サステナブルとは?意味やSDGsとの違い、国内企業の取り組み事例などを交えて解説

2023.02.10

「サステナブルな社会」=「持続可能な社会」のこと。各企業ではサステナブルな社会を実現するための取り組みが実施されており、私たちも参加できる取り組みがある。

本記事では、サステナブルとはそもそもどういった意味があるのかや求められる背景、SDGsやEGSなど関連する言葉との違い、各企業の取り組み事例を紹介していく。

目次

サステナブルとは

サステナブルとサステナビリティとは

「サステナブル」とは「持続可能な」という意味だ。近年よく使われる「サステナブルな社会」は持続可能な社会のこと。また、似た言葉では「サステナビリティ」があり、「持続可能性」という意味だ。

サステナブルな社会が求められる背景

サステナブルな社会が求められるのには、地球温暖化の問題が大きくある。地球温暖化が進むと、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が増え続け、温室効果ガス濃度も上昇する。IPCC第6次評価報告書(2021)ではこのままだと、2100年までに最大で5.7℃、地球の気温が上がると予測されている。世界的な気候変動や、海面の上昇、高温、異常気象などの発生に繋がっていき、私たちの生活そのものが変化せざるを得ない。

美しい地球を持続するために、自然、環境、人への配慮が不可欠であり、サステナブルな社会が求められるのだ。

サステナブルとSDGsの違い

サステナブルに関連して必ずといっていいほど上がるワードが「Sustainable Development Goals」の略称「SDGs」。文字通り「SDGs」のSは「Sustainable(サステナブル)」である。SDGsとは「持続可能な開発目標」のことで、2015年9月に「2030年までに達成すべき17の目標」として国連総会で採択された。

SDGsは、自然や環境、人に配慮し、美しい地球を維持するというサステナブルな社会にしていくための具体的な目標だ。「1.貧困をなくそう」や「12.つくる責任 つかう責任」、「14.海の豊かさを守ろう」、「15.陸の豊かさも守ろう」などの17ゴールが設定されており、これらを達成するためには、サステナブルな取り組みを企業や個人がしていく必要がある。

EGS・エシカル・CSRの意味とは

サステナブル、SDGsと関連して「EGS」や「エシカル」、「CSR」といった言葉があり、意味が混同しがちだ。それぞれの意味を見ていこう。

EGS

EGSは「 Environment(環境)」、「Governance(ガバナンス)」、「Social(社会)」の頭文字をとったもので、経営に取り入れるべき観点だと言われている。気候変動などの環境課題、人口問題などの社会課題、権利保護などのガバナンスの観点を取り入れることで、企業の成長に繋がる。

エシカル

エシカルとは「倫理的」、「道徳的」という意味だ。地域の活性化や雇用といった、人や環境に配慮するという意味合いで使われる。例えば「エシカル消費」は、人や環境に配慮した消費のことで、エコバッグ持参やフェアトレード商品の購入などが当てはまる。

CSR

CSRとは、「Corporate Social Responsibility(コーポレートソーシャルレスポンシビリティ)」の略称で、「企業の社会的責任」のこと。企業が活動をしていく中で、従業員や地域社会、投資家といった利害関係者に対して、社会や環境に対して責任のある行動を求める考え方である。

国内企業のサステナブルの取り組み事例

SDGsを達成するために、企業ではサステナブルな取り組みが行われている。5つの企業の取り組み事例を紹介しよう。

イオンリテール株式会社

イオンリテール株式会社では、イオンで購入したかどうかに限らず、不要となった衣料品全般とカバンの回収を実施。回収した衣料品は、株式会社JEPLAN(ジェプラン)の「BRING™(ブリング)」によってリユースやリサイクルをし、新しい衣料品や資源として生まれ変わる。

回収期間・詳細は以下。

期間:2022年10月28日(金)~11月6日(日)
実施店舗:関東・北陸信越・東海・近畿・中四国にある「イオン」、「イオンスタイル」の約280店舗(一部店舗を除く。)
対象の衣類:トップス、ボトムス、アウター、カバン等

※対象外となる衣類:革製品・靴・肌着・靴下・下着・帽子・手袋・マフラー・タオル・寝具・ペットの服・キャリーケース・著しく汚れているもの・濡れているもの

イオンでは2003年からサステナブルな循環型社会に貢献する取り組みの一つとして衣料品の回収を行っている。2022年5月には4トン以上の衣料品を回収した。

参考:イオンの購入品に限らず衣料品全般と鞄の回収を約280店舗で開催

株式会社 大丸松坂屋百貨店

福岡県の大丸福岡天神店で「Think GREEN Week」フェアが実施。各フロアでサスティナブルな商品の販売や期間限定イベントを開催し、生活やファッションを通じ環境負荷の低減や持続可能な社会づくりを推奨する。

【各フロアで実際のイベント・販売商品】
①タオル美術館 『リボーンコットンプロジェクト』
・場所:本館6階 タオル売場
・期間:2022年11月2日(水)~11月8日(火)

タオル売り場のタオル美術館では、タオル回収ボックスが期間中設置される。タオル回収に協力した方には税込5500円以上のお買い上げで利用できる500円クーポン券を付与。

回収された不要タオルは工場で、細かくカットとすきほぐす工程を経てわたの状態になる。そこからバージンコットンとブレンドし、新たなリボーンコットンとしてタオルの緯糸に使用。新しいタオルに生まれ変わる。

②WEBBER 期間限定ショップ ~繊維の街「児島」で織りなす日常に欠かせない服やカバン ~
・場所:本館5階 イベントスペース
・期間:2022年10月26日(水)~11月8日(火)

