マルエツ プチ東高円寺駅前店が6月18日オープン、U.S.M.Hの「100坪モデル」3店目、今回は店内焼成ベーカリーを実験

2026.06.18

マルエツは6月18日、東京・杉並にマルエツ プチ東高円寺駅前店をオープンした。東京メトロ丸ノ内線の東高円寺駅から徒歩1分という駅前立地で、売場面積は128坪。同店もユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)グループが進める「100坪モデル」の1つである。先行してオープンしたマルエツ プチ西横浜駅前店(横浜市西区)、同南大塚二丁目店(東京・豊島)をブラッシュアップした第3弾に当たる。小型フォーマットのマルエツ プチとしては79店目となる店だ。

U.S.M.Hグループの100坪モデルを一手に引き受けるマルエツ プチについて、本間正治社長は早期の3桁(100店)体制を掲げているが、今回の東高円寺駅前店を含め100坪モデルの完成度が高まればその達成時期も早まっていくだろう。

出店地は新築の複合ビルの1階。変則的な建物で、マルエツが出店する部分は2階建てだが、隣接する上層階には1DKから3LDKまでの賃貸マンションが99戸入居。マンションにはすでに入居が始まっている。2階にはテナントとして体操教室が出店する他、今後、歯科医院が開業する計画。

新築のマンションの施設に出店するのは、足元商圏の確保の意味でも大きい

住居、医療、食品が一体となった利便性の高い開発といえる。店舗周辺は戸建住宅や中低層の集合住宅、区立公園などが広がる住宅地で、周辺には同じイオングループのまいばすけっとを含む小型のスーパーマーケットはあるが、売場面積や品揃えとして優位性があるとみる。

商圏は半径300mで、世帯数3891、人口5867人。杉並区全体と比べても2人以上世帯の比率が低く、単身世帯の構成比が約70%と高い地域。年代別では25歳〜54歳が多く、65歳以上が少ないという。そのため、メインターゲットは単身世帯に設定。加えて、階上のマンションにはファミリータイプの間取りも含まれることもあって、2人暮らしや家族世帯も取り込む構えだ。

売場面積は128坪、総尺数は約540尺で、取扱品目は計4920SKU。内訳は精肉220、青果170、鮮魚150、惣菜150、ベーカリー20、日配食品1000、一般食品2670、生活用品540となっている。年商目標は7億3000万円。

先行した西横浜駅前店の4億7000万円、南大塚二丁目店の6億8000万円を上回る最も高い目標で、西横浜駅前店は売場面積がやや小さいという側面はあるが、ほぼ同規模の南大塚二丁目店を上回る高販売効率の店となる。商圏人口の多さなどを反映した数字だという。駐車場は設けず、駐輪場は29台。営業時間は8時から23時まで。

店づくりの軸は、都市の「つくる」と「すぐ食べる」に、鮮度とおいしさ、安さで寄り添うこと。小型店ではあるが、「素材を選べる」生鮮3部門に、出来たての惣菜や焼きたてのベーカリーといった即食商品を強みとする。

青果は鮮度を訴求するため売り回し、売り切りを重視し、マルエツ プチであってもコンテナを活用したものを含む平台での展開を強化しているが、今回は壁面に常温売場を設けるなど、物件の形に応じて柔軟に対応している

生鮮3部門はアウトパックだが、他の100坪モデル同様、惣菜では店内製造の商品を多数用意する他、今回はベーカリーも一部商品を除いて店内で焼成する運営としている。惣菜のバックヤードにベーカリー用のコンベクションオーブンとフライヤーを導入し、パンの焼成とドーナツなどの油調を行う。専用の人員を付けての展開となる。

ベーカリー専用のコンベクションオーブンとフライヤーを入れ、専用の人員を当てて店内で焼成。マルエツ プチタイプの店で店内焼成のベーカリー売場を持つのは久しぶりという。ただし、食パンなど食事パンの一部はサテライト供給を受けるハイブリッド型
今回、目玉商品としてメロンパンを刷新、全社で6月19日からの展開の商品を先行販売。ビス生地に発酵バターを豊富に使用し、バターの香りを高めた。シンプルでスタンダードな形のメロンパンがトレンドという潮流を捉えたという
温惣菜は店内加工で出来たてをアピール。弁当はもちろん、中華を含め、おかず、つまみになる商品を平台でしっかり展開
おにぎりは店内で握ったものを含めコーナー展開
全てアウトパックだが、刺身を含め、一とおりそろえていることがマルエツ プチの強み
自社プロセスセンターから供給される刺身盛り合わせにも商品化の進化が感じられる
精肉も全てアウトパック
簡便需要に応える味付け肉は縦じまでコーナー化

青果のカットサラダや後述するフレッシュデザート、カットフルーツ、精肉の即食商品であるおつまMEAT、おとなMEAT、同様に鮮魚の即食商品のおつなFISHなどは惣菜、ベーカリーと合わせてデリカコーナーの周辺に集合させるゾーニングを採用。南大塚二丁目店で導入した手法を踏襲している。

