ライフ鎌倉梶原店が9月1日オープン、JR新駅計画地も近い再開発地に鎌倉市内22年ぶりの出店、「鎌倉」商品が売場に多数

2026.09.25

ライフコーポレーションは9月1日、神奈川県鎌倉市にライフ鎌倉梶原店をオープンした。鎌倉市内への出店は2004年12月の鎌倉大船モール店以来、約22年ぶりで、市内2店目となる。今回のオープンで同社の店数は首都圏150店、近畿圏173店の計323店となった。

同店が立地するのは湘南モノレール江の島線の湘南深沢駅から徒歩約12分の場所。もともと中外製薬の研究所があった場所だという。鎌倉市公表の計画資料によれば、この一帯では総合地所、西日本鉄道、JR西日本プロパティーズ、積水化学工業、神奈川中央交通、三菱商事都市開発、長谷工コーポレーションの7社が事業者となり、商業施設と大規模な共同住宅を一体で開発する計画が進められてきた。

商業施設はスーパーマーケット(SM)とホームセンター(HC)を核店とし、買取大吉と歯科などが入るネイバーフッドショッピングセンターで三菱商事都市開発が開発。施設名称はMCUD・HASEKO Retail鎌倉梶原となっている。HCのカインズは鎌倉市初出店として鎌倉梶原店(売場面積5244㎡、1586坪)を8月28日に先行オープンしていて、ライフはその4日後のオープンとなった。ライフの売場の並びにはバーガーキングとマルミヤクリーニングも入る(バーガーキングは9月30日オープン)。396台の駐車場は施設の共有で、食品と住関連を1カ所でそろえられるワンストップショッピングの拠点となる。

エンクローズド型だが、テナント構成は近隣型のネイバーフッドショッピングセンター

隣接地では、645戸の分譲マンション「ルネ鎌倉深沢」の建設が進む。今後2、3年のうちに大規模なマンションが完成していく予定で、人口の増加が見込めるという。

出店のもう1つの追い風が、JR東海道本線の新駅計画だ。藤沢駅と大船駅のほぼ中間に、東海道線では約100年ぶりの新駅となる村岡新駅(仮称)が2032年に開業する予定で、ライフからは約1kmの距離にある。新駅の開業で人の流れも変わってくるとみられ、同社としても今後の商圏人口の増加が見込める立地と判断した。

周辺は住宅地だが、一帯の開発が進行中のため、近隣の商圏人口は少ない。SMもあるものの多くはなく、これまで近隣住民の日常の買物行動としては西側の藤沢駅方面、もしくは北東の大船方面に車で向かうケースも多かったものとみられる。

商圏は、0.5km圏で1344世帯、3247人、1km圏で5958世帯、1万4396人。1km圏の年齢別人口構成は40代が15.6%と最も高く、次いで50代が14.4%となっている。単身世帯比率は31.6%と神奈川県平均より7.6%ポイントほど低いものの、2人世帯比率が30.2%あり、全体の約6割が少人数世帯となる。

近隣の自社店では鎌倉大船モール店(神奈川県鎌倉市)が約1.9km、さいか屋藤沢店(神奈川県藤沢市)が約2.3km、グランシップ大船駅前店(横浜市栄区)が約3.3kmの距離にある。HCのコーナンと共同出店する鎌倉大船モール店は首都圏のライフの中でも売上高上位に入るといい、HCと共同で出店することや商圏自体もある程度共通することから今回の鎌倉梶原店も高い売上げが期待される。品揃えでも大船モール店で培ったノウハウを生かしている部分もあるという。売場面積は約547坪で、年商30億円を目指す。

商業集積、かつ足元商圏がまだ多くない状況のため、現状は基本的に広域からの土日型の集客がメインになるが、同社としては平日の日常使いと週末のまとめ買いを両立させたいとの思いもある。そのため、平日は家庭の冷蔵庫代わりとなる日常の商品や、仕事帰りの客に向けた簡便商品を中心にそろえ、週末は車で来店する客に向け、買い得の大容量商品やこだわり商品を充実させる。また、4つのプライベートブランド(PB)と立地する「鎌倉ならでは」の商品を組み合わせながら「地域一番の品揃え」を実現していくとする。

