POSデータとは?メリットや具体的な活用方法、活用例を交えて解説

2022.06.14

2022.02.01

POSデータとは、店舗レジで商品を販売したときに記録されるデータ、販売実績のことで、集積したデータを基に、売上げや顧客満足度の向上、販売促進など、さまざまな経営戦略に役立てられる。

ここでは、POSデータを分析することで得られるメリットと具体的なデータの活用方法を解説する。

POSデータとは? 定義や取得可能な情報の種類を解説

POSデータのPOSとは、「Points of Sales」の略語。「販売時点」いう意味があり、商品を販売した時点の情報を管理できるシステムを指す(販売時点情報管理)。POSシステムやPOSレジのことを、POSと略して呼ぶこともある。

POSレジは利便性が高いことから、飲食業界や美容業界、小売業界など店舗をもつ業態で利用が進んでいる。

蓄積されたPOSデータを有効活用することでより精度の高い販促施策につなげることができる。以下では、物品販売の売上実績を都度記録し、集計・分析できるPOSシステムやPOSデータの定義、取得できる情報の種類を見ていく。

POSレジから得られる各種データの総称

POSデータとは、POSレジで商品が売れた時に蓄積される各種データのことを指す。商品のバーコードを読み取るだけで、販売金額以外にも、商品データや顧客情報、在庫状況など、さまざまなデータが取得できる。

既存のサービスやシステムとPOSを連携することで、リアルタイムですべての店舗のデータを収集、管理できるので、業務の効率化に役立つことはもちろん、あらゆる経営戦略を立てる際に活用できる。

POSデータから取得できる情報の種類

POSデータには購入した商品名や商品の価格、商品の個数、購入店舗、購入日時などが含まれ、これらの情報はリアルタイムで集積される。

キャッシュレス決済やポイントカード、会員証などに対応するレジであれば、顧客の年齢層や性別、来店日時など顧客情報も同時に取得可能である。

つまりPOSデータとは、顧客の購買行動を把握、可視化できるものといえる。顧客の属性情報と紐付けられたID-POSデータとも呼ぶ。

POSデータの重要性とデータ分析で得られるメリット

POSデータに記録される情報は、POSレジを導入したときから蓄積されていくため、膨大な数の事実に基づく販売データが収集できる。

この蓄積したPOSデータを商品ごと、時間帯ごと、顧客ごとなどに分けて分析することで、企業や店舗のマーケティングツールとして活用できる。

データ分析といえば、専門家に任せないと難しいものと広く認識されているが、専門外の人でもデータ分析できるツールも多く、ビジネス・インテリジェンス(BI)の概念が注目され始めている。

それに加えて、データを収集、分析し、ビジネスにおける課題に対して判断、意思決定を行う「データドリブン」も、さまざまな企業で重要視されている。

売れ筋や死に筋の商品が把握できる

蓄積したPOSデータから、現在の売れ筋や死に筋の商品を把握できるようになり、商品が売れる条件が分かる。

その結果、よく売れている商品なら発注量を増やしたり、売れていない商品であれば発注量を減らしたり、販売停止にしたりといった対策が講じられるようになる。

店舗経営においては、データ分析で売れ筋や死に筋を見極められれば、熟練した特定の従業員でなくても、分析結果を基に、商品の品揃えに関する判断がスムーズに行えるようになる。

過剰・過少在庫を防ぎ在庫量の最適化が図れる

POSデータで売れ筋や死に筋が把握できれば、発注量や在庫の調整がしやすくなり、過剰・過少在庫を防いで在庫量の最適化が図れるメリットもある。

また最適な在庫数を保つことで、過剰コストや機会損失が解消できるため、コスト削減や売上げの向上も期待できる。在庫回転期間や商品回転率を計算して、継続的にチェックするようになると、在庫管理の改善点や在庫の状態が把握しやすくなる。

購入される時間帯や時期を見極めて販売できる

消費者が商品を購入する時間帯や時期がデータから分析できれば、売りどきを見極めて適切なときに販売できるようになる。

商品が売れるタイミングと売れにくいタイミングをつかむことで、売りどきに必要な分を仕入れられるので、最適な仕入れサイクルや在庫が保てる。また売れない商品に関しては在庫を過剰に保管しないよう注意を払い、適切なタイミングで値下げを行うとよいだろう。

組み合わせて売れる商品が分かる

POSデータを読み解くことで、どの商品とどの商品が一緒に購入されているかといった、組み合わせで売れやすい商品が明らかになる。

商品単体ではなく、抱き合わせで売れる併売商品から顧客共有の傾向を見出していくことで、店内の商品配置や顧客が望む商品の品揃え、販売強化のキャンペーンといった施策に生かせる。

宣伝や販促などマーケティングの効果

顧客データを有効活用することで、自社商品に興味を持つターゲットが明確になり、手間やコストをかけずに成果が得られるマーケティング施策の立案が可能になるだろう。

客層ごとに売れやすい商品の特徴や有効なアプローチ方法が把握できるので、適切なタイミングで顧客に合わせた宣伝や販促を効果的に打ち出せる。顧客への的確なアプローチは、企業側だけでなく、顧客にとってもメリットになる。

