QRコード決済とは? 種類や仕組み、メリットなどを主要決済サービスと併せて解説

2022.10.28

2022.02.18

PayPayやau PAYといったQRコード決済をテレビCMなどで耳にしたことのある方も多いのではないだろうか。QRコード決済は、現金やクレジットカードではなく、スマートフォンだけで決済ができる簡便な決済サービスだ。

本記事ではそもそもQRコード決済の支払方法や、消費者側・店舗側の利用メリット、代表的なQRコード決済サービスを紹介していく。まだQRコード決済を利用したことのない方や、他のQRコード決済サービスが知りたい方はぜひ参考にしてほしい。(※QRコードデンソーウェーブの登録商標

QRコード決済とは?

QRコード決済の使い方

QRコード決済は、スマートフォンのアプリを使ったキャッシュレス決済を指す。ユーザーは、QRコード決済のアプリをダウンロードし、クレジットカードや銀行口座などの登録や、チャージをして利用できる。店舗側はサービス業者に対し、手数料を払うがユーザーの利用手数料は基本的に無料という仕組みだ。

ネットショッピングや公共料金等の支払いに利用できるアプリも多く、利用場所はコンビニやスーパーなどの店頭に限られないのも特徴だ。

店頭での決済には、2つの方法がある。

①ストアスキャン 

ユーザーがスマートフォンのアプリに表示されるQRコードを提示し、店舗側の端末で読み取り決済する方法。

②ユーザースキャン

店舗側から提示されるQRコードをユーザーがアプリで読み取り、金額を入力。スタッフが確認後、決済する方法。

QRコード決済の支払方法

ダウンロードしたQRコード決済アプリにもよるが、基本的に3つの支払い方法がある。

①前払い

あらかじめ現金やクレジットカードでQRコード決済アプリにチャージをしておき、そのチャージ分から支払いをする方法。一定額のオートチャージができるアプリもある。

②即時決済

銀行口座の残高からリアルタイムで引き落とされる方法でチャージをする手間がない。クレジットカードとは違い、利用時にすぐ引き落とされるため使いすぎの防止にもつながる。

③後払い

クレジットカードを登録しておき、クレジットカードの支払いの際に請求される。クレジットカード利用になるが、QRコード決済サービスを通すことでサインレスの決済ができる。また、コンビニ等で翌月末にまとめての精算ができる後払いサービスを実施しているアプリもある。

QRコード決済のメリットとは?

QRコード決済を利用するメリットはさまざまだ。消費者側と、店舗側でそれぞれ見ていこう。

消費者側のQRコード決済の利用メリット

①スマホ一つで完了し、短時間での決済に

財布から現金を出したり、クレジットカードを探したりする手間なくスマホ一つで決済できる。暗証番号入力やサインを求められることもないため、レジでのやり取りの時間短縮につながる。

②アプリから利用履歴が確認できる

アプリに利用履歴が反映されるため、何にいくら使ったのかをスマートフォンですぐに確認ができ、日々のお金の管理がしやすくなる。

③ポイント還元やキャンペーン利用ができる

QRコード決済アプリではさまざまなキャンペーンが実施されており、お得に利用できるアプリが多い。ポイントが貯まるものもあるので、「ポイ活」にも活用できる。自分がよく利用するポイントが貯まるかを確認しておくのがお勧めだ。

④個人間での送金が可能なものも

現金の手持ちがなくてもアプリ上で個人間での送金ができるサービスがある。友人同士での割り勘や、家族間での立替金の支払いなど、アプリを通して簡単に送金できる。

店舗側のQRコード決済の導入メリット

①レジでのやり取りがよりシンプルに

現金であれば金額を間違えて渡してしまうなどのリスクがあるが、QRコード決済ではその心配も不要。またクレジットカードのようにサインのお願いや、暗証番号入力をお願いすることもなく、金額の入力だけで済むためレジでのやり取りがシンプルだ。

②新規顧客の獲得につながる可能性

QRコード決済アプリではキャンペーンやクーポン等が不定期で行われており、近くで利用できるお店がないか探すユーザーがいるだろう。利用店舗をアプリから検索ができるためQRコード決済に対応していることで新たなユーザーの獲得につながる可能性がある。

