クリーンラベルとは?アフターコロナで、食のグローバルトレンドはこう変わる

2022.04.12

2020.08.07

最近、Innovaへの問い合わせで最も多いのが「Covid-19(新型コロナウイルス)により、食品トレンドはどうなっていくのか」といったもの。急激な変化の時代を迎え、どの企業担当者も今後の方向性について頭を悩ませている。

健康志向はどのように変容するのか? プラントベース食品にブレーキがかかるのでは? サステナビリティへの影響は? などなど、検討しなければならない項目は多岐に及ぶ。その「読み」次第で、新型コロナは大きなリスクにもなり、チャンスにもなり得る。では、これだけ不確定要素が多い状況下で、何をどう考えれば良いのだろうか?

世界中の食品を隈なく分析してきたInnovaだからこそ言える、重要なヒントをお伝えしたい。それは、あれこれ枝葉の変化に振り回されるのではなく、変わらないものに着目する方法だ。食品トレンドには、過去から現在に向けて、長い時間をかけ醸成された、バックボーンともいえる潮流がある。これには、消費者の根源的な欲求が大きく関係しており、非常に頑丈だ。そう簡単には崩れない。

それではグローバルトレンドの流れを、時間軸で見てみよう。

Clean Labelが表す世界の食品トレンド

Clean Label(クリーンラベル)とは、「出どころの明確な体に良いとされる原材料を使いましょう」、というトレンドのことを言う。欧米を中心に確立された、極めて重要なトレンドだ。ただし明確な定義があるわけではない。何を「クリーン」と捉えるかは、会社のターゲット顧客次第だが、Innovaでは代表的な考え方として、無添加、ナチュラル、オーガニック、non-GMOとして分析することが多い。

このグローバルトレンドの背景にあるのは、過去に起こった食品の事件や事故。日本だけでなく中国、欧米諸国でも、振り返ってみてさまざまな食品問題が発生したのは、記憶に新しいだろう。食品企業に対する不信感の高まりが、このトレンドの引き金となっているのだ。

もちろん現代社会では消費者はインターネットであらゆる食の情報を集められる。しかしだ。情報が多すぎる。さまざまな専門家が、異なる意見を発しており、一般人には何を信じて良いか分かりにくい。だから、使われている原材料がどのようにクリーンなのか、可能な限りシンプルに知りたいという欲求が高まっているのだ。

クリーンラベル製品においては、使用する原材料は少ない方が良いとされる。できれば5個以下だ。Less is More――少ないことはより豊かなこと。今の消費者はシンプルな豊かさ求めている。

スプーンで食べられるカッテージチーズ。ロサンゼルスで筆者購入。「5 simple ingredients」というメッセージに注目。世界で見られる典型的なクリーンラベルの表現だ

From Clean to Clear Label

クリーンな原材料を使用するのは素晴らしいことだが、それだけだと作り手(販売者)の自己満足になりがち。原材料の情報を、いかにお客にクリアに伝えるかが同時に重要となる。この概念はクリーンラベルの次に出てきたトレンドであり、Innovaでは「From Clean to Clear Label」と呼んでいる。

Innovaで行った調査によると、世界の3分の2の消費者が、自分に理解できない原材料を使った食品を避ける傾向にある。消費者への透明性を高めるためには、一般的に知られている原材料を使う、またその原料がどこでどのように作られたのかを、分かりやすく提示することが大切。添加物を使っている場合も、それが一体何由来で、どのような意味があるのか、伝える努力があった方が良いだろう。製造加工プロセスもシンプルで分かりやすい方が好まれる。

最近ではオンラインで製品情報を詳しく確認できるよう、パッケージにQRコードを貼り付けた食品が、世界的に増えている。仮想通貨のブロックチェーン技術を、食品のトレーサビリティに活用しようという動きも始まった。

また、「加工度合いの高い代替肉は果たして本当に健康的なのか」、という不安も随所で聞かれる。ここからも分かるように、消費者にクリアに情報を伝えることが、商品の差別化には欠かせない。プラントベース+クリーン(クリア)ラベルも、今後求められる見逃せないニーズの一つだ。

食品 が含まれている画像
自動的に生成された説明
「What’s so good about it?」。
何が入っていて、何が入っていないかを消費者目線でクリアに伝える。

