住友商事、サミット、トモズの3社がサミットストア鳩ケ谷駅前店に「健康コミュニティコーナー(けんコミ)」を導入
2022.04.12
2021.03.30
サミットが3月24日に鳩ケ谷駅前店を改装し、健康測定器を置き、常駐する管理栄養士に相談ができたりする場としての「健康コミュニティコーナー(けんコミ)」を導入した。
住友商事、サミット、トモズの3社協働による取り組みで、入口付近の衣料品のコルモピアがあった場所に、同じ住友商事グループのドラッグストアのトモズが出店し、その先頭の一角を充てた。それに伴い、改装前にあったレジ内のサミット運営の医薬品コーナーはなくした。
「けんコミ」では、8台の健康測定器(血圧、ストレス、糖化度、血管、ヘモグロビン、骨健康、野菜不足、体組成)を設置。これらを利用することで、お客が健康状態を自らチェックすることが可能となっている。
「食と健康をデジタルでつなぐことを将来見据えて、まずは使ってもらい、必要、必要ないといったことで入れ替えていく」(竹野浩樹・住友商事理事ライフスタイル・リテイル事業本部長、サミット会長、取材当時)
常駐するトモズの管理栄養士は2人で、栄養指導、健康相談を行う他、それに沿った形でサミットで販売する商品を提案したりする。さらにこのトモズの管理栄養士は、サミットの「案内係」とも密に連携。お客に寄り添ったコミュニケーションを実施していく。今後は健康測定記録と購買データを結び付けるデジタル施策などの拡充も随時検討していくという。
「相談といった形ではなく、会話の場づくりをしていくことが重要。食と健康が当たり前のように、無意識に生活に加わるようなものにしたい。これはスーパーマーケット(SM)やドラッグストア(Dg.S)の場にあるからこそできる」(山元淳平・サミット執行役員経営企画室・広報室担当経営企画室マネジャーSDXプロジェクトリーダー、取材当時)
あえて売場先頭という一等地での展開としていることからも、今回の取り組みに対する3社の力の入れようが分かる。同じ住友商事グループとしてサミットとトモズが融合していくことを目指しながら、サミットの新中期経営計画にもある「生きる糧(かて)を分かち合うお店」を作り上げていく意向だ。
今回の取り組みは、3社のうち特にサミットとトモズは実際に人員を含め協働での運営となるため、会社の違いを超えていかに一体化していくかが鍵になるとみられる。つまり、縦割りの組織の壁をいかに克服するかという問題である。
その点、サミットもトモズも住友商事の100%子会社であり、住友商事が強いリーダーシップを発揮していることが大きい。さらに、もともとサミット自体、店舗運営において店長のリーダーシップの下、部門の壁を超えてマネジメントを実践してきた風土がある。今回は、その考え方を会社の壁を超えて実践する取り組みといえる。
今回は、例えばサミットが行っている売場に掲示する黒板を書くための研修などにトモズの従業員も参加してもらうなど、さまざまな側面で融合に努めている。
今後はアプリなどデジタル技術の活用なども検討課題となる。「あとはどうやってデジタルでつないでいくか。お客さまにとって、この場所が役立つことをデジタルでサポートしたい」と竹野本部長と力を込める。
なお、今回の取り組みは、国分グループ本社、大木ヘルスケアホールディングス、東邦ホールディングスによる医療、食品、健康、介護、美容、快適な生活などの観点から新たなビジネスモデルを創ることを目指した取り組みである「サンフラワープロジェクト」を実際の売場で実現したという位置付けも持つ。
今回、「食を通じて生活者に健康で豊かな暮らしを提供する」というビジョンを持つサンフラワープロジェクトと住友商事、サミット、トモズの3社の企業理念や事業ビジョンの方向性が合致。「食と健康」で地域のお客に寄り添う新しい場として、サミットとトモズの店舗を活用した。
サンフラワープロジェクトとしても、サミットおよびトモズに来店するお客に対して、「食と健康」をテーマとしたコーナーを通じて、SMとDg.Sの垣根を超えた新しいコミュニティ(場)を提供することで、地域社会へ貢献していきたいとしている。
インストアベーカリーを新規導入
鳩ヶ谷店は2006年7月にオープンして以来の大改装となった。インストアベーカリー「ダン・ブラウン」を新規導入した他、この間の新店、改装店で導入されている最新のマーチャンダイジングを取り入れた。
青果部門では「農家さんから直送コーナー」の品揃えを充実した他、「フレッシュサラダ&カットフルーツ」「焼いも機」を新規導入。
鮮魚部門では「おさかなキッチンコーナー」内に新規に専用のコンベクションオーブンを導入し、「煮魚・焼魚」を展開。
また、「干物」「塩さけ」「うなぎ」を冷凍販売することでお客の利便性の向上を図る。
精肉部門では生肉を使用した味付肉や冷凍品などを売場前方の平ケースで販売する他、肉総菜の「グリルキッチン」も新設。時間帯によって品揃えや内容量を変化させ、生活のシーンに合わせた売場づくりを実施する。
さらにグリルキッチン売場に隣接して、ローストビーフやおつまみ商材、生鮮素材を使用したレンジアップ商品を展開し、即食系・簡便商品をゾーニングすることで、買い回りしやすいレイアウトにした。
また、大容量の商品の販売を強化し、まとめ買いのニーズに応える。また、ごみを減らしたいという声に対応して新たにノントレーの袋包装機を導入している。
また、ファミリー層の多い地域であることから、「アレルゲンフリー」商品のコーナーや「おためし下さい」コーナーを設置した他、公共料金の収納代行も実施。
総菜売場は什器・照明を一新すると共に、壁面中心の売場から平台中心の売場に変更し、買い回りのしやすさに配慮。また、改装前と比べて作業場の窓を大きくし、視認性の良くなった開口部に焼き鳥台を配置し、ライブ感や鮮度感を演出する。
新設するベーカリー売場は総菜売場に隣接させ、即食系商品で売場をゾーン展開する他、こちらもパンやピッツァの製造が売場から見えるように開口し、ライブ感を演出。ファミリー層に人気のスイートドーナツをコーナー化する他、手作りサンドイッチも展開する。
サミットストア鳩ケ谷店概要
所在地/埼玉県川口市大字里1591-1
営業時間/9時~24時
建物構造/地上1階建て
売場面積/2527㎡(764坪)
バックヤード/1355㎡(410坪)
駐車台数/200台(うち車椅子用2台)
駐輪台数/210台
店長/飯塚宗宏
従業員数/88.7人(正社員20.0人、パートタイム・アルバイト社員68.7人※パートタイム・アルバイト社員は173時間/月=1人で計算)
年商/24.7億円(19年度売上実績)
商圏内世帯数/1次商圏(半径0.5km以内)3626世帯7723人、2次商圏(半径1.0km以内)1万4992世帯3万2357人、3次商圏(半径1.5km以内)3万1476世帯6万7961人