ヤオコー武蔵浦和店がオープン、駅前自社開発の近隣型SCの核店、内装は米国チェーンインスパイア
2024.05.20
2024.05.15
ヤオコーは5月15日、埼玉県さいたま市南区にショッピングセンター(SC)「the market Place武蔵浦和」の核店として、ヤオコー武蔵浦和店をオープンした。
今回の出店で埼玉県100店体制となる。その他、千葉県33店、群馬県16店、東京都14店、神奈川県12店、茨城県7店、栃木県6店、合わせて計188店体制となる。
JR埼京線、武蔵野線の武蔵浦和駅西口から徒歩1分の駅前立地で、2024年5月から入居が開始予定の武蔵浦和駅直結、「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」への併設店舗となる。駅周辺は西口エリアを中心に高層マンションが立ち並び、大宮バイパス方面に進むと戸建てが並ぶエリア。
武蔵浦和駅は東口、西口共に再開発地域に位置づけられていて、駅周辺地区の整備やマンション建設が進む。もともと同地の一部土地を購入し、10年前から開発に取り組んできた。SCテナントのリーシングはヤオコーが行う自社開発の商業施設内への出店となる。
10年の長きに渡る開発を経ていることもあって、内装も独自性の高いものとなっている。当時、アメリカのホールフーズ・マーケット、ウェグマンズ、カナダのロブロウズといったチェーンをベンチマークしていたこともあって、それら企業にインスパイアされた要素も散見される。
そうした事情もあって、武蔵浦和店の内装を水平展開する予定はいまのところないという。
SCテナントは1階に大和不動産、セブン銀行ATM、3階に100円均一店のSeria、ドラッグストアのトモズやクリーニング、眼鏡店など、4階には飲食店の他、小児科、内科、歯科、眼科のクリックとコンタクトレンズ店、5階にも飲食店といった構成で、近隣型の店舗の集積となっている。
テナントは全16店で5月下旬以降に順次オープン予定となっている。
JR武蔵浦和駅は都心へのアクセスも便利で、ベットタウンとして周辺の人口、世帯数は増加傾向にある。
1km圏には50歳~54歳の比率が最も高く、40代後半から50代前半がボリュームゾーンになっている。ヤオコーとしては、メインターゲットに40代の食べ盛りの子どもがいるファミリー層、サブターゲットに子どもが独立などして比較的に時間的に余裕があり、生活にもゆとりがある50代を設定。
ヤオコー武蔵浦和店のストアコンセプトは「『美味しさ』『楽しさ』を変化で伝え、豊かな食生活を届けよう~常に発見と驚きがあり、毎日来たくなるお店づくり~」。
特に17時を境に、平日は仕事帰りのヤング層が増え、客層が大きく変化すると想定。そのため、同店では時間帯ごとにマーチャンダイジングを変化させる他、曜日別でも週末にはヤング層が増えると想定されることから、平日と週末での売場の変化も求められると考えている。
精肉で黒毛和牛の極厚ステーキといった商品を品揃えし、「楽しい売場」の実現を目指す。
また、特にミートデリカを強化。自社製造のローストビーフを使った切り落としやカルパッチョ、ローストポークとの盛り合わせなど、家族で楽しんでもらえるような商品化をしながら、試食販売も含めて提案を強化する。
鮮魚では、めずらしい魚種の盛り合わせといった商品の他、生マグロをメインにサクやスライス、お造り、食べ比べなど品揃えを拡大、おいしさと鮮度を訴求。
また、既存店では恒例の「豊洲祭り」を実施する他、「産地フェア」では旬の魚のおいしさを加工技術と売場の変化で訴求。いつ来店しても豊富な魚種と活気ある売場が実現している状態を目指すなど、来店頻度の向上施策を実施する。
また、鮮魚では、3月15日に改装した伊奈店(埼玉県伊奈町)で初めて導入した「鮮魚寿司」を導入。たねと寿司飯をデリカの寿司部門の商品より大きくし、「まぐろ尽くし」(オープン日など特売時は1000円、通常1280円、本体価格、以下同)や握り寿司の盛り合わせなどを展開。単価は1000円を超える商品が多いが、1000円レベルでも満足してもらえるような商品化を目指す。