③売上管理がアプリでできる

購入履歴や売上額がアプリに記録されるため、売上げの管理がしやすくなる。また売上データによる傾向を探る際にも役立つ。

④導入が無料のアプリも

決済サービスの導入には無料のアプリもあり、初期費用を抑えながら導入も可能だ。

QRコード決済を利用できるアプリ・サービス

ここからは8個のQRコード決済のアプリ、サービスを主な特長を中心に紹介していく。

PayPay

PayPay
出所:paypay.ne.jp

加盟店数355万カ所以上と、全国のコンビニやドラッグストア、家電専門店などさまざまな場所で利用できる。登録ユーザー数も4500万人と利用者が多いのも特徴だ。

支払いは、PayPay残高にチャージするか、クレジットカードの支払い、もしくは「PayPayあと払い」という翌月にまとめて支払いを行う仕組みもある。「PayPayボーナス」によりPayPay残高が増えるキャンペーンなどもあり、お得に利用できる情報は常にチェックしたい。

ユーザー数が多いため、個人間の送金などお金のやり取りもしやすい。店舗以外にネットショッピングや、光熱費などの請求書払いにも対応。PayPayピックアップ対応加盟店では、事前に料理などテイクアウトの注文もできるなど、支払以外にもさまざまなサービスがある。

チャージ、支払い方法:銀行口座、PayPayカード、ヤフーカード、セブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、PayPayあと払い、ヤフオク!、PayPayフリマの売上金、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い

d払い

d払い
出所:www.nttdocomo.co.jp/service/d_payment/

docomoが提供するキャッシュレス決済だが、ドコモユーザー以外も利用できる。dポイントを貯められるのが特徴だ。dポイントカードを提示し、d払いで支払いをおこなうとポイントの二重取りも可能。dポイントの還元のキャンペーンもおこなわれており、お得に利用できる。店舗以外ではネットショッピングや光熱費などの公共料金の支払いも可能だ。

また、ドコモユーザーであれば月々の携帯料金とまとめて支払いができる。ちなみにd払い以外に「ドコモ払い」もあるが、「ドコモ払い」はドコモユーザーのみがネットショッピングで利用できる決済方法だ。d払いとは違い、dポイントは貯められないためdポイントを活用したい方にはd払い利用がおすすめだ。

チャージ、支払い方法:クレジットカード払い、銀行口座、ATMからのチャージ、月々のケータイ料金とまとめて支払い

au PAY

au PAY
出所:aupay.wallet.auone.jp

株式会社J.D. パワー ジャパンによる「2021年QR コード・バーコード決済サービス顧客満足度調査」にて総合満足度第一位を獲得。セキュリティ/不正利用防止対策にて最高評価を獲得している。auユーザー以外も利用でき、会員数は2,500万人を突破とユーザー数も多い。また、店頭でのコード決済に加えて、ネットショッピング、公共料金等の請求書支払が可能だ。

クレジットカードの「auPAYカード」や、ネット銀行の「auじぶん銀行」、月々のau通信料金と合算して支払う「auかんたん決済」ではオートチャージもでき、一定額を決めて利用したい方にぴったりだ。

ポイントはPontaカードとの連携でポイントが貯められ、Pontaポイントでの支払いもできる

チャージ、支払い方法:クレジットカード、ローソン銀行ATM、セブン銀行ATM、Pontaポイント、auポイント、auPAYギフトカード、銀行口座、auじぶん銀行、auかんたん決済、現金(ローソン、auショップ)

ファミペイ

ファミペイ
出所:famipay.famidigi.jp

ファミペイではお得なFamiPayボーナスが進呈される。例えば、FamiPay払いをするだけで200円(税込み)につきFamiPayボーナス1円相当がもらえる。

またクレジットカードのファミマTカードでチャージすると、金額の0.5%分のFamiPayボーナスがもらえる他、公共料金等の支払いをするとFamiPayボーナス10円相当を進呈される。使うほどお得になる仕組みだ。

