ライフさいか屋藤沢店が10月16日グランドオープン、百貨店地下1階への出店で、藤沢市初出店の首都圏最南端店
2024.11.05
ライフコーポレーションは10月16日、ライフさいか屋藤沢店をグランドオープンした。
JR線、小田急線藤沢駅至近にある60年近い歴史を誇る百貨店「さいか屋藤沢店」の地下1階に出店。ライフコーポレーションとしては藤沢市内初出店となる。藤沢駅東口から徒歩約4分、江ノ島電鉄の藤沢駅からは徒歩約7分に立地するが、JR線と小田急線の駅からはペデストリアンデッキで結ばれ、実質的に駅前店舗といえる。
藤沢は百貨店やスーパーマーケット、飲食店が数多く立ち並ぶ、湘南を代表する繁華街だが、近年は駅周辺にも住宅が増え、神奈川県の「住みたい街ランキング」の上位にもランクインしている。
ライフコーポレーションとしては今回のオープンで店数は首都圏144店、近畿圏168店の312店体制となった。同社として首都圏エリア最南端の店舗となる。
近隣には自社店として約2.8kmの距離で鎌倉大船モール店(神奈川県鎌倉市)、約4.5kmの距離でグランシップ大船駅前店(横浜市栄区)、約6.4kmの距離で戸塚汲沢店(横浜市戸塚区)があるが、比較的自社店とは離れた場所にあるといえる。
一方で他社店では、約50mの至近にクイーンズ伊勢丹藤沢店(神奈川県藤沢市)、約200mの距離でダイエー藤沢店(同)、約300mの距離でサミットストア藤沢駅北口店(同)、約500mの距離でオーケー藤沢店(同)、約700mの距離でイトーヨーカドー藤沢店(同)、約1.6kmの距離でヤオコー藤沢片瀬店(同)があるなど、駅付近とあって競合店も多い。
駅ビル内のクイーンズ伊勢丹に次ぐアクセスの良さを生かしながら、百貨店のイメージも生かしたハレの商品も含むマーチャンダイジングで「選ばれる店」目指したいところだ。
オープン2週間ほどの推移では、オープンセールの影響もあるものの、予算を1~2割に超えるなど好調。特に農産、惣菜、インストアベーカリー、水産が好調。一方で、生活関連がやや苦戦といった状況になっている。
惣菜、ベーカリーは入口近くにあることからそれが奏功しているとみられるが、同様に売場の位置の関係で生活関連については、お客がレジに並ぶ動線に面していることが影響していると考えられるという。
周辺の年齢別人口構成は40代が16.3%と一番高く、次いで50代が15.3%と続く。店舗から1km圏内は単身世帯比率が45.0%、2人世帯比率が26.8%と全体の7割が少人数世帯となっている。
オープン後の来店客層については、時間帯別に多様なお客が訪れるという駅前らしい傾向が見られる。午前中は高齢者、昼間は学生、若年層のファミリー、夜は仕事帰りの人が増える。館内にはヤマダデンキLABIが入るものの、さいか屋自体のお客は高齢者が主力となっていたことから、館全体としても客層の若返りを期待したいところだろう。
客層が多様という背景もあって、ライフコーポレーションとしても「価格帯」を広げた展開としている。また、生鮮を中心に素材を購入するお客に加え、駅前で昼間人口の多いエリアであることから即食ニーズにも応える品揃えとする。
品揃え商品数は同社の同規模店と同レベルだが、食品だけで約1万2700という数値は他社と比べても多いといえる。
農産では新鮮な有機野菜や地元野菜を展開。有機野菜や湘南、鎌倉地区の地元野菜を多数取りそろえる。
有機野菜については、近隣の奈川県平塚市の生産者団体である「いかす」の産品を取り扱う。地元野菜では「神奈川野菜」として湘南で取れた野菜や鎌倉ブランドの野菜も展開する。
また、主菜と副菜がセットになった有機野菜入りの「八百屋さんのミールキット」も展開。珍しいフルーツを集めた「ワールドフルーツ」コーナー、贈答に最適な「フルーツギフト」なども打ち出す。
有機野菜を使用して店内で手作りするサラダを展開。通常サイズに加え、小量目サイズも用意し、「ランチのもう1品」として提案する。
水産では「鮮度」「品揃え」「サービス」をアピール。活気あふれる対面の売場に豊富な魚種を取りそろえ、お客の要望に応じて調理対応する。神奈川県産の商品を多く取り扱う他、曜日限定で小田原漁港、真鶴港からその日の朝に水揚げされた鮮魚も販売する。
さらに水産では、生鮮惣菜の「うを鮨」「さか菜亭」も展開する。うを鮨では生のたねを使用し、握りの他、三崎で買い付けたマグロ、湘南の釜揚げシラスを載せた藤沢店限定の「湘南磯波(サーフ)丼」を開発。
さか菜亭では、特大エビフライ、特大アジフラなどを品揃えする他、藤沢店限定の新商品として「横浜いしばしの練り物盛合せ(まぐろねぎ・たこ・いわし・いか)」や、マグロの希少部位を使用した「三崎水揚げのめかじきまぐろカツ」「めばちまぐろのエラ身・ツノ身フライ」などを展開する。
畜産では「選べる楽しさ」の提供に努める。普段使いの肉はもちろん「北海道産十勝黒牛」「あまに豚」「あまに鶏」などのブランド肉も取りそろえる。
また、これらオリジナルのブランド肉を使用した肉惣菜を「お肉屋さんの手作りおかず」コーナーで展開。
地場ブランド「鎌倉ハム」の商品も各種取り扱い、さらに鎌倉ハムを使った肉惣菜も展開する。
