シリーズ_新時代の旗艦店「マルエツ船橋三山店」を徹底解説。 デジタルとの融合を掲げる店とは?

2021.03.14

更新:2021.03.27

マルエツが、2月26日、今後のお客のニーズやマーケットの環境変化に対応し、デジタル化への取り組みや、リアル店舗の強みを生かした「体験型スーパーマーケット(SM)」の第1号店として、千葉県船橋市に船橋三山店をオープンした。

「体験型」というキーワードは昨年10月に同じユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)のマックスバリュ関東が同社旗艦店としてオープンしたおゆみの店(千葉県千葉市緑区)でも採用されたコンセプトで、この「体験型」という言葉がU.S.M.Hにとっての重要な概念であることを物語っている。

古瀬良多社長は、「マルエツは昨年の10月に創業75周年を迎え、その後、100年を迎えるためにどうしたらよいかの議論を社内で続けていた。その中では、『デジタルとの融合による顧客接点の創造』というテーマを掲げ、変化の加速をデジタルの力を借りてやっていこうということを決め、ある程度マルエツができる集大成をここに持ってきた」と船橋三山店の位置付けを語る。

同店は京成本線実籾駅西口から北北西に約1.1km、徒歩約15分、千葉県船橋市の南東に位置し、店舗東側には実籾街道が走る。北側には成田街道、南側に東金御成街道がいずれも東西に走る。700m圏内の人口は1万7606人、8266世帯。世帯伸長率は19年対比の20年で100.6%と微増。世帯当たり平均人員は2.13人で、船橋市全体と比較して4人以上世帯が20.7%と2ポイント高い一方で、単身世帯は32.6%と2.8ポイント低くなっている。

年齢別人口構成比は、船橋市と比較して15~24歳が11.3%と1.6ポイント、55歳以上が36.5%と2.8ポイント高く、逆に25~44歳は25.2%と3.7ポイント低くなっている。

もともと住宅展示場があった場所で、近隣には習志野高校があるため高校生の往来が多い他、店前の車の往来も多いという。競合店にはヤオコーの他、マックスバリュ関東、カスミといった同じU.S.M.Hの企業の競合がある。

「生鮮・デリカ一体型の売場づくり」を進化させたレイアウト

船橋三山店は、「鮮度」「商品との出会い」「ストレスゼロ」「繋がり」といった4つの価値の提供を目指す他、昨今、話題に上ることが増えた「サステナブル」の取り組みも強化するなど、意欲的な取り組みにあふれた店舗となった。

大きな特徴はとして売場レイアウトを挙げることができる。昨年7月にオープンした横浜最戸店(横浜市港南区)をベースにその考え方をより進化させた。

具体的には、「生鮮・デリカ一体型の売場づくり」(古瀬社長)ということで、第1主通路の青果に続いて精肉、鮮魚、惣菜を連続して配置し、生鮮と惣菜が一体化したようなレイアウトを採用。横浜最戸店では途中段階の検証として、青果、鮮魚に続いて惣菜を配置し、その後精肉という並びだったが、船橋三山店では、青果に続いて精肉と鮮魚を並列に配置し、その後惣菜に流れるということで、一層一体感が高まった印象だ。

生鮮・デリカ一体型の売場は、分かりやすさもあってか、お客からも従業員からも一定の評価があったという。船橋三山店ではさらに惣菜に続いてつまみ系などの日配と酒売場を連動させた。船橋三山店での検証を踏まえた上で、マルエツとしては特に大型店においては、このパターンを標準形にしていきたいとしている。

売場は青果、精肉、鮮魚の生鮮3品を第1主通路に集約し、その後惣菜を展開するという形で連動が図られている
鮮魚に続いて惣菜がレイアウトされているため、鮮魚の刺身から鮮魚の寿司「魚悦」、さらに惣菜の寿司へと即食売場が自然な形で流れるようになっている
横浜最戸店で取り組んだ惣菜のバックヤードの大部屋化を志向したことを継続している。青果のサラダでは精肉や鮮魚、惣菜で取り扱う素材を載せた商品を展開したり、鮮魚の惣菜を展開するなど、生鮮と惣菜が融合した商品が、融合した売場に並ぶ。今後はさらにこうした商品のアウト化も追求していく
調理のための鉄板は使用頻度に課題があったが、卵焼きが人気メニューとして定着したことで鉄板を常に、毎日使う環境が出てきた。そのため、お好み焼き、焼きそばといった鉄板メニューの展開もしやすくなった
惣菜に続いてインストアベーカリーをレイアウト。横浜最戸店からさらに進み、生鮮、惣菜だけでなく、ベーカリーまでをまとめている
冷凍食品も、生鮮、惣菜側に持ってきている。なお、青果および鮮魚と精肉の素材系の冷凍の商品については、それぞれの売場にリーチインケースで設置している
干物は冷凍の商品も販売している
惣菜・インストアベーカリーに続いてつまみ系の加工肉やチーズなどの洋日配と関連させながらワイン売場、さらに酒売場が広がる
非食品は関連商品とさりげなく関連販売されている
温度帯を超えた同一用途の商品販売も随所に見られる。飲料では常温ゴンドラの一部をホット飲料のケースにしている

