FamilyMartVisionのクリエイティブに対する視線検知調査を実施、意識変容データと併せて検証

2024.05.30

ファミリーマート店舗内のデジタルサイネージ・メディア「FamilyMartVision」を運営しているゲート・ワンは、FamilyMartVisionのクリエイティブに対する視線検知調査を行った。

本調査とこれまで積み重ねてきたアンケートによる意識変容データと合わせ、目的に応じた画面活用パターンについての示唆を導いた。

■調査の背景
FamilyMartVisionは、3画面を用いた様々なクリエイティブ表現が可能で、その画面活用パターンは主に4つに分類される。

(a)ダイナミック:3画面を横長に一つの画面とした動画

a.ダイナミック

(b)真ん中静止画/左右動画:真ん中で静止画を表示し、左右両画面で動画を流す

b.真ん中静止画/左右動画

(c)真ん中動画/左右静止画:真ん中で動画を流し、左右両画面で静止画を表示する

c.真ん中動画/左右静止画

(d)3画面同一動画:いずれの画面も同じ動画を流す

d.3画面同一動画

これまでゲート・ワンでは、ファミペイアンケートによるFamilyMartVision広告の効果検証を通じて、広告認知率や購入意向などの意識変容データを蓄積している。

※3画面同一は分析対象案件数が少ないため参考値
※3画面同一は分析対象案件数が少ないため参考値

2023年7月~2024年3月における約150ケースの意識変容データをまとめると、画面活用パターン毎に効果の差異が見られ、最も効果が得られやすい画面活用パターンはダイナミックであるという結果が出ている。

今回の調査においては、これらの意識変容データからさらに踏み込んで、視線の動きから上記効果の差異を理解し、3画面のより有効な活用方法を明らかにすることを目的としている。

【調査概要】
調査手法:CLT(CentralLocationTest)/FamilyMartVisionを用いたアイトラッキング調査
調査対象:首都圏在住の20~59歳の男女
回収サンプル:98名
実施日:2024年1月11日・12日
調査主体:株式会社ゲート・ワン
調査会社:株式会社ドコモ・インサイトマーケティング/株式会社インテージ/トビー・テクノロジー株式会社

■人の視線は、真ん中と動きのあるものに向く
まずはFamilyMartVisionの視聴全体では、以下3つの共通した特徴がみられた。

・真ん中の画面に無意識に視線が向く
・動いているものに視線が動く
・冒頭の数秒は画面状況を理解するために、3画面全体を視線が動く

最初は真ん中から視線がスタートし、動きのあるものに視線を取られながらも画面全体に視線を走らせ、画面状況が理解できた後は動くもの(動画)に視線が落ち着く、というのが典型的な視線の動きだ。

■視線の動きは、画面活用パターン毎に各種各様
動画に視線が集まる傾向は共通しているものの、状況把握が終わった後の視線の動きでは画面活用パターン毎の特徴がみられた。

ダイナミックは3画面を一つの画面として見るため、画面の動きに合わせて横断的に視線が幅広く動くる(下図a)。

a.ダイナミック

真ん中静止画/左右動画は、真ん中と左右どちらかを合わせた2画面に視線が落ち着く。視線は動画と静止画を行き来しますが、視線の量は動画が多めだ(下図b)。

b.真ん中静止画/左右動画

真ん中動画/左右静止画は、視線の多くが真ん中の動画に集中する。静止画に視線が動くこともありますが、その視線の量はかなり少なくなる(下図c)。

c.真ん中動画/左右静止画

3画面同一動画は、どの画面を見ても同じであるため、ほぼ真ん中の画面に視線が固定される(下図d)。

d.3画面同一動画

■意識変容データ×視線の動きによる、クリエイティブ活用

クリエイティブ活用においては、これら視線の動きの違いを踏まえて、伝えたいメッセージの内容と要素量に応じた適切な画面パターンを選択することが重要となる。静止画を使う画面パターンについては、静止画に持たせる役割が画面パターン選択の重要なポイントになってくると考えられる。

・あらゆるケースで最も効果が発揮しやすいダイナミック
大画面による訴求力の強さに加えて、画面上で動きを作ることによって、視聴者の視線をコントロールしやすいことがダイナミックの特徴だ。

つまり、協調したいメッセージや要素に視聴者のアテンションを向けさせやすいことが強みと言える。さらに画面の動きに音声や音を合わせることで、訴求力を強化することが可能だ。冒頭に挙げたとおり、意識変容データ上でも最も高い効果が得られており、広告認知のみならず、あらゆる狙いに効果が期待できる。

・伝えたい要素が多い場合は真ん中静止画が効果的
視線の動きは主に動画になるものの、静止画にも視線が及ぶことから、伝えたい要素が多い場合は真ん中静止画が良さそうだ。例えば、キャンペーン告知(期間や内容)や商品特徴の伝達などは静止画が有効に働く例と言える。実際に、キャンペーン訴求を静止画に設け、左右静止画パターンと比べた際に、購入意向のリフト値がおよそ倍になったという結果も確認できている。

とはいえ、あくまで視線は動画に多く注がれるので、静止画にあまり多くの要素を入れすぎると伝わりづらくなってしまう点は注意が必要だ。

・メインは動画、かつ静止画でのメッセージがシンプルな場合は、左右静止画
主に動画に視線を集中させたい場合は、真ん中動画/左右静止画が適している。静止画への視線は非常に限定的になるので、この場合の静止画の役割は、ブランド名や商品画像などのシンプルなブランドリマインダーがお勧めだ。

・動画1点集中なら3画面同一動画
とにかく動画に集中させたいなら、3画面同一も有効な選択肢となる。静止画の制作等、追加の準備作業を必要としないため、既存素材を使って手早く活用を検討できるのもメリットだ。シンプルなクリエイティブの素材を使って、3画面同一で効果を発揮している事例も見られる。

今回の調査を通じて、FamilyMartVisionのクリエイティブは、動画がメイン画面、静止画がサブ画面、という位置付けであることがあらためて確認できたという。また、今回導き出した画面活用パターンの指針は、今後のクリエイティブ開発に役立てられる。

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