足の対策に追われたこの上半期ですが、引き続き注目新店は登場し続けています。今回もその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップ。今回は出店背景、店舗運営、商品政策(マーチャンダイジング)について、押さえておきたいポイントをコンパクトな資料としてまとめました。引き続き、企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ヤオコー/杉並桃井店 ・ヨークベニマル/ヨークパーク ・ヨークベニマル/ミライト⼀条店 ・サミット/サミットストア…

  • 2024年上半期 注目店スタディ

    2024年上半期も注目新店がたくさん出ました。今回はその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップしました。今回もいつものとおり、企業戦略、出店背景、商品政策(マーチャンダイジング)までを拾いながら記事にまとめました。豊富な写真と共にご覧いただければ幸いです。 注目企業の最新マーチャンダイジングの他、売場づくり、店舗運営など、いまのスーパーマーケットのトレンドも知ることができる一冊となっています。企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ライフ/ソコラ所沢店 ・ヤオコー/武蔵浦和店 ・サミットストア/ららテラ…

  • 2023年 下半期 注目店スタディ

    2023年下半期注目のスーパーマーケット7店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・オーケー/銀座店 ・ヨークベニマル/仙台上杉店 ・ベイシア/Foods Park 津田沼ビート店 ・ヤオコー/松戸上本郷店 ・カスミ/…