ザ・ビッグ港南台店が7月9日オープン、旧ダイエー店舗を受け継ぎ、DS、SM激戦区にイオンビッグが出店へ

2026.07.13

イオンビッグは7月9日、横浜市港南区にディスカウントストア(DS)のザ・ビッグ港南台店をオープンした。「ザ・ビッグ」はイオンがグループで同一フォーマットとして展開する食品を主体とするDS。北海道や九州、西日本では地域のグループ会社が運営するケースもあるが、イオンビッグは愛知県名古屋市に本社を構えるDS専業の事業会社。

同社の設立は2011年8月で、25年度売上高は約2950億円となっている。もともとイオンが戦略的なフォーマットとして00年から開発を進めていた総合DSフォーマットの「スーパーセンター」を「ザ・ビッグ」に転換した店がベースとなっているが、19年にはマックスバリュ東海、マックスバリュ中部から48店を承継、21年にはマックスバリュ長野、24年にはマックスバリュ南東北とそれぞれ経営統合して15店、28店を承継してきた。

港南台店のオープンで同社の店数は129店となり、営業エリアは、北は宮城県から西は奈良県まで12県に及ぶ。神奈川県内では厚木旭町店(厚木市)、平塚真田店(平塚市)、相模原西橋本店(相模原市)、相模原東橋本店(同)、小田原寿町店(小田原市)、二宮店(中郡二宮町)に続く7店目となる。

同社の横浜市への出店はこれが初めてとなる。立地はJR根岸線の港南台駅から徒歩約1分。1977年に「ダイエー港南台店」として開店し、「イオンフードスタイル港南台店」を経て49年にわたり地域に親しまれてきた駅前店舗の歩みを、DSとして受け継いだ形だ。

駅前のダイエー店舗だった物件の核店としてイオンビッグが出店。施設全体はイオンCREソリューションズが管理、運営する「イオン港南台」として再出発した

前身店を運営してきたダイエーを巡っては、イオングループが今年3月1日付で首都圏、近畿圏のスーパーマーケット(SM)事業を再編している。ダイエーの関東事業はマックスバリュ関東に承継されて新生「イオンフードスタイル」が始動し、ダイエー自体は光洋を吸収合併した上で本社を大阪府茨木市に移し、近畿圏の中核企業として再出発した。

港南台の駅前店舗はこの再編に先立って営業を終了しており、グループのDS企業であるイオンビッグが引き継ぎ、フォーマットを転換して再スタートさせた。オープン当日は、予定していた8時を待たずに7時55分に開店した。開店時点の行列は約1000人に達したという。

同社は売場規模の異なる3フォーマットを使い分けている。衣食住フルラインで5000㎡以上の郊外型「ザ・ビッグエクストラ」が38店、食品、生活必需品中心で2000〜5000㎡の中型店「ザ・ビッグ」が61店、市街地立地でショートタイムショッピングに応える1000㎡以下の小型店「ザ・ビッグエクスプレス」が30店という構成で、港南台店は中型のザ・ビッグに当たる。

オープンに際して、三浦 弘社長は、例えば横浜のような都市部で5000㎡超の大型店を構えることは家賃負担もあってディスカウントでの運営はハードルが高いと事例を挙げながら、立地と商圏に適したフォーマットを展開できること自体が同社の強みだと説明した。もちろん、都市部にはまとまった大きさの物件がなかなかないということもあるだろう。

目下、出店環境については、建築コストが高騰する昨今、新店の投資判断は一段とシビアにならざるを得ないという。新規出店は今後も進める一方、港南台店のような居抜き物件の活用が増えるとみて積極的に模索する。

出店エリアについては新たな商勢圏への進出というよりは、既存12県でのドミナント形成と物流効率の向上を優先する方針だという。2030年に向けては「地域で一番頼られ、従業員が誇れるディスカウントストア」を5カ年の目指す姿に掲げる。

