バイヤーとは?仕事内容や必要なスキル、やりがいなどを解説

2022.06.29

バイヤーは、小売業界、アパレル業界をはじめ幅広く業種で活躍している職種だ。また、バイヤーの仕事は商品の買い付けを行うだけにとどまらない。取扱い商材に関わるさまざまな業務がバイヤーには求められるため、バイヤーには目利きをはじめ、多くのスキルが必要となる。この記事では、バイヤーとは何かに加えて仕事内容、必要なスキル、バイヤーの仕事のやりがいやバイヤーになるための方法を解説する。バイヤーという職種の理解にぜひ役立ててほしい。

バイヤーとは

バイヤー(buyer)とは、おもに店舗で取り扱う商品の買い付け(バイイング)や管理を行う職種を指す。バイヤーといえば、百貨店やセレクトショップで取り扱う商品の買い付けや管理を行うアパレルバイヤーが代表的だが、商品だけではなく商品に関する資材や原料などの買い付けを行う職種もふくめて、すべてバイヤーと呼ばれる。また、バイヤーの行う業務や在籍する業種によってはバイヤーではなく「購買」「調達」と呼ばれることもある。

近年では実店舗だけでなく、オンライン上でEC事業を展開する店舗や企業も多くなった。これにともない、実店舗だけでなくECサイトの商品に関する買い付けや管理を行うバイヤーも増加している。

バイヤーの仕事内容

バイヤーの仕事は「目利き」と呼ばれる売れる商品の買い付け、販売する商品の管理をはじめ多岐にわたる。おもなバイヤーの仕事内容を解説する。

買い付け

バイヤーの仕事として多くの人がイメージするのが、商品の買い付けだろう。バイヤー自らが展示会、メーカー、工場などに足を運んで商品の買い付けを行う。買い付けする商品はバイヤーの在籍する業種によって異なり、買い付けで求められることも異なってくる。

たとえば店舗で取り扱う商品を買い付けるバイヤーなら、顧客や市場のニーズ、トレンドを踏まえて、売れる商品を見極めて買い付けをする必要がある。商品の原料や資材を買い付けるバイヤーなら、素材や資材の性質、機能性など商品の品質を左右するポイントを見極めて買い付ける必要があるだろう。

買い付けをする商品の選定は、バイヤー自らの調査や情報収集で決定する場合もあれば、マーチャンダイザー (MD)と戦略や予算を設計した上で商品を選定する場合もある。

買い付けをする商品のほかにも、買い付ける時期や量も重要なポイントとなる。品切れや在庫過多とならないように、売り切れたり、使い切れたりできるタイミングと量を考慮した買い付けがバイヤーには求められている。バイヤーは買い付けるものを見極めることから、「目利き」とも呼ばれている。

価格交渉や商談

買い付ける商品のメーカーに対して、仕入れ価格や支払時期、返品についての交渉を行うのもバイヤーの仕事だ。取引条件が悪いとすぐれた商材でも利益が出にくくなるため、バイヤーは自社とメーカーの間に立って、双方にメリットがあるように交渉を行う。交渉の材料としては市場の流通量、時期、ニーズ、返品時の予算などがある。既存の取引先はもちろん、バイヤー自らが見つけた新規の取引先との交渉も、バイヤーの仕事の範囲内となる。

販売管理

店舗の商品を販売するのが販売スタッフであるのに対して、バイヤーが商品の販売管理を担当することがある。商品価格の設定、商品の納期や数量管理、入出庫管理、在庫管理、現場での売れ行きのチェックなどを、バイヤーが行う。自分が買い付けを行った商品の販売管理をバイヤー自らが行うことで、次回の買い付けの判断材料として活用できるのがメリットだ。

市場調査や情報収集

バイヤーは売れる物やすぐれた商材を買い付ける役割を持っているため、つねに市場やトレンドに対する調査や情報収集を行う必要がある。社内の他部門と連携して販売データや顧客データを入手する、SNS・インターネット・業界紙・プレスリリースなどの各メディアから情報を得る、展示会やコレクションなどに足を運ぶなど、さまざまな情報源にアンテナを張り巡らせ、情報収集を欠かさないのもバイヤーの仕事だ。