POSシステムを店舗に導入するデメリット

POSシステムにはさまざまなメリットがあるが、システムを運用していく上でデメリットも存在する。まずは、POSシステムを導入するのに初期費用が発生する点である。

POSレジや周辺機器を設置するのにかかる費用は種類やサービスによって異なるが、高額になる可能性も否めない。

また、システムメンテナンスやアップデートといった保守・運用にもコストが発生することも、理解しておく必要があるだろう。

他にも、停電や故障でインターネットにつながらない、POSシステムが使えない状況が発生した場合、あらゆる業務が停止せざるを得なくなり、もちろんPOSデータの活用もできなくなる。

POSデータの具体的な分析、活用方法を紹介

POSデータは目的に適した分析手法を用いて分析することで、適切に効果を発揮する。

POSデータの分析にはさまざまな手法を用いることが可能だが、実際にPOSデータを分析、活用する具体的な方法を代表的なマーケティング分析手法ごとに紹介する。

ABC分析で売上アップ、コストダウンを実現

POSデータをABC分析と呼ばれる手法を用いて分析することで、効率よく売上アップ、コストダウンが図れる。

ABC分析とは、販売データをA(売れ筋)、B(どちらでもない商品)、C(死に筋)の3つのランクに分けて、商品の重要度や優先度を明らかにする手法である。

ABC分析を用いれば、今まで感覚値で捉えていた売れ筋や死に筋の商品をデータ化、見える化できるので、正確な商品の現状が把握できるようになる。またランクごとに異なる販売戦略を立てれば、売上げの向上や不要なコストの削減につながるだろう。

Aランク商品はメニューやポップなどで目立たせて、今まで以上に売上げを伸ばす、Bランク商品はAランクにするための施策を講じる、Cランク商品は思い切って品揃えから外し、商品の入れ替えを検討するといった戦略が立てられる。

トレンド分析でキャンペーンを打ち出す時期を判断する

トレンド分析では、商品の販売数を時系列で分析して、どの時期に販売するのが最適か判断する手法である。トレンド分析により季節ごとに売れる時期が分かれば、売りどきにキャンペーンを打ち出して、効果的に顧客を呼び込むことが可能だ。

前年度と今年のデータを比較し、今後の売上げや需要の予測に活用できる。またデータを分析した資料から、天候やイベント、競合相手の動向といった前年度との差異が出た要因を導き出すことで、予見的な経営戦略が立てられるようになる。

バスケット分析で最適なセット販売・商品配置を行う

どの商品とどの商品が同時に売れることが多いか解析できるのが、バスケット分析だ。

同時に購入された商品を分析して、よく一緒に買われやすい商品であればセット販売し、ある商品の次に買われやすい商品がある場合は、陳列場所を近くに設置するといった販促活動が可能になり、より効果的に売上アップが見込めるようになる。

バスケット分析では、もともとよく売れている売れ筋の商品は分析対象から外すことが肝心だ。たとえ分析結果で同時に売れる商品同士でも、違和感や不信感を抱かせるような異なるカテゴリーでの商品配置は避けなければならない。近くに並べて販売する販促以外にも、同じ日に特売日を設けて、併売を誘導する方法もある。

RFM分析で顧客ニーズに合わせて販促活動

RFM分析は、「Recency(最新購買日)」「Frequency(購買頻度)」「Monetary(購買金額)」の3つの指標に基いて、顧客を可視化、分類する手法である。

この3つのR、F、Mにある一定の基準を設けて顧客をランク付けし、「優良顧客」「既存顧客」「見込み顧客」「潜在顧客」「離脱顧客」のようにグループ分けしていく。顧客をスコアリングしてランク付けすることで、それぞれの顧客ニーズに合わせた最適な販促活動が可能になる。

オムニチャネルの構築

オムニチャネルとは、オンライン、オフラインにかかわらず、企業と顧客との接点であるチャネルをすべて統合して、総合的にアプローチをする販売戦略、経営手法のことをいう。

近年、スマートフォンやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の普及により消費者の行動が大きく変化したこともあり、ますますオムニチャネルが欠かせないものとなりつつある。

オムニチャネルに含まれるチャネルには、実店舗やEC(電子商取引)サイト、各種SNS、コーポレートサイト、メールマガジン、コールセンターなどがある。オムニチャネルを構築してあらゆる接点をシームレスにつなぐことで、顧客の利便性が高まるため、顧客体験や顧客満足度が飛躍的に向上する。

また、さまざまなチャネルから購買行動に関するデータが収集できるので、顧客の分析や最適なアプローチがかけやすくなり、購入前の離脱を防げるだろう。

POSデータを活用して売上アップ、コスト削減を

POSデータを有効活用することで、売上げの向上やコストの削減、在庫管理、顧客分析、販促活動など、さまざまな経営戦略に役立つヒントが見つかるだろう。利用する分析手法によって導き出される情報は異なるが、POSデータの分析を自動化、簡素化できるBIツールも多数提供されている。

作業効率やコスト面を重視するなら、この機にデータ分析に取り入れてみるのもよいだろう。変化しやすいニーズや消費行動に迅速に対応するためには、POSデータの分析が必要不可欠である。

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