オイシックス・ラ・大地が大戸屋ホールディングスと業務提携

2020.08.16

更新:2020.08.19

家庭での大戸屋定食の再現を目指す

オイシックス・ラ・大地は8月14日、「大戸屋ごはん処」など店内調理を強みとする定食チェーンを展開する大戸屋ホールディングス(HD)と業務提携契約を締結した。大戸屋HDと業務提携することで、安全・安心に配慮した食事業のさらなる拡大を目指すとしている。

オイシックス・ラ・大地は、有機・特別栽培野菜、 添加物を極力使わない加工食品など安全・安心に配慮した食品の宅配サービスを、「Oisix(おいしっくす)」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」の3ブランドで展開。定額でのサービス提供であるサブスクリプションの形での食品提供を主力事業としている。利用者は全国約36万人(2020年6月時点)に上る。

また、2013年7月からは必要量の食材とレシピがセットになった「主菜と副菜の2品が20分で完成する」ミールキットの「Kit Oisix」を販売、 シリーズ累計出荷数は5500万食(2020年6月時点)を突破するなど、昨今、スーパーマーケットで再度ブームの兆しがあるミールキットの先駆者としても注目を集めている。

さらに、「食のニーズの変化に対応した成長戦略の実行」の方針に基づいて、サブスクリプション事業のマーケティング・物流ノウハウを活用した他社との共同事業を13年から開始。三越伊勢丹ホールディングスの「ISETAN DOOR」など多様なアライアンス事業も手掛け、 事業規模も順調に拡大している。

大戸屋HDとしても、新規チャネルでの商品提供としてデリバリー、テイクアウト機能の強化や、冷凍食品の通販・EC(電子商取引)販売による外販事業に注力する方針で、共同事業により事業成長が目指せると考え、業務提携契約の締結に至ったとしている。今後、家庭での大戸屋定食の再現を目指すなど、協議により取り組みの詳細を決めていく。

両社共に安全・安心にこだわった食材の利用および新鮮な食材の調理といった、高品質で付加価値の高い「食」に関する事業を展開するという共通点を持つ他、過去にOisixのお客向けに実施したアンケートでは、「大戸屋」が「満足度が高いと感じている飲食店」に選ばれるなど、Oisixのお客との親和性も高いと判断した。

オイシックス・ラ・大地が手掛けるサブスクリプション事業の図

強みの「食のサブスクリプション」を共同事業で拡大

今後、 両社共同で大戸屋の店舗の顧客およびファンに向けて、自宅で大戸屋のメニューを楽しむことができるサブスクリプションサービスを立ち上げる予定。具体的には3つの取り組みを想定している。

1つ目は、家庭向け冷凍惣菜・弁当のサブスクリプションサービスの開始。両社の強みを生かした共同事業として「新たな食のサブスクリプションサービス」として始めるもので、大戸屋店頭で、あるいはOisixのお客に向けて販売する。

2つ目は、Oisixのお客に向けた「大戸屋プロデュース」商品の販売の開始。今年9月初旬にはOisixで、大戸屋監修のミールキットを発売予定だという。第1弾として大戸屋の人気メニューである「鶏黒酢あんかけ」を自宅で再現できるミールキットを販売する予定。

3つ目は、大戸屋店舗でのOisixとのコラボレーションメニュー提供の開始。Oisixの有機野菜などを用いたコラボメニューを共同開発し、「大戸屋ごはん処」などで提供する予定だ。

「Oisix」では今年4月、外食店の食材を宅配する販売企画「おうちレストラン」を開始。 現在までに16店舗の食材を販売し、お客からも「再度利用したい」という声が多く寄せられているという。オイシックス・ラ・大地としては、「外食のメニューを自宅で食べるというライフスタイルは定着しつつある」と考えており、今回の共同事業も世の中のニーズにマッチしたものであると考えている。

オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、 これからの畑」を理念に掲げ、食に関する社会課題をビジネスの手法で解決する事業を推進していくとしている。今回も自社の強みであるサブスクリプション事業などを生かしたその一環。今後は流通額約30億円規模の事業への成長を目指し、サービスを構築していく意向だ。

新型コロナウイルスの影響で、外食企業は大きな打撃を受けている。大戸屋HDに限らず、多くの企業がテイクアウトや宅配の強化など対応策を打っているが、その取り組み自体が業態の垣根を越えるものにつながっていく可能性を持つものだ。今回の新型コロナが、新たな食ビジネスの誕生を後押ししている。今回の業務提携もその1つといえるだろう。

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