港南台店のオープンに際して取材対応する三浦 弘社長。イオンビッグに移る前はビッグ・エーの社長を長らく務めた。同社のフォーマットのモデルとなるアルディやリドルなど欧州のディスカウンターの研究に関しては第一人者といえる存在で、日本における本格的なDS構築を目指す中でもそのノウハウ発揮が期待される

ストアコンセプトは「買えば買うほど安さがわかります!!」。三浦社長の言う「安さ(やすさ)」は価格にとどまらず、店への入りやすさ、カート同士がすれ違える通路幅に象徴される買いやすさ、選びやすさまでを含む。

同社は23年からの約3年半で93店の既存店活性化を進めたといい、例えば、売場に什器をもう1列入れるよりも通路幅を優先するといった観点で改装を重ねてきた。港南台店もゆったりとした通路を確保している。

同社の言う「やすさ」は価格だけでなく、「買いやすさ」などさまざまな意味が込められている。通路幅をしっかり確保すると言ったこともその一環。ちなみに、港南台店ではゴンドラの中通路は設けておらず、陳列線はかなり長い

また、特に大型店のザ・ビッグエクストラでは休憩スペースを設けるなど快適な買物環境の実現を図ってきた他、商品面では需要が高まっている冷凍食品売場の拡大なども実施してきたという。従業員向けには電子棚札、スライド棚などローコスト什器の導入による働きやすさや生産性の向上に努めてきた。

既存店改装では冷凍食品売場の拡大も図っているという

また、手間がかかる生鮮、デリカについてはDSであっても真正面から取り組むべき領域と位置づけ、既存店の売上高構成比は一般的なSM並みの水準を確保しているという。それには、「いまはディスカウンターとしても、生鮮、デリカをど真ん中でチャレンジしていかないとお客さまのニーズに応えられない」(三浦社長)との認識がある。

また、他のディスカウント業態が決済手段を現金に絞り込むケースが多い中、イオンのトータルアプリ「iAEON」に対応し、AEON PayやWAON、イオンカードといったグループ共通のキャッシュレス決済にも対応。さらにWAON POINT、アプリ限定クーポン、電子レシートなども対象となる。

イオンビッグ全体でのアプリのお気に入り店舗登録は100万人を超えるなど、ロイヤルティ施策としての効果も出ている。「WAONなどはわれわれイオングループならでは。イオンビッグだけではなく、例えば近隣のまいばすけっとでも使える。こういったものはイオングループの強みと考えている」(三浦社長)

加えて同店はかながわトクトクキャンペーン「かなとく」の対象店にもなっていて、AEON Pay払いなら最大20%のポイントキャッシュバックを受けられる(同店の対象決済はAEON Payのみ、キャンペーン期間は6月19日から予算上限に達するまで)。レジについては有人、セミセルフ、フルセルフから選べるようにしている。

Uber Eatsを活用したデリバリーにも対応し、生鮮食品、弁当、惣菜、日用品など約5000品目を平均約30分で届けるなど、DSである一方で、サービス面も充実させているのが特徴だ。

港南台店は地下1階部分の1層で売場面積は2602㎡(約787坪)。SMとしては大型で、非食品をある程度取り扱うフォーマットとなる。施設自体は地下1階のザ・ビッグ港南台店を核店とし、4階までの計5層に渡るショッピングセンターのイオン港南台としての運営で、運営、管理はダイエーからの承継店舗12店の施設の運営、管理をすることになったイオンCREソリューションズが担う。

売場レイアウト図。中央部のエスカレータで1階から右手に降りてきた先頭に農産売場、その右手に「お買い得品」売場(アウトレットコーナー)を設置。

イオン港南台は駅至近ではあるものの309台の駐車場に加えて周辺エリア合計で約500台の駐輪場を備え、徒歩、自転車、車のいずれの来店にも対応する。一方で核店のザ・ビッグ港南台店はDSではあるものの、商圏は広域というよりは徒歩、自転車で15分圏内、自動車でも15分圏内をメインの設定としているという。