オープンから3週間ほど経った段階でも売上高はほぼ毎日予算を上回って推移するなど、まずまずのスタートを切った。今年の9月は雨の日が多かったが、雨天でも計画を下回ることはなかったことは良い材料だ。同店が屋根付きの駐車場を持つことも大きいだろう。

実際、車での来店客が非常に多く、平日に比べて土日に売上高が大きく伸びる、郊外型の週末まとめ買いの傾向が表れているという。売場でもジャンボパックや大容量商品を打ち出して週末需要を取り込んでおり、客単価も都市部の店に比べてかなり高くなっているという。

特に畜産などではジャンボパックを打ち出し、まとめ買いの提案を強化している

店舗は鉄骨造地上2階建ての1階で、売場面積は1807㎡(約547坪)。取扱品目数は約1万7524で、内訳はフーズ1万2879、ノンフーズ4645。部門別では農産650、水産390、畜産610、惣菜420、ベーカリー70、加工食品7000、日配食品3170、PBのBIO-RAL(ビオラル)569、生活関連4645となる。

オープン3週間ほどの売上高構成比の実績は農産18%、水産7%、畜産15%、惣菜9%、ベーカリー3%、日配20%、加工食品24%、生活関連4%。ビオラルの売上げは各部門に含まれる。レジはセミセルフレジ3台、フルセルフレジ6台、キャッシュレスレジ9台の計18台と、セルフ主体となっている。

売場レイアウト。入口から農産でスタートし、第1主通路突き当たりにかけて水産、第2主通路は水産から生鮮部門の魚惣菜、肉惣菜を挟んで畜産が続く。その後、惣菜が第3主通路にかけて広大な売場を形成し、最後はインストアベーカリーといった並び。通路に変化を付けているが、SMとしてはオーソドックスなレイアウトといえる
入口から入った最初に農産売場が広がり、第1主通路奥にかけて水産売場を配置
インストアベーカリーが売場の最後に来る形で、ピザ売場を陳列線の最後に配置。そのため、店内で製造しているところが2面から見えるようになっている。香りと共に大きな訴求要素となっている
大型SMとして、第2類、第3類の医薬品売場も導入している。商業施設内にはドラッグストアがないこともあるが、SMとしてのワンストップショッピング機能としても大きい
同様にそれなりに面積も広いことから、需要が高まっているペット用品を始めとして生活関連にも一定のゴンドラを割く

売場では同社最新のマーチャンダイジングが展開されるが、「鎌倉」の要素も数多く売場に差し込まれている。例えば、精肉では神奈川県内で飼育された銘柄豚「かながわ夢ポーク」を週末を中心に販売。鎌倉ハムの関連商品も多数展開し、畜産部門の肉惣菜である「肉屋さんの手づくりおかず」コーナーでも鎌倉ハムを使った商品を展開する。

「かながわ夢ポーク」。サツマ芋や国産茶葉を加えた指定飼料で育て、肉の甘みと風味、脂肪のあっさり感を特徴とするという
畜産部門の肉惣菜でも「鎌倉」の要素として「鎌倉ハムの熟成あらびきウインナーとポテト~チーズソ~」といった鎌倉ハムを使った商品を展開
加工肉でも「鎌倉ハム」をコーナー展開
牛肉では和牛もしっかり売り込む
馬刺しは冷凍で展開。ロスの低減が見込める

水産では対面販売コーナーで小田原朝獲れ鮮魚を展開(市場の休みの日を除く)するなど、ここのところの新店の傾向でもある丸魚を打ち出した鮮魚店のような売場づくりを実施。産地直送の天然魚や活魚、SMでは珍しい地魚まで豊富にそろえ、要望に応じて調理にも対応する他、曜日限定で、神奈川県内で当日水揚げされた鮮魚も並べる。

