ファミマがイートインを売場に変更、開発強化中の衣料品と日用品の売場を拡大、イートイン論争再び
2024.10.02
ファミリーマートが国内店舗約1万6000店の半数弱の約7000店に設置しているイートインを原則として売場に変更すると発表した。
イートインは「快適な店舗空間づくりの実現」を目指し、2013年から設置が進められてきたが、新型コロナウイルス感染症の発生以降、お客のコンビニの利用方法が多様化する中でイートインの利用にも変化が見られるようになっているという。
一方で店舗内スペースの有効活用および、お客への利便性の向上や多様化するニーズに合わせた幅広い商品の提供を目的として、売場面積拡大の必要性も高まってきた。そこで今回、イートインを順次売場に変更することで売場面積を拡大し、需要が拡大している自社開発「コンビニエンスウエア」などの衣料品の他、トイレットペーパーや洗剤などの生活必需品を中心に品揃えを拡大の上、展開することにした。
今後は実施店舗での効果検証を行いながら、個店ごとに適した売場を構築すべく適宜イートインの売場への変更を進めていくとしている。
コンビニは売場面積が限られるが、企業や店によっては販売しているファストフードなどをその場で食べてもらう「食事の場の提供」機能を強化することで、持ち帰りだけでなく、すぐ食べる、あるいはカフェのように利用してもらうといった需要にも応えられるような戦略も持つようになっていた。
特に外食の需要が大きいアジアなどではイートインを設置したコンビニが古くから普及していたこともあって、これらがモデルケースとなっていた他、スーパーマーケットでも「その場で食べる」というレストラン機能を付加することで、食の需要をより多く取る「グローサラント(グロサリーストアとレストランを融合させた造語)型の店づくりが進んでいたこともあって、ファミリーマートに限らずコンビニでのイートイン設置はかなり進んでいた。
しかしながら、前述のように新型コロナウイルスの発生によって、イートインの封鎖などが続き、特にスーパーマーケットではグローサラントの取り組みが急激に縮小、現在でもその状況が続いている。
そもそも、イートイン自体、売場と異なり「売上げを上げない」スペースの使い方であることから、その設置の有無、広さなどについてはさまざまな議論があったことは確か。新型コロナウイルスの影響が次第に少なくなる中、企業によっては再度、グローサラントを復活させる動きも少しずつ出てきた。
そうした中、今回、イートインを売場という「売上げを上げる」スペースに転換するファミリーマートの判断は、今後のイートイン、グローサラントの議論にも影響を与えそうだ。