人口が密集している都市部ということもあるだろう。前身のダイエー店舗時代には徒歩来店が45%程度、自転車が10〜15%を占めていたといい、駅前立地を生かした徒歩、自転車来店型の店として組み立てている。一方で、横浜横須賀道路の日野インターチェンジ(IC)から車で約10分と広域からのアクセスも悪くはない。

駅近ということで、至近の競合は多く、隣りの建物は駅前の商業施設の港南台バーズとなっていて、1階に相鉄ローゼンの港南台店が出店している他、2フロアで出店する大型の無印良品の地下1階食品売場の一角にロピアの港南台バーズ店が出店。この2店が至近の競合店になる。また、西方向に約600mにはオーケー港南台店、約900mにはロピア港南台店が店を構えるなど、地元の有力企業とディスカウントに強みを持つ企業がしのぎを削る状況にある。

三浦社長は競合対策を問われ、港南台駅から徒歩1分という駅への近さでは一番の店であること、ダイエーのオープン以来49年で築かれた顧客基盤、WAONやiAEONといったイオン経済圏の会員基盤、そしてプライベートブランド(PB)商品を中心とした低価格、買いやすさなどの「安さ」を同店の強みに挙げ、横浜では新参者としてまずザ・ビッグの認知獲得を優先する姿勢を示した。

売上目標は、前身店の食品売上高の3割増(130%)を最低ラインに据える。実現すれば、中型フォーマットのザ・ビッグ61店の中で売上高トップの店舗になる見込みだという。同店については、後述するアウトレットをはじめ「いまのイオンビッグができることを全て表現した」集大成と位置づけ、ここで成果を上げた施策は既存店の改装・活性化にも横展開していく考えだ。

商品面の柱の1つはザ・ビッグが主力として取り扱うイオンDS向けのPBで、特に加工食品や日用品の低価格を支える。イオングループの主力PBであるトップバリュの中の低価格ラインであベストプライスは最低価格帯(オープニングプライス)を担う位置づけではあるが、DS向けのPBはそのオープニングプライスがないカテゴリーで開発することでオープニングプライスを補ったり、あるいは既存のトップバリュにないフレーバーの商品を開発したりといった形だが、もちろん、機能などを省くことで既存商品以上の低価格を追求する商品もある。現在、25ブランド、530SKU以上を展開する。

多数のブランドを手がけるのは、発祥のドイツから欧州、米国などに店舗展開を拡大しながら独自のディスカウントフォーマットによって存在感を増しているアルディやリドルにならったもの。開発自体は機能会社のイオントップバリュによるものだが、その過程ではイオンビッグが主導的にかかわり、低価格を実現するための機能や仕様などの削ぎ落としや容量の見直しなどをイオントップバリュとすり合わせしながら作り込んでいるという。

イオンビッグが主導的にかかわって開発するDS向けPB。「ザ・ビッグ」では全てではないものの、多くの売価の末尾を「7」としたり、「7」にちなんだ売価とすることを特徴の1つとしている

ディスカウントを強みとする企業と競合する上では、トップバリュ ベストプライスより低い価格帯が求められる局面もある。DS向けのPBはそのための武器となる。実際にはザ・ビッグだけでなく、グループ企業のまいばすけっとやビッグ・エー、さらにSM企業などでも導入される

もう1つの目玉が、地下の売場につながるエスカレーターを降りた先頭に位置づけられる農産売場の右手に大きく構えたアウトレットコーナーである。今年3月に専任のアウトレット専属バイヤーを配置し、特別に調達した商品や数量限定品を破格値で販売する売り切り型の売場である。入荷のたびに商品が入れ替わるため、「いまだけ」の掘り出し物に出会えるといったコンセプトの売場で、来店頻度向上にも資する売場といえる。

売場先頭の農産の右手のスペースに設けられたアウトレットコーナー。非食品を含む特別調達の商品が並ぶ。フロア中央部にエスカレータがあることを生かした展開といえる
低価格商品が並ぶ中でも、オープン日の超目玉は7円の商品。とろろ昆布やカップ麺、カップみそ汁などを1人2点限りで7円で販売した