地域一番の「鮮度」を目指すと共に「旬」「新」「話題」の情報発信

こうした売場に、前述の4つの価値を象徴する商品を点在させた。「鮮度」については、「鮮度」と「食べ頃」を身近に感じ、「旬」「新」「話題」の情報をリアルに感じられる店づくりとして、地域一番の鮮度を目指す。

青果では、朝採れ商品としてレタス類、キュウリ、ブロッコリーなど季節の野菜やイチゴを早朝に収穫し、その日のうちに店頭で販売。また、地元の農家が商品を提供する「農家さんの直売所」コーナーを設置した上で、農家自身が珍しい野菜や旬の野菜の商品特性や食べ方、メニューなどを「農家さんの掲示板」で情報発信し、お客に伝えていく手法を採用。

「農家さんの掲示板」を設置(写真中央)

また、千葉県産の生産者限定ミニトマトやアイベリーイチゴなど、地域の商品も品揃え。

生鮮・惣菜売場に「ignicaサイネージ」ディスプレーを設置し、各売場で扱う旬の商品やオリジナル商品、U.S.M.Hのプライベートブランド(PB)の「eatime(イータイム)」を紹介する。

随所にデジタルサイネージのディスプレーを設置し、情報提供。冷蔵で販売される右下のフォカッチャサンドは古瀬社長お薦めの一品

メニュー提案コーナーのキッチンいーとぴあでは、メニュー提案に加えて新商品の紹介や魚のさばき方などの情報提供をする他、マルエツの環境保全や社会貢献の活動などSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みも紹介。店内放送やヘッドマイクを活用した試食提供などと併せ、お客の五感を刺激する情報を積極的に発信していく。

さらに「ワインの味が見えるアプリ」として、「SAKELAVO」を初導入。ワインの味わいを数値データに基づいて視覚化し、好みにあった商品を選びやすくする機能を持つ。店舗設置のQRコードからアプリをダウンロードし、ワインのバーコードを読み取るだけで簡単に読み取ったワインの味わいがマップやチャートで表示される。

オリジナルブランドも地元を重視し、「千産千消」

また、立地・商圏特性に応じた「商品との出会い」については、生鮮食材を生かした惣菜や地元千葉県産の「千産千消商品」との「出会い」を打ち出すことで、地元愛を感じることができる店づくりを目指す。

例えば精肉ではマルエツオリジナルブランドの交雑種の「優夢牛」について、自家製飼料にこだわった千葉県旭市のイワイ牧場の商品を展開。サツマ芋を含む芋類と米を中心に与えて育てた千葉県産の「いも豚」や「恋する豚研究所」のハムやソーセージ、ベーコンを品揃えする。

日配ではマザー牧場のアイスクリームを品揃えする他、山口製菓舗の甘食や米屋、オランダ屋の和菓子を展開。一般食品でも銘店のなごみの米屋の「ぴーなっつ最中」やはせべの「からつき落花生」を始め、三真のせんべい、ヤマニのみそ、南房総の果実を使ったクラフト酎ハイなど、千葉県ゆかりの商品を品揃え。

インストアベーカリーでも千葉県八街市の「ますだの落花生」の「香るピーナッツクリーム」を使ったピーナッツパンを販売。千産千消は各コーナー、各エリア、日配や加工食品を含めて全てのコーナーで取り上げている。

「ストレスゼロ」を実現する武器、「スキャン&ゴー」「オンラインデリバリー」

新常態に対応した「ストレスゼロ」の店舗環境としては、安全・安心な環境で快適に買物ができるよう、多様な決済手段や買物の仕方、受け取り方を用意し、お客が自分の好みの買物体験ができる店づくりを実現する。

