小売/流通業界のDX推進を加速させるローコード開発のインパクト

2022.04.21

2021.03.26

DX(デジタルトランスフォーメーション)が浸透し、大きな変革期を迎えている小売/流通業界において企業はいま、何を考え、どのように行動すべきなのか。

リテールガイドとマイナビニュースは2021年2月12日、共同でWebセミナー「リテールDX 2021」を開催。小売/流通業におけるデジタル活用と事業変革をテーマに掲げた同セミナーでは、先進的な考えを持つ業界屈指の経営者を講師に招聘し、今企業が描くべき戦略について事例やソリューションを交えたセッションを繰り広げた。

本稿では、OutSystemsジャパン株式会社 マーケティングマネージャー 山之内真彦氏が登壇した講演「コロナ後に向けて、リテールが進めるべきDXとは」の模様をお届けする。

OutSystemsジャパン株式会社 マーケティングマネージャー
山之内真彦氏

小売業におけるDXの可能性とそれを実現するための課題

コロナ禍によって、人々がデジタルに依存する傾向が急激に高まったことは言うまでもないだろう。小売業では、外出自粛による実店舗の売上げが下がる一方で、オンラインショッピングの需要は大幅に増加。サプライチェーンのIT化も進み、社会全体のデジタル化は加速している。

その結果、企業は「競争力を高める」「顧客が求めるスピードに対応する」「社内の業務プロセスを効率化する」「新しいビジネスを創造する」といった事柄を実現するために、デジタルをフル活用しなければ生き残っていけなくなったのである。

山之内氏は、DXによって実現できることとして「顧客体験のイノベーション」「社内システムのイノベーション」「プロセスの自動化」「アプリケーションとシステムのモダナイゼーション(現代化)」の4つを挙げた。

ただ一方で、DXを実現するためには幾つかの課題が立ちはだかっている。OutSystemsが実施したアンケート調査によると、CIOの「67%が人材不足によってDXを実現できていない」と回答。加えて、「33%のプロジェクトがスケジュール内に達成できない」「63%のプロジェクトが予算オーバー」「17%のプロジェクトが企業存続のリスクになる」といった結果が明らかになった他、開発者は10年前と比較して100倍のコードを管理しなければならない状況に陥っているという。

「コロナ禍で大きなダメージを受けた小売業が回復するには、DXの推進が避けられません。今後は顧客が求めるスピードとニーズに対応するために、すさまじいスピードでDXが進むことが予想されます。そのために必要なソリューションがローコード開発なのです」(山之内氏)

OutSystemsが提供するローコード開発プラットフォームは、全世界1400社の企業や組織が活用しており、日本国内においても140社以上の企業がユーザーとして名を連ねる。

いま、ローコード開発の市場は急速な成長を続けており、山之内氏が紹介したResearch and Marketsの調査によると、「ローコード開発プラットフォームの市場は17年の43億2000万ドル(約4500億円)から、22年の272億3000万ドル(約2.8兆円)へ、年平均44.5%の成長が見込まれている」という。

また、Gartnerは、ローコード分野にはグローバルで230社以上のベンダーが存在し、その中でもOutSystemsは注目のローコード開発プラットフォームベンダーの1つだとしている。山之内氏は「ローコードは非常に大きな市場となりつつあり、その中でも当社はリーダーのポジションをとっている」と胸を張る。

開発者のためのローコード開発プラットフォーム

では、数あるローコード開発プラットフォームの中でOutSystemsの特長はどこにあるのだろうか。

山之内氏はまず、OutSystemsは業務アプリケーション自体を手軽に開発できるソリューションであることに言及。企業での内製はもちろんのこと 、大手のSIerやコンサルティングファームがパートナーとしてOutSystemsを活用するケースが増えていることを紹介し、「OutSystemsは、開発者のためのローコード開発プラットフォーム」だと説明する。

そもそもローコード開発とは「ソフトウエア開発の自動化を実現して、開発スピードを高める」ためのものである。従来型のハンドコーディングでは、開発にコストと時間がかかり、コードの変更が難しく、エンジニアのスキルに依存するという課題があった。ローコード開発では、自動化によって開発にかかる時間やコストが削減されるだけでなく、ビジュアルベースで開発するためでき上がったコードの変更も容易だ。

「OutSystemsを使ったローコード開発では、従来型の開発と比べると6~10倍のスピードで開発を進められます。また、スキルの習得も容易です。一般的な開発者であれば、2週間ほどのトレーニングで十分にローコードを活用できるようになります」(山之内氏)

このOutSystemsの特長として山之内氏は以下の4点を挙げる。

  • フルスタック(幅広い開発が可能)
  • 統合と拡張(3300種類以上のさまざまなコネクタを無償で提供)
  • フルライフサイクル(アジャイル開発に適したプラットフォームを提供)
  • 幅広い利用方法(Web、モバイル、API、チャット、音声、SNSなど複数のタッチポイントに対応したデジタル体験を提供)

また、OutSystemsでは、デザインから開発、テスト、導入、分析、運用に至るまで、開発のライフサイクル全体をカバーできる点が大きな強みとなっている。講演では、こうしたOutSystemsの魅力が動画を交えて解説された。

OutSystemsのローコード開発画面。左側にアクション、
中央にワークフロー、右側にプロセスとインタフェース、データが並ぶ

OutSystemsが切り開く未来

これまでの業務パッケージを利用した開発やスクラッチ開発には「変化への対応が遅れる」「メンテナンスが困難」「システムが分断される」など、さまざまな課題が存在していた。OutSystemsによるローコード開発では、それらの課題をまとめて解消することができる。

山之内氏は「コロナ禍の今、多くの企業が分岐点に立たされている。そうした企業に、OutSystemsを活用したローコード開発でデジタルカンパニーとして飛躍していただくことが、われわれの望み」だと語り、講演を締めくくった。

なお、OutSystemsでは以下のURLから無償トライアルを申し込むことができる。ローコード開発に興味のある方はぜひ一度、体験していただきたい。

[PR]提供:OutSystemsジャパン

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。
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