ニトリが税込み10万円を下回るドラム式洗濯乾燥機を発売、ニトリとして今後、家電を第4の柱に

2024.11.25

ニトリが10万円を下回る価格のドラム式洗濯乾燥機(標準洗濯容量10kg、標準乾燥容量5kg)の販売を11月22日からニトリ全店舗、ニトリネットで開始した。

ニトリとしては、これまで主に1人暮らし向けなどを主なターゲットとして取り扱ってきた家電に関して、ファミリー向けの商品を本格的に取り扱っていく方向性にある中での象徴的な商品となる。

洗濯から乾燥までを1台で済ますことができるなど利便性が高いドラム式洗濯乾燥機だが、ニトリ調べ(2024年7月)によると家庭での普及率は約25%にとどまっているという。

調査で普及が進まない要因について聞いたところ、「価格が高すぎる」「サイズが大きくて設置できない」という大きく2つの理由があることが分かった。特に価格については、縦型の洗濯機の平均売価約7万円に対し、ドラム式洗濯乾燥機の平均売価は約22万円と3倍ほどの開きがある。

もともと、家電を開発するに当たっては、「ニトリだからこそできる家電があるのではないか」(奥田哲也・ニトリホールディングス執行役員グローバル商品本部マーチャンダイザーグループ家電マーチャンダイザーマネジャー)ということがスタートになった。

「似鳥(昭雄)会長からは常々、『改善、改良ではなく、改革、革命を起こす』ということを言われていた。われわれとしても、家電の中で革命を起こす商品を根気よく作っていきたいという思いで、悩みながら、考えた末に行き着いた答えが、『常識を変える家電』という言葉だった」(奥田執行役員)

ホームファッション分野では随一の存在であるニトリではあるが、家電については後発ともいえる存在のため、「よくあるプライベートブランドの家電のように、とにかく低価格で、シンプルな家電だけで価格競争していっても意味がないと思う。不平、不満、不便、お客さまが日常の中で抱えていて、それを当たり前だと思ってあきらめてしまっている常識に挑戦して、変えていくことで暮らし、住まいを変えていく、豊かにしていく、そんな商品を作っていきたい」(奥田執行役員)との思いがあった。

常識を変えるべく、まずは価格を下げることに挑戦。洗濯容量10kg、乾燥容量5kgの本格的な仕様にもかかわらず税込みで9万9900円という10万円を下回る価格を実現した。

さらにサイズについても、幅600mm、高さ857mm、奥行き595mmのコンパクトなサイズを実現し、家庭での普及が進まない2つの理由を解消する商品の開発に至った。まさに既存商品の「半額」の水準を実現したことになる。

加えて、「乾燥に時間がかかる」という声を受ける形で、2kgの衣類を60分で洗濯、乾燥まで終了させる「特急洗乾コース」を搭載した他、フィルターを毎回自動で洗浄するようにすることで乾燥フィルターの手入れの手間を省くことも実現するなど、「使う人の目線」による機能を付加した。

低価格を実現した背景だが、Wi-Fiにつながる機能や液晶ディスプレーなどは省いたものの、基本的に「価格を抑えるために、何か機能を外すことは今回はしていない」(奥田執行役員)という。ニトリとしての製造、物流、ITの中での経費の削減、中国のサプライヤーとの共同開発による開発日程の短縮、経費の削減などで実現したとしている。

機能としてトレードオフはせずに、ニトリとしての製造態勢の強みを生かした形で低価格を実現したとしている

今回、仕様としては同時に洗濯容量12kg乾燥容量6kgのモデルも発売する。こちらは税込み12万9900円となる。

似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長兼CEOは、家電を「家具、インテリア(ホームファッション)のソフト、ハードと並ぶ4番目の柱にしたい」とする。

似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長兼CEO

「アメリカに行くとデパートも、GMSも、ショッピングセンターも、(ディスカウントストアの)ウォルマートもターゲットも、ほとんど家電を置いている。私たちも、『家』にまつわる商品はみんな関連商品だから、お客さまにとって買いやすい、選びやすい(品揃えをする)。引っ越しするにしても、新築するにしても同時に使うものということで扱う」(似鳥会長)

また、現状は自社開発のオリジナル商品のみだが、今後は販売動向やお客の需要次第ではナショナルブランド商品の取り扱いの可能性も否定しないとした。

ニトリ東京本部に隣接した赤羽店の家電売場。大型店向けの最大品揃え100坪タイプで、家電売場としては店舗規模によって70坪タイプ、50坪タイプなど幾つかのパターンを準備していく。「成功したら今後、150、200と坪数を増やしたい」(似鳥会長)

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