ヤオコー八王子中野上町店が9月4日オープン、ポテンシャル高い東京・八王子中心部に出店
2026.09.07
ヤオコーは9月4日、東京都八王子市に八王子中野上町店をオープンした。同社東京都18店目、全社では205店目となる。
JR中央線西八王子駅から北に約1.5km、八王子駅から北西に約2.5km、京王線京王八王子駅から同じく北西に約2.6kmの秋川街道沿い。周辺は平坦な道路が続き、徒歩、自転車、車のいずれでもアクセスしやすい。鉄道駅からはやや離れているが、店前にはバスが走っていて駅からを含めアクセスも良い。店舗周辺は戸建て住宅やアパートが密集する住宅地で、市役所や市民センター、学校といった公共施設も近隣に集積している。
同店が建つのは、以前は社員寮が置かれていた土地である。向かいには消防車メーカーの日本機械工業が本社工場を構えており、その社員寮がちょうど店舗の建物のある場所に建っていたという。隣接する駐車場部分も宅地だった。一帯を個人の地主が所有しており、ヤオコーは土地を借り、建物を自社で建てた上で施設全体を管理している。

建物はピロティ形式で、ヤオコーの売場は2階に構える。1階には駐車場に加えてクリーニングなどを配置。3階のテナントにはドラッグストアのスギ薬局、100円均一店のダイソー、歯科が入る計画で、10月以降に順次開業する予定となっている。全てオープンすれば、ヤオコーが核店のネイバーフッドショッピングセンターが形成されることになる。
同社としては既存店のシェアが希薄ながらポテンシャルが高い八王子市街地中心部の攻略を図るために、空白地帯を埋めた形。最寄りの既存店である八王子並木町店(東京都八王子市)の北東側に商圏をつなげ、八王子市中部から北東部のシェアを獲得することを目的に据えた。
近隣の自社店舗は八王子並木町店が南西方向に約2.1km、日野南平店(東京都日野市)が南東方向に約6.2km、福生牛浜店(東京都福生市)が約6.7km、八王子鑓水店(東京都八王子市)が約7.5kmの距離にあり、市内から多摩西部にかけてのドミナントの隙間を埋める出店となる。
商圏人口は1km圏内が約2万4000人、約1万3000世帯。年齢構成では40歳代から50歳代が27.0%でボリュームゾーンとなり、次いで60歳代から70歳代が25.7%を占める。加えて30歳代は少ない一方で、20歳代前半が多い地域だという。2km圏内では20歳代から50歳代が51.6%と半数を超え、八王子市平均を0.8%ポイント上回る。
世帯構成では1km圏内は単身世帯が46.0%で最も多く、次いで2人世帯が26.6%。単身と2人世帯を合わせると全体の72.6%に達する。北方面に約1.5kmのところに工学院大学の八王子キャンパス(東京都八王子市)がある他、周囲には大学も複数あることから学生や単身世帯の比率が高いことも特徴となっている。1km商圏は人口が微減傾向にあるものの、世帯数は増加しているエリアでもある。
八王子中野上町店のストアコンセプトは「毎日の食卓に『美味しさ』と『品揃え』を届けるお店」。サブテーマとして「圧倒的な鮮度と品揃えで地域のお客さまに選ばれるお店にしよう」を掲げる。
ターゲット設定はメインを50歳~59歳のミドル層の2人暮らしとした。子どもが家を離れ、生活にゆとりのある夫婦2人世帯で、おいしさや食べ方へのこだわりが強く、毎日の食事を楽しみたい層と想定。健康への意識が高まる世代でもあり、健康や美容に良いものを食べたいというニーズを見込む。
サブターゲットは40歳~49歳のヤングファミリーで、3人から4人家族を想定。子育て中で子ども中心の行動になるため、週末のまとめ買いが中心となり、コストパフォーマンス、タイムパフォーマンス志向が強く、大容量パックや冷凍食品の需要が高いとみる。さらに70歳以降のシニア層単身者もターゲットとして想定。年金生活でむだな支出は抑える考えもあって即食、簡便を好み、高頻度で来店して食べきりサイズを選ぶといった買物行動を想定する。
一方で単身世帯が多く大学も近い商圏だが、学生を主要ターゲットには置いていない。大学が徒歩圏の距離ではないためで、昼食の弁当というよりは自炊など夕食の需要がメインとみているためだ。
ヤオコーの売場面積は約560坪で、標準的な大きさ。年間売上高は初年度22億円を計画する。また、初年度の売上高構成比計画は生鮮38%、グロサリー45%、デリカ17%を想定。SKU数は生鮮830、グロサリー1万4900、デリカ330といった業容になる。
売場レイアウトは青果と惣菜を両側に振り分けたパターンで、かつ和日配を青果に続いて第1主通路に持ってくるパターンとしている。和日配から壁面沿いに鮮魚、精肉と続く配置となっている。ヤオコーでは第1主通路から第2主通路を青果、鮮魚、精肉の生鮮3品で固め、和日配を第2主通路の途中から展開するレイアウトも多いが、今回は和日配が先に来る形。それもあって鮮魚に続く精肉が第2主通路の大部分を占める形となり、結果として精肉のミートデリカが第3主通路の惣菜側に寄り、即食商品がまとまる効果を生んでいる。



