ヤオコー松戸古ケ崎店が6月26日オープン、千葉34店目、需要に応じた売場の変化を実践する標準店

2025.06.28

ヤオコーは6月26日、千葉県松戸市にヤオコー松戸古ケ崎店をオープンした。今回のオープンで千葉県の店数は34店になった。全社では197店体制。県道5号線(流山街道)沿い立地し、東京外環自動車道の三郷南ICからは約10分の距離にある。

千葉県松戸市、流山市のドミナント強化を目的とした出店。直線距離で約3.9km離れた南流山店(流山市)の南側、同約2.2km離れた松戸上本郷店(松戸市)の西側、JR常磐線と江戸川に挟まれたやや閉鎖商圏的な立地に出店した。

鉄道駅ではJR常磐線北松戸駅から西に約1.4km、JR常磐線、京成松戸線松戸駅から北西に約1.7kmの距離に位置することから、駅からはやや距離がある。ただし、流山街道は松戸駅から馬橋駅方面、流山駅方面にバスが運行されていることから、車や公共交通機関を利用しての来店もしやすい立地だという。出店地周辺は戸建てと低層共同住宅が多い。

半径1km圏内の人口は2万2000人、世帯数は1万1000世帯と多く、年代では40代が最も多く、次いで50代となっている。半径3km圏内でも40代~50代のヤングミドル層が多いエリアとなっている。さらに人口、世帯数共に増加傾向にあり、特に世帯数の伸びが大きいという。足元には単身世帯が最も多く、次いで2人世帯となっていて、足元から離れるほど、単身世帯の比率が高くなる傾向にある。

お客の想定は、最も多いと考えられるペルソナは40歳~49歳のヤングファミリー層。子どもは小中学生が中心で、子ども中心の行動になっている一方、流行やコストパフォーマンスには敏感、情報には常にアンテナを張っているといったもの。共働きで、買物は夕方中心、夕方にかけて簡単な料理をしたり、即食商品を求めたりするといったことを想定している。

次に多いと考えられるのが、50歳~59歳のミドル層。子どもに手間がかからなくなってきたことで自由な時間が増え、買物も比較的自由な時間にできる。安さだけではなく、おいしさ、ブランドにもこだわりがあるといったことが想定される。

ヤオコー松戸古ケ崎店のストアコンセプトは、「ヤオコーにしかできない【価値】を毎日の【変化】で伝える~お買物を楽しいと感じてもらえるお店の実現に向けて~」。売場面積は557坪で、まさに同社が得意とする住宅立地での、得意とする標準フォーマットの展開といえる。

売場レイアウト図

生鮮の精肉では、ベーシック商材の豚肉について国産の「三元豚」をメインに豊富に、かつ値ごろで品揃えする。一方で毎日の「夕市」の取り組みとして、ローストビーフなどの夕食ニーズに合わせたお薦め商品を試食販売などすることで「ライブ感」を演出。

ミートデリカでは松戸古ケ崎店限定の企画として「おつまみバイキング」を実施(左側)。1パック298円(本体価格、以下同)の商品を2パック580円で提供する

鮮魚では、近海魚、切り身を中心に旬を打ち出すことで鮮度感のある売場を実践、「その時期いちばんの美味しさ」の提供を目指すなど、「地域一番店」戦略を採る。対面販売や試食販売を通して、商品のおいしさやその時季ならではの料理を提案する。6月26日のオープン日には長崎県産の丸魚が豊富に並んだ。

マグロは主力商品としてL字型の平ケースで多用なSKUで展開

青果では、高鮮度のトマトを訴求する他、果物において、一番の旬の時季に合わせた提案を実施。また、簡便対応としてカットフルーツを豊富に品揃えする。花は、日常生活の中で季節を感じてもらうような洋花の提案を強化。

オープン記念として糖度9度以上の木熟トマトが並んだ
地元野菜はヤオコーでは定番のコーナーとなっている。松戸古ケ崎店では15軒の農家の農産物が並ぶ

デリカの惣菜では、北海道産アズキ使用の「粒あんおはぎ」を品揃えする他、夕食のニーズに合わせた出来たて、焼きたての商品を、試食販売も行いながら提案強化。にぎわいのある惣菜売場の実現を目指す。

