ベルクが無人決済店舗「Belc Go!大妻中野店」を東京・中野の大妻中野中学校・高等学校内に出店、新たなビジネスチャンス探る
2025.12.08
ベルクは、TOUCH TO GOが提供する無人決済システムの「TTG-SENSE」を活用する形で、「Belc Go!(ベルクゴー)大妻中野店」を11月26日オープンした。天井に設置されたカメラによる人物捕捉を行うとともに、棚に設置された重量センサーによってどの商品が手に取られたかを認証するため、レジで商品読み取りをせずスムーズな会計が可能。会計する場所に商品を置くだけで買物のリストが表示されるため、簡単に会計を済ませることができる。また、買物の際に会員登録や専用アプリも不要であることも大きな利点となっている。

導入したのは大妻中野中学校・高等学校(東京・中野)校内の一角で、生徒の他、職員、また来校者も利用することができる。土日や学校の長期休暇の期間も来校者がいることから営業する予定で、営業時間は6時~18時。決済手段については、現金は回収コストがかかること、また、時間もかかることから交通系ICカードの電子マネーに絞り込んだ。スマホ決済については、スマの校内への持ち込みは許可されているものの校内では電源を切るルールになっているため、採用されなかった。
約1400人の生徒を抱える大妻中野中学校・高等学校には食堂がなく、学校にいる時間帯は校外での買物も禁止されているため、生徒が校内で昼食や軽食を購入する際には2台の自動販売機、もしくは時間限定のキッチンカーやパン店の出張販売などを利用するしかなかった。
しかし、自動販売機は商品の購入に待機時間を要する他、決済方法も現金のみだったため回転効率が良くなく、行列の発生が常態化していたという。また、自動販売機であることから提供できる商品の種類が限られ、生徒の多様なニーズの充足は容易ではなかった。今回のベルクゴーはこれらの課題を抜本的に解決し、より快適で充実した学校生活を提供することを目指したものだ。
一方で、ベルクにとってはレジ業務の自動化によってオペレーションの負荷軽減が見込まれ、従業員は主に品出しに集中できる。TOUCH TO GOは現在、全国で260カ所強に無人決済システムを提供しているが、ベルクとの取り組みは今回が初めて。
もともと大妻中野中学校・高等学校からTOUCH TO GOに相談があり、TOUCH TO GOがベルクに声をかけた。「最近は職域、学校、工場から食べる場所が少ない、あるいは食堂や学食がなくなって、食を提供しなければいけないというお声がけが非常に多く、今後、スーパー含め、協業を進めていきたいと思っている」(阿久津智紀・TOUCH TO GO社長)
ベルク側として今回のベルクゴーの開発にかかわった須川智之・執行役員財務経理部長は何と財務経理担当。「ベルクは新しいものにチャレンジしてこうという社風があるので、その中の一環」と話す。実際の(既存店)約150店舗とは別の販路を狙って出店をすることにした。また、(東京都)中野区にはベルクの店舗がないため、中野での知名度のアップも狙い。さらに今回は学校への出店のため、ベルクの主たる客層とは異なったマーケットになっていて、その生活の支援も私たちで支えていければと思い、今回出店の運びとなった。また、客層が全く異なるため取れるデータは有用と感じている。それを基に商品開発等に生かしていけると思っている」(須川執行役員)

商品は一番近い既存店であるベルク練馬高松店(東京・練馬)を母店として供給。配送は朝の1回のみ。今回のBelc Go!大妻中野店は壁面の15尺ほどのスペースに200~230アイテムをそろえる小規模な店舗ということもあって、TOUCH TO GOが物流面を手配する形を採った。






「われわれのサポートとして、(物流)パートナーを手配して母店から運んで(棚に)詰めるところまでやっている。どうしてもスーパーは物量が大きいので、小さい店に持ってくるのはロットが合わない。だからこのパターンでの展開は今後、広げられると思っている」(阿久津社長)
当初の品揃え商品はベルクで決めた。昼食を視野に弁当、サラダの他、プリン、ヨーグルトなどデザート系を中心に、パンや飲料、菓子などで、生徒の反応や学校側の意見も聞きながら調整していくとしている。売価は基本的にはベルクの店頭売価と合わせた設定としている。
また、需要に応じた数量を模索することで、極力売れ残ることをなくしていく意向だが、残った場合の見切りについてはTOUCH TO GO側の仕組みで時間に応じて値引かれるようにしている。

TOUCH TO GOは2020年3月にJR高輪ゲートウェイ駅内に1号店をオープンし、さまざまな業態へのさまざまな形態での出店を模索しながら店舗数を増加させてきた。それも踏まえ、阿久津社長は、「2つ可能性がある」と語る。「1点目は、今回もそうだが、手に取れる自販機レベルの小さい規模。このマーケットは非常に大きいと思っていて、試算では5万カ所ぐらいあると思っている。2点目はバーコードの付いていない商品。ドーナツや天ぷらなど、人が目で見て判断しなければいけないものに関しては、自動で検知することが一定の効果を出せている」(同)
TOUCH TO GOが提供する無人決済システムのTTG-SENSEは商品棚1本から展開可能ということで、電源と小さなスペースがあれば出店が可能ということで、デッドスペースの有効活用なども提案しながら今後も出店を模索していく意向。今回のベルクゴーは交通系ICのみのシンプルな決済だが、機能としては多様な決済手段に対応可能、かつカメラによるAI(人工知能)分析基盤の活用によって商品を手に取る、あるいは棚に戻すといった行動も解析可能ということで、ローコストや利便性だけでなく、買物の分析といった側面も含めた提案をしていく。