新型コロナウイルスの不活性効果がある光触媒を利用した除菌装置を、レジ周辺およびイートインスペース周辺に配置する他、常に新鮮な空気を取り入れ、安定した換気を行うために外調機も導入。また、液晶画面に抗菌・抗ウイルス仕様のシートを取り付けたセミセルフレジとフルセルフレジを導入。

また、今回、創業75周年ということもあり、船橋三山店のオープンを皮切りに、店舗従業員の制服をモデルチェンジした。落ち着きのあるネイビーを基調とし、お客に「清潔感」「安心感」を持ってもらい、「親しみやすさ」を感じてもらえる制服を目指した。

また、U.S.M.Hが導入を推進する「Scan&Go(スキャン&ゴー)」も導入。お客が自身のスマートフォンで商品をスキャンしながら買物をしていき、最終的にスマホ上で決済までできる仕組みで、お客はレジに並ぶことなく買物ができる。また、今回、Tポイントとイグニカポイントから選んで貯めることができるようになった。

今回、スキャン&ゴーの普及を図るため、目立つ色の帽子や腕章を作り、視覚に訴えながら利用を促していく他、今後はポイントを付加するなどして普及を図っていく。

スキャン&ゴー用の台は2台設置。買物後に表示されるQRコードの読み取り機などはU.S.M.H共通だが、マルエツは独自にかごの中を映すカメラを設置している。エリアによって変わってくるが、今期末までに少なくとも1割の利用を目指し、フルセルフと併せ、大半のお客が無人で通過できる状態を作りたいとしている

全社的にも2月28日からスキャン&ゴーの導入を63店舗に拡大。フルセルフレジも第2四半期に20店舗に導入し、下期にかけて拡大してきた。フルセルフレジの先行導入店では、ピークタイムにはフルセルフの利用が半数ぐらいに上る店舗があるという。そこにスキャン&ゴーが加わることで相当にレジ回りの要員が減っていくことが予測され、結果、「レジ回りが大きく変わる」(古瀬社長)。「そのパワーをどう顧客接点の創造に向けるかがまさに今後の課題」(同)になると考えている。

有人レジは、レジ前の什器を低くしてチェッカーの顔がよく見えるようにしている。お客がサービスを受けていることを実感できるような態勢を取る。これまでの「あくまで販売重視」の視点から転換した。お客を迎える店舗入口のかごの配置。カートの配置なども検討を進めていきたいとしている

さらに、スキャン&ゴーと連動させた形で、こちらもU.S.M.Hが導入を推進する「Online Delivery(オンラインデリバリー)」を初導入。これまでのネットスーパーとは異なる新たな枠組みのネットスーパーとなる。取扱商品は既存のネットスーパーは約5000SKUの品揃えだったが、2倍の約1万SKUに拡大。店舗で取り扱う商品はもちろん、シェフ監修本格メニューのミールキットや家電製品、地酒などの銘産品なども取り寄せの形で、店舗で取り扱いのない商品も取り扱い、利便性を提供する。

また、これまでのネットスーパーではTポイントが付与されたかったが、オンラインデリバリー、スキャン&ゴー共にポイントを付与する形にした。

受取方法としても、自宅などへの配送だけでなく、車に乗ったまま商品を受け取ることができるドライブスルーや、店舗へ入店することなく商品を受け取ることができる無人ピックアップルームサービスも導入、多様な買物方法や受け取り方法を用意する。

また、オンラインデリバリーは、船橋三山店の他、近隣の東習志野店(千葉県船橋市)、大久保駅前店(千葉県習志野市)の3店で連携した形を実験。商品分野別に商品を集荷する店舗を分け、各店で受けた注文について生鮮3品、惣菜、ベーカリーの5部門の商品は船橋三山店で集荷し、酒、加工食品、日配商品、生活用品については東習志野店で集荷。それらを比較的作業性が良いことから母店と位置付けた東習志野店にいったん集め、各届け出先別にアソートメントし届けるという流れとなる。店での受け取りの場合は、受け取り店に送る形だ。

なお、船橋三山店では、自宅への配達としては有料サービスの「らくらくクマさん宅配便」も用意している。

既存のネットスーパーは9店舗で実施していて、約6億5000万円の年間売上げだった。今年度は既存のネットスーパーをオンラインデリバリーに切り替えた上で40店舗に拡大し、年間売上高28億円を計画している。展開地域も来年度の22年度には東京23区全域をカバー、次年度の23年度には関東圏の出店エリアをカバーする想定で、当面、全体売上げの3%は最低限オンラインデリバリーで売り上げていきたいとしている。