Storytellingで差別化を図る

Innovaでは毎年徹底的な分析に基づき「世界の食品トップ10トレンド」を発表している。2020年のナンバーワントレンドは「Storytelling(ストーリーテリング)」。食品の背景にあるストーリーが、今まで以上に重要視されているのだ。これは上述トレンドの続編だと思ってもらうとよい。

Innovaの調査によると、世界の消費者の56%が、ブランドの背景にあるストーリーが購買決定要因に影響すると答えている。人の感情は非常にアナログ的。感動したい、体験したい、共感したい、不安を取り除きたい…。そう、売り手は食品情報を、単なる情報として伝えるのでは不十分。いかに魅力的なストーリーに乗せて語れるかが鍵となる。

ストーリーテリングの切り口を考える上で、ベースとなる概念はやはり「From Clean to Clear Label」。消費者が知りたがっている原料産地情報や、健康面でのベネフィット、またサステナビリティの取り組みなどを、独自のストーリーとして組み立てよう。それが消費者からの信頼を勝ち取り、長期的に企業ブランド確立に役立つことは言うまでもない。

世界の食品トレンドのバックボーンであるClean Label→Clear Label→Storytellingという流れを、時間軸に沿って紹介した。この潮流はこの先、枝葉のトレンドに変化があろうとも、決して変わらないものだ。

むしろ、今までにも増して重要性が高まっていくだろう。新型コロナウイルスの影響で、あらゆる情報があふれ、消費者も企業も混乱している。健康や衛生面の意識も高まっている。メンタル的に不安定な人も増えている。だからこそ企業は透明性をもって、誠実に、誠実に、消費者に自社製品のことを伝え続けなければならない。感情に寄り添うストーリーも欠かせない。この考え方を軸に、アフター・ウィズコロナを乗り切る商品戦略を考えてみてほしい。

カップ, 瓶, テーブル, 屋内 が含まれている画像
自動的に生成された説明
「この惑星を愛し、そしてカッテージチーズを心から愛する人間が、あなたが発音のできる(知っている)原料を使い、製造した商品です。」――シンプルながらも突き刺さるメッセージ。作り手の個性がにじみ出ている印象だ

お役立ち資料データ

  • 顧客を知り尽くした究極の1to1マーケティングとは

    今の時代消費者は”個人”を中心に動いています。 コロナを経て、「ニューノーマル」といわれる現在、日常生活におけるオンライン時間は急激に増えています。多くの製品をインターネットで見つけることができ、購買に至るまでの検討期間が長くなっています。さらに簡単には店舗来店がなく、直接接客も難しくなっています。個人の行動をリアルタイムに把握しなければ、本当に顧客が「欲しい」と願ったタイミングを捉えることは難しいのではないでしょうか。 では、どうすれば企業は顧客が「欲しい」と願ったタイミングを捉え、コミュニケーションを図ることができるのでしょうか? 本資料では、どのようにお客様の行動を理解し、オンラインとオ…

  • 小売業が顧客体験戦略を進化させるための4つのテーマとは?

    新型コロナウイルスの拡大により、ブランドや小売業者が急ぎ導入した短期的なソリューションは、ショッピング体験に大きな影響をあたえています。結果として、消費者はこれまでにないほど多数のチャネルと選択肢を持ち、小売業者に対して高い期待を抱くようになりました。 Salesforceでは、高まる消費者の期待と小売業界の置かれた現状を分析。世界1,600人の消費者と、1,000人以上の小売業界幹部に調査を実施した結果、以下のことが明らかになりました。 ●顧客対応に関する消費者の期待は増々上がっている ●ブランドを差別化するための新たなポイントはロイヤルティ ●ブランドや小売業者は、顧客体験戦略を進化させつ…

  • Googleマップ対策で集客向上!有名企業8社の成功事例集!

    【PR】株式会社カンリー 「PRONTO」「パリミキ」「てもみん」など、飲食・小売・サービス業における有名店舗も実施!Googleマップの店舗情報を一括管理することで、店舗集客の向上や業務効率化に繋がった事例を8社分ご紹介。 「Canly(カンリー)」は2万店舗以上でご利用いただいている、Googleマップ・SNS・HPの一括管理サービスです。複数店舗を運営する企業様に集客向上・業務効率化を目的としてご活用いただいています。本資料では、Canlyを活用し成果の出た企業様の事例をご紹介します。 ▶︎掲載している企業 【飲食業】 ・ニラックス様(すかいらーくグループで70店舗運営) …