農産は「野菜を買うならビッグ!」と思ってもらえるように、安さと鮮度を前面に打ち出す。素材はもちろん、カット野菜などの簡便商品まで幅広く展開する他、焼き芋については「名物商品」とすべく季節に合った産地、品種を選び、Lサイズを99円(本体価格、以下同)の2桁売価で提供することにこだわる。

売場先頭は農産売場で、平台、冷蔵ケース共に単品大量販売。「野菜を買うならビッグ!」を印象付ける
焼き芋は「名物商品」にすべく、大きさ、2桁売価にこだわる
カットフルーツなど簡便商品も品揃え。生鮮、デリカの充実はDSであっても必須と考えている

水産は、惣菜とは別のラインとなる「魚屋の本気寿司」を展開。海鮮丼やたねの大きさにこだわった握り寿司などをラインアップ。刺身は1種類ずつの単品刺身も用意し、毎日いろいろな種類を自由に組み合わせて楽しめるようにするなど、頻度高い利用を促す。

水産が手がける「魚屋の本気寿司」。握り寿司だけでなく、海鮮丼も展開
刺身のスライスは絞り込んではいるものの、単品を用意することで組み合わせでの利用を促す

また、魚離れが指摘される中にあって、塩ギンザケ、ほっけ、サバなどをそろえる「骨取り魚」コーナーを独立して設け、骨を取る手間なく子どもからシニアまで魚料理を楽しめる売場を目指す。

骨取り魚は単品品揃えの他、、コーナーでも展開

畜産の目玉は1枚970円の国産黒毛和牛のサーロインステーキだという。しかも、これは期間限定の特売ではなく恒常的な低価格(エブリデーロープライス、EDLP)として売価を維持し続けるとする。輸入豚ロースもEDLPで展開する他、国産豚は1頭買いすることで値打ち価格の実現を図る。

黒毛和牛のステーキは1枚150gの商品を970円、EDLPで展開する
国産豚は1頭買いすることで、低価格を実現していく。ダイエーからの転換ということもあって、精肉は多くの商品が店内加工。アウトパックの品質は向上しているものの、生鮮には一定の人時をかけながら強化を図る

鶏肉は飼料に抗生物質、合成抗菌剤を一切使用せずに育てた国産「純輝鶏(じゅんきけい)」をディスカウントで打ち出す。また、ごみの出にくいエコパック、時短ニーズに応える「切れてる」タイプ、まとめ買い用と、使い方に合わせて選べるようにしている。

純輝鶏はトップバリュ グリーンアイの商品でもある

デリカの名物は、まずは99円均一のインストアベーカリーの「焼きたてパン」。2桁売価にこだわりながら、当然、味にもこだわり、メーカーとの共同開発を重ね、バラエティ豊かな品揃え、売場を実現している。定番に加え、季節商品を毎週のように投入しながら随時、改廃をしていくとしている。

デリカとし手強力に打ち出す99円均一の「焼きたてパン」。オープン日にはさまざまな定番の菓子パンに加え、季節商品のスイカブリオッシュロールなどが並ぶ。チュロスといった他企業ではあまり品揃えされない商品も定番商品として展開している

また、焼きたてパンとは別に店内調理の肉厚の卵サンドを197円の売価で港南台店から新たに導入した。

港南台店から展開を開始した「具だくさんの玉子サンド」。店内加工で本体価格197円。卵サンドは首都圏で展開を強化中のトライアルでも名物商品として存在感を放つことから、真っ向勝負の様相

焼き鳥は87円均一、揚げ物は99円均一などでばら売りすることで、ファミリーから単身まで自分に合った数量で買える売場としている他、丼、重は本体価格297円から用意。