オンラインデリバリーでは、既存ネットスーパーでは宅配だけだった受け取り方法にドライブスルーとピックアップルームサービスを追加し、3種類用意。ピックアップルームには扉にあるQRコードを読み取って入る。船橋三山店ではオンラインデリバリーについては月間500万円の売上げを計画している

「サービスエリア」を通じて「繋がり」を作り、物販を超えた存在へ

最後の4つ目の価値である地域やお客に寄り添った接客と「繋がり」については、売場とは別に、お客にサービスを提供する場所を「サービスエリア」と総称して明確に位置づけ、さまざまな機能を提供しながら「繋がり」を創出する。

「『サービスエリア』という新たな用語を社内で作り、明確に位置付けた1号店。商品を置くだけでなく、お客さまとの『出会い』を明確に位置付けたのがサービスエリア。今後、マルエツが大きく変わったと言われるような店にしていきたい」(齊藤浩・取締役執行役員店舗運営本部長)

サービスエリアではサービスカウンター、軽食販売コーナー、食の提案コーナーを一体型で運営管理し、この場所を拠点にお客の多様な申し出へ迅速に対応することを目指す。

「物販のエリアとそれ以外のエリアを明確に分けた。お客さまとの接点として考えられる場所を『サービスエリア』という概念にまとめて真剣に考えた。SMという、食料品を買いに来る場所という概念を地域のお客さまに少し変えてもらいたい、行くと何かがあるという場所にしていきたいという思いがある」(古瀬社長)

そのために、3月1日付で「サービスエリア」の責任部署となるCS推進担当を本社に設けるなど、組織的背景もしっかりと担保している。

今回の大きな特徴として、「キッチンいーとぴあ」をイートイン側に持ってきた他、サービスカウンターを含めて一体化している点がある。

イートインコーナーは、お客同士の他、お客と従業員も含めた形でコミュニケーションを生み出すことを狙う、こちらもU.S.M.H共通の取り組みとしての新たなコンセプトの「Café&Dine(カフェダイン)」としてマルエツとして初めての展開となった。マルエツとしてこの一角を「サービスエリア」として位置付け、買物でなくても、毎日来店したくなるような「楽しい」「居心地の良い」空間やデザイン、サービスの提供を目指す。

店内で購入した商品を食べることはもちろん、カウンターを設け、ミニストップのソフトクリーム、クリスピークリームドーナツやコーヒーを販売し、こちらで楽しんでもらうことを想定。また、インストアベーカリーで作ったクッキーシュー、バスク風チーズケーキ、フォカッチャサンドなどを、インストアベーカリー売場に加えてこちらでも販売する。

また、「新しい商品・価値・未来に出会う場所」として、「体験型ステーションMeet!」を設置。メーカーやスタートアップ企業などが提案する新しいアイデアや最先端の製品などを食にかかわらず展示し、タブレットやQRコードで詳細情報の確認や購入まで案内することで、お客に新たな発見や出会いのきっかけを提供する。

こうした場所は、一般的には出品料を設けるが、今回は出展者に無料で展示の機会を提供しているのがポイントだ。徴収する計画もあったが、「出会い」の場とすることを重視し、当面は無料で出品してもらうことにした。商品は固定せず、1カ月~1カ月半で商品を変えていく。実際に商品を体験する場所を提供する店として昨年米国発のb8taが日本でも展開を開始したが、そのb8taと共通性の高い取り組みといえる。

「Meet!は、いわゆるD2C(メーカーから直接消費者への販売)を提供する場になろうということ。『農家さんの直売所』もまさにD2Cの場を提供していることになるが、全ての領域で可能性を追求していく。場所が欲しいという人はたくさんいるはず。ウェブ上ではたくさんの商品があふれているが、実際に手を触れるということになるとそれなりに経費はかかるだろうし、営業力も必要になる。いろんなアイデアを持っている人に、この場所を提供することを知ってもらいながら、地域の人たちに触れてもらいたい物を、マルエツがキュレーション(情報を集めてまとめること)していくことができたら良いなと思っている」(古瀬社長)

関心高まる「サステナブル」を意識した多様な取り組み

その他、昨今、関心が高まる「サステナブルな社会の実現」に向けた取り組みとして、店内に常設型の食品寄付ボックスを設置。お客の家庭にある食材の寄付を募り、「特定非営利活動法人(NPO法人)フードバンクふなばし」を通じて支援を求めている子育て家庭や子育て支援団体に寄付する「フードドライブ」に取り組む。

