マルエツプチ稲荷町駅前店がオープン、都市型小型店プチタイプのオールアウトで鮮魚鮨もしっかり展開

2024.09.13

マルエツは9月12日、東京都台東区にマルエツ プチ稲荷町駅前店をオープンした。今回のオープンで全社では307店体制、東京都では151店体制となる。

台東区では9店目の出店で、東京メトロ銀座線稲荷町駅至近の地上8階地下2階建ての建物の1階、銀行跡地に居抜き出店した。また、ターミナル駅であるJR上野駅からも直線で約500mと近い。

周辺2km圏で見ても同社の店が6店存在するドミナントともいえる地域。最寄りの店は400m弱離れた東上野店(東京・台東)。近距離に店がある中ですき間を埋め、ドミナントを固める出店となった。

東京の観光名所として知られる上野・浅草エリアにほど近く、オフィスも点在するなど多くの人が集まる活気あるエリアに立地。周辺には竣工予定のマンションが多数あり、店舗500m圏内には2025年度までに900戸近くのマンションが建設される計画もあるなど、全体的にも今後、世帯数の増加が見込まれる地域となっている。

東京メトロ銀座線稲荷町駅から西側約50mの距離、3番出口から徒歩約1分の場所に立地。周辺300mはフラットな地形となっており、店舗南側の浅草通りを中心に、朝夕の人流は多いという。300m圏内の人口は5857人、世帯数は3478世帯、世帯当たり平均人員は1.68人となっている。23年対比24年の世帯伸長率は104.5%。

世帯人員比率は台東区と比較して、単身世帯が59.9%、2人世帯が22.6%と、それぞれ0.9%ポイント、0.5%ポイント高く、3人世帯は9.8%、4人以上世帯が7.7%で、こちらはそれぞれ0.9%ポイント、0.5%ポイント低い地域となっている。

年齢別人口構成比は台東区と比較して、20~49歳が48.4%と1.9%ポイント高く、10~19歳が4.4%、50~74歳が27.9%とそれぞれ0.9%ポイント、2.1%ポイント低い地域となっている。

鮮魚、精肉は全てアウト供給、惣菜はセンターとサテライト

売場面積は約120坪、総尺数は約664尺となっている。年商目標は6.1億円。取扱SKU数と売上高構成比の計画値は次のとおり。

部門SKU数売上高構成比
(%、計画値)
精肉29010
青果22016
鮮魚1507
惣菜18015
日配食品124022
一般食品
(酒、たばこ含む)
366028
(うち酒、たばこ6)
生活用品7502
合計6490100

青果ではカットサラダ、カット野菜、カットフルーツなどの簡便商品や使い切れる適量目商品の品揃えを強化。

精肉ではオリジナルの「優夢牛」「桜もち豚」「みちのく森林鶏」を小量目から品揃えする他、冷凍肉では、コロッケなどの「ハーフメイド」商品を展開。

精肉では生ハンバーグなども品揃え。精肉は全てアウトパックのため、こちらも自社プロセスセンターでの製造

鮮魚ではマグロやサーモン、刺身の品揃えを強化すると共に、「あんきもポン酢」などの「お魚屋さんのおつまみ」を展開する他、「鮮魚鮨」を惣菜売場で展開する。

鮮魚も全てアウトパックだが、刺身などもある程度品揃え

特に生鮮のつまみ商材の品揃えを強化し、惣菜売場で集合展開。精肉では、ローストビーフ、ローストポークの他、焼き鳥や唐揚げなどの「おつまMEAT」を、鮮魚では、魚のつまみを集めた「おつなFISH」を品揃え。

鮮魚の「お魚屋さんのおつまみ」は鮮魚売場で展開するが、それ以外のつまみ商材、鮮魚は「おつなFISH」、精肉の「おつまMEAT」は惣菜売場に集積。自社プロセスセンターでの製造

日配食品では冷凍食品の品揃えを強化。便利なワンプレートタイプの商品やつまみ商品を展開。また、糖質オフ、高タンパクなど健康を意識した商品を多数展開する他、植物性ミルクなどもしっかりと品揃えしている。

売場面積約120坪と売場面積は限られるが、冷凍食品の売場はしっかり確保

一般食品ではワインの他、市場が伸長している缶酎ハイやクラフトビール、ノンアルコール商品の展開を強化する。

ワインはイオングループの輸入商社コルドンヴェールに加え、さまざまな調達先の商品を展開
ディスカウント店では常温で販売されることが多い缶の酎ハイなどレディトゥドリンクも冷蔵して販売し、「すぐに飲む」需要に応えるのは都市型小型店らしい対応

惣菜では、自社デリカセンターで素材から取っただしを使用した「自社製出汁を使ったロースカツ丼」などを販売する他、素材や調理法にこだわって開発、製造した「まいごころ」(米飯商品)、「うまごころ」(惣菜)のオリジナルブランド商品を多数展開。

また、栄養バランスや食塩相当量などの健康に配慮した弁当や人気のフライ、中華などを品揃えする。

管理栄養士監修の弁当など健康の配慮した商品を展開

稲荷町駅前店は小型店のマルエツ プチタイプのため、バックヤードでの加工は一部青果で行う以外、鮮魚、精肉、惣菜の商品は全てアウト供給。

生鮮は子会社マルエツフレッシュフーズのプロセスセンター、惣菜は同社のデリカセンターからの商品に加え、近隣の店で製造した商品を導入するサテライト方式。同店の場合、温惣菜や米飯は2km弱離れたマルエツ プチ東日暮里店(東京・荒川)から、鮮魚鮨は同商品の供給店となっている葛西クリーンタウン店(東京・江戸川)から引いている。

生鮮、惣菜の店内加工をほぼなくした形で、銀行跡地などにも出店ができるフォーマットを確立したといえるマルエツ。20年以上、積み重ねてきた都市型小型店のノウハウは、生鮮のプロセスセンターの整備、さらにデリカセンターの整備と相まって今回の半径2km圏内に6店出店という高密度のドミナントの実現に着実に結び付いている。

マルエツプチ稲荷町駅前店概要

所在地/東京都台東区東上野5-1-5日新上野ビル

オープン日/2024年9月12日

営業時間/9時~22時

建物構造/鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)地上8階地下2階建て

売場面積/397㎡(120坪)

店長/矢島賢治(2店舗兼務)

従業員数/20人(うち正社員3人、8時間換算)

年間売上高目標/6.1億円

お役立ち資料データ

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