マーチャンダイジングでは、まず精肉は、自社製ローストビーフやミートデリカのおかず商品で時間帯別に売場を変化させ、選ぶ楽しさを訴求する。特に力を入れるのが牛焼肉で、「八百彩盛り」など盛合わせ商品を充実させ、多様なニーズに対応する。オープン当日は黒毛和牛のステーキ用を広告の品として打ち出し、対面感のある平台で盛合わせを並べた。



鮮魚は生マグロ刺身の厚切りや角切りを強化した他、対面販売売場も充実させ、旬の近海魚や活貝も魚種の豊富さを打ち出す。売場づくりでは今回、従前のような業種別のくくりをゆるめ、「用途別のレイアウト」を採用。

従来は例えば主力のマグロであればマグロの中でサクから盛り合わせまでまとめる売場づくりだったが、同店ではマグロを含め、サクはサクでまとめ、そのまま食べられる盛り合わせや単品刺身は他の刺身盛り合わせのコーナーに集約。どの形が最適かを探る実験的な売場でもあるという。他、オリジナルの漬け魚切り身はよりどりのミックスマッチ販売で提案するなど、売場にアクセントを付けた。




青果は、地元野菜には15軒が参画、地元野菜を集めたフェアも定期的に開催していく。オープン日にはパッションフルーツやリンゴも並んだ。また、トマトやキュウリなど食卓に欠かせない頻度品は価格訴求を強める他、果物では対面販売を実施して売場ににぎわいをつくっていく。オープン日の目玉としてシャインマスカットと大粒の天山を掛け合わせた大粒のブドウである「雄宝(ゆうほう)」を展開した。




惣菜は、ランチタイムに合わせて店内手作りの米飯を豊富に品揃えする。夕方には人気の「煮込みロースかつ重」を出来たてで販売する他、新商品や季節商品の試食販売を日替わりで実施していく。冷惣菜の「Yes! Chef’s Deli」では「海老のオーロラソース」を新開発、同店でテスト販売する。



デザート回りでは、サツマ芋を主役にした「OIMO」コーナーを設け、大学芋やスイートポテト、サツマ芋の冷製スープなどを集積した。これらは青果部門の管轄で、ベーカリーのスイーツと隣り合わせに置きながら連動を図っている。惣菜の冷惣菜と青果部門のサラダを並べる発想と同じで、こちらも用途別で商品を集める発想といえる。名物商品の「幸太郎おはぎ」は、今回はカナダ産ではなく北海道産アズキを使用。鮮やかな緑色のずんだと併せて売り込む。



寿司は、時間帯別の提案を軸に据える。ランチタイムには店内製造のちらしでランチニーズに対応し、午後には握り寿司とつまみを品揃えする。握り寿司は鮮度にこだわって店内手切りのたねを使い、出来たてのおいしさを追求する。週末は上握り寿司や大型パックも展開し、「選べる売場」を実現していく。「青森サーモン」を使った商品やポキ丼もそろえる。