ただし、平日などにはサーモン尽くしなどの切り口で800円以下の商品なども投入していく意向。
寿司飯には赤酢を使用。独自の配合での製造を取引先に依頼し、寿司飯の状態で納品、店内の寿司飯ロボットで寿司飯の玉の状態にする。
マグロには鮮魚売場で販売するものを用い、また、差別化のために握り寿司の盛り合わせには必ず丸魚などで販売している近海魚を入れるようにしていく。
野菜は、高糖度や丸玉トマトを豊富な種類で提案する他、地元野菜の売場を拡大。果物は1年を通して旬の果実とカットフルーツを充実させる。花では暮らしに「花を添える」切り花や観葉植物について、売場環境の鮮度を保つ工夫を加え、提供する。
デリカの惣菜は、新たに「玄米」と「発酵」をテーマに、おいしさと健康を両立した「幸玄米(さちげんべい)」を使用。栄養価の高い玄米を店内炊飯し、出来たての柔らかさを提供する。
また、オープンキッチンの鉄板料理をライブ感と共に訴求する他、冷惣菜の「CREATIVE y’s DELI」では、店内でスクラッチから作ることにこだわりながら提案。
他、惣菜では中華惣菜の「亜州料理 味庵(あじあん)の新商品として、パンで中華惣菜を挟んだ「割パン・味庵バーガー」を展開。5月末からは全店展開を予定している。
寿司では、若年層や子どもにも人気の生サーモンを使った握り寿司をメインに提供。店内製造のおむすびは1日を通して種類豊富に品揃えすることを目指す他、前述の「幸玄米」のおむすび、ボリューム感ある人気の「肉+DELI」のおむすびなども提供する。
インストアベーカリーでは、既存店でも好評な店内製造のたまごフィリングを使ったワンハンドで食べられる出来たてのパンや揚げたてのカレーパンを提供。ランチに合わせた提案としてサンドイッチ、バーガーとスープの「コンボ」も品揃え。
焼きたてピザは「夕方にも選べる売場」の実現を目指して商品提供する。
グロッサリーでは、日配食品は素材や産地にこだわった特殊豆腐を品揃えし、生鮮素材と合わせておいしく食べられるようなさまざまなメニュー提案も実施。
また、ナチュラルチーズの品揃えを強化し、他部門との連携で関連したワインやパスタ、ナッツなど手軽に試せるよう食べ方の提案や試食販売を実施する。
ドライ食品では、素材の良さを引き立てるスパイスと、汎用性が高く料理の幅が広がるシーズニングを豊富に品揃え。また、時短メニューや簡単なおかず、つまみのメニューを生鮮売場と連動させ、幅広いニーズに応えられるような提案も実施。
ここのところ強化中の豆菓子では、オリジナル商品を中心に、選べる楽しさを提供。また、酒では、直輸入ワインや洋酒を豊富に品揃え。
住居カテゴリーでは、生活の質との関連性も重要視されている「歯の健康」を踏まえ、こちらもここのところ既存店でも強化中のオーラルケアを重点的に展開する。
初年度の売上高構成比想定は、生鮮が34%、デリカが20%、残りグロッサリーが46%。SKU数は、生鮮が1040、デリカが350、グロッサリーが1万1510で全1万2900。
ヤオコー武蔵浦和店概要
所在地/埼玉県さいたま市南区沼影1-8-18
オープン日/2024年5月15日
営業時間/9時~21時45分
駐車台数/70台(駐輪場268台、バイク10台)
敷地面積/5597.36㎡(1693.20坪、施設全体)
延べ床面積/7331.43㎡(2217.76坪、施設全体)
3120.59㎡(943.98坪、ヤオコー床面積)
店舗面積/2119.37㎡(641.11坪、ヤオコー売場面積)
店長/石橋哲範(副店長/小島 浩)
従業員/正社員20人、パートナー・ヘルパー・アルバイト160人(延べ人数)
年間売上げ/初年度26億円(予定)
商圏人口/1km圏内5万4000人(2万5000世帯)、2km圏内17万7000人(8万4000世帯)、3km圏内33万3000人(15万9000世帯)