デロイトトーマツが「世界の小売業ランキング2025」発表、トップはウォルマート変わらず、日本企業は20社ランクイン
2025.06.27
デロイトトーマツグループは、デロイトが発行し今年で調査開始から27回目を迎えるグローバル調査「Global Powers of Retailing」(現在、隔年発行)の最新版を日本語に翻訳したレポート「世界の小売業ランキング2025」を発表した。
上位10社の状況は図表①のとおり。上位250社の総小売売上高は6兆300億米ドル(前回の23年版では5兆6505億米ドル)、平均小売売上高は241億米ドル(前回は226億米ドル)、18年度から23年度における小売売上高の年平均成長率は6.2%となった。トップ6社の順位は22年の調査から3回連続で変化がなく、1位のWalmart(ウォルマート)に続き、Amazon.com(アマゾン)が2位、Costco Wholesale Corporation(コストコ)が3位となった。小型のハードディスカウントストアを展開し、地盤のヨーロッパから北米にも店舗網を拡大しているAldi Einkauf GmbH & Co. oHG(アルディ)が順位を2ランク挙げるなど、上位におけるディスカウント勢の影響力はさらに高まった。
図表①

上位250社の小売売上高のうち、上位10社の売上高が占める割合は34.9%と前回よりわずかに拡大。上位10社のほとんどが、新たな収益源を得る取り組みの一環としてリテールメディアネットワークサービスを導入し広告料収入を得ている他、業務効率化とコスト削減のためAI(人工知能)などテクノロジーへの投資による日常業務の自動化を重要視しているという。
今回、日本企業の中でのトップは前回に続きセブン&アイ・ホールディングスとなった。上位250社にランクインした日本企業の数は長期的に減少傾向で、特に今回は20社(前回の27社から減少)と過去最低となった。
これには円安の影響も大きい。レポート自体がグローバル共通指標として売上高を米ドル換算していることもあり、今回は前回調査時と比べて日本円は対米ドルで8%下落した。ランクインした日本企業の1社当たり平均売上高は129億米ドルとこれまでの調査で最も高くなっている。上位20社の状況は図表②のとおり。
図表②

レポートでは全世界の小売企業から23年度(23年7月1日から24年6月30日までの12カ月間に期末を迎える事業年度)の売上高上位250社のランキングを地域別、商品セクター別に分析。また、急成長小売企業20社と上位250社へ新たに加わった企業について解説し、小売業界を取り巻く世界経済の展望をまとめている。
また、今年度のレポートでは「小売業界のトレンド」と題して小売業界全体を取り巻く最新の4つのトレンドについて解説している他、「小売業界経営幹部インタビュー特集」として、ブランド価値向上に向けた取り組みやイノベーション戦略などに関する世界の小売企業幹部のインタビューも掲載している。レポートは次のリンク先に格納されている。
https://user.pr-automation.jp/redirect.php?body_link_id=352459&media_id=115784&client_flg=1