ベーカリーは、店内製造の焼きたてピザを看板に、店内スクラッチ製法のフランスパン「GUシリーズ」や手軽な「プチパン」を並べる。ピザはガーリックシュリンプピザに加え、瀬戸内産のシラスとイカスミを使ったピザも品揃え。ベーカリーとして展開する「弁当」では、揚げパンやナポリタンを詰めた「昔ながらの給食弁当」をパンの弁当シリーズとして展開した。


スイーツコーナーは「なめらか寄せプリン」を中心に季節限定商品もそろえる。GUシリーズでは秋の先出し商品としてクリをあしらった「びっ栗!マロン」を投入する他、どら焼きの生地を使った「ずんだホイップ」「小倉ホイップ」もテスト販売として先行展開する。


日配は、地元メーカー商品の品揃えを強化した。ニーズの高いホールセールパンでは「サラ秋田白神」をコーナー化し、朝食以外の食シーンでの食べ方提案も行う。同社の本社は秋田市だが、八王子市松木にパン工場を持ち、同店には当日直送の商品が定番として入る。

豆腐は大豆の種類と産地にこだわった商品に加え、八王子の地元メーカー2社の商品を取りそろえた。大正15年から続き、現在八王子市泉町に本社工場を構えるむつみは消泡剤を使わず大豆、にがり、水のみで豆腐を製造している。峰尾豆腐店の「するさしのとうふ」を導入。麺は個食麺を強化している。


焼き菓子では、八王子市中野上町に本社、工場を構えるバーゼル洋菓子店のクッキーなどを単品とアソートで導入した。所在地は同店と同じ中野上町で、西東京バスの「中野」バス停からは徒歩2分。売場は中通路にコーナー化した他、パンコーナーのサラ秋田白神の上段にも売場を構える。

ドライ食品は、支持の高いコーヒーを充実させ、こだわり商品では試飲販売を実施するなど体感も重視。ナッツやドライフルーツ、豆菓子も豊富にそろえ、酒とのペアリング提案も行う。

酒では、清酒で地酒や小容量の飲みきりサイズを幅広く展開する。特に地酒の品揃えを強化しており、「東京銘酒」「厳選銘酒」の看板を掲げたコーナーを設けた。八王子産の米で造られた日本酒「髙尾の天狗」も中通路の冷蔵ケースで販売。同商品は八王子の農家に生産委託した酒造好適米や八王子高月清流米を使い、長野県諏訪市の舞姫が醸造する限定清酒で、14年に始まった市民参加型の酒造りのプロジェクトから生まれた地酒である。



サービス面ではレジはセミセルフが3レーンで精算機6台、フルセルフが8台。イートインの「ヤオコーカフェ」は18席を用意した。
尖ったマーチャンダイジングを多数展開する旗艦店とは異なり、売場面積などあくまで標準的な店ではあるが、全般的に、同社の既存の八王子の店よりも「八王子」の打ち出しがかなり強いように感じる。この店単独展開の商品も多く、その意味では「チェーンストアの1店」であるというだけでなく、「いかにこの地域での特別な店になるか」という視点が強く感じられる。ヤオコーは「チェーンとしての個店経営」を志向しているが、まさに今回のヤオコー中野上町店はそれを象徴しているようだ。
ヤオコー八王子中野上町店概要
所在地/東京都八王子市中野上町4-19-16
オープン日/2026年9月4日(金)午前9時
営業時間/9時〜21時45分
駐車台数/146台(駐輪場137台、バイク10台)
敷地面積/7777.50㎡(2352.69坪)
延べ床面積/8553.25㎡(2587.36坪)
売場面積/1846.88㎡(558.68坪、ヤオコー売場面積)
店長/平 尚之
従業員数/正社員18人、パートナー・ヘルパー・アルバイト120人(延べ人数)
年間売上高/初年度22億円(予定)
商圏人口/1km圏2万4000人(1万3000世帯)、2km圏10万2000人(5万6000世帯)、3km圏19万6000人(10万6000世帯)









