デジタル時代に顧客との関係を構築するテクノロジー、マーケティングオートメーション(MA)とは何か?

2020.08.07

アドビ株式会社

マーケティングオートメーションの導入は加速

物理的な移動に制約がかかる昨今、あらゆる業界でデジタルへのシフトが生き残りの明暗を分けていると言われています。その中でもリテール業界では、とりわけオンラインで消費者との関係を作る取り組みが急務となっています。

COVID-19(新型コロナウイルス)禍における消費行動の変化に関するリサーチ」によると、多くの人が外出自粛をきっかけとして、外出自粛期間中にオンラインで購入し、そのうち90%の人が収束後もオンライン利用を継続すると回答しています。

参考: https://www.adobe.com/jp/news-room/news/202007/20200716_adobe-consumption-behavior-survey.html

多くの企業で、オンラインでの体験強化のためにEC(電子商取引)やCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)に加え、マーケティングオートメーション(MA)の導入検討が加速しています。リテール業界においてアドビは目的に応じて2つのMAソリューションを提供しています。

中長期的なコミュニケーション設計によりLTVを高めることが重要

1つ目は、長期的な関係の構築によってLTV(Life Time Value)を高めることを目的とした、Marketo Engageです。

リテール業界において、長期的な関係を築くための仕組みとして会員プログラムがあります。入会すると、貯まったポイントで会員ステータスやステージが定義され、割引や特典が得られるものや、有料会員になると送料無料などの特典が得られる、といったものです。Marketo Engageは会員プログラムと併せて、以下のようなシナリオで活用されることが多いです。

シナリオ①新規会員の早期定着

会員登録後、一定期間に一度もサービスを利用しない会員はその後ずっと利用しない、という統計は、期間にこそ差があっても、ほぼ全ての商材に共通します。会員登録後、温度感が高いうちに利用を生活の一部にしてもらうために、早期に効果的なメッセージを効率よく届けることが必要です。

Marketo Engageでは、新規会員向けにメールのシナリオを用意し、会員の行動に応じて頻度や送るメッセージを自動で変えることができるので、無駄な配信をなくし、効率よくエンゲージメントを高めることが可能です。

シナリオ②会員のステージアップ

無料会員を有料会員へ、会員ランクやステージがある場合はより上のステージへと会員を引き上げることにより、長期的な利用促進を狙います。会員の属性や行動より、そのし好や温度感に合ったメッセージを届けることにより、効率よくステージを上げていきます。

Marketo Engageでは、会員のライフサイクルを定義することでステージ間の動きを可視化し、どのステージの会員への施策に投資すべきかといった判断を短いサイクルで行うことが可能です。また、柔軟なスコアリング機能により、会員の嗜好や温度感を精緻に捉え、体験のパーソナライズの高度化が可能です。

人, 選手, 男, ラケット が含まれている画像

自動的に生成された説明

シナリオ③休眠会員の活性化

登録されている会員のうち、半分以上が休眠会員であるというケースをよく聞きます。この状態はただもったいないだけでなく、休眠会員にも画一的にDM(ダイレクトメール)や会員証を送付しているような場合には、余分なコストがかかっている状態です。休眠状態の会員を再度活性化するのは容易ではないため、シナリオ①の早期定着をすることで休眠会員を作らないことが重要ではありますが、休眠状態に入ってしまった会員にはメールだけでなく、Web、ソーシャル広告、LINEなど、会員が好むチャネルで意味のあるメッセージで、コミュニケーションを取っていく必要があります。

Marketo Engageは豊富なAPI連携の実績があり、Webhookという他ソリューションを組み合わせたシナリオを容易に設計できる機能を使うことで、SMS、LINE、Facebook Messenger、各種広告プラットフォームなど、多くのコミュニケーションツールと連携してメッセージを届けることが可能です。

短期的なキャンペーンにより成果を高めるAdobe Campaign

2つ目は、短期的に収益を上げることを目的としたAdobe Campaignというソリューションです。利用例を挙げますと、次の週末の「週末キャンペーン実施」のメールやスマホアプリのプッシュ通知の配信、あるいはクリアランスセールのような季節ごとのキャンペーンクーポンの一斉配信などです。前出のMarketo Engageは長期的なシナリオの構築でしたが、こちらは多くの方に対してメッセージを送り切り、購買行動を短期的に促すことを目的としています。

チラシやDMなどの物理的な通知ではどれぐらいお客さまの目に届いたのかを計測することはとても難しく、また、お客さまごとにメッセージを最適化する(パーソナライズされた情報を送る)ことは難しいです。さらに、そもそもチラシの配布には都度費用もかかります。

Adobe Campaignではデジタルへのシフトを通して、それらの課題を解決することができます。

上記の通り、メール配信やスマホアプリへのプッシュ通知、アプリ内メッセージや、LINE社との連携でLINEのメッセージの配信などを実施可能です。そして、その内容はお客さまの属性や行動履歴などによって変更可能です。

例えば小売店(スーパーマーケット)で使用する場合には、30代の働く女性向けには惣菜の特価のメッセージを、60代や70代など高齢の人には健康食品などの取り扱い情報を、などとメッセージを出し分けて送ることができます。もし30代女性に家族がいるのであれば、届けるメッセージもより家族を意識したものにすることができますし、さらにタイミングも夕方などそのお客さまがその商品について考えているタイミングを狙って送ることができます。

メールやアプリ内のプッシュやメッセージであれば開封の情報も取得できます。これによって、本当にお客さまに届いている(見てもらえている)メッセージとなっているかどうかも分かりますので、タイミングやメッセージを変えることでお客さまに届けやすい形に試行錯誤していくことができます。

使い方は非常にシンプルで、1つのキャンバス上でデータの取得や変換、格納、そのデータを用いた配信など、直感的に操作することができます。そのため、SQL(Structured Query Language)などの専門知識がなくとも画面上で配信対象者やタイミング、内容を設定することが可能です。

さらに、結果を以下のような画面で確認が可能です。データ分析、可視化ツールであるBusiness Intelligence(BI)のように、ドラッグ・アンド・ドロップで分析したい項目をマウス操作だけで多面的にデータを分析できます。

Adobe Campaignを活用し、デジタルでお客さまにアプローチをすることで、紙媒体よりも具体的、定量的にデータが取得できます。そして、高いITスキルは不要で直感的に操作ができますので、キャンペーンのPDCAを高速に回していくことができます。

最近ではフリマアプリを始めとしたサービスが各地域へチラシを送り、デジタルのツールの利用者を増やそうする取り組みが見受けられます。デジタルに詳しくないお客さまも取り込もうという作戦です。チラシやDMでしかつながっていないお客さまが、いつの間にか他社からはオンラインでも情報を受け取っており、デジタルで購買行動をしたり、オフラインでも他社の利用へと変わっていたりする可能性もあります。

インターネットやスマートフォンが普及してからしばらくが経過し、メールやアプリ内メッセージ、SNS広告など、デジタルでのコミュニケーションは多くの方にとって一般的なものとなりました。オンラインの顧客行動がさらに加速する中で、デジタルでのお客さまへのアプローチを高度化し、より個々のお客さまにとってうれしい情報を素早くお届けして、売上貢献や地域に愛される店舗を目指されるのはいかがでしょうか。

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