ラストワンマイルの一手、移動スーパー「とくし丸」が沖縄で稼働開始、全国47都道府県で展開へ
2022.04.21
2020.10.28
10月28日、沖縄県を地盤とするリウボウストアが沖縄県那覇市で移動スーパーマーケット(SM)「とくし丸」のリウボウストア小禄宮城店1号車を開業、沖縄県初のとくし丸の稼働となった。とくし丸の仕組みを提供するオイシックス・ラ・大地連結子会社の株式会社とくし丸としては、全国47都道府県での稼働を達成したことになる。
株式会社とくし丸は、買物難民を支援することを目的に2012年に設立。16年5月からはオイシックス・ラ・大地の子会社となり事業を推進している。同社が提供するとくし丸の仕組みは次のようなものだ。
各地域のSMと契約した販売パートナーと呼ばれるオーナー経営者(個人事業主)が、地域の提携SMの商品から約400品目、1200点の商品を選択。それを冷蔵機能を備えた軽車両に積み込み、各エリアを巡回して商品を販売する。販売時点で1商品当たり定額の10円をお客が負担する形で、それを契約SMと販売パートナーが分け合う。売れ残った商品はSM店頭に戻して販売するため、販売パートナーは食品ロスを心配せずに販売できるというメリットがある。
地域の自治体や警察署と見守り協定を結び、お客に病気の兆候があった場合は地域包括センターなどに連絡したり、あるいは詐欺事件防止などの観点で地域の安全を見守る役割としても期待がかけられている。
今回の沖縄県での稼働によって、10月28日時点で47都道府県で626台が稼働中となっている。
2020年7月に月間流通総額13億円を超える、年間換算では156億円
19年9月~20年9月の1年間で174台の稼働拡大を果たし、20年9月末時点では135社のSMと提携、全国46都道府県で614台の稼働となった。全国各地で毎月14台のペースで開業していることになる。20年7月には月間流通総額が13億円を超えた。
流通総額の増加と共に現場で働く販売パートナーの日販平均金額についても、20年4月から継続して10万円を超えるなど、安定した収入を得られる状況となっている。
今回の稼働に際してのとくし丸代表の新宮 歩氏は次のようにコメントした。
「少子高齢化が進む社会背景に加え、高齢ドライバーによる重大事故などのニュースを受け19年に運転免許を返納した件数は前年比42.7%増の60万1022件となり、制度開始以来、過去最多で推移しており、日常の買物をすることが難しい方が増えることも推測されます(警察庁運転免許統計令和元年版より抜粋)。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、期せずして私たちの生活は一変しました。ご高齢のお客さまからは『密にならず買物ができて助かる』といった安心のお声を多くいただいており、これを受けて販売パートナーさまも『仕事を通して社会貢献ができていると実感する』とさらに意識を高めています。提携スーパーさまからは『超高齢化社会やポストコロナ時代において、 とくし丸はスーパーのブランドイメージアップに貢献している』といったご意見も頂戴しています。移動スーパーのプラットフォームを提供する企業として、 時代に即した移動スーパーのサービスを提供することで、 お客さまひいては社会から必要とされる企業を目指して参ります」