寿司では、時間帯のニーズと平日、週末のシーンに合わせた商品展開とすることで、お客の目的に合わせた売場としていく。ランチニーズには「シン花寿司」を中心としたランチ商品を、夕食ニーズには握り寿司などのごちそうメニューを提案する。

寿司では太巻き寿司で具の比率が高い「具凄!(GUGA SUGO)」シリーズを展開

インストアベーカリーでも出来たてを訴求するため、ランチには「北海道小麦のカレーパン」の揚げたて商品を、夕市には店内スクラッチ製法のフランスパン「GUシリーズ」の焼きたて商品を提供。また、ベーカリーのスイーツでは季節限定商品を通じて選ぶ楽しさと食の楽しさの提案を目指す。

ベーカリーではやわらかい生地に具材を入れた「お好み焼きぱん」などを新発売
おはぎのあんをさまざまな形で横展開している。ベーカリーでは「きなこ揚げあんぱん」といった和テイストの商品を開発
同様にローストビーフの横展開も積極的に行う。ベーカリーでは「自社製ローストビーフバーガー」(298円)といった商品を開発。惣菜はポテトサラダをローストビーフで巻いた「ローストビーフポテトボール」を開発するなど、さまざまなアイデアの商品が並ぶ
カットフルーツはベーカリーのスイーツと関連させて販売。見た目にもかなりこだわった商品が並ぶ

グロッサリーの日配食品では、食の洋風化に合わせたクリームチーズを強化。生鮮食品や酒などと合わせたメニュー提案を実施。練り物では、季節に合わせたこだわり商品や健康を意識した高タンパク商品を豊富に品揃えすることで選ぶ楽しさを実現する。

島型の平冷蔵ケースでカニかまぼこや豆腐バーなど高タンパク質の商品を集積

ドライ食品では、生鮮食品と合わせたメニュー提案を実践。さまざまなメニューに使えるお勧めのたれを展開するとする。

生鮮のメニュー提案の文脈で、クッキングサポートの近くにたれ売場を設けている。エンドでは同店限定の商品として千葉県内の酢メーカーの新商品である「生姜焼のたれ」を大量陳列し、クッキングサポートとも連動して売り込む
ゴンドラエンドの下段では、プライベートブランド商品のプレミアムラインの新商品「加地さん家の平飼いたまごマヨネーズ」(300g398円)を販売。今回、松戸古ケ崎店で先行発売
レジ側のゴンドラエンドでは千葉県のメーカーの菓子を集積し、提案

菓子ではナッツを豊富に品揃えすると同時に酒の種類ごとに食べ合わせの提案も実施する。

ナッツ類を酒と関連販売

酒は近隣の店舗がワインなど洋酒を強化しているため、差別化のために日本酒の品揃えを強化する他、日用品売場はオーラルケア用品の品揃えを強化する。

初年度の売上高構成比計画は、生鮮が36%、グロッサリーが47%、デリカが17%。SKU数は生鮮が970、グロッサリーが1万3990、デリカが330、合計で1万5290となっている。

レジはセミセルフが3台、精算機が6台の他、フルセルフが8台と、セルフレジが主体となっている。また、イートインはコンパクトに14席分設置。ネットスーパーに関しては、同店では展開を予定していない。

ヤオコー松戸古ケ崎店概要

所在地/千葉県松戸市古ケ崎3-2351-1

オープン日/2025年6月26日

営業時間/9時~21時45分

駐車台数/120台(駐輪場110台、バイク11台)

敷地面積/8264㎡(施設全体、2499坪)

延べ床面積/2940㎡(ヤオコー床面積、889坪)

店舗面積/1840㎡(ヤオコー売場面積、557坪)

店長/渡辺直之

従業員/正社員18人、パートナー・ヘルパー・アルバイト110人(延べ人数)

年間売上げ/初年度18億円(予定)

商圏人口/1km圏内2万2000人(1万1000世帯)、2km圏内9万4000人(4万8000世帯)、3km圏内21万1000人(10万7000世帯)

お役立ち資料データ

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