メタバースとは?概要や最新の動向を先進企業の取り組み事例を交えて解説

2022.10.26

2021.11.16

「FacebookがMetaって社名変更して、メタバースに注力するとニュースでみたけど、メタバースってなんだろう?」

「メタバースが今注目らしいけど、ビジネスにどう使えるんだろう?」

メタバースが話題になっており、詳細がわからず悩ましいと感じている方も多いのではないだろうか。ブロックチェーンやNFTといった最新テクノロジーが発展する中で、今注目を集めているのがメタバースだ。

これまでもAIやブロックチェーンなど、大きな技術革新が起こる度にたくさんの新たなビジネスが生まれてきおり、メタバースに対しても、MetaをはじめとしたIT業界から、ゲーム業界、音楽業界など様々な業界で、新たなビジネスチャンスを狙って注目されている。

そこで今回は、メタバースとは具体的にどんなものなのか?なぜこれほど注目されているのか?具体的な事例も交えて紹介していく。

メタバースとは?

メタバースの由来は「超」という意味のMetaと、「宇宙」を現すUniverseを合わせた言葉です。1992年発売のSF小説スノウ・クラッシュの中で仮想空間をメタバースと呼んだことが起源といわれている。

では、そのメタバースとはどんなものなのか?詳細と特徴について確認していこう。

メタバースとは?

メタバースとは、一言でいうと仮想空間や、仮想空間を提供するサービスを指している。

最新のテクノロジーとして話題のメタバースだが、以前から映画「マトリックス」や、アニメ「サマーウォーズ」などで仮想世界の存在は度々描かれてきた。

一方でこれまでは映画やアニメの世界だけのものだったが、テクノロジーの進化により、没入感のあるリアルな仮想空間が作れるようになり、徐々にサービス化され始めている。

メタバースの特徴とは

メタバースの特徴は、簡単にいうと現実世界と近しいことのできる仮想の世界ということ。

ただし、まだ発展途上の概念で明確なことは決まってなく、現実世界と同じことができる状態を目指して開発が進む段階だ。

現時点で実現可能となっているメタバースの特徴を整理しておこう。

<メタバースの特徴>

  • 永続性がある
  • 自社経済を持っている
  • 現実世界と同期している
  • いつでも・誰でも・どこでも参加できる
  • 自分固有のアバターや自分自身として参加可能
  • それぞれの参加者が独自のコンテンツを生み出せる

現時点で確認できるメタバースの特徴は、上記のように没入感のある仮想空間にいつでも誰でも参加でき、コミュニケーションや商取引などを行うことができる点だ。

更に、現実世界とリンクして同じ時間軸を刻んでいたり、資産の持ち込みができたりと、別の世界に移動したかのように過ごすことができるものをメタバースと呼ぶ。

もちろん、すぐにマトリックスのような世界が生まれるわけではないが、VR技術の発展やブロックチェーン技術によるNFTの誕生などによって、より完成度の高いメタバースの誕生が期待されている。

メタバースが注目される理由とは?

メタバースが注目されている理由は大きく3点。

それぞれみていこう。

1.FacebookがMetaへ社名変更で話題に

今、メタバースに注目が集まったきっかけはFacebook社がMetaに社名変更したことです。

世界中に認知されているFacebookという社名を捨ててまで社名変更ことからMetaのメタバースに対する本気度が伺えるだろう。

加えて、マーク・ザッカーバーグ氏が今後55億円以上メタバースに投資すると明言してることも大きなポイントといえる。

具体的なMetaの動向は、例えばVRゴーグルを開発するOculusを買収し、VR関連の開発に力を入れている点だ。

Oculusのテクノロジーを活用し、今年8月に仮想空間での会議システム「Horizon Workrooms」をリリースするなど、Metaのメタバースに対する挑戦は進んでいるようだ。

このようにMetaの社名変更に加えて、大規模なメタバースへの投資計画を発表していることからメタバースへの注目が集まっているのだ。

2.NFTによるデジタルデータの商取引実現

次に、NFTを活用することで新たなビジネスチャンスが生まれる可能性がある点が注目されている理由だ。

NFTはNon-Fungible Tokenの略で、簡単にいうとデジタルデータにタグ付けして識別できるようにする技術。この仕組みの裏側ではブロックチェーンが使われ、改ざん不可能で安全な状態が作られている。