対面販売コーナーは第1主通路の突き当たりにしっかり設置
「当日水揚げ」を訴求しながら丸魚を売り込む
水産部門が手がける寿司の「うを鮨」は最も目立つ平ケースのエンド部分で展開
取材日は3日間の販促として店全体で「よりどり」を実施していた。売上アップに貢献する販促となっているという。水産部門では398円(本体価格、以下同)を2点750円、3点1100円で提案。「刺身だけ」などカテゴリーを限らず、水産全体でのミックスマッチとなっていてお客としてはうれしい
水産売場と畜産売場の間に両部門の生鮮惣菜をまとめて展開。独立したバックヤードを設け、調理の様子が見えるようにしている。中央を境に左側が水産の「さか菜亭」、右側が畜産の「肉屋さんの手づくりおかず」
「さか菜亭」。揚げ物を含む魚惣菜を店内で製造し、展開

塩干では「神奈川味巡り」コーナーを設けた他、週末のまとめ買いに向けては冷凍ジャンボパックのコーナーなども展開。塩干売場の前には、水産、畜産、ビオラルの商品を集めたミールキットコーナーも設けた。

塩干(冷凍)でも「神奈川味巡り」コーナーを設け、地元の商品を訴求
簡便な冷凍のミールキットでは部門を超えて用途別に商品を集積

農産では鎌倉野菜と神奈川野菜を集めた地場野菜コーナーを設置。併せて有機野菜や、調理が簡単になるビオラルの「下ゆで野菜」シリーズも種類豊富にそろえる。また、簡便対応では即食の「お店で作った新鮮サラダ」で神奈川県産の野菜のみを使ったサラダを新たに導入した他、材料、調味料、レシピをセットにしたライフオリジナルの「八百屋さんのミールキット」も展開。

農産の地場野菜コーナーでは「鎌倉野菜」を訴求。有機野菜などとまとめ、こだわりのくくりで島を構成
「お店で作った新鮮サラダ」では神奈川の野菜を使用した商品も展開
ライフの農産売場の核コーナーの1つになっている「お店で作った新鮮サラダ」。店内で作っていることをアピールする
継続して販売している「八百屋さんのミールキット」は留め型からオリジナル化してきた。ビオラルの「下ゆで野菜」と併せて簡便訴求。常温販売の下ゆで野菜を、冷蔵ケースが入れられない柱周りを活用してうまく組み込んでいる

惣菜では鎌倉コロッケ、鎌倉黄金メンチカツ(和牛入り)、鎌倉丼(海老フライ卵とじ丼)、湘南小松菜入りカレーなど、こちらでも神奈川ならではの新商品を販売する。「湘南小松菜天ぷらと釜揚げしらすのつまみ天」「鎌倉産さば竜田の南蛮漬け」など、神奈川県の食材を使って店内で調理する商品もそろえる。

鎌倉コロッケ、鎌倉黄金メンチなど惣菜でも「鎌倉」ならではのメニューを商品化し、売り込む
鎌倉丼、湘南小松菜入りカレーなども地元ならではの商品として展開。湘南小松菜入りカレーは大豆ミートを使用している
「鎌倉産さばの竜田揚げ」を用いた商品。竜田揚げとしての他に南蛮漬けでも商品化。島の上段にはカレーなど加工食品も関連販売している

ホイップおはぎ2種類を新発売するなど同店のオープンを機に導入した商品も多い。また、韓国や台湾、タイ、インド、アメリカなど世界の人気メニューをそろえる「WORLD FOOD」も展開する。

ライフコーポレーションとして惣菜のスイーツも強化している。今回、ホイップおはぎ2種類の展開を開始
世界の人気メニューをそろえる「WORLD FOOD」は米飯がメイン。新型コロナウイルス明けでも継続して展開中
本体価格299円、399円などのアウトパックの弁当を訴求する「コスパコーナー」も継続展開。ラインアップは必ずしも「低価格」だけでなく、例えば490円の「押麦ごはんの牛カルビ重」など、あくまで「コストパフォーマンス」の観点で品揃えしている
水産部門のうを鮨だけでなく、惣菜でも寿司をしっかり販売。握り寿司の他、生シラス、生桜エビを使った丼なども展開
惣菜の壁面側はバックヤードとの間に窓がない部分もあり、製造しているところをよりアピールできる構造になっている
アサイーやサラダなど、「健康」軸を打ち出す冷惣菜の「ボウルセレクション」。多様な需要を押さえる