新規取り組みとしては、「お肉屋さんのお弁当材料」コーナーを冷凍で展開。電子レンジで簡単に調理ができ、弁当のおかずにも便利に使える冷凍の肉系メニューの留め型の簡便商品を展開する。
畜産では量目展開も充実。少量目からファミリーパックまで用意し、お客のニーズに合わせて選べるようにした。
また、ミートオードブルコーナーを充実。オリジナルのローストビーフやサラダおつまみを品揃えし、種類豊富な酒と共に「ハレの日」の家飲み需要に応える。
惣菜では、弁当を地域最大級の品揃えで展開。さばづくし、穴子づくし、まぐろづくしの「づくし」寿司、オリジナルの「伊勢黒潮真だい」「純和赤鶏」のエキスを使用した「お茶漬け」などの新商品も登場する。
藤沢店限定の商品としては、「魚介の旨みあふれる!あんかけ焼きそば」「かながわ夢ポーク入りメンチカツ」「海鮮丼セット(本鮪赤身・生サーモン・うに・いくら)」などを用意。
また、新規取り組みとして、プライベートブランドの「ライフプレミアム」の「ふっくらジューシー肉まん」「肉焼売」や小籠包、ちまきなどを店内でせいろで蒸し、惣菜として提供する。「横浜中華街」を意識した商品として「せいろ蒸し」を展開し、香りと共にシズル感を演出。
他、「和菓子」コーナーも充実。藤沢店限定で「店内焼き上げ!串団子アソート」を開発。イチゴあん&キウイフルーツあん、鳴門金時あん&クリなど、カラフルで写真映えする商品とした。
インストアバーカリーの「小麦の郷」では、昼はサンドイッチ、カレーパン、夜は手のばしピザ、調理パンといった形で、時間に合わせて焼きたてを提供。100%米粉使用のお米食パン、お米ロールも品揃えする。
藤沢店限定商品としては、中華街を思わせる商品として「パンダぱん」、牛肉100%使用の肉肉しいハンバーガー「ビーフハンバーガー」を展開。
日配の冷凍食品売場は首都圏店舗の中でも大きめの売場とし、「神奈川味巡り」コーナーを設置したり、ワンプレート商品を充実させたりする他、パスタの種類を最大とし約50種類展開。また、藤沢の人気グルメ「藤沢風あんかけ焼きそば」をオリジナルの限定販売商品として品揃えする。
日配でも「和菓子」コーナーを充実。湘南藤沢の人気店「松月堂わびすけ」の半生ドーナツ各種を展開する。
加工食品は、「品揃えと価格」でお客の毎日の買物を応援する。
最近の新店では基本的に設けられる「オーガニック」「ローカル」「ヘルシー」「サステナビリティ」をコンセプトにしたプライベートブランドの「BIO-RAL」のアイテムを集めたコーナーも設置。アレルゲンコーナーも設置し、地域のお客の健康的な暮らしをサポートする。
また、BIO-RALに関連して「健康ストリート」コーナーも設置。さらに医薬品売場も近くに配置することで、利便性も高めている。
菓子売場ではライフオリジナルキャラクター「ララピー」デザインの新発売の菓子も取り扱う。
酒は、ワイン、洋酒、酎ハイを中心に品揃えを強化。ノンアルコール飲料も充実させる。また、ワインのMercianの藤沢工場が近いため、オープン記念でオリジナルセットを販売。
10月30日からネットスーパーも開始されたが、そのための在庫も兼ね、売場でカップ麺や飲料、酒などのケース売りを実施。カップ麺のケース売りはライフコーポレーションとしては初めてとなり、利用のされ方を見ながら需要を探っていく。
生活関連では、ベビー、ペットフードを強化。ベビーフードは定番から健康系まで種類豊富に展開する他、オーガニックや国産原料で作られたナチュラルベビーフードを多数取りそろえる。
例えば、ナショナルブランドの新商品としてベビースムージーの「Holle」を展開。こちらは、厳しいオーガニック基準の「デメター」認証を取得した野菜と果物だけ使用した商品。
ペットフードでは、こちらもプライベートブランド「BIO-RAL」を中心に健康を気遣ったアイテムを取りそろえる。藤沢周辺は犬より猫を飼っている家庭が多いことから、特に猫関連商品を充実させた。
ライフさいか屋藤沢店概要
所在地/神奈川県藤沢市藤沢555
オープン日/2024年10月16日
営業時間/9時30分~22時(10月16~20日は10時開店)
駐車台数/44台(提携駐車場4カ所943台)
建物構造/鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階、地下2階建て
売場面積/1703㎡
売上目標/22億円
店長/齋藤宏紀
従業員数/130人(社員17人、パートナー113人)
レジ台数/セミセルフレジ5台、フルセルフレジ7台
商圏/
取扱商品数(およその数)
農産/580【野菜350、果実200、花30】
水産/450【鮮魚270、塩干180】
畜産/640【精肉410、加工230】
惣菜/380【寿司40、弁当110、フライド95、要冷135】
ベーカリー/70
加工食品/7048【加食4273、菓子1147、酒1628】
日配食品/3307【和日配766、洋日配826、冷食900、アイス169、卵21、パン和洋菓子625】
ビオラル/520【加食340、菓子177、米3】
生活関連/6100【日用雑貨4068、家庭用品1742、文化用品263、ホームファニシング27】
合計/1万8795【フーズ1万2695、ノンフーズ6100】