フーコット昭島店オープンレポート、初の新店タイプでエイヴイ感がさらにアップ、クリエイトS・Dとの共同出店
2022.04.12
2022.03.16
ヤオコー子会社のディスカウントストア企業フーコットが3月15日、2号店となるフーコット昭島店を東京都昭島市にオープンした。新規に建物を建てての新規出店で、同じ建物内にドラッグストアのクリエイトS・Dが時期をずらしてオープし、スーパーマーケット(SM)とドラッグストアによるショッピングセンターを形成する。

屋上に駐車場を設けており、310台分ある全体の駐車台数のうち、店舗正面の平面駐車場が148台、屋上駐車場が162台になっている。
営業時間は10時~19時と閉店時間は早め、また、支払いは現金のみということで、ディスカウントのために効率重視の運営としている。
ドラッグストアと共同出店。建物は入口の他、窓が数カ所あるだけのシンプルな構造のため、最近のSMなどでみられるようなガラス張りで内部が見えるような店とは一線を画している
昭島店は売場面積3572㎡(1080坪)で、SMとしては大型。売場レイアウトはSMの標準的なパターンに近く、壁面に沿って青果、鮮魚、精肉、洋日配と続き、最後に惣菜を配置。1号店の飯能店(埼玉県飯能市)は精肉に続いて惣菜を持ってきていたが、今回は主通路最後にコーナー展開している。

生鮮から日配、惣菜と続く売場レイアウト。日本のSMでは和日配を青果と連動させて第1主通路に持ってくるなど日配を和洋で分離させることも多いが、昭島店では和洋日配をまとめている。陳列作業を重視しているためか
なお、店頭で配布されている「店内レイアウト」では手前側のレジのスペースなどは狭く、また、惣菜売場は正面ぎりぎりにあるようになっているが、実際には入口を入ったところにあるカート置き場は、モデルとなったエイヴイの店舗「エイビイ」でみられるような広大なもので、また、レジスペース、サッカー台のスペースも広めに取られている。
「店内レイアウト」では惣菜売場はレジのスペースより正面手前側にせり出している形になっているが、実際は売場自体はレジより店奥側にある。そのため、惣菜のバックヤードはしっかりと売場の裏側に設けられている。動線を考えればバックヤードが近いことは重要になる。



1号店の飯能店もそうだったが、フーコットの特徴はエイビイと異なり、店内製造の惣菜売場をしっかりと設けている点と、価格帯も含め酒の売場が充実している点にある。
今回も酒売場は充実しているが、飯能店が主通路最後のエリアにある程度まとまった形で設けられているのに対し、昭島店では青果隣から横に広がる形で、レジ手前のエリアで展開されている。また、それに伴って加工食品と酒の間に中通路が設けられている。

売場づくりは、エイビイに近く、フェーシングを広く取った単品大量陳列を徹底。例えば青果では平タイプのケースに商品を積み上げ、迫力を生み出している他、鮮魚、精肉でも平ケース、あるいは壁面ケースでも2段と少ない段数のケースに商品を大量に陳列することで単品大量販売を実施している。
また、今回は新店のためか、エイビイと同様に青果売場に壁を設けず、ケース越しにバックヤードがつながっている構造になっている。

惣菜とは異なり、生鮮食品では基本的に店内加工を行わず、ヤオコーのかつてのセンターを活用した「小川生鮮センター」からのアウトパックでの供給としている。
そのため、鮮魚ではヤオコーを含む多くのSMが対応している調理加工も受け付けない他、商品化でも刺身盛り合わせなどは見られず、加工度が高いものでも切り落としなどのシンプルなものに限られる。

鮮魚や精肉売場が面する奥主通路にはかごの什器を並べ、加工食品の販促品を展開している。ディスカウントストアを想起させる売場だ。
壁面側に鮮魚、精肉と続く奥主通路の突き当たりの第2磁石には牛乳を配置。リーチインケースで裏からケースごと陳列できるタイプの什器を使用している。
加工食品のゴンドラは2mほどとかなり高くなっている他、最上段には一部在庫も置いている。ただし、その量は少なめ。そもそもゴンドラ内に大量陳列ができるため、陳列の際も極力ケース単位でゴンドラに入り切るようなオペレーションが志向されているように思われる。
また、ゴンドラが高い分、通路も2m超と相当に広い。そのため圧迫感は感じない。ゴンドラを高める際には重要な要素となる他、それ以外にもレジに並ぶ列がゴンドラ内の通路に及ぶことも少なくないため、通路を広く取ることは必須といえるだろう。
加工食品のゴンドラは最下段をかごの什器としているところもある他、飲料などではケース売りも実施している。また。ペットボトル飲料など常温での販売が可能な商品は常温販売を徹底している。
随所にディスカウントのための取り組みがみられる一方で、店内製造惣菜や酒売場のこだわりは1号店と同様だった。まだ2店ということもあり、課題もあるとは思われるが、ヤオコー流の広域集客のディスカウントストアのモデルがある程度の定まりを見せつつあることを感じる。