東急ストアのグローサラント型「プレッセ飯田橋デリマーケット エキュートエディション飯田橋店」
2022.04.12
2021.08.01
東急ストアが7月21日、JR東日本飯田橋駅直結商業施設の「エキュートエディション飯田橋」2階に惣菜を中心に展開するグローサラント型フォーマットとなる「プレッセ飯田橋デリマーケット エキュートエディション飯田橋店」をオープンした。同店のオープンで東急ストア全社では90店体制となった。
店舗コンセプトを「Iidabashi Deli Style」とし、周辺で働く人や飯田橋駅の利用客、さらに近隣に住む人などさまざまな人に向けて、通勤前の朝食、昼食、ちょっとした休憩や夕食、さらに商圏のニーズを勘案し、酒需要も含め時間帯ごとに食シーンを提供する。
駅近隣にはオフィス以外に大学や学校も多い。500m圏内の人口は9174人、世帯数は5151世帯で、伸長しているという。居住者の7割は20代~50代となっている。
売場面積はワンフロアの約74坪。小型店であることから、品揃えは惣菜の対面販売を中心に飲料、デザート、菓子などの即食商品、し好品に特化した品揃えとした。
メイン、サイド、ご飯、サラダを選ぶことで、好みの組み合わせにカスタマイズできる「DELI BOX」や「MY SELECT SALAD」、あるいは注文を受けてから焼き上げるホットサンドやピザなど、バイオーダーのメニューを提供することで、「食事」として利用してもらうことを想定する。
また、猿田彦珈琲のスペシャルティコーヒー豆を使用したいれたてのコーヒーやサーバーで入れる生のクラフトビール、手土産としても利用できる菓子なども品揃え。
買った商品を食べることができるイートインスペースも約30席用意。開放的な雰囲気が味わえるテラス席も設置している。
朝7時~9時は、就業者に向け、カフェや軽食を想定し提供、その後11時ごろまでは来街者に向けてカフェの需要を中心に提供。
11時~14時には昼食に向けて惣菜全般の販売態勢を取る。
その後14時~18時まで再度カフェ需要を見込んだ後、18時以降については夕食需要に向けて惣菜と酒を提供する。
ホットサンドは、同社初の取り組み。レジで注文を受け、順番札を渡す。レジ従業員がインカムで厨房に製造を依頼。製造した商品は厨房の従業員が対面売場横の棚からフロア従業員に渡し、フロア従業員がお客に出来たての商品を渡すオペレーションとしている。
製造時間は注文から5分程度を基準に、混み合ったときには10分程度を想定する。各350円(本体価格、以下同)で、メニューは「ハムチーズエッグサンド」「あんバターサンド」「おすすめホットサンド」(月替わり)の3種類。
コーヒーとの相性も良いため、コーヒー、エスプレッソ、アメリカーノのいずれかとのセットで500円という「モーニングセット」も用意している。
そのいれたてコーヒーには、猿田彦珈琲のスペシャルティコーヒー豆を使用。定番のアイスコーヒー、ホットコーヒーに加え、カフェラテ、ソイラテなどオープン時は6SKU、オペレーションが確立次第、18SKUまで拡大予定。価格はSサイズで240円~320円となっている。
レジで注文を受け、レジ従業員がその場で抽出し、販売をする。
11時~21時の昼食、夕食の時間に向けて、メインディッシュ、サイドディッシュ、ご飯、サラダを各1点ずつ、お客が好みのものを選ぶカスタマイズ方式のセット弁当の「DELI BOX」を展開。価格は980円でメニューは週替わりで変えていく。
商品提供は、対面方式で従業員が注文を受けながら盛り付け、商品を渡し、レジで会計するというオペレーション。紙をベースにした容器で提供し、店内で食べても、持ち帰っても良い設計になっている。
同様に11時~21時の時間帯に、主に女性の就業者をターゲットに想定し、6種類の「レコメンドメニュー」、もしくはベースの野菜、メイン具材、トッピング、オリジナルのドレッシングをお客が選ぶ方式の「カスタムサラダ」を販売する「MY SELECT SALAD」も展開。
健康や野菜不足を気にする層に訴求し、トッピングとしても玄米やグリルチキンなどさまざまなバリエーションを用意している。
