ブルーミングブルーミーあきるのプレイス店が4月24日オープン、いなげやの高グレード店、ドミナント固める
2025.05.01
いなげやは4月24日、東京都あきる野市にブルーミングブルーミーあきるのプレイス店をオープンした。JR五日市線秋川駅北口から約350m、徒歩約4分に位置する商業施設「あきるのプレイス」の1階にテナントとして出店した。
もともとあきる野とうきゅうとして東急ストアが運営していた施設に居抜き出店。同社としては高グレードの商品も置く600坪クラスの「ブルーミングブルーミー」フォーマットでテナント出店する形となった。
南北には多摩川水系の平井川と秋川、東西には農地が広がるが、北西部には工業地帯もあるため、足元の人口密度は市平均を上回る他、駅前には五日市街道が通り、西は圏央道、中心部には滝山街道やJR五日市線の高架下道路が開通していることから、交通の便が良く「車中心」の生活エリアとなっているという。
そのため、いなげやとしては、広域商圏からの集客が期待できる立地であるとする。また、同社としては、同市内の店舗が西側にあきる野北伊奈店、南側をあきる野雨間店、北側をあきる野新草花店がカバーすることで、ドミナントを形成したい意向。
今回はフォーマットが通常店と異なる形だが、商品構成的には通常店の取扱商品もカバーする形となるため、特にすみ分けはそれほどは意図していないという。ただし、高グレードの商品が差し込まれていることからあきるのプレイス店はより広域からの集客が見込めそうだ。
今回の出店でいなげや全社では130店体制、ブルーミングブルーミーの店数は7店体制となる他、あきる野市内の店数は5店となった。ブルーミングブルーミーの1号店は2007年に横浜市都筑区の商業施設にオープンした港北店だが、現在では閉店している。

あきるのプレイス店のコンセプトは、『「鮮度・品質・サービス」でお客様の暮らしぶりに合った快適なお買物空間をご提供するお店』。
大きな特徴は、いなげやとして塩干を含む鮮魚、精肉の売場を設けていない点だ。施設のスーパーマーケットゾーンにはいなげやの他、鮮魚専門店の「魚力」、明治屋産業が展開する精肉専門店の「肉処壱丁田」が出店し、鮮魚と精肉の売場を構成している。


いなげやは生鮮については青果と加工肉に特化、惣菜、加工食品と併せて店を構成している。2店の専門店はあきる野とうきゅう時代から店を構えており、今回は再出店となる。この2店の専門店が再出店することはデベロッパーの意向で決まっていたことから、スーパーマーケットの出店の際には鮮魚、精肉について直営で取り扱わないことが条件であったという。
「グループビジョンである『地域のお役立ち業として社会に貢献する』ためには、地域環境に合わせた柔軟な対応が必要であると考えている。鮮魚店の魚力さま、精肉店の肉処壱丁田さまとも連携しながら地域一番店を目指して行く」(同社)
ただし、いなげやとして鮮魚と精肉売場を設けない状態でも約600坪の売場を確保し、年商でも24.8億円という高いレベルを見込む。広域商圏を視野に入れているため、週末の売上げが高くなると想定していて、売上げの比率で土日の週末が4割、平日が6割ほどのバランスになると考えているという。
前述のとおり自社他店が周囲にあるが、「もともと東急ストアさまがあったこともあって、上質なものを求めるお客さまの期待に応えることを追求したい」(本杉吉員社長)とする。一部、地元の商品など東急ストア時代の商品も受け継ぐ形で品揃えしているという。

青果は「店の顔」として、鮮度にこだわった野菜や旬のフルーツを日替わり価格で販売。ブーケ型レタスや産直野菜、有機野菜の販売を強化する他、糖度、熟度、産地(生産者)、品種の切り口でこだわったフルーツを、「こだわりま撰せん果か」の名称で販売。

ブルーミングブルーミーでは通常店の商品を押さえつつ、少し高グレードなものを差し込む。果物では輸入フルーツの比率を増やし、通常店では取り扱わないような商品も置く。
「魚力さまと肉処壱丁田さまの2店のテナントが、以前からこの地域のお客さまに非常に愛されたお店だったということを事前に伺っていたので、いなげやとしては、それに合わせた同レベルの商品を取り扱うことで、相乗効果を出しながらこの館内のスーパーマーケットとして営業していく」(藤田俊樹店長)
「(テナントの魚力と肉処壱丁田が)上質なものを売っているので、全体のカテゴリーを見たときにバランスを取った形で、副材の調味料を含めて、食材をしっかり品揃えしていく」(本杉社長)

