東急ストア東林間店が6月11日改装オープン、400坪以下でも衣料品などワンストップ要素重視の小商圏対応
2026.06.15
東急ストアは6月11日、神奈川県相模原市南区の東林間店を改装オープンした。同店は小田急江ノ島線の東林間駅東口の駅前に立地。同店のオープンは50年前の1976年で、改装を重ねながら長期間に渡って、地域に根差した日常使いの店として親しまれてきた。店舗の上はマンションとなっている。

今回の改装では商圏に住むお客のライフスタイルや買物ニーズの変化を踏まえ、日々の買物をより便利に、より楽しく利用できる店舗への再構築を図ったとしている。改装のコンセプトは「3つの価値で選ばれるお店」(蓜島裕紀・店舗企画部店舗企画課長)。
3つの価値は、第1に鮮度、品質、健康、品揃え。第2にタイパ(タイムパフォーマンス)と簡便の拡大、第3にサービスの充実を指す。これら3つの価値を高めることで「選ばれる店」となることを目指す。既存客の満足度を一段と引き上げると共に、これまで利用したことのないお客にも東急ストアならではの魅力を実感してもらい、継続的に利用するファンづくりへつなげる考えだ。
商圏とターゲットの設定は、地域の世帯構成を反映したものとなっている。東林間店の周囲1km圏の人口は約4万2000人と厚く、年代別では40代から50代の構成比が高い。世帯別では単身世帯と2人世帯の合計が50.7%を占め、生鮮素材を買って家庭で調理するニーズと、惣菜や簡便商品を使った即食ニーズの双方が見込まれるエリアだ。
このためメインターゲットは、40代以上を中心に自ら調理する層としている。高齢層も含め、素材から料理を楽しみたいというニーズに応えていく。一方、サブターゲットには就労単身者や高齢者を含む、惣菜を中心とした即食ニーズを持つお客を据える他、主婦層に向けても即食、簡便調理ニーズを意識していく。
売場面積は373坪で、やや小型といえるが、これは売場にテナントとしてドラッグストアのマツモトキヨシを導入したことで改装前より売場を縮小した結果でもある。改装後の目標売上高は年商13億7200万円を計画。総SKU数は1万538。内訳は青果360、畜産230、水産229、デリカ377、グロサリーがチルド2220、ドライ5227(合計7447)、衣料品、日用品などの実用品1737、その他158。
売上高構成比計画では、青果16.0%、畜産8.1%、水産6.8%、デリカ16.1%、グロサリーのチルド24.1%、ドライ23.7%、実用品4.5%、その他0.8%を計画する。
テナントとしてベーカリーの「エピシェール」の他、生花店の「花の店ベルフィオーレ」が入る。マツモトキヨシは8月オープン予定で、フード&ドラッグの形となる。東急ストアの部分の売場レイアウトは生鮮、惣菜を主通路沿いに配置したオーソドックスなパターンだが、今回、衣料品と日用品をこの売場規模としてはかなり広く取っている点が大きな特徴だ。


オープンから50年を超える店ということもあって、改装におけるアンケートでも衣料品や日用品への要望が多かったという。専門店の台頭と併せ、食品を主力とするスーパーマーケットでは衣料品や日用品の取り扱いを絞る傾向にあるが、徒歩中心に小商圏でのワンストップの利便性が求められる部分も依然として存在する。むしろ、高齢化が進む中で車での移動が減ったり、移動そのものが減少したりすることを考えると、こうした立地は局地的には増えていく可能性もある。日用品では特にキャットフードを強化したという。

デリカは、今回の改装で最も強化した部門の1つ。店内の厨房を強化し、展開カテゴリーの拡大を図っている。即食、簡便ニーズに応えるため、鉄板焼きやピザ、冷惣菜の「リッチデリ」などの商品展開を厚くし、日々の食事の便利さと楽しさを提供する。商圏に多い単身、2人世帯の食卓を意識し、調理の手間をかけずにそろえられる売場づくりを進めた。いずれも同社の最新のMDのコンテンツとして磨き込まれてきたものを水平展開する形だ。








青果はメインターゲットの調理をするお客に向けた商品としても重要な部門。産地直送の商品や地場商品の展開に加え、価格面でも買い得コーナーを設置し、鮮度、品質、価格面で満足してもらえる売場を進めていく。



水産はプロセスセンター(PC)商品の構成比を46.5%としながらも、バックヤードにガラス窓を設けた構造を生かし、お客の要望による加工を受け付ける時間には窓を常時開放することで専用の「承り窓口」とするなど、対面販売機能を強化。調理方法やメニューの提案なども含め、お客の要望に応えられる態勢を強化した。

畜産は、銘柄肉の品揃えを強化し、品質にこだわるお客にも満足してもらえる売場を目指す。全てPCからの供給だが、牛肉を含めしっかり展開する。


生鮮の各部門では、近年ニーズが伸長する冷凍の商品の品揃えを拡大し、各売場にケースを導入しながら展開を強化している。保存性や利便性を求めるお客に対応し、生鮮素材と即食商品の中間を埋める品揃えとして位置づけているという。



グロサリーは、名店の商品や地方の商品の取り扱いを強化。具体的には神奈川県藤沢市に工場を持つヤシマ食品(本社は横浜市西区)の「湘南豆富」や揚げ物、川崎市麻生区に本社、工場を構えるカジノヤの「かじのや納豆」、相模原市中央区に店を構え、連日行列ができる人気カレー店の「マボロシ」が監修したレトルトカレーの「マボロシ監修」カレー(製造、販売は36チャンバーズ・オブ・スパイス)など、地域性や話題性のある商品を取りそろえる。





併せて食物アレルギーに配慮したコーナーや、健康を意識した商品コーナーも展開するなど、限られた売場面積ながら「選択肢」も重視している。


レジはセミセルフ2台、フルセルフ6台で、セルフレジ主体。
今回の東林間店の改装は、テナントとしてドラッグストアを導入しながら直営の売場を縮小しつつ、直営では衣料品や日用品も比較的広範に取り扱うなど、テナント、直営の2つの枠組みを組み合わせながら一定規模の「ワンストップショッピング」の実現を図ったと考えることができる。
直営を縮小してテナントを導入することは、収益の支えにもなる。人口減と競争激化によって小商圏化が進む中での、スーパーマーケットの在り方としても今回のような改装パターンが与える示唆は小さくない。
東急ストア東林間店概要
所在地/神奈川県相模原市南区上鶴間7-8-1
リフレッシュオープン日/2026年6月11日
営業時間/9時〜21時
駐車場/35台
駐輪場/123台
売場面積/1234.2㎡(373坪)
従業員数/社員7.6人、パートタイマー、アルバイト35.4人(計43人、8時間換算)
年間売上高/13億7200万円(初年度計画)
商圏人口/約4万2000人(1km圏)