11時~21時の、主に昼食、夕刻をターゲットにした展開としては、店内焼き上げのクラフトピザを展開。品揃えを「マルゲリータ」「クワトロフォルマッジョ」の2種類に絞り、ホールを980円、ハーフを498円で販売。
ホットサンドと同様、レジで注文を受け、順番札を渡し、インカムで厨房に製造を依頼、出来たての商品をフロア従業員がお客に渡すオペレーション。こちらはトッピングなどを行うため製造時間は10分程度を想定するが、混み合う場合は15分程度になる見込み。
来街者や就業者の帰宅時の利用を想定してクラフトビールとワインも提供する。今回、ワインサーバーを同社で初めて導入。クラフトビールは「定番」3品と「季節のおすすめ」1品の計4品をレジ備え付けのサーバーから提供。4品を少量ずつ試すことができる飲み比べセットも用意した。
ワインは、ワイン専門商社「ENOTECA」がセレクトしたワインを季節替わりで常時6品提供。レジでコインを購入し、ワインサーバーからお客自身が6種類の中から選び、ボタンを押してサーブするセルフサービス方式で提供する。サーバーの横では、飲んだワインをフルボトルでの購入につなげる提案も実施する。
これらの酒は、イートインスペースで惣菜と一緒に楽しむことができるような設計。ただし、緊急事態宣言期間中は、サーバーでの提供とイートインでの利用を休止としている。
パンやスイーツを強化、手土産にもなる商品を集積
惣菜以外の品揃えでは、まず、パン・スイーツでは、日光の金谷ホテルベーカリーの9種類の菓子パンを220円~260円で販売する他、猿田彦珈琲がプロデュースする「オキーニョ」の小型の食事パンを中心に180円~250円の価格帯で7種類、品揃え。
日本橋茅場町にあるフルーツショップの「イマノフルーツファクトリー」のフルーツサンドやオレンジプリン、夏場にはフルーツゼリーを品揃えする。
また、チェントロ・カミーノの手のひらサイズのバスクチーズケーキ「BLOCK BLOCK TOKYO」を4種類販売。
神楽坂の名店として和の素材にこだわったフィナンシェやパウンドケーキの「神楽坂茶寮」、「神楽坂福来猫もなか」、どら焼きの「神楽坂 梅花亭」、カヌレやクッキーの「ハートの小径 神楽坂」、パティスリープティトモなど来街者が楽しめ、かつ手土産にもなる商品をコーナー化して品揃えしている。
SKU数は、生鮮食品がカットフルーツのみ6。デリカ食品(惣菜)が温惣菜10、米飯がDELI BOXを含め27、寿司4、冷惣菜がMY SELECT SALADを含め75、ベーカリーがホットサンド、クラフトピザを含め8、コーヒー12で計136。
グロサリー食品が加工食品(機能性、スープ、酒関連など)390、ドリンク(酒含む)593、デザート・菓子661で計1644。
他、実用品が生活用品68で合計1854となっている。
売上高構成比では生鮮食品とデリカ食品で51%、グロサリー食品が47%となっている。
また、宅配サービスのウーバーイーツを8月16日から開始予定。デリカ食品10SKU、ドリンク4SKUの合計14SKUで対応する。
コロナ禍で駅の乗降客が3割程度減っていることもあって、1日の客数は1500人程度、客単価は800~900円を想定している。
惣菜が主体のフォーマットではあるが、店内加工は温惣菜と米飯約10SKUのバイオーダーを中心とした約20SKU程度で、多くがアウトパックによる。ただし、厨房については約20㎡ほどあり、機器もそろっていることから今後、夕刻のビールやワインの提供が始まる中、つまみなどを含め温惣菜の店内加工の強化なども検討していくという。
プレッセ飯田橋デリマーケット エキュートエディション飯田橋店概要
所在地/東京都千代田区飯田橋4-17-27東日本飯田橋駅2階
オープン日/2021年7月21日
売場面積/244㎡(73.8坪)
営業時間/7時~22時(平日)、8時~21時(土日祝)
年商予定/4.3億円
平均日商/約120万円(平日約140万円、土日祝約90万円)
店長/森本望美
従業員数/38人(社員2人、パートナー社員・アルバイト36人)