ローソンがAIを活用したレシート広告を配信、お客の価値観に合わせて広告デザインやキャッチコピーを変えることが可能に
2022.04.22
2021.10.26
ローソンは、会員データとAI(人工知能)を活用したレシートやローソンアプリへの広告配信事業を2022年3月から開始すると発表した。お客のニーズに即した商品情報を提供するために、個々の価値観に合わせた広告訴求を行っていくとしている。
ローソンでは、これまで会員データの購買履歴や性、年代、価値観から、対象となる商品に興味を持ってもらえそうなお客を推測し、割引券などを印字した訴求を行ってきた。
例えば、「過去に同様の商品を購入したことがある」「対象商品の購入層に多い年代や価値観(30~40 代、健康意識が高い)」といったことをベースとしていた。
今回の施策では、従来の情報にAIを追加。
まず、「過去に同一ブランドの新商品を購入した会員」といった購買データから対象商品を購入した会員を特定(新商品の場合は買いそうな会員を特定)。
続いてその会員の過去購買データや性別、年代、価値観をAIで分析し、購入会員の特徴を抽出するとともに購入確率予測モデル(購入確率を予測する数式)をAIが自動構築。
その構築した購入確率予測モデルを使って広告クーポンの対象者を抽出することで、そのお客の価値観の特徴に合わせたデザインとキャッチコピーでレシート広告を発行する。
ローソンでは、今回の展開に先立つ昨年8月17日~8月30日の期間で、2週間にわたって実験を試みた。インティメート・マージャー、クリエイターズマッチの技術を活用し、まず、新商品において対象商品を購入する可能性が高い会員をAIによって抽出。その上で抽出された20万人に対してレシート広告を発行した。広告のデザインは3パターン用意し、価値観特徴に合わせて配信した。
結果、会員全体の平均購入率に対して、抽出された会員の購入率についてはレシート広告を出さなかった場合でも4倍となり、さらにレシート広告を出した場合では12倍となったという。