顧客分析

売れる物やすぐれた商材は、自社の顧客にとっても魅力的な商材になる。そのため、顧客分析を行うのもバイヤーの仕事だ。市場やトレンドのニーズが、かならずしも自社の顧客ニーズと合致しているとは限らない。バイヤーは市場や業界のトレンドを把握するのと同時に、自社の顧客層やニーズについても把握しておく必要がある。

バイヤーの種類

業種、業務内容、仕入れる商材によってさまざまな種類のバイヤーが存在している。おもな4種類のバイヤーについて解説する。

仕入れバイヤー

仕入れバイヤーとは、小売業、流通業における買い付けをおもに行うバイヤーを指す。トレンドや顧客を分析した上での買い付け商品の選定や発見、店舗で売れる商品の買い付け、価格の交渉や商談など、一般的にバイヤーとしてイメージされる業務を行うのが特徴だ。企業の従業員としてバイヤー業務に携わるのが一般的だが、近年EC事業が拡大したことを受けて、複数の企業や店舗と契約し、買い付けや商談を行うフリーの仕入れバイヤーも多くなった。

間接材バイヤー

間接材バイヤーとは、製造業やサービス業などにおいて店舗や事業所、企業などの運営に必要となる経費購買品全般の調達・購買を行うバイヤーだ。たとえば製造業なら事務作業のための机やパソコン、応接セット、事務用品、販促品などを買い付けるバイヤーが間接材バイヤーにあたる。

間接材バイヤーが購入、調達するのは経費購買品のため、企業や店舗によっては経理担当者が間接材バイヤーを兼務している場合がある。間接材バイヤーとして経費購買品の調達を行い、経理担当者として購入品や交通費、通信費などの経費処理を同時に行うということも多い。

直接材バイヤー

間接材バイヤーが経費購買品全般を調達、購買するのに対して、企業の売上に直結する資材の調達、購買を行うのが直接材バイヤーだ。製造業の場合は、製品の原材料や部品などが直接材バイヤーの買い付けの対象となる。企業の売上に直結するため、直接材バイヤーはすぐれた資材を安定的に供給できるように買い付けや交渉を行う。

原料バイヤー

工業用品の原材料を買い付けるのが原料バイヤーだ。鋼材、金属、石炭、木材、原油、レアアース、ゴム、樹脂などを原料メーカーから買い付ける。原材料は市場価格の変動頻度が高いことから、先物買いなど変動リスクを回避した上での買い付けが、原料バイヤーには求められている。原料の市場価格が高騰すれば、製品の製造コストにも多くの影響が出るためだ。また、原料の品質は製品の品質にも影響する。価格だけでなく原料の品質を見極めるのも、原料バイヤーの役割といいえる。

バイヤーに必要な資質やスキル

企業や業種によってバイヤーの業務内容は異なるが、多くのバイヤーで求められる資質やスキルは共通している。一般的に、バイヤーに必要な資質やスキルを解説する。

情報収集力

売れる商品やすぐれた商材を買い付けるためには、市場や顧客の動向、ニーズなどを把握することが必須だ。そのためには、実際の店舗や展示会・イベントなどに足を運ぶ、SNSやメディアにつねにアンテナを張る、などを行い情報を収集するスキルがバイヤーには求められる。とくに近年では情報を収集するためのチャネルが増加したことにより、バイヤーが集める情報量も増加している。情報を収集することが得意、好きという人はバイヤーに向いているだろう。

情報分析力

収集した情報や自分のセンスのみを頼って買い付けを行うと、顧客のニーズとのミスマッチが生じ商品が売れない原因ともなる。バイヤーは収集した情報を分析し、自社の顧客のニーズや動向にマッチした商品や商材の買い付けを行う必要がある。

