ミレニアル世代とは?年齢や特徴、ゆとり世代、X・Y 世代などの違いと併せて解説

2023.01.05

2022.11.18

昨今、生まれた年を基に世代分けし、マーケティングに活用する「○○世代」という用語が度々利用されている。バブル世代・団塊ジュニア世代・Z世代といった多様な世代が存在するが、ITリテラシーが高く特有の価値観を持つ世代が、ミレニアル世代だ。

本記事では、ミレニアル世代の概要から特徴、他の世代との違いを解説していく。

ミレニアル世代とは?

ミレニアル世代とは、1980~1995年の間に誕生した世代である。2022年時点においては、27~42歳がミレニアル世代に該当。総務省が2022年4月15日に発表した、2021年10月1日時点における人口推計「日本人口年齢別データ」から算出すると、約16.5%がミレニアル世代となる。

ミレニアル世代の定義は少々曖昧な部分もあり、世界における人々の問題意識・意見・傾向を調査するアメリカの「ピュー・リサーチ・センター」は、ミレニアル世代を1980~1996年に生まれた人と定義。その他、2000年以降に社会に出た人をミレニアル世代と定義するケースもある。

また、2025年には全世界の労働人口のうち、75%をミレニアル世代が占めるとも言われている。今後の経済発展の鍵を成す世代と言えるだろう。

ミレニアル世代の特徴

ここでは、ミレニアル世代の主な特徴について解説していく。

ITリテラシーが高い

ミレニアル世代の大きな特徴としては、ITリテラシーの高さが挙げられる。1995年には「Windows 95」が日本で登場し、デジタル化のインフラを確立。個人でもインターネットを容易に利用することが可能となり、インターネットユーザーは急増した。

以降も下記の通り、インターネット技術およびサービスは大きく普及していく。

発生年事象
1996年日本語版「Yahoo! JAPAN」の登場
1999年「iモード」の登場
2000年ビジネスや行政でICT活用が進む「Amazon.co.jp」が日本でサービス開始
2001年日本語版「Wikipedia」の登場
2003年一般家庭向けの光回線が登場
2004年「mixi」の登場
2006年「モバゲー」の登場
2008年日本でiPhoneを発売開始日本語版Twitter・Facebookの登場

パソコン・ガラケー・スマホなど、ミレニアル世代はこれまでさまざまなデバイスに触れてきた。Yahoo! JAPANやWikipediaといったサービスの登場により、情報収集も紙媒体からWebへ遷移していき、現在も不明点はWeb上で解決する傾向にある。

情報収集に限らず、ショッピングもオンライン上で完結させ、クレジットカードの利用にはそれほど抵抗を見せない。また、コミュニケーションもオンライン上でmixi・モバゲーといったサービスを利用してきており、現在はTwitter・Instagram・Facebookも活用している。

日本のデジタル技術の進歩とともに成長してきた世代であり、ITリテラシーも高いと言えるだろう。

仕事とプライベートを両立させる

ミレニアル世代は仕事とプライベートを両立させる傾向にある。前世代のX世代やベビーブーム世代は、プライベートより仕事を優先する傾向が顕著に表れていた。

しかし、ミレニアル世代は不確実性の高い将来に対して不安を持ちつつも、あくまで自分らしい生き方を重視。仕事とプライベートにしっかりと境界線を設け、休日出勤や残業を極力減らすべく、効率性を重視して仕事を進めていく。

2022年時点で言えば、結婚・出産・育児と人生の大きなイベントが発生する世代でもあり、給与や待遇の良さを求めて転職する人も多いだろう。

多様性を尊重して受け入れる

前述の通り、ミレニアル世代はmixi・モバゲーをはじめとして、オンライン上の交流も活発に行ってきており、さまざまな価値観に向き合ってきた。また、積極的に情報発信を行ってきた世代でもあり、他者から共感を得つつも、異なる価値観を持つ人とも触れ合っている。

幅広い価値観を持ち、加えて自分と他人は違うということをはっきり認識。多様性を尊重し、受容する傾向にある。

ミニマリストが多い

ミレニアル世代は物欲の低さも特徴として挙げられる。前世代の場合は、ブランド品・高級品・高級車などモノに対する執着心が強かったが、ミレニアル世代は経験欲を重視

商品に対する価値ではなく、商品やサービスを利用することで得られる「特別な体験」に対して、価値を見い出している。また、生活する上で必要最小限のものだけを所有するミニマリストが多い傾向にある。

それ故に、シェアリングサービスやリユースサービスの利用も比較的抵抗がなく、積極的に活用するのが特徴的な世代だ。

社会貢献への意識が高い

ミレニアル世代が育ってきた時代では、さまざまな社会問題や事件、災害が生じていた。例えば、下記のようなものが挙げられる。

  • 1995年1月17日:阪神・淡路大震災
  • 2001年9月11日:アメリカ同時多発テロ
  • 2008年9月15日:リーマン・ショック事件
  • 2011年3月11日:東日本大震災

こういった時代で育ち、また多様な環境問題にも直面してきたミレニアル世代は、ボランティア活動などにも積極的に参加し、社会貢献への意識も高いとされている。

ミレニアル世代とZ世代の違い

今後、経済活動が活発になり、マーケティングの対象となっていく世代が、Z世代だ。Z世代とは、1990年代後半から2012年頃に生まれた世代のことを指し、2022年時点では概ね14~27歳が該当する。