ベーカリーはインストアベーカリー「小麦の郷」で、店内で焼き上げたフォカッチャに鎌倉ハム、トマト、チーズ、グリーンリーフを挟んだ「鎌倉ハムのフォカッチャサンド」を新発売した他、有機野菜を使ったパン3種類も新たに投入した。バターの風味を感じられる「ホテルブレッド」や、具材を多く入れたミニ食パンシリーズなど、朝食やランチ向けのパンも種類豊富にそろえる。

サンドイッチ売場では鎌倉ハムのロースハムを使用したフォカッチャサンドを商品化。本体価格328円
インストアベーカリーでも有機野菜を使う取り組みが始まっている
チーズハウスも設置している。ただし、店内カットではなく、西荻窪店(東京・杉並)でカットしたものをサテライト供給

日配ではきんつば、鎌倉ウィッチ、納豆、豆腐などの地元商品や、鈴廣の練り物など神奈川の商品を販売する。加工食品では「神奈川カレー」コーナーと「鎌倉こだわりコーヒー」コーナーを展開し、鎌倉、湘南エリアで親しまれている有名店のレトルトカレーやご当地飲料、地酒もそろえるなど、こちらでも鎌倉ならではの商品を多数展開。

和菓子売場のきんつば
鎌倉ウィッチも冷蔵ケースで販売
豆腐売場では「鎌倉とうふ」をコーナー化
カレー関連商品でも「神奈川」にちなんだ商品を集積
コーヒーでも「鎌倉こだわりコーヒー」とくくってこだわりの商品を展開

冷凍食品は、定番の弁当のおかずや冷凍野菜、ミールキット、ご飯とおかずが入ったワンプレートなどをそろえた大型売場とした上で、首都圏で初めて「ライフフローズン」を導入。これは自社のプロセスセンターで作った惣菜やベーカリーを急速冷凍したライフオリジナルの商品で、近畿圏で先行して販売している。

ライフフローズンは約20品目導入。基本的に惣菜売場で販売している商品とは異なり、このシリーズ専用に開発したレシピの商品

ライフフローズンは現状、大阪市港区の「天保山プロセスセンター」で製造していて、今回は同センターから商品を運ぶ形で販売している。同店での展開は冷凍ケースの扉1枚半ほどで、品目数は20程度。グラタンなどの売れ行きが好調だという。首都圏での拡大は同店の動向次第だが、本格的に広げることになれば首都圏のプロセスセンターなどでの製造も考えられるとしている。

加工食品ではさまざまな切り口でのコーナー化が進むが、世界各国の料理、あるいはトレンドの麻辣湯といった切り口が増えている
こちらはエンドに位置する場所での「メキシカンフード」の展開

同名のPBを含め、「オーガニック・ローカル・ヘルシー・サステナブル」のコンセプトに沿った商品をそろえるビオラルコーナーでは3月に発売した「子ども菓子」の全商品を扱う他、PBの「スマイルライフ」「ライフプレミアム」などオリジナル商品を集合展開するなど、独自性の打ち出しにも注力している。

同名のPBの商品の他、関連商品を集積した「ビオラル」のコーナーはライフでは定番となっている。売場の形にもよるが、今回の鎌倉梶原店のように大型店では農産と水産の間にコーナー化されることが多い。有機野菜や地場野菜と自然な流れでつながる
PBのビオラルの商品はビオラルコーナーに限らず、売場ごと、あるいは独自コーナーなど随所で販売されている。今回は3月に発売した「子ども菓子」の全商品を取り扱う。壮観な売場
PBのビオラルは食品に限らず、日用品の商品化も進む
鎌倉梶原店では「スマイルライフ」などビオラル以外のPBも集合展開し、随所で訴求

ライフ鎌倉梶原店概要

所在地/神奈川県鎌倉市梶原240-3

オープン日/2026年9月1日

営業時間/9時〜22時

駐車台数/396台(施設共有)

建物構造/鉄骨造 地上2階建て(ライフの売場は1階)

売場面積/1807㎡(約547坪)

店長/伊藤寛之

従業員数/140人(社員18人、パートナー122人)

年間売上高/30億円(目標)

商圏世帯数(人口)/0〜0.5km圏 1344世帯(3247人)、0.5km~1km圏4614世帯(1万1149人)、0〜1km圏 5958世帯(1万4396人)

お役立ち資料データ

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