また、外箱の破損などの理由から店舗での販売が困難な商品のうち、未開封かつ賞味期限内の加工食品についても同様に寄付し、「フードバンク」に取り組みながら食品ロスの削減の取り組みも強化。

「昨年9月に『子ども食堂』の募金を全店で始めたが、想定を相当上回る募金が集まっている。コロナ禍の社会情勢もあって、相当注目をされていることを実感している。地域社会とどうつながっていくのかという視点でフードバンク、フードドライブの取り組みをしている」(古瀬社長)

さらに、商品面でも、世界人口の増加による食糧需給問題への対応として、大量の穀物を必要とする食肉に代わる代替肉をコーナー化した「Plant Based(プラントベース)」コーナーを設置。精肉でも大豆由来の「大豆ミート」を品揃えする。さらに惣菜では大豆ミートを使用したバーガーや、キーマカレーなども品揃え。

「持続可能なタンパク源の摂取ということで、植物性の他、日配の昆虫食などを初めてコーナー化して展開している」(古市哲也・取締役執行役員MD本部長)

日配で品揃えされる昆虫食。「イナゴなどは子どものころよく食べていた。まさにこれは昆虫食そのもの。日配ではノスタルジックなところから最先端まで、サステナブルは結構身近にあると感じていただく。それがSMの提供の仕方になると思っている」(古瀬社長)

鮮魚では、水産資源と環境に配慮して獲られた天然の水産物(MSC認証)、環境への影響を最小限にして育てられ、地域社会にも配慮した養殖の水産物(ASC認証)の商品を取りそろえるなど持続可能な漁業、水産業への貢献を目指す。

青果では環境に負荷をかけない商品として、「植物工場野菜」や「オーガニック野菜」を品揃えするなど、こちらも持続可能な農業の発展に対する貢献を目指す。

袋物のサラダは青果売場で展開。続いて「工場育ちの野菜」など環境負荷に配慮した商品などもコーナー化して打ち出す

また、使い捨てプラスチックの削減や地球温暖化の原因とされるCO2の削減による環境保全を目的として弁当用のスプーン、フォークに植物由来の素材を30%配合したバイオマスプラスチックで作られた製品を採用し、環境配慮型カトラリーの導入を図る。

また、ノントレー商品の導入として精肉では、産地で真空パックした「九州産若どりもも肉」「手羽元」などの産地パック商品を品揃え。鮮魚では冷凍の展開として、真空パックのしまほっけ開き干しやきんき開き干しなどの干物や赤魚西京漬などの漬魚を販売し、トレーの削減やロングライフ化を図っている。

その他、環境に配慮した対応として、店舗の屋上に太陽光発電設備を設置し、その電力を店舗の営業活動に使用したり、お客用の駐車場に電気自動車用の急速充電スタンド(有料)を設置し、脱炭素社会に向けた取り組みも実施。

以上のように、船橋三山店は、現在のマルエツが考える未来のSMが取り組むべきものが満載の店舗となった。

マルエツ船橋三山店店概要

オープン日/2021年2月26日

営業時間/9時~22時

所在地/千葉県船橋市三山9-9-31

建物構造/鉄骨造1階建て

駐車場/159台(共用)

駐輪場/56台

売場面積/1977㎡(598坪)

店長/松尾 隆

従業員数/89人(8時間換算)

年商目標/19.8億円

Interview 古瀬良多社長

古瀬 千葉県で50店舗目、マルエツ全体では300店舗目となった。2年ほど前から社内プロジェクトを立ち上げて、新しい店づくりということで取り組んできた。

SMという地域に根差した商業集積が物を売る場所だけであって良いのかというのが、いま世の中から問われているのではないかと思う。デジタルの中でデリバリーが拡大してきて、物が欲しいのであれば注文すれば商品が来るという時代になった中で、実際にそこに行く価値は何かが本当に問われている。

(フィリップ・)コトラーの言葉に「目的地であれ」というものがある。マルエツに食品を買いに行くということだけではなく、毎日そこに行くと何かがある。出会いがあったり、発見があったり、何かが体験できたり、そういう場所であることが必要だ。そういう時代になってきているのだろうと思う。

マルエツはいま、300という店を束ねているが、足元にいるお客さまは老朽化している店であっても来てくださっているという状況がある。いまこそ、マルエツはそういう店をリボーンしていかなければいけないのではないかと思う。その切り口の1つが「体験」という言葉になる。

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