アパレルの生産工程の中で使いきれなかった生地をアップサイクルした商品を作る「WEBBER」が期間限定で出店する。「WEBBER」はジーンズ発祥の地であり繊維の街として知られる岡山県倉敷市児島のお店。着心地やシルエット、飽きのこないデザインにこだわった衣類やカバンを製造している。

③Kasuga_Yoshinori サスティナブルアート ~“Pollinator Project” (ポリネータープロジェクト)~
・場所:東館3階 南側イベントスペース
・期間:2022年10月26日(水)~11月1日(火)

環境問題や廃棄ロス、社会貢献などに取り組むプロジェクトとして、アート作品を創るKasuga_Yoshinori氏の作品が展示される。洋服やバッグの生産時に出てしまう端切れや、長年着用しなかった服、着物をパッチワークし、ペイントを行った作品など、捨てられるはずだった生地がアートとして生まれ変わる。

参考:環境についてみんなで考えてみませんか。大丸福岡天神店の『ThinkGREEN』

凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社は、サステナブル包材を使用することで賞味期限が通常の7倍の食パン、「凸パン(トツパン)」を株式会社ドロキア・オラシイタと共同で開発。凸版印刷が提供した「GL BARRIER」という世界最高水準のバリア性能のある透明バリアフィルムをパッケージに使用することで食パンの賞味期限が延長された。

株式会社ドロキア・オラシイタの調べによると従来、3日間の賞味期限を約7倍の21日間に。鮮度をなるべく長くすることでフードロス撤廃に貢献する。

味は「にんじんとかぼちゃ」、「しょうがとはちみつ」の2種類。どちらも株式会社ONE COMPATHとの共同で実施した「フードロスに関する意識調査」で分かった「フードロスしがちな野菜」から味が選ばれている。

・「凸パン」の無料配布イベント

毎年9月29日は「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」と2019年12月の国連総会で決議された。2022年9月29日(木)には、「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」に合わせてJR秋葉原駅構内で「凸パン」の無料配布イベントが実施され、フードロス削減の啓発活動に寄与した。

参考:凸版印刷、サステナブル包材を活用した「凸パン」の配布イベントを開催

三井住友カード株式会社

三井住友カードでは、キャッシュレス決済を通じてサステナブルな社会を実現するために「タッチハッピー」という取り組みを行っている。

期間ごとにテーマを設け、そのテーマに沿った貢献活動を行う団体をパートナーとして、団体に寄付を行うもの。三井住友カードのVisaタッチ決済を使用する「タッチハッピー決済」、もしくは三井住友カード公式SNSアカウントのタッチハッピー投稿をシェアする「タッチハッピーシェア」により、世の中の課題を解決する活動に寄付できる仕組みだ。

過去には、まだ食べられる食べものを施設などへ届けるフードバンク活動を行う「セカンドハーベスト・ジャパン」や、ひとり親家庭に低価格で病児保育を提供する取り組みを行う「フローレンス」など、9回にわたって支援してきた。

・「麦わらとプラごみのこと篇」

タッチハッピーの期間:2022年10月1日(土)~2023年3月31日(金)

2022年10月からは、「麦わらとプラごみのこと篇」として、一般社団法人広域連携事業推進機構(以下、RPA)の「ふぞろいストロー」プロジェクトを支援していく。RPAのミッションは「1本のストローから世界を変える」。

かつて存在していた環境負荷の低い麦わらのストローを復活させ、廃棄の仕組み作りまで行うことで海洋プラスチックごみ問題の解決に取り組んでいる。2022年11月10日(木)〜13日(日)に開催する「2022 三井住友VISA太平洋マスターズ」の会場内ブースで、麦わらのストローが展示・配布される予定だ。

参考:ハッピーな未来にタッチしよう!「タッチハッピー」

株式会社MonotaRO

ネットストアの「モノタロウ」を運営する株式会社MonotaROでは、「モノタロウとSDGs エコロジープロダクトページ」を公開している。これはお客さまが環境に配慮した商品を見つけやすいようにしたページで、モノタロウが独自にエコロジープロダクトとして定義した「エコマーク」、「グリーン購入法」、「PEFC森林認証プログラム」、「グリーンマーク」、「再生紙使用マーク」、「RoHS」の環境6認証に該当する商品を紹介。

モノタロウでは、2021年にSDGsプロジェクトを立ち上げ、次の5つの重要課題を設定した。

①環境や人権に配慮した産業社会の発展に向けたサプライヤーとの協調
②気候変動対策としての二酸化炭素排出量の削減
③ダイバーシティ&インクルージョン
④リサイクル・廃棄物削減を通じた資源循環型モデルの実現
⑤環境配慮型商品の開発と提案

そして4つの部会で課題に取り組んでいる。

・CO2排出削減・資源循環部会
・サステナブル調達推進部会(サプライヤー様との協調)
・ダイバーシティ&インクルージョン部会
・環境配慮型商品部会

今回の「モノタロウとSDGs エコロジープロダクトページ」は、環境配慮型商品部会が実施したお客様アンケートで、「環境配慮は気になるが、何からしたら良いのかわからない」という声が挙がったことがきっかけで、商品紹介ページの開発に至った。

モノタロウとSDGs エコロジープロダクトページ:https://www.monotaro.com/topic/sdgs/#Products03

SDGsを達成するためにサステナブルな取り組みが必要

SDGsを2030年までに達成するため、美しい地球を維持するためには、企業や個人でサステナブルな社会を作っていかなければならない。各企業ではサステナブルな取り組みが実施されており、消費者が参加できるものも多い。不用品を捨てる前にリサイクルできないかや、商品選択の際にサステナブルな商品を選ぶなど、自分ができるサステナブルな取り組みがないか調べてみてはいかがだろうか。

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