デリカでは均一価格でばら売りすることで、買いやすさを向上させている

大人気の定番商品の「だし香るかつ玉重」も297円で販売する他、さらに低価格の弁当として「だけ弁当」を197円で2アイテム開発。三浦社長は、「お客さまに飽きの来ない形で、価格も品質も味も自信を持って提供している」と胸を張る。

定番の売れ筋商品のカツ重は297円。昨今、SM のカツ丼(カツ重)の価格が上がりつつある中、この売価で提供するのは差別化になる
卵サンドと共に今回、新たに投入した単品のおかずの「だけ弁当」。「和風鶏もも唐揚げだけ弁当」「ジャンボな焼売だけ弁当」の2アイテムで、売価は197円

おにぎりも97円という2桁売価で展開。コンビニでは300円を超える商品もある中、子育て世帯が敏感に反応する武器になっているという。「お客さまが価格を比べる商品、価格に敏感な商品は、われわれとしても積極的に低価格にしていきたい。その1つがおにぎりで、われわれの武器だと思っている」(三浦社長)

おにぎりは多くの商品を97円で販売。おにぎりの価格が上がる中、2桁売価にこだわる

また、イオンビッグでは、DSではあるものの比較的大型店も含むことや、既存施設の活用といった意味合いもあって、柔軟に店内加工を活用している点が特徴だ。同社は静岡市駿河区のザ・ビッグ内にある静岡新川プロセスセンター(PC)に加え、23年下期から宮城県2カ所、山梨県、静岡県、岐阜県各1カ所の計5カ所にマイクロプロセスセンター(MPC)を開設、稼働させるなどアウトパックを支えるインフラを整えつつも、特に大型店、中型店については店内加工も強みと位置づける。

もちろん、作業は「なくす、減らす、集中する、外に出す」の4つの観点で徹底的に見直す。例えば刺身につまやたれを付けないなど、消費行動などを考えた上で、お客の「不」にならないと判断された事柄についてその関連の作業も含めて削るなどしてローコスト化を追求する。この点が一般的なSMとDSが異なる点だと三浦社長は語る。

加工食品、日配はナショナルブランド(NB)に前述のDS向けPBを合わせた低価格の品揃えが中心。調味料、飲料、菓子から豆腐、納豆、冷凍食品など毎日の食卓に欠かせない商品を総合的にそろえる他、加工食品では売り切り終了の「アウトレットコーナー」を常設、さらに日配でも随時買い得品を投入し、来店の度に「掘り出し物」に出会える売場を目指す。

DS向けPBはカテゴリーごとブランドを設定し、特に加工食品では最下段で売り込んでいる
イオングループとしても売れ行きが高まっているという冷凍野菜でも、トップバリュと共にDS向けPBを展開し、商品構成グラフの左側の山を作っている
日配では、冷蔵で販売する必要のない商品について一部常温販売を実施している
日配の冷蔵ケースでは特に売れ筋商品を中心に大量陳列で棚割りをシンプルに、作業効率重視の売場づくりとなっている。選びやすさにもつながる
牛乳はケースごと陳列。他のディスカウンターでも採用される定番の手法
ゴンドラエンドは投げ込み陳列を含む単品訴求
ペットボトル飲料は一部、冷蔵販売も実施するが、多くは常温で、かつまとめ買いを促す。ゴンドラの上には在庫を置く

非食品では、日用品、生活雑貨に加えて「トレジャー(お宝)売場」と名付けたコーナーをアウトレットコーナーの手前で展開する。キッズカジュアルスニーカーの「瞬足」970円、Tシャツ300円、サングラス300円など驚きをもたらすような売価を仕掛け、開店前からチラシを見た客に「フライパンはどこにあるの?」と尋ねられるなど、初日から手応えがあったという。キャラクター用品や便利グッズ、レジャー用品などが続々と入れ替わり、宝探しのような楽しさを演出する。「店に来たときに驚きと楽しさを提供したい」(三浦社長)

トレジャー売場の目玉となっていた300円のTシャツ。商品開発においては包装の質感にもこだわった
非食品のトレジャー商品は売場の随所で展開することで、宝探しのような楽しさにつなげている

