フードスタイル代官山店が4月17日オープン、U.S.M.Hのダウンタウン「300坪モデル」2号店、1号店三田店も確実な手応え
2026.04.20
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)傘下のイオンフードスタイルは4月17日、グループの新フォーマット2号店、かつ「300坪モデル」となるFoodStyle(フードスタイル)代官山店をオープンした。


フードスタイルは、イオンフードスタイルの企業ビジョンにも含まれる「豊かで健康的な食生活の実現に貢献する」ことを目的とした「鮮度・活気・楽しさ・安さ」をコンセプトとする価値提案型のSMという位置付けを持つ。
1号店は3月7日、東京都港区のピーコックストア三田伊皿子店を改装する形でオープンした三田店で、今回、東京都渋谷区に2号店をオープンしたことになる。今回も、2005年11月にオープンし、約20年に渡って営業を続けてきたピーコックストア代官山店を改装する形でのオープン。
同社の場合、すでに首都圏に多数の店舗網を持っていることもあって、今後数年は新規出店の計画はなく、改装によるフォーマットの水平展開を急ピッチで行っていくことを表明しているが、今回の代官山店もまさにその一環。
代官山店は東急東横線の代官山駅直結の商業施設である代官山アドレスディセの1階に売場面積約250坪の規模で出店している店で、商業施設の駐車場も地下に73台ある。一方で同社としては代官山店の商圏として半径500m圏をめどに設定。同圏内には約8000世帯、約1万3000人がいることから商圏は厚く、「遠くから来ていただくことはありがたいが、あくまでも足元のお客さまに毎日来ていただき、日々のお買物だったり、食卓を豊かにしていくのがベースにある」(宮田正幸・取締役営業本部長)。

店舗周辺には30代~40代、特に40代が一番多く、収入も高めということで、ファミリー層や共働き世帯を中心に、「新鮮でおいしく、手軽なものを豊富に取り揃えし、お客さまの毎日の食卓と暮らしにあたらしい“うれしさ”を提供して」いくとしている。
都市部ならではの人口の多い、商圏内に住む人の世代も比較的若い商圏ではあるが、フードスタイルフォーマットとしては、これは1号店の三田店(東京・港)でも同様だが、あくまで「価格の打ち出し」と「商品の絞り込み」を打ち出すことが大きな特徴となる。
一般的に都市部の店では地代の高さ、また、こだわり商品を含む高価格帯の商品の需要が高いであろうという想定を受け、高粗利益の高価格帯の商品をそろえることが多いが、それとは一線を画す戦略で、方向性としては同じイオングループで首都圏で成長中のまいばすけっとに近い。
今回も価格政策は三田店と共通で、イオンのプライベートブランド(PB)商品の低価格ラインのベストプライスも活用しながらナショナルブランド商品も含めて強化。同時にSKUもかなり絞り込まれ、改装前は売場面積256坪で約9005そろえていたSKU数は、今回同263坪にわずかながら売場が広がったにもかかわらず、約6660にまで、約74%の水準にまで絞り込まれた。






「ピーコックのときはやはり、マーケットに対応して少し良いものを品揃えする発想があったが、フードスタイルは日常のコモディティ商品を中心に、普段の生活を支えるというコンセプトで実施している」(宮田本部長)
代官山店の部門別のSKU数は農産が約120、水産が約270、畜産が約110、デリカが約150、新設のインストアベーカリーが約45、グロサリーが約3800、デイリーが約1695、ノンフードが約470となっている。改装前に入っていた寿司のコンセッショナリーがなくなった他、フードスタイル化で水産部門が握り寿司を始め惣菜を大々的に展開するようになったこともあって、水産のみ約10増えているが、その他は新設のインストアベーカリーを除いて概ね改装前の7~8割の水準に絞り込まれた。極端な例は農産で、売場面積が28坪から43坪に広がったにもかかわらず、SKU数は約415から約120に、約29%の水準にまで絞り込まれている。