青果部門のカット野菜を含め、デリカ売場に集積するゾーニングを南大塚二丁目店から踏襲
精肉部門のおつなMEAT、おとなMEAT、鮮魚部門のおつなFISHといった即食商品もデリカ売場と関連させる

売上高構成比計画は精肉約10.5%、青果約16%、鮮魚約6%、デリカ約14.5%、ベーカリー約2%、日配食品約23%、一般食品約22%、酒・たばこ約5%、生活用品約1%。生鮮3部門で約32%、これに惣菜、ベーカリーを加えると5割近くを占める構成を目指す。

青果は、入口正面の売場で日々旬の野菜を展開する。売上高構成比計画は約16%で、マルエツとしても生鮮3部門の中でも特に自社の強みを打ち出す注力部門と位置づける。新規の取り組みとして、フルーツを使ったケーキやゼリーといったフレッシュデザートを導入。アウトパックの商品だが、青果発の即食メニューとして、日配のフレッシュデザートやカットフルーツと共に即食コーナーへまとめて並べる。

青果部門のカットフルーツに加え、スイーツのフレッシュデザートを今回、新規投入。商品自体はアウトパック

また、寿司に関しては南大塚二丁目店と同様、鮮魚部門の「鮮魚鮨」をサテライト供給の形で導入。他店からの供給のため、11時30分めどの展開となるが、センター供給より店内加工に近い商品を打ち出せることは差別化となる。

加工食品では従来と同様、イオンのプライベートブランド商品のトップバリュ、中でも低価格ラインのトップバリュベストプライスの品揃えを拡充。インフレ傾向ということもあって需要が高まっていて、一部店舗では欠品するケースもあったというが、4月末から週の納品回数を増やし、全社的に供給が安定してきたという。

都市部だからこそ、低価格は大きな武器となる。トップバリュベストプライスの売り込みを強化していて、ゴンドラエンドでも積極的に売り込む

マルエツ プチであっても、飲料はケース販売を実施。都市部でもマンションの住民を中心にケース需要が意外に高いことが分かってきたといい、駐車場のない駅前店でもケース販売を展開するようにしている。

小型店のマルエツ プチであっても飲料などはケース売りをする。低価格を打ち出すトップバリュベストプライスが武器となる
都市部の簡便需要をターゲットとすることからケース売りにも対応しつつ、飲料はばら売りでしっかり冷蔵して販売もする

冷凍食品も強化部門で、リーチインの冷凍ドアは一定枚数以上を確保する基準を設け、今回は地域性を考慮し、「韓国アイス」のコーナーなども導入している。

冷凍食品は強化。マルエツ プチでも扉12枚以上を確保するといった一定の基準を設ける。東高円寺駅前店では商圏の需要を考え「韓国アイス」をコーナー化

マルエツ プチ東高円寺駅前店概要

所在地/東京都杉並区和田3-56-7

オープン日/2026年6月18日

営業時間/8時〜23時

売場面積/128坪

駐車台数/なし

駐輪台数/29台

店長/矢部健二

従業員数/正社員4人、パートタイマー・アルバイト19人(8時間換算)

年間売上高(初年度予定)/7億3000万円

商圏人口/300m商圏、世帯数3891世帯、人口5867人

お役立ち資料データ

  • 2025年 下半期 注目店スタディ

    2025年下半期も多数の注目店がオープンしました。25年下半期は特に首都圏に本格進出を果たしたバロー、トライアルの動きが大きな注目を浴びました。11月にバローとして首都圏に初出店を果たしたバローホールディングスは、その非常に力の入った店づくりが業界内外で大きな話題となりました。一方、7月の西友子会社化を経て、両者のマーチャンダイジングを融合した2つの新フォーマットを開発したトライアルは、その店づくりによる話題提供にとどまらず、このわずかな期間にも着実にそれぞれの店数を増やすなど、そのスピード感ある展開も注目です。もちろん、その他の店も注目店満載です。今回も上記2社の店を含む6店について、出店背…

  • 2025年上半期 注目店スタディ

    これまで約30年間続いたデフレ傾向から一変し、インフレ傾向が続く2025年。値上げや人手不足の対策に追われたこの上半期ですが、引き続き注目新店は登場し続けています。今回もその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップ。今回は出店背景、店舗運営、商品政策(マーチャンダイジング)について、押さえておきたいポイントをコンパクトな資料としてまとめました。引き続き、企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ヤオコー/杉並桃井店 ・ヨークベニマル/ヨークパーク ・ヨークベニマル/ミライト⼀条店 ・サミット/サミットストア…

  • 2024年上半期 注目店スタディ

    2024年上半期も注目新店がたくさん出ました。今回はその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップしました。今回もいつものとおり、企業戦略、出店背景、商品政策(マーチャンダイジング)までを拾いながら記事にまとめました。豊富な写真と共にご覧いただければ幸いです。 注目企業の最新マーチャンダイジングの他、売場づくり、店舗運営など、いまのスーパーマーケットのトレンドも知ることができる一冊となっています。企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ライフ/ソコラ所沢店 ・ヤオコー/武蔵浦和店 ・サミットストア/ららテラ…