NFTにより、デジタル上のアートや、ゲーム上のアイテムなどにタグが付与されて唯一無二のものと証明することが可能になり、デジタルデータの商取引を実現している。

中でも注目されたのは、Twitter創業者でCEOのジャック・ドーシー氏の最初のツイートが約3億円で取引されたことで話題となった。

こうしたNFTの技術を組み合わせることで、メタバース上のデジタルな資産が取引可能になったのである。

例えば、メタバース上の土地にNFTでタグ付すれば土地の売買も可能になり、その上に家や商業施設の建築も実現できるのだ。

このような観点から、メタバースを活用することで、多くの業界で新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があることが伺える。

こうした新たな経済圏の誕生に多くの方が期待している点が、メタバースが注目される理由といえるだろう。

3.コロナ渦での新しいコミュニケーション手段

最後に、コロナ渦で外出しにくくなった現代の新たなコミュニケーション手段として注目されているという点があげられる。

現代ではコミュニケーションの手段は大きく見直され、zoomなどのweb会議システムを活用したコミュニケーションも一般的になりつつある。

一方、zoomではどうしてもリアリティが損なわれる部分があり、商談を進める上でも相手の仕草全体を確認することができず成約しにくくなっていくだろう。

プライベートでも、zoom飲みなどが話題となる一方で、親近感を醸成するのに限界があり、より深いコミュニケーション手段が求められていた。

これに対して、メタバースではよりリアルなコミュニケーションができ、同じイベントを体験するといった現実世界に近いこともできるため、新たなコミュニケーション手段として注目されているのだ。

このようにコロナ渦での外出自粛がメタバースに注目される理由となっている。

メタバースの事例をご紹介

それでは、具体的にメタバースを実現している事例をみていこう。

今回はFortnite(フォートナイト)とCryptovoxels(クリプトボクセルズ)についてふれる。

Fortnite(フォートナイト)のメタバース事例

出所:www.epicgames.com/fortnite/

まずはFortnite(フォートナイト)の事例についてだ。

Fortnite(フォートナイト)とは、エピックゲームズが提供するオンラインバトルロワイヤルゲームで、世界中から100人同時にアクセスして戦い、最後まで残ったプレイヤーが勝利するというもの。

Fortnite(フォートナイト)の2021年6月時点での登録者数は5億人にも登る。

Fortnite(フォートナイト)がメタバースとして注目されているのは、クリエイティブモードというスタイルがあり、プレイヤーが自由に仮想空間を作り込める点だ。

自身の島を好きなようにアレンジし、他のプレイヤーを招待してイベントを行うなどの使い方ができ、自由度の高い遊び方ができるようだ。

中でも注目をされたのは、2020年に米津玄師氏がFortnite(フォートナイト)上でライブを行ったことなどで大きな注目を集めているのである。

その注目度合いは、当時のイベントでは3,600円でチケット販売され18万人が購入、50万人もの人が同時接続していたほどだ。

現実世界でのライブでは、18万人もの規模を動員するイベントは数えるほどであり、アーティストにとっては新しい音楽イベントの在り方として注目されている。

更には、トラビス・スコット氏のバーチャルコンサートでは、1230万人もの方が同時接続していたという。

大規模なイベントを容易に開催できてしまうポテンシャルがうかがえるだろう。

今後は星野源氏などがイベント開催を予定しており、メタバース上での活動が盛り上がりをみせている。

メタバースプラットフォーム「Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)」

出所:www.cryptovoxels.com

メタバースはFortnite(フォートナイト)のようなゲームや、Metaのようなビジネスツールだけではなく、より自由にカスタムできるプラットフォームとしての開発も進められてる。

Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)は、暗号資産イーサリアムのブロックチェーン技術によって作られた仮想世界で、ニュージーランドのNolan Consulting Limitedのオーナー、Ben Nolan氏を中心に開発が進められているプラットフォームだ。

特徴的なのは、より自由度の高いプラットフォームを目指している点。

Cryptovoxels(クリプトボクセルズ)では、土地・アート・アイテム等の売買が自由に行えるようになっており、今後は仮想空間の構築が誰でも簡単にできる世界観を目指して開発が進められている。

この他にもNFTの取引が活発なThe Sand box(ザサンドボックス)や、オークションやイベントが活発に行われているDecentraland(ディセントラランド)などいくつもメタバースプラットフォームの開発は進んでおり、今後の動向に注目だ。

メタバースの今後の展開に注目

メタバースの完成度が上がり一般的なものになれば、メタバースにある土地を売買して建物を立てたり、時間や場所の制約なくコミュニケーションや商取引を行うこともできる。これは、もう一つ別の世界ができるほどのインパクトとなり得る。

このようにメタバースは、パラダイムシフトを起こすほどの大きな可能性を秘めており、今後の展開に注目したい重要分野の一つといえる。

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