商品や業界への知識

バイヤーが売れる商品やすぐれた商材を見つけるためには、業界の知識が役立つ。商品の価値を見極めるためにも、業界の商品や知識が必要だ。また、商品知識が豊富にあれば買い付けの価格交渉時にも価格交渉を有利に進める材料として役立つだろう。

交渉力や決断力

企業の利益とメーカーのメリット両方の落としどころを見つけるためにの交渉力は必須となる。また、交渉に時間を掛け過ぎると不利になるため、決断力も求められる。決断力は商品の選定から商談までスピーディに持っていくためにも必要だ。

コミュニケーション能力

バイヤーは商材の発見や買い付けのために、多くの展示会やメーカーなどに直接足を運ぶ。初対面の人とも円滑にコミュニケーションを取れる能力が求められるだろう。人と話すことが好きな人なら、メーカーとも信頼関係を築きやすく商談にも有利となる。

先見の明

現在の市場や顧客の動向、トレンドを把握するだけでなく将来性を見極められることかもバイヤーに必要なスキルだ。将来的に売れるかどうかを判断できるバイヤーなら、売れる商品の買い付けにつながり、企業にとっての大きな利益にもつながる。また、マイナーな商品、ニッチな分野の商品でも、バイヤーが将来性を見極めることで新しい価値を見いだせる可能性もある。

語学力

業種や担当する商材によっては、海外の担当者とのやりとりや、海外へ直接買い付けや商談へ赴く場合がある。かならずしもバイヤーになるためにかならずしも外国語の修得は必須ではないが、語学力を持っていればやり取りや交渉がスムーズにできるだろう。

バイヤーのやりがい

バイヤーは仕事を通じて多くのやりがいが得られる。おもなバイヤーのやりがいを紹介する。

商品が売れたときの達成感

自分が発見し買い付けた商品がヒットしたときは、バイヤーにとって大きな達成感が得られるだろう。とくに市場からは注目されていなかった新商品がヒットしたときには、新たな付加価値やトレンドの発見ともなる。バイヤー自身のセンスや先見の明によってトレンドを生み出すことにもつながるだろう。

会社の利益に貢献できる

バイヤーは売れる商品の買い付けのほか、交渉による調達コストのカット、入出庫、在庫管理による商品管理などさまざまな点で会社の利益に貢献できる。情報の分析によって販売予測を立て、予測が当たって会社に大きな利益をもたらしたときにも達成感が得られるだろう。

トレンドの最先端を追いかけられる

バイヤーは売れる商品の発見や買い付けのために、つねに業界の流行の最先端を追いかけ続ける必要がある。自分の興味のある分野や業界のトレンドを追いかけつつ、自分でトレンドを生み出すこともできることもバイヤーの魅力でもある。

バイヤーになる方法

これからバイヤーを目指したい人のために、バイヤーになるための方法を解説。

現場で実務経験を積む

バイヤーとなるには、業界や商品の知識、商品管理能力、業界や市場、顧客のニーズを把握できる分析力などのスキルが必要となる。これらのスキルを身に付けるために、現場での実務経験は必須だ。未経験からバイヤーとなることも可能だが、実務経験は求められるだろう。

たとえば小売業や流通業におけるバイヤーを目指すなら、まずは接客スタッフとなって現場に立ち、店舗のマネージャーへキャリアアップし、バイヤーとなるのが一般的なルートとなる。

バイヤーのアシスタントとして経験を積む

バイヤーのアシスタントとしてキャリアをスタートさせて、バイヤーになる方法もある。ただしこのルートでも実務経験が求められることが多い。

バイヤーの仕事は新しい付加価値や企業の利益に直結する

バイヤーの概要や仕事内容、バイヤーの種類、バイヤーのやりがいやバイヤーになるための方法を解説した。バイヤーは店頭で販売する商品だけでなく、業種によって製品の原料、経費対象の物などさまざまな物の買い付けを行う。いずれのバイヤーにも求められているのは情報収集力や分析力、交渉力や決断力だ。バイヤーの目利きによって売れる商品を仕入れられれば、企業にとっての大きな利益ももたらされるだろう。

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