富士薬品グループのドラッグストアに、購買体験をパーソナライズする店頭ストアメディア機の導入が決定

2023.05.12

富士薬品は、富士薬品グループが運営する「セイムス」をはじめとするドラッグストアにおいて、パーソナルプロモーション事業・データ解析事業を手掛けるマギーの提供する、購買体験をパーソナライズする店頭ストアメディア機「セイムスタッチ」の全店導入(※1)を決定した。

まずは、2023年9月末までにドラッグユタカ(※2)を除く全923店舗への導入を進めていく。「セイムスタッチ」は、お客の過去の購買データをAIが学習し、その日に使えるお客様一人ひとりに最適なクーポンを発券する。2022年8月から東京都・千葉県の一部店舗(204店舗)で試験的に導入しており、その結果を受けて、この度の全店への導入決定となったという。

※1:調剤薬局(単独店)は含んでいない。
※2:導入予定だが、時期は未定。

「セイムスタッチ」の導入背景と概要

昨今の物価上昇の影響により、一般生活者の節約志向が強まる中で、クーポンの効果的な活用が注目されている。一方、ドラッグストアをはじめ小売店の販促においては、クーポンの活用が欠かせないものとなっているものの、販促の施策自体が画一的になりがちで、お客一人ひとりに満足してもらうことには限界がある。

こうした中で富士薬品ドラッグストアグループは、より多くのお客に選ばれる店づくりには、「お客一人ひとりに合った最適なクーポン」を「お客が必要とする時」に提供するパーソナライズ化が必要だと考え、顧客一人ひとりに合わせたパーソナルプロモーションを行えるマギーの店頭ストアメディア機の導入に至った。

■購買体験のパーソナライズでロイヤルカスタマー拡大へ
「セイムスタッチ」は、セイムスに会員登録しているお客(の会員情報(属性)と過去の購買データ(ID-POS)から一人ひとりの購買傾向をAIが学習し、その日に使えるお客様に最適なクーポンを発券するもの(※3)。

端末には液晶サイネージも付いるので、新商品のキャンペーン情報やリピート購入の促進など、クーポンと動画を使ったお客ごとに最適なプロモーションを展開していく。セイムス会員は、来店するお客様の約70%を占めるため、「セイムスタッチ」でお客の購買体験のパーソナライズ化を実現することで、ロイヤルカスタマーの拡大が期待できるという。

試験導入の期間に行った検証では、来店頻度や1人当たりの購入金額などの改善や、各メーカー様の商品のリピート購買率が向上したほか、キャンペーンやサンプリングの投資効率の改善にも効果が見られだ。

<期間:2022年12月~1月>
・来店頻度(%):未タッチ会員と比較し、タッチ会員が8ポイント改善
・1人当たりの買上点数の割合(%):未タッチ会員と比較し、タッチ会員は2ポイント高い

■来店したら「セイムスタッチ」にタッチ!お買い物をおトクでトクベツに

お客は、店舗に入店したらすぐ、入り口に設置された液晶サイネージ付きの端末に店舗会員カード(セイムスカード)または店舗会員専用アプリ(セイムスアプリ)の会員バーコードをタッチすることで、AIが選んだ“その日に使える自分だけのクーポン”を入手できる。これにより、お得で特別な買い物を体験できる。

なお、新規会員のお客をはじめ、十分な購買履歴が存在しない場合でも、同様の購買体験ができるよう、専用の企画を準備している。

今後の展開

富士薬品ドラッグストアグループにおける「セイムスタッチ」の導入は、2023年6月末までに関東圏の全店導入、2023年9月末までにドラッグユタカを除く全923店舗への導入が完了予定だ。

今後は、学習した購買傾向から把握したお客のニーズをふまえ、お取引先メーカー様と連携し、クーポンの拡充とより魅力的なパーソナルプロモーションを展開していく。また、「セイムスタッチ」の認知と利用拡大に努め、2024年3月までにセイムス会員のタッチ率5割をめざす。

お役立ち資料データ

  • 2023年 下半期 注目店スタディ

    2023年下半期注目のスーパーマーケット7店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・オーケー/銀座店 ・ヨークベニマル/仙台上杉店 ・ベイシア/Foods Park 津田沼ビート店 ・ヤオコー/松戸上本郷店 ・カスミ/…

  • 2023年 上半期 注目店スタディ

    2023年上半期注目のスーパーマーケット5店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・ ヤオコー/トナリエ宇都宮店 ・ サミットストア/川口青木店 ・ 原信/紫竹山店 ・ ライフセントラルスクエア/ららぽーと門真店 ・ …

  • 有力チェーントップ10人が語る「ニューノーマル時代のスーパーマーケット経営論」

    有力スーパーマーケットチェーンの経営者10人にリテール総合研究所所長の竹下がインタビューを実施し、そのエッセンスをまとめています。 インタビューを通じ、日本を代表する有力トップマネジメントのリアルな考えを知ることができ、現在の経営課題の主要テーマを網羅する内容となっています。 変化する経営環境において、各トップマネジメントによる現状整理と方向性を改めて振り返ることは、これからの新しいスーパーマーケットの在り方形を模索する上でも業界にとって大変有用と考えます。 ぜひ、今後のスーパーマーケット業界を考える材料としてご活用ください。 ■掲載インタビュー一覧 ライフコーポレーション 岩崎高治社長 ヨー…