コスモス薬品が売上高1兆円超え、自社出店のみの成長での大台突破、2025年5月期も増収増益で着地

2025.07.16

ドラッグストアチェーンのコスモス薬品が年商1兆円を突破した。小売業界では規模拡大の際にM&A(企業の合併、買収)を活用するケースが多いが、同社の場合、自社出店のみによる成長で1兆円を突破したことになり、異例のケースとなる。それでも、横山英昭社長は「1兆円はあくまで通過点に過ぎない」と謙虚に語る。

2025年5月期の連結決算は売上高が前期比4.8%増の1兆113億9000万円、営業利益が同28.3%増の404億400万円、経常利益が同25.8%増の431億6000万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同26.7%増の309億7800万円となった。

25年5月期の決算を発表する横山英昭社長(右)と柴田 太・取締役経営企画部長

増収増益で、売上高およびそれぞれの利益は全て過去最高となった。売上高営業利益率は前期比0.7%ポイント改善の4.0%。期中の新規出店は120店と多数の新規出店をした一方で、閉店は1店にとどまった。期末店舗数は1609店だった。

既存店売上高はマイナスとなったが、これは24年5月期にディスカウント強化に伴って既存店売上高を大きく伸ばした反動の側面もあり、同社では「(既存店は)2年平均では3%伸びている」(横山社長)と捉えている。

同時に25年5月期はインフレ基調を踏まえ、価格面でも収益性を重視したこともある。24年5月期の売上総利益率(粗利益率)は19.5%だったのに対し、25年5月期の同数値は約21.1%と約1.6%ポイント改善している。横山社長は、「インフレ下ということもあって、粗利益率21%でも価格の優位性を保てる」とする。

また、今期の26年5月期には既存店売上高前年を再度プラス基調に戻す意向。上期はマイナスを想定するが、下期にプラスに転換、通期で若干のプラスとなる想定となっている。

売上高は全商品区分で伸ばしたが、商品区分別には一般食品が売上高を前期比6.2%伸ばし6190億円と、こちらは6000億円を突破した。構成比では61.2%となったが、引き続き「集客のエンジンは食品」(横山社長)との位置づけで、積極的に販売していく意向。

地域別には関東地区が894億円、中部地区が920億円、関西地区が1404億円で新商勢圏となる3地区合計で3000億円を超えた。地盤の九州地区は店舗数が651店と多いことから必然的に出店は「東高西低」となっているが、「九州、四国もまだまだ出店していきたい」(横山社長)という。

関東地区は都市部の出店だけでなく、郊外型の出店も本格化している。関東の店では調剤併設率も高くなっているがこれは面分業が進んでいるからとする(写真は東京・渋谷の広尾駅店)

同社としては目安として「1万人に1店」を出店できるとしていることから、「まだまだ出店できる。1年で120店を出店していきたい」(横山社長)と、将来的な全国出店を視野に今後も全地域に渡って積極的な出店をしていく意向。ただし、直近の今期26年5月期は出店が100店ほどになる見込み。これは物件がないのではなく、人手不足によって新築工事が遅れているためだという。

九州から出店地域を東に拡大し、すでに関東、北陸の一部にまで出店を果たしているが、今後の新たな出店地域として福島県はすでに契約済みで、来期27年5月期にオープンを予定している他、長野県、新潟県の出店調査を開始している。

一方で、将来の「面分業」の定着を視野に調剤併設店も徐々に拡大しているが、25年5月期段階では1609店中の53店にとどまった。これについては着々とノウハウを獲得中という。

また、一部店舗で実験をしていた「生鮮」については、集客力が高いとみて挑戦したものの自社でのノウハウ構築にはなかなか至らず一部取引先から調達できる分を除いていったん撤退したという。一方で、「魅力的ではあるので研究は続けたい」(横山社長)とする。

今期26年5月期の連結業績予想は売上高が前期比4.5%増の1兆570億円、営業利益が同0.2%増の405億円、経常利益が同0.1%増の432億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同0.1%増の310億円の想定となっている。同社としては今後もM&Aは用いず、自力出店、自力成長をしていくとしている。

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