惣菜では「厚焼き玉子」を中心とした「鉄板メニュー」コーナーを展開する他、中華惣菜で「大阪王将」コーナーを常設し、差別化を図る。

また、健康志向への対応として、美容健康面でも注目されている「糀」を使用した商品を提案。また、人気となっている「偉大なおむすび」コーナーでは、いなげや最大級の品揃えで「ワンハンドで食べられるお弁当」をコンセプトにした新しい食べ方として「オシ弁」を展開。




さらに店内の専用窯で焼き上げた「石釜ピッツァ」を惣菜売場で販売する。同社のインストアベーカリーの商品だが、今回はインストアベーカリーを自前で展開しないことから惣菜で展開することにした。

デイリー食品では、漬物コーナーで神奈川県三浦産野菜を使用した商品を品揃えする他、不ぞろいであることから食卓に届かない野菜を使ったSDGs(持続可能な開発目標)配慮型商品を集合販売する。

冷凍食品コーナーでは全国のさまざまなうどんを集めた「ご当地ゾーン」や、昔懐かしのアイスを集めた「レトロコーナー」を展開。

チルド飲料では甘酒、アサイー、トマトジュースなど、健康飲料の充実を図る。

また、デイリー食品では地元のメーカーの商品を集積したコーナーを随所に設けた。


一般食品では「タイパ」への対応として、レンジアップ商品の品揃えを強化。また、エスニック、韓国、メキシカンのカテゴリーをコーナー化するなど、多国籍食材の取り扱いを強化すると共に、コーヒー豆の品揃えも拡大する。


プライベートブランドではいなげやの「食卓応援」シリーズの他、イオングループのトップバリュシリーズ、さらに昨年11月にグループ入りしたユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの「eatime」も販売するなど、独自商品の展開をこれまで以上に充実させる。



サービス面では買物支援として、同店で買った商品を、当日中に常温、冷蔵、冷凍の3温度帯で届ける「まごころお届けサービス」を導入。こちらは2025年5月中旬の開始予定となっている。
部門 | アイテム数 | 日商(万円) | 構成比(%) | 部門 | 日商(万円) | 構成比(%) | 尺数 | |
野菜 | 422 | 91.4 | 13.4% | 青果 | 139.4 | 20.5% | 262 | |
フルーツ | 135 | 45.0 | 6.6% | |||||
フローラル | 3.0 | 0.4% | ||||||
鮮魚 | 0 | 0.0 | 0.0% | 鮮魚 | 0.0 | 0.0% | 0 | |
塩干 | 0 | 0.0 | 0.0% | |||||
精肉 | 150 | 18.0 | 2.6% | 精肉 | 18.0 | 2.6% | 22 | |
惣菜 | 311 | 79.0 | 11.6% | デリカ | 94.0 | 13.8% | 104 | |
寿司 | 44 | 15.0 | 2.2% | |||||
インストアベーカリー | 0 | 0.0 | 0.0% | インストアベーカリー | 0.0 | 0.0% | 0 | |
デイリー | 888 | 55.0 | 8.1% | デイリー | 181.0 | 26.6% | 410 | |
乳製品 | 1,527 | 100.0 | 14.7% | |||||
冷凍食品 | 432 | |||||||
アイス | 219 | |||||||
メーカーパン | 344 | 26.0 | 3.8% | |||||
菓子 | 1,145 | 42.0 | 6.2% | 一般食品 | 227.0 | 33.4% | 709 | |
一般食品 | 2,923 | 90.0 | 13.2% | |||||
農水産乾物 | 772 | 26.0 | 3.8% | |||||
たばこ | 4.0 | 0.6% | ||||||
米 | 65 | 20.0 | 2.9% | |||||
酒 | 1,601 | 45.0 | 6.6% | |||||
雑貨 | 1,677 | 16.0 | 2.4% | ノンフード | 20.6 | 3.0% | 135 | |
バラエティー | 510 | 4.5 | 0.7% | |||||
実用衣料 | 4 | 0.1 | 0.0% | |||||
計 | 12,538 | 680.0 | 100.0% | 計 | 680.0 | 100.0% | 1,642 |
ブルーミングブルーミーあきるのプレイス店概要
所在地/東京都あきる野市秋川1-17-1あきるのプレイス1階
オープン日/2025年4月24日
営業時間/9時~21時
駐車場/642台(商業施設共用)
延べ床面積/3211㎡(971坪)
売場面積/2028㎡(613.5坪、催事スペースを含む)
店長/藤田俊樹
従業員数/74.8人(社員15.1人、パートナー社員59.7人、166時間/月換算)
年商目標/24.8億円(日商680万円)
世帯数/500m圏2102世帯、4206人(世帯人員2.0人)、1km圏6254世帯、1万2891人(同2.1人)