先のアウトレットコーナーもそうだが、こうした売場は、特にアルディでは重要な役割を果たしていて、アルディの店ではこうした非食品のスポット商品を吟味するお客の姿をしばしば見かける。来店動機につながる面も多々あるものとみられる。

他、非食品では食品同様、DS向けPBを展開する他、グループの100円均一ショップ企業のキャンドゥとコラボレーションし、「Can★Do」のコーナーを展開するなどさまざまな仕掛けを用意。

非食品でもDS向けのPBを展開。日用品は「Comfinitey(コンフィニティ)」のブランド名だが、言葉自体は造語
イオンビッグとして、非食品の売場でキャンドゥとコラボレーションしている

現在、イオングループではダイエーから承継した関東の店舗のリニューアルが急ピッチで進められている。基本的にイオンフードスタイル、一部大型店はイオンリテールが食品売場を中心に後継店舗を担う流れだが、今回は中京圏を地盤とするイオンビッグが横浜市内に初出店することで港南店を担うことになった。

ある意味、異例ともいえるが、至近の相鉄ローゼンに加え、ロピア、オーケーなど低価格を強みとする競合が近隣に複数存在する中、あえてザ・ビッグ出店したことに大きな意味を感じる。今後、同店がどのように対じし、商圏を深耕していくかは非常に興味深い。関東での存在感を増しているトライアルと併せ、関東でのDS展開という意味でも注目である。もちろん、今回の出店によってザ・ビッグの知名度も大いに向上することだろう。

同店では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)での共有を前提に、店内での写真撮影が可能となっている。ただし、営利目的や市場調査、価格調査のための撮影は不可としているので、撮影の際は注意が必要

ザ・ビッグ港南台店概要

所在地/神奈川県横浜市港南区港南台3-1-2

オープン日/2026年7月9日

営業時間/8時〜22時

売場面積/2602㎡(約787坪)

駐車台数/309台

駐輪台数/約500台(周辺エリアの合計) 従業員数/約130人

お役立ち資料データ

  • 2025年 下半期 注目店スタディ

    2025年下半期も多数の注目店がオープンしました。25年下半期は特に首都圏に本格進出を果たしたバロー、トライアルの動きが大きな注目を浴びました。11月にバローとして首都圏に初出店を果たしたバローホールディングスは、その非常に力の入った店づくりが業界内外で大きな話題となりました。一方、7月の西友子会社化を経て、両者のマーチャンダイジングを融合した2つの新フォーマットを開発したトライアルは、その店づくりによる話題提供にとどまらず、このわずかな期間にも着実にそれぞれの店数を増やすなど、そのスピード感ある展開も注目です。もちろん、その他の店も注目店満載です。今回も上記2社の店を含む6店について、出店背…

  • 2025年上半期 注目店スタディ

    これまで約30年間続いたデフレ傾向から一変し、インフレ傾向が続く2025年。値上げや人手不足の対策に追われたこの上半期ですが、引き続き注目新店は登場し続けています。今回もその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップ。今回は出店背景、店舗運営、商品政策(マーチャンダイジング)について、押さえておきたいポイントをコンパクトな資料としてまとめました。引き続き、企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ヤオコー/杉並桃井店 ・ヨークベニマル/ヨークパーク ・ヨークベニマル/ミライト⼀条店 ・サミット/サミットストア…

  • 2024年上半期 注目店スタディ

    2024年上半期も注目新店がたくさん出ました。今回はその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップしました。今回もいつものとおり、企業戦略、出店背景、商品政策(マーチャンダイジング)までを拾いながら記事にまとめました。豊富な写真と共にご覧いただければ幸いです。 注目企業の最新マーチャンダイジングの他、売場づくり、店舗運営など、いまのスーパーマーケットのトレンドも知ることができる一冊となっています。企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ライフ/ソコラ所沢店 ・ヤオコー/武蔵浦和店 ・サミットストア/ららテラ…