ミレニアル世代とはどのような違いがあるのか、Z世代の特徴を解説していく。

当たり前にインターネットが存在したデジタルネイティブ世代

IT技術の進歩とともに成長したミレニアル世代に対し、Z世代は生まれたときからWindows 95・Windows 98などインターネット技術が一般家庭に浸透していた。当たり前のようにインターネットが活用される時代に生まれた世代は、別名デジタルネイティブとも呼ばれている。

ガラケーから使い始めた人が多数を占めるミレニアル世代だが、Z世代はスマホしか使用経験のない人も多い。スマホを利用し、ゲームやネットショッピングを楽しむのはもちろん、情報収集はGoogle・Yahoo!といった検索エンジンだけでなく、SNSも活用。物心がついた頃にはSNSが普及していた、SNSネイティブ世代でもある。

現実主義の消費行動

体験重視で商品・サービスを選定するミレニアル世代だが、Z世代は現実主義で消費行動に移る傾向がある。その背景には、不安定な社会情勢が挙げられる。

Z世代は生まれたときから阪神・淡路大震災、アメリカ同時多発テロ、リーマン・ショックが発生するなど、常に先行きが不透明な時代を過ごしてきた。そして、学生時代もしくは社会人の若手・中堅時代には、新型コロナウイルスの猛威にもさらされている。

不況な世の中で成長してきたZ世代は、リスクヘッジ思考が高く現実主義。前述の通り、ミレニアル世代はシェアリングやレンタルを活用する傾向にあるが、Z世代は資産性を重要視し、投資意識も高い。将来やお金に対する危機意識も強い世代と言えるだろう。

SNSのリスクを理解している

Z世代は子供の頃からSNS上におけるいじめや炎上、誹謗中傷などの問題を目にしてきた。ミレニアル世代・Z世代ともにSNSを活用する世代ではあるが、SNSのリスクや危険性、デメリットをZ世代は肌で感じているだろう。

幅広い人と繋がって情報共有やコミュニケーションを取ろうとするミレニアル世代に対し、Z世代はSNS上であっても、信頼のおける人とだけ繋がろうとする傾向にある。

ミレニアル世代とその他の世代との違い・関係

X世代・Y世代・Z世代といったアルファベットを使用した世代区分は、元々欧米で使用されていたものである。それが次第に、日本でも研究時やリサーチ時におけるターゲット年代の目安として、浸透するようになった。

アルファベットを使用した区分以外にも、日本では下記のような世代名称が利用されていた。

生まれ年年齢(2022年現在)日本名別アルファベット別
1965~1969年53~57歳バブル世代X世代
1970~1974年48~52歳団塊ジュニア世代X世代
1970~1982年40~52歳ロスジェネ世代X世代・Y世代
1980~1995年27~42歳ミレニアル世代Y世代
1987~2004年18~35歳ゆとり世代Y世代・Z世代

それぞれの世代の特徴を順番に解説していく。

バブル世代

バブル世代とは、日本がバブルに沸いていた時代に就職した人を指す。経済は右肩上がりで、仕事も頑張れば頑張るほど報われる時代。好景気の時代を生きたからこそ、ブランド品や高級サービスに対しても、消費意識は高いとされている。

また、帰属意識が強く、仕事を最優先にする人が多いのも特徴。消費行動および仕事の優先レベルにおいて、ミレニアル世代とは大きな違いがあると言えるだろう。

団塊ジュニア世代

団塊ジュニア世代は、第二次ベビーブームのもとに生まれた人々で、世代人口が非常に多い。10代の頃はバブル景気で経済の発展も著しかった中、世代人口が多い故に競争が激しく、詰め込み教育を強いられていた。

そこからプレッシャーやストレスが生じ、子供たちの間ではいじめや不登校といった問題が頻発。加えて、就職の時期を迎える頃にはバブルが崩壊し、就職氷河期も経験する。

不遇な時代を生き抜いた団塊ジュニア世代は、Z世代と同じく現実的。一方で、ミレニアル世代はデジタル技術が絶えず進化し続け、好景気な時代を生きてきた。

保守的な思考を有する団塊ジュニア世代に対し、安定した時代を生きたミレニアル世代は楽観主義者が多いと考えられる。

ロスジェネ世代

「ロスジェネ」とは、「ロスト・ジェネレーション」の略で、失われた世代を意味する。団塊ジュニア世代と時期が被る部分もあるが、バブル経済の崩壊および就職氷河期を経験している点から、ロスジェネと呼ばれている。

厳しい就職活動を乗り越えたロスジェネ世代は、仕事に就けるありがたさを強く実感し、高い意欲で業務に取り組む傾向に。また、就職活動を勝ち抜くためにも、専門的な知識や資格を有しており、秀逸な人材も多い。

仕事に対する熱意が、ミレニアル世代とは異なると言えるだろう。

ミレニアル世代のまとめ

ミレニアル世代に対してマーケティング戦略を展開する上では、当世代がミニマル思考である点に着目したい。本当に必要なものだけを購入して所有する傾向にあることから、シェアリング・レンタルサービスなどは非常に有効と考えられる。

また、SNS上の口コミを参考にする世代でもあるため、SNS販促やインフルエンサーマーケティングといった施策も効果的。正しくミレニアル世代の特徴を理解し、有効なマーケティング戦略を展開してみてほしい。

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