グロサリーとは?意味や日配との違い、グロサリー部門における仕事内容について

2023.06.15

グロサリーとは、食品スーパーなどでよく使われる用語で、加工された食品のことを指す。例えば、調味料や酒類、お菓子などが挙げられる。

本記事では、グロサリーの意味や特徴、食品スーパーの部門の種類や、混同されやすいグロサリーと「日配」との違い、グロサリー部門の仕事内容の一例を紹介していく。

グロサリーとは?意味や商品例

「グロサリー」とは、加工食品のこと。例えば、調味料や缶詰など、主に常温保存されるドライグロサリーのことを指す。食品スーパーでは「グロサリー部門」として一つのジャンルになっている。

欧米では日用雑貨をグロサリーに含めるが、日本では基本的に日用雑貨は含まれず、食料品を指している。しかしお店によってはトイレットペーパーなどの日用雑貨をグロサリーとして扱うこともある。商品例としては次の通りだ。

【グロサリーの商品例】
調味料、缶詰、乾物、ペットボトル飲料、酒類、お菓子、お米、レトルト食品など

グロサリーの主な特徴

・常温保存

冷蔵商品のグロサリーのことを「チルドグロサリー」と呼ぶ場合があるが、グロサリーと言われた場合は基本的には常温保存できるドライグロサリーのことだ。常温保存できるため、細かい温度管理を気にする必要がない。

・重たい商品が多い

お菓子など比較的軽い商品もあるが、調味料や飲料、お米、缶詰など重い商品が多いことも特徴の一つ。品出しなどの作業の際は、重たい商品を運ぶ力仕事となることがある。

・ついで買いの対象になりやすい

「すぐに必要にはならないが、スーパーに来たし、日持ちもするから買っておこう」といった来店客のついで買いの対象になりやすい。

・季節やイベントに合わせた催事

ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、ひなまつりなど、イベントや季節に合わせた商品があるため、催事が多い。

・商品点数が多い

スーパーの中でも売場面積が広くとられているなど、グロサリーの商品点数が多いとされている。

食品スーパーの部門

グロサリーは食品スーパーの部門の一つであるが、その他にも食品スーパーにはさまざまな部門がある。簡単に紹介しよう。

・グロサリー部門

お米や調味料、お菓子など常温で保存ができる加工食品を担当する。後ほど詳しく説明するが、商品の品出しや陳列、売り場づくりなどの仕事がある。

・日配部門

豆腐、牛乳、卵といった主に冷蔵で賞味期限が短い商品を担当する。日配は商品の回転が速い特徴を持つ。グロサリーと同様、品出しなどの業務がある。

・水産部門

鮮魚や貝類、海藻類などを取り扱う部門。刺身、寿司、焼き魚など鮮魚の加工や、商品の陳列を行う。

・精肉部門

牛、豚、鶏などの精肉を取り扱う部門。精肉を切り身やひき肉などに加工する作業や、商品の陳列を行う。

・青果部門

野菜や果物を取り扱う部門。商品の品出し以外にも、袋詰めなどの加工を行うことがある。

・総菜部門

お惣菜を取り扱う部門。惣菜やお弁当を作り、品出しなどを行う。スーパーごとの特色が出やすく、他のスーパーとの差別化を図りやすい。

グロサリーと日配の違い

グロサリーと日配は混同しやすい。日配とは、日次で配送される食品のことで、「デイリー」と呼ばれることもある。野菜や精肉などの生鮮食品、青果類は含まれず、賞味期限が比較的短い食品のことだ。具体的には次のような商品が挙げられる。

【日配の商品例】

卵、牛乳、豆腐、パン、納豆、練り物、生麵、生菓子、ハム・ソーセージ、チーズなど

日配の主な特徴

・日持ちがしにくい

グロサリーは賞味期限・消費期限が長いものが多いのに対し、日配は商品例を見ても分かる通り、卵や牛乳など日持ちしにくい商品が多い。そのため品出しの際に賞味期限や消費期限の確認をし、値下げシールを貼るといった作業もあるだろう。

・商品の回転が早い

日持ちしにくいという点から日配商品はお客さまもこまめに買いに来る。そのため商品が早く回転していき、欠品に注意が必要だ。

・冷蔵商品が多い

グロサリーは主に常温で保存できる商品だが、日配は冷蔵商品が中心となる。そのため商品が劣化しないよう、温度管理や品質管理が大切になる。日配部門で働いている方は、品出しの際に手が冷たくなることも。

グロサリー部門と日配部門の共通点

グロサリー部門と日配部門には一つ大きな共通点がある。前述の食品スーパーの部門を見ると分かる通り、「加工を行わない」ことだ。水産、精肉、青果、惣菜は全て商品の加工を行う必要がある。しかし日配とグロサリーに関しては、加工は行わず、入荷した商品をそのまま売り場に並べていく。

グロサリー部門における仕事内容の一例

スーパーなど、食料品を扱うお店のグロサリー部門では実際にどのような仕事が行われているのだろうか。企業や、働く立場によって仕事内容は異なるため、あくまでも一つの例になるが、紹介していこう。

品出し

売り場に足りない商品を出す品出しの仕事だ。売り場のどこに何の商品があるかを覚えて、お店のルールに従って、品出しをしていく。例えば、「先入れ先出し」という賞味期限の近い商品を陳列棚の手前に置き、新しく売り場に出す商品は奥に入れることで賞味期限の管理をする品出し方法など、お店ごとに品出しのルールがあるだろう。また、グロサリー商品はお米や飲料など重い商品も多い。そのため力仕事にもなりやすい。

接客

品出しをして売り場に出ていると、お客さまから「この商品はどこにありますか?」と商品の場所を尋ねられることがある。グロサリーに限らず、売り場全体の商品配置を頭に入れておくとスムーズに対応できるだろう。

売り場づくり

役職が上がると、どの棚に何の商品を置くかを考える仕事がある場合も。季節商品はどこの棚に置けば売れるのか、この商品の近くには何の商品を置くと一緒に買ってもらえるかを他の担当者と話し合いながら売り場づくりをすることもある。グロサリーは売り場が広いことが多いため、売り場づくりは大切だ。

また、店頭での売り場づくりだけでなく、商品陳列に使用するPOPを作成する業務もある。

バックヤード整理

バックヤード整理を任されることも。商品が保管されているバックヤードや倉庫をきちんと整理することで、品出しがしやすくなる。品出しがしやすいバックヤードが作れると、従業員が品出しにかかる時間が短くなるだけでなく、商品の在庫数も把握しやすくなる。

イベントや季節商品の催事

もちろん精肉など他の部門でもイベントは大切だが、グロサリーはハロウィンや、クリスマス、バレンタイン、節分、ひなまつりなど季節のイベントにも関わりが大きい。イベントごとの催事が展開されることもあり、中には催事売り場を任されるケースも。商品を陳列する什器を使用し、商品の魅力を引き出せるように展開していく。

販売計画や商品発注

責任者など役職が上がると、販売計画や商品発注をすることも。売り場を見て、次週の売り込み商品を決め、いくらで売るかといった販売計画を考えていく。季節に合わせた売り場づくりに日々の販売計画は非常に重要だ。

グロサリーでは売り場づくりが大切に

グロサリーは食品スーパーの中でも売り場面積が広くとられていくことが多いため、陳列や売り場づくりによって売上が変わることがあるだろう。また、グロサリー部門と日配部門は商品の加工をしないという特徴もあった。特にイベントにも関わりがあるグロサリーは品出しや売り場づくりに力を入れていきたい人にとって、仕事のやりがいに繋がる場かもしれない。

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