dポイント、楽天ポイント、Tポイントと3種類のポイントを貯められて利用もできる。

チャージ金額が不足していても翌月にまとめて精算できるサービス、「FamiPay翌月払い」もあり、チャージする時間のない時やちょっとチャージが足りない時に便利だ。

また、アプリ上で商品の回数券を購入でき、レジで画面を提示するだけで該当の商品と交換もできる。

ファミリーマート以外にもドラッグストアや、ネットショッピング、ショッピングモールや飲食店など幅広いジャンルで利用できる。

チャージ、支払い方法:現金(ファミリーマートのレジ)、銀行口座、クレジットカード、FamiPayギフト、FamiPay翌月払い

LINE Pay

LINE Pay
出所:pay.line.me/portal/jp/main

LINE Payの最大の特徴はLINEユーザー同士での送金ができることだ。LINEの友達のトークルームから簡単に送金できるため、LINE以外の連絡先や銀行口座を知らない人同士でも割り勘などお金のやり取りがしやすい。

利用にはLINEの登録と本人確認が必要。「スマホでかんたん本人確認」は銀行口座を登録しなくてもLINE Payが利用できるようになる。銀行口座を登録すると、チャージ金額が一定額を下回ったときにオートチャージをしてくれる機能もある。飲食店やレジャー施設などのお店から、ネットショッピング、請求書の支払いまで対応している。

チャージ、支払い方法:銀行口座、LINE Payカード(ローソン、ナチュラルローソン、ローソンストア100のレジ)、セブン銀行ATM、Famiポート

楽天ペイ

楽天ペイ
出所:pay.rakuten.co.jp

楽天ペイでは楽天ポイントが貯めやすい。楽天カードで楽天ペイにチャージすると、チャージで0.5%、支払で1%と、1.5%のポイントが還元される。対象店舗であれば楽天ペイでの支払い時に楽天ポイントカードも合わせて提示するとポイントがダブルで貯められるなどポイントの貯め方はさまざまだ。

また、Suicaのチャージもできる。Suicaの利用は「おサイフケータイ®」機能搭載のAndroid™端末に対応している。スマホだけで電車やバスに乗ることができ、駅でチャージをする必要もない。

フリマアプリのラクマの売上金を楽天ペイにチャージできるなど、楽天ユーザーは利用しやすい決済サービスとなっている。

チャージ、支払い方法:楽天カード、楽天銀行、ラクマの売上金、楽天ウォレット

メルペイ

メルペイ
出所:www.merpay.com

iD決済対応店とメルペイコード決済の対応店、ネットショッピングで使える決済サービスだ。メルカリと連携しており、「かんたん本人確認」が完了すると自動的にメルカリの売上金がメルペイの残高になる。

メルカリの売上金以外にも銀行口座やセブン銀行ATMからチャージも可能。また、「メルペイスマート払い」という購入代金を翌月にまとめて精算できるサービスや、定額払いのサービスにも対応している。

チャージ、支払方法:銀行口座、セブン銀行ATM、メルカリの売上金

ゆうちょPay

ゆうちょPay
出所:www.jp-bank.japanpost.jp

ゆうちょのスマホ決済アプリで、ゆうちょPayと銀行Payのマークのあるお店での支払いが可能で、セブン-イレブンなどのコンビニからサミット、イトーヨーカドーなどのスーパー、居酒屋や家電専門店などの対象店舗がある。また公共料金等の支払いにも利用できる。

最大の特徴は事前のチャージが不要であること。ゆうちょ口座を登録し、口座からすぐに代金が引き落とされる仕組みだ。アプリではゆうちょ口座の残高が確認できる。また、上限金額の設定もできるため使いすぎることもない。

ゆうちょPayポイントとして400円(税込み)ごとに1ポイント貯まり、1ポイント1円で利用もできる。

支払方法:ゆうちょ銀行口座からの引き落とし

QRコード決済はポイント利用などでお得な使い方ができる

QRコード決済はスマートフォン一つで決済できるという簡便さだけでなく、アプリによってさまざまなポイントが貯められる。普段活用しているポイントが貯められるかを確認するといいだろう。

また、クレジットカードやフリマアプリを利用している方はそれに合わせてQRコード決済を導入するとより便利に使える。QRコード決済アプリはキャンペーンも随時行われているので、さまざまなアプリやサービスをチェックしてお得に利用してみてはいかがだろうか。

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