「(マックスバリュエクスプレス)相模大野店(神奈川県相模原市)、三田店の(新フォーマット)0号、1号の感触の中で、十分SKUを絞り込んでも、商品(のフェース)で表面積を広げて(販売)点数を上げるということで、お客さまからもご支持をいただいた」(阿部雅博・取締役商品本部長)
同社としては、フードスタイル化を進めることで売上高を120%~130%程度まで高める計画だが、一方でトップラインを高めたとしても都市部ならではの地代の高さは横たわる。人件費も郊外などと比べて高めであるため、結果的に粗利益を高める必要がある。
「利益に関しては、確かに価格を出しているので生鮮とデリカの4部門の(売上高)構成比を50%超にする目標がある。この構成比を上げることによって、(粗)利益のミックスを図っていく計画。当然、イン加工比率が上がるが、PC(プロセスセンター)をうまく使う。三田店や相模大野店で実験をしてお客さまにある程度評価をいただいた商品を、PCを使って、カミサリー(加工施設)の多用などで、できるだけ店内の作業を効率化するように進めているので、三田店よりもアウトの比率が若干ながら高まっている」
例えば、フルーツデザートのタルトでは土台部分を焼いた状態で入れ、店内ではフルーツをカットして載せるだけにするなど、極力店内での作業を減らす工夫をしているという。相対的に値入率の高い生鮮、デリカを強化しつつ、可能な限り店内作業を効率化することで、営業利益を確保する戦略が見えてくる。
中でもデリカは強化部門で、当面はデリカとインストアベーカリーを合わせた売上高構成比で15%、将来的には20%を目指すとしている。部門の商品面では三田店をオープンした3月と変わらず、現状はベーシックの主力商品、重点商品の作り込みを進めているという。焼き鳥などその代表的商品で、グラム数を増やしたり、焼き方をこだわったりといったことにこだわりながら強化中。U.S.M.H内でもこれまでは個社の仕様で展開していたものを統一しながらの展開としている。

もちろん、ベーシックを重視しつつ、派生商品や旬・季節・トレンド商品、さらにチャレンジ商品などを開発しながら商品の充実も図っている。代官山店でも多数の新商品が見られる。







デリカの強化という点では、フードスタイルの場合、水産部門で温惣菜、寿司を展開しているため、それも含めた「デリカ」系商品の売上高構成比はかなり高くなる点も大きい。水産部門の温惣菜、寿司は水産部門の売上げの中でも半分程度を占めるようになっているという。






一方で、生鮮食品では商品の絞り込みと共に商品の入れ替えもかなり行った。例えば農産では大田市場から直送する商品の構成比を大幅に上げたという。





また、売場ではSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)なども視野に入れた話題作りの要素も盛り込まれている。代官山店では農産売場でリンゴやミカンがかごからあふれ出ているような演出でお客の目を引いていた。「買物に来たときに、ちょっと『楽しい』ことがあるということを商品、環境、サービスなどで感じていただけたら」(宮田本部長)。今後も、楽しさ打ち出す方法を模索していく方向だという。こうした要素は、ネットにはないわざわざ来店する「リアル店舗」ならではのものといえ、頻度高い利用を見込むフードスタイルにとって大きなポイントとなる。







これらの要素を見ると、フードスタイルのコンセプトである「鮮度・活気・楽しさ・安さ」のいずれかと同期した取り組みであることが改めて分かる。1号店の三田店は計画を上回る状況だといい、新しいMDが着実に成果につながっているといえる状況。代官山店もオープン、週末を含む3日間計画を上回るスタートを切ることができた。
今後も東京都23区のダウンタウンの300坪タイプを中心に月に1、2店のハイペースで改装を実施していく計画で、スピード感のある展開が進む。
フードスタイル代官山店概要
所在地/東京都渋谷区代官山町17-6代官山アドレスディセ1階
オープン日/2026年4月17日
営業時間/10時~22時
駐車台数/73台(地下1階)
売場面積/約263坪(うち直営売場約254坪